TOMOHOKO OGAWA

小川智彦

Tomohiko Ogawa


Tomohiko Ogawa

小川智彦作品展

1995年7月29日(土)〜8月10日(木)





古い遺跡から発掘されたものを見るとき、僕たちはそのひび割れた表面に過去を感じている。もちろんそれは出来たときからひび割れていたはずはない。僕たちはそれが現在にいたるまでにできたシミやひび割れひとつひとつに、過去のドラマを勝手に想像してしまうのだ。そして絶対に戻ってみることのできない過去の世界に対して、ため息をもらしてしまうかもしれない。小川智彦の創造源は、そんな狂おしいほどの過去への想いでもある。

 小川智彦は木やテラコッタなどで彫刻作品を創る作家だが、そういった説明はここでは必要ない。彼がつくる作品は「もの」であり、そのものに深いドラマやイメージが封じ込められている。そこからは、見る人ひとりひとりの想像がふくらむことによって、どこまでも成長していくのだ。[Chibashi:PRAHA]