ニセコ町の情報公開
柳田良造 ニセコ町へいって「情報公開条例」等の内容を聞いてきました。
平成9年 「行政手続条例」(行政手続きの公正の確保、事務の迅速化)
平成11年4月施行「情報公開条例」(行政事務の一層の透明性とプライバシーの保護)
今年度は、まちづくりの憲法「まちづくり基本条例」の策定作業をスタート。
条例制定に関するものではこういう動きがありますが、条例によってめざす実質のまちづくりは逢坂町長就任以来、5年着々と進んでいるようです。条例制定は実質の中身を制度的な枠組みとして担保するとこのようです。「情報共有」
今回の「情報」についても「公開」ではなく、目指すべきは「共有」だと。「情報公開」は求められてから、情報をだす考え方。「情報共有」はもとめられる前に用意し、あらかじめ知らせておくということ。役所の情報、能力、考え方を知りたい時にだれもが手続きなしに見られる考え方。役所言葉の追放もその一環。「具体的な例」では、
住民と行政が情報を共有し、同じ土俵(情報の質と量)の上で議論することのできる場の創設につとめている。たとえば、主要な事業については計画構想の前段階から誰もが参加でき、自由に議論できる「住民検討会議」を全ての町民に公開する中で、必要に応じて開催している。これまでの行政では行われていないこうした計画の前段階からの住民の自由参加(円卓方式)による住民検討会議を開催するにあたっては、「できるものもできなくなる」「混乱を招くばかり」など、役場内部の議論は否定的な意見が大勢を占めていた。しかし一方「役場は住民の事務局であるとの自治の基本を再確認し、住民相互の議論からはじめるべき」「一歩でも自治を進めるには、まず結果をおそれず取り組むことが大切」との意見も出され、平成7年度からの住民検討会議を開催することになった。この検討会議も当初の段階では、相対立する激しい議論もありましたが、参加者がお互いの情報を共有する中で話し合いが進められた結果、住民相互の理解が進み、活発な議論の中で住民の手による「合意形成」が着実に進む道筋が生まれた。「道の駅」の建設や「駅前地区の活性化事業」などはその成果で、町民の合意のもと進んでいるようである。
また行政主導型の施策においては、役場職員が事務局として構想を作る形が取られてきたが、このとを改革する方策として「尻別川の川とくらしを考える町民懇談会」では、事務局の大部分を住民が構成して企画運営されていて、ワークショップなどの手法をとりいれながら、全ての会議が公開されるなか、「尻別川」、「昆布川」など主要河川の将来構想づくりがおこなわれている。「情報共有」のための方策として、
・まちづくり懇談会
・まちづくりトーク
・まちづくり広聴箱
・こんにちは町長室・おばんです町長室
・まちづくり町民講座
など様々な共有の「場」づくりが行われている。
特に「もっとしりたい今年の仕事」(平成11年度の予算説明書)では、町の予算の中身がすべてわかる内容で、全戸配布されている。「ニセコ町のまちづくりの基本の原則」の3つの目標
−住むことが誇りに思えるまちづくりーをテーマに
「町民と行政の情報の共有」
「行政の透明性の確保」
「住民主体の町政の実現」、3つを目標としてきた。
こういうまちづくりの原則(これは実質的に実行されている)を、「基本的なルールとして担保するもの」が平成13年からの施行を予定している「まちづくり基本条例」のようです。地方分権法案が今国会で通過し、来年から地方分権が実質的にはじまります。自治体は自己責任でまちづくりをすすめる必要が生まれているですが、ニセコ町の取り組みはその先陣をきっているという実感をもちました。
私の理解不足の面もあるかもしれません、おおよそこんな内容でした。「もっとしりたい今年の仕事」、「ニセコ町情報公開条例の概要」などの資料をいただいてきましたので、もうすこし知りたい方、いらっしゃいましたら、柳田までご連絡ください。