街並み外観

バーベキューの集まり


中庭で遊ぶ子供達

吹き抜けの子供達
 札幌市北区郊外のあいの里地区の一角。総面積3,300F(1,000坪)の土地に14戸の戸建てタイプの住宅からなっているこのコーポラティブ住宅は、1995年から3期をかけ、順次4、5軒ずつ建てられ、1997年末に全戸が完成しました。
 「北海道の風土にふさわしい住宅群をつくる」ことを大きなテーマとし、冬の除雪が楽にできるように、日当りがよくなるように、夏の緑が豊かになるように、ちょっとかっこよくて美しい町並みとなるように・・・と願って、土地の利用のしかたや建物の配置、デザインにいろいろな工夫をこらしています。 住宅は各住戸の入居者の希望を取り入れ、外観やインテリアはそれぞれに個性的なデザインがほどこされています。中には、手作りパンの工場とお店、染織のアトリエと教室を併設した家もあり、いろいろな人との交流の機会の窓が開かれています。一方で、屋根の勾配を一定にすることや、外壁の材料や色を数種類にすることなどをルールとして取り決めたので、それぞれの住宅の個性が際だちながらも、全体の家並みにはまとまりがあります。

5年たって住宅よりも大きくなったポプラの木

 共同で戸建て住宅を建てることの利点をいかして緑豊かな環境をつくろうということで、全体の土地のほぼまん中に200F余の共有地を確保すると共に、各戸の敷地から一定規模の土地を拠出し、住民みんなが使える700〜800Fの共同の庭をつくることにしました。各戸の敷地と共同の庭との境界には、塀や柵などを設置しないことにしたので、それぞれの住宅に大きな庭があるように見えます。それぞれの家からすぐに共同の庭へ出られるように、庭に面する場所には、1階にはテラスを、2階にはバルコニーを設けました。今では互いの家を行き来する近道ともなり、子供が安心して遊ぶ場所でもあり、バーベキューパーティーの格好の場所ともなっています。将来はここに大木や実のなる木が繁り、ハーブや花が咲き乱れ、いろいろな鳥や虫たちがやってくることでしょう。
 それぞれの住宅から共同庭として捻出する敷地の大きさは、「畑をつくりたいので広い庭がほしい」とか、「管理が面倒なので小さい庭でよい」などという要望に応じて、150F台から300F台までさまざまです。

 入居者は、30代から60代までの世帯が混じりあっているので、下はよちよち歩きの幼児から、上は米寿を過ぎたお年寄りまで、幅広い年齢の人たちがここで暮らしています。親子2世帯で参加している1組の住民以外はみな赤の他人でしたが、家を建てる前に何十回となく話し合いの場を開き、顔を合わせていたので、入居する頃にはすっかり仲間のようになっていました。今では、幼児と小学生、中学生の子供達が家のまわりで一緒に遊んでいる姿をよく見かけます。
 また、時には4,50人の大人数でバーベキューやクリスマスのパーティーを開き、子供も大人も、男の人も女の人もお年寄りもみんな一緒になって楽しんだりするのです。