Hasselgren, G. and Reit, C. (1989) Emergency pulpotomy: pain relieving effect with and without the use of sedative dressings. J Endod 15, 254.

翻訳 宮下裕志(JDPIC研究会)

要約:
73本の急性不可逆性歯髄炎の歯牙に対し緊急の生活歯髄切断が行われた。歯冠 部歯髄が除去された後 滅菌綿球あるいは酸化亜鉛ユージノールセメントが残存した歯髄組織の上に置かれた。 綿球は乾燥のものか、camphorated phenol, cresatin, eugenol, あるいは生理食塩水で湿らせたものを使用した。 これにより生活歯髄切断の後、6種類の異なる治療グループが形成されることとなった。 全ての歯牙は酸化亜鉛ユージノールセメントで封鎖された。 質問票により、麻酔がきれた後に、また1日後、7日後、そして30日後に症状がどうなったかが記録された。 合計70人の患者において(96%)疼痛から解放されたと報告された。3人は疼痛から解放されず 抜髄治療のために再来院した。最初の治療後、全く疼痛がないと訴えた患者は1人もいなかった。 不快感を訴えた人の割合は緊急治療後1日目に11%であったが、30日後には1%まで減少した。 記録された症状については6つの治療群による差はみられなかった。 したがって、齲蝕病変の除去、生活歯髄切断、そして窩洞を封鎖することは疼痛を解 放するための明らかに信頼できる方法である。 さまざまな貼薬剤を用いることは疼痛解放のためにはあまり貢献しない。
キーワード
歯髄治療


▲On going topics へ戻る
▲目次へ戻る

Copyrights(c) 2001 Hiroshi Miyashita DDS. All rights reserved.