Schiff et al. (1998) Efficacy of a dentifrice containing 5% potassium nitrate and 1500 ppm sodium monofluorophosphate in a precipitated calcium carbonate base on dentinal hypersensitivity. J Clin Dent. 9. 22-25, 1998


翻訳 宮下裕志(JDPIC研究会)

要約: 象牙質知覚過敏に対し炭酸カルシウム(calcium carbonate)の沈殿物をベースに 5.0%の硝酸カリウム(potassium nitrate)と 1500ppmのモノフルオロリン酸(monofluorophosphate)を含んだ歯磨剤を 8週に渡り使用した場合と 硝酸カリウム(potassium nitrate)が含まれていないプラセボ歯磨剤を使用した場合が比較された。 40人の対象者で研究は開始され、ベースライン時の温熱的刺激(エアー)あるいは 接触時(プロービング)における知覚スコア平均に基づいて、 2つのバランスよく階層化されたグループに分けられた。
2つのグループは
硝酸カリウム入りに歯磨剤あるいは硝酸カリウムが入っていないプラセボ歯磨剤の
どちらを使用するかをランダムに割りあてられた。
2つのグループは、ベースライン時の平均温熱知覚スコア、性別、年齢に関して均一化されていた。 対象者には割り当てられた歯磨剤と市販の歯ブラシを用いて、 1日2回(朝夜)1分間歯ブラシを行なうよう指導された。 温熱刺激と接触時の知覚に関しての象牙質知覚過敏の検査は ベースライン時、4週後と8週後に行なわれた。 それぞれの検査時には同じ検査官(TS)により対象者は検査された。
割当てられた歯磨剤を4週間使用した後、 硝酸カリウム配合歯磨剤を用いた被験者群は 硝酸カリウムが入っていないプラセボ歯磨剤群と比較して 温熱刺激と接触時の知覚において統計学的に有為な改善(p<0.0001)が認められた。 したがって、この研究から炭酸カルシウムベースに5.0%の硝酸カリウムと 1500ppmのモノフルオロリン酸を含んだ歯磨剤を使用することは、 象牙質知覚過敏症状を軽減させるために臨床上効果のある方法であるといえる。


キーワード
知覚過敏治療


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