根管充填の再治療
Retreatment of endodontic fillings

Gunnar Bergenholtz, Ulf Lekholm, Ralph Milthon, Gunnar Heden, Bjorn Odesjo and Bure Engstrom

Department of Endodontics and Oral Surgery, Clinic of Odontology,
University of Gothenburg, Gothenburg, Sweden

翻訳 中村英樹、落合宏頼、今井照男、宮下裕志(JDPIC研究会)


要約
この研究はすでに根管充填まで行われた660根管の根管充填の封鎖状態および根尖部の治癒に関して再根管治療による効果を評価したものである。 対象となった根管は根尖部での病的変化状態により2つのグループに分けられた。またその再根管治療は歯学部の学生によって感染のコントロールを目的とした徹底的な機械的、化学的根管の清掃が行われた。2年の経過観察後に556根管が臨床的、レントゲン的に再評価された。その結果、術前に根管充填の質に問題がある根管は再根管治療により根尖までの距離や封鎖状態という点に関しては著しく改善された。また根管充填された部位より根尖にあきらかな死腔が認められた多数の症例も治療され充填された。再治療前に根尖病変を伴う症例中、完全治癒したかもしくは病変の大きさの減少が認められたのは計78%であった。一方根管充填の状態が不適切であるがゆえに治療された症例では94%の成功であった。従って根尖部での病的状態を伴い不適切な根管充填が行われている歯牙に対して治療を施す際には、可能であれば通法での再根管治療が第一選択である。その後、経過観察中に治癒の徴候が認められない場合には根尖部での外科的処置が行われるべきであろう。

キーワード
根尖性、歯周炎、根管充填


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