Author: Hammerle, C. H.; Joss, A.; Lang, N. P.(1991)
歯周病初期治療の短期間の効果(衛生的な段階)J Clin Periodontol

翻訳 宮下裕志(JDPIC研究会)

要約:
この研究の目的は、中等度から重症の歯周病患者群における非外科的歯周治療のプロービング の深さとプロービングアッタッチメントレベルへの効果を評価することであった。 中等度から重症の歯周病を持つ68人の患者が、口腔衛生指導、スケーリング、ルートプレー ニング、およびプラーク付着因子の除去を含む口腔衛生初期治療を受けた。 ベースライン検査時、および治療実施期の後、3か月から5か月時に、プラークコントロール レコード(PCR)、プロービング時の出血(BOP)、プロービングの深さとプロービングアッ タッチメントレベルの評価が、行なわれた。 個々の歯の隣接面の4部位を薄いメモリ付プローブを用いて測定し得られた。 BoP平均値はベースラインで63.2 +/- 21.9%から治療後に16.6 +/- 7.3%に減少し、PCR は78.6 +/- 16.4% から 12.7 +/- 7.1%にそれぞれ減少した。 ベースライン時の3.96 +/- 1.39 mmから治療後3.30 +/- 1.16 mmへと平均プロービングの深さは減少した。 初期のプロービングの深さが1-3mmの部位は、変化を全く示さなかった、 また初期の数値が4-6mmの部位は、1.03 +/- 1.04 mmの減少となった、 これに対し7-9mmの初期のポケットは2.28 +/- 1.62 mm減少した。 治療の結果、4.16 +/- 1.80 mmから3.74 +/- 1.71 mmへと 平均プロービングアッタッチメントレベルの増加が観察された。 初期のプロービングの深さが1-3mmの浅いグループは、プロービングアッタッチメントレベルの変化を全然示さなかった。 ベースライン数値が4-6mmのポケットは、0.69 +/- 1.43 mmの臨床的付着の獲得を示した。 最も大きい臨床的付着の獲得は1.51 +/- 1.75 mmで、7-9mmの最初に深いポケットのある部位で得られた。 この研究の結果から、中等度から重症の歯周病を持つ患者に対する非外科的歯周治療が、プロービングの深さを減少させ、 臨床的な付着レベルを改善させるための効果的な方法である、と結論付けられるであろう。
キーワード
歯周病初期治療


▲On going topics へ戻る
▲目次へ戻る

Copyrights(c) 2001 Hiroshi Miyashita DDS. All rights reserved.