|
1・教会建設の準備期
教会の起源をお話する前に、教会建設の準備段階について確認しましょう。神様はまず教会建設の準備としてバプテスマのヨハネ(以下ヨハネ)を使わしました。ヨハネは悔い改めた人々に浸礼を施し、弟子としていました。彼は教会の礼典である浸礼と、悔い改めて浸礼を受けた人々、つまり教会員となるべき人々を用意しました。
2・教会建設
(1)イエス・キリストの公生涯中・・・キリスト主導の教会運営
悔い改め浸礼を受け、ヨハネの弟子となった人々は、ベタニアに現れたイエス様と出会い、ヨハネからイエス様の紹介を受け、イエス様と交流をもつようになります。この出来事は「ヨハネによる福音書」の1章に記録されています。そして、このヨハネの弟子達がイエス様の招きに応えて集ったその瞬間こそ教会が建設された瞬間でもありました。
教会とは「エクレシア」を語源にしています。エクレシアとは「呼び集められた会衆」を意味します。より細かなニュアンスを加えて意味を説明するならこうなります。「ある一定の資格を有する者が、ある使命を果たすために呼び集められて構成する会衆」を意味しています。すなわち、「ある一定の資格」とは、悔い改めてキリストを信じ、正しい浸礼を受けていることであり、「果たすべき使命」とは福音宣教を指しているわけです。ですから、バプテスマが存在していない前には教会は存在しなかったということは明らかになると思います。
ここで1つの質問が提出されると思います。「この岩に私の教会を建てよう」というマタイ16章18節~19節の御言をどう考えるのかと。これは簡単です。ヨハネ1章ではヨハネの弟子達がイエス様の元に集ったとき形として教会はすでに構成されていたものの、それはまだ「教会」と公に宣言されていなかっただけのことです。そしてイエス様はマタイ16章18節~19節で初めて公に宣言されたわけです。そこから正式に公開された形で教会の運営が進められることになりました。これがエルサレム教会が名実ともに公になったということです。
このエルサレム教会は、一時、危機的状況を迎えますそれは、イエスがユダヤ人議会に捕らえられ、十字架に架けられて死に、3日目に復活し弟子達の前に現れるまでの約1週間の間です。しかし、復活したイエス・キリストがマグダラのマリアを初め、女性の弟子達、11使徒、他の弟子たちに現れたとき、教会が再び動き出します。それから、イエス・キリストはマタイ28章18節~20節の有名な「大宣教命令」を教会に委ねました。また、最後の晩餐にあるように、十字架にかけられる前、イエス・キリストは12使徒を集めて晩餐を持ちました。ここに、十字架を記念する「主の晩餐式(聖餐式ともいいます。)」と呼ばれる礼典が定められました。
イエス・キリストの公生涯中に大宣教命令、バプテスマ、主の晩餐式という教会の基礎ができあがったのです。そして、教会はキリストから委ねられた権威によってこれら一切を管理し、行うようになったのです。 |