アメリカの参加型まちづくり


980707 柳田良造

●1960年代までのアメリカ近代都市計画の特徴と到達点
1)持てる者の財産権の保全
2)狭域性(広域的調整の無視)
3)ゾーニング優先
4)物的性格(社会的・経済的問題の無視)
5)都市計画過程の閉鎖性
●60年以降の現代都市計画の特徴と到達点
1)環境規制の導入などに見られる財産権制約の強化
2)州政府の成長管理政策などに見られる広域的視点の導入  
3)マスタープランの成熟とゾーニングへの優越
4)社会的・経済的視点の導入と社会的公正の重視
5)都市計画過程の透明化と住民参加の拡大

●1960年代以降の現代都市計画
現代都市計画への胎動は、様々な市民運動、住民運動が燃え上がった「社会革命」の時代、60年代末から70年代に開始された。
                   (大野輝之「現代アメリカ都市計画」より)
1958「豊かな世界」(ジョン・ガルブレイス)

1)1960年代〜1970年代
公民権運動と環境運動
<1>「都市の危機」と公民権運動
1962「もう一つのアメリカ」(ミカエル・ハリントン)
・貧困問題
・都市スラム
●アドヴォケイトプランニング
<2>「環境の危機」と自然保護運動
1962「沈黙の春」(レイチェル・カーソン)
・公害問題
・自然保護
1969連邦環境政策法(NEPA)
1973土地の利用(THE USE OF LAND)
●土地利用規制の静かな革命
土地についての新た概念(土地は商品→土地は資源、それも有限な資源)

1964「おそるべき公害」(庄司光・宮本憲一) 

2)1980年代〜
<1>参加とパートナーシップ
●市民まちづくり
 ・参加から市民主体へ
 ・CDCs(コミュニティ開発法人)などのまちづくりNPOの活動
●大都市の中心市街地の再生
●・アフォーダブル住宅の供給
 ・リンケージとインクルージョナリーゾーニング
 ・SRO住居
<2>成長管理政策
●環境保全から生活の質
 ・自然環境の保全
 ・交通混雑を中心とする都市基盤への負荷の軽減
 ・スプロールの防止(都市開発地域と保全地域の区分)
 ・アフォーダブル住宅の供給
 ・経済衰退地域における開発の促進
●総合計画としての都市の成長管理
 ・1982ニューヨークミッドタウンゾーニング
 ・1984サンフランシスコダウンタウンプラン
 ・1987ボストン成長管理計画

<3>市民まちづくりを支える社会的背景
 ・都市計画決定における地方自体の権限の確立
 ・都市計画制度上での市民参加がシステム化した
 ・都市計画決定に関わる主体とその役割が明解で、意志決定のプロセスが分かりやすい
 ・まちの計画が、自分たち市民の生活に密接な影響を与えるという一般認識が高い
 ・住民意識として、自分たちが動けばまちが変わるという民主主義への信頼がある

3)ケーススタディ
●ニューヨーク/ペンヤード開発
 ・市民はどこまで巨大開発にかかわれるか
●ボストン/ダッドリーストリート・ネイバーフッド・イニシィアティブ
 ・市民自治のコミュニティ再生