Cェッカーズ

当時、Cェッカーズというグループが大人気だった。

 

そのため、コンサートも県民ホールで毎年2日間連続で行われた。

 

 

 

私は2年連続で3日3晩、

 

※2Daysの時は3日間滞在する

 

Cェッカーズのお付きの運転手をすることになった。

 

 

 

今はどうだか知らないが、私がバイトをしていた頃は、

 

アルバイトスタッフが歌手の運転手をすることが度々あった。

 

 

 

Cェッカーズの運転手をしていて一番面白かったのは、

 

2日目のコンサートが終了して食事も終え、

 

カラオケスナックに行った時である。

 

 

 

お付きの運転手の時は店の外で待っているのが普通なのだが、

 

優しいCェッカーズの皆さんは、

 

食事とそのカラオケスナックの時には

 

「運転手さんも一緒に店に入りましょう」と声を掛けてくれた。

 

 

 

ちなみに、有名人にくっついて食事に行くと

 

普段食べられないものが続々と出てくる上に、

 

有名人の皆さんは、食べ飽きると

 

必ず私達アルバイトに手を付けずに回してくれる。

 

 

貧乏学生には願ってもない幸運である。

 

 

 

 

カラオケスナックでは、Fミヤさんが、

 

さっきコンサートで歌ったばかりの歌を熱唱していた。

 

 

すかさず、私の隣にいたT杢さんや鶴Kさんが、

 

「キャー!カッコイー!本物みたぁーい!」

 

と茶化している。

 

 

 

当たり前じゃ。

 

 

 

こういうことばかりだと仕事としては非常に面白いのだが、

 

時にはつらい作業が待ち構えていることもある。

 

 

 

その後、メンバーはバラバラで飲み屋をウロつく。

 

 

 

 

毎年恒例行事のナンパである。

 

 

 

 

私はと言うと、宿泊先のホテルでメンバーからの電話を寝ずに待ち、

 

連絡があったらその店まで迎えに行く。

 

 

 

大抵は迎えに行ってホテルに送り届けたらそれで終わりなのだが、

 

Fミヤさんはいつも非常にモテるので

 

何もなくしてホテルに帰って来ることはない。

 

 

 

真夜中、Fミヤさんからマネージャーさんに電話連絡が入り、

 

私は夜の街へワゴン車で迎えに行く。

 

 

 

帰りの車中でFミヤさんから、

 

ホテルに着いて自分を降ろしたら、もう一度同じ店に行って

 

A子ちゃんという娘とB美ちゃんという娘がいるので

 

ホテルに連れて来るように、

 

と指示を受ける。

 

 

 

Fミヤさんをホテルに送り届けると、

 

Fミヤさんの指示どおりさっきの店に戻り、

 

A子ちゃんという娘とB美ちゃんという娘に声を掛け、

 

再びホテルに向かう。

 

 

 

A子ちゃんという娘は美人で殆ど酔っておらず、

 

B美ちゃんという娘は誰の目にもブサイク

 

ベロンベロンに酔っ払っている。

 

 

 

まずは馬から射ったまでのことである。

 

 

美人にはなぜか主導権を握りたがるブスが付き物。

 

 

 

明らかにFミヤさんの作戦であった。

 

 

 

ホテルに着くとマネージャーさんの指示が行き届いており、

 

A子ちゃんという娘だけがFミヤさんの部屋に通される。

 

 

それからマネージャーさんがFミヤさんの部屋の前に椅子を置いて腰掛け、

 

朝までそこでグッスリ。

 

 

 

中で何が行われているかは、さてさて?である。

 

 

 

ちなみにB美ちゃんという娘は私が肩を貸して、Fミヤさんの部屋の隣の、

 

私が寝る予定だった部屋に連れて行くことになった。

 

 

 

もちろん、私がどうこうするハズもない。

 

 

彼女は盛りのついた野獣の中に放り出しても安全だ。

 

 

 

 

そのB美ちゃんという娘は私のイヤな予感どおり、

 

部屋にあと一歩というところで

 

 

 

 

 

ゲロを吐いた。

 

 

 

 

そのフロアはCェッカーズのメンバーと、

 

関係者であるスタッフだけしか出入りができず、

 

ホテルの従業員でさえウロウロしないことになっていた。

 

 

 

仕方がないので私は半泣きになりながらゲロを片付けた。

 

数時間前にうまいものをたらふく食った報いである。

 

 

 

もう少しで私までバックファイヤーしそうになった。

 

 

 

翌朝、A子ちゃんという娘は何食わぬ顔でホテルから1人で帰って行く。

 

まるでB美ちゃんのことは忘れたかのように…。

 

 

女の友情とはそんなもんである。

 

 

 

 

 

 

その頃、親友に裏切られたB美ちゃん

 

 

私の寝るはずだったベッドで

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲロまみれ。

 

 

 

 

 

ある意味、甘酸っぱい青春の思い出である。