小説版あらすじ



第四巻

 慰問団を結成した藤那、志野達は、狗根国兵の兵舎を訪れ、半裸で歌い、踊る。うまい食事と酒と艶かしい踊りに徐々に興奮する狗根国兵達。極めつけに裸の胸をさらした踊り子達に興奮が頂点に達した男達は、眠り薬入りの酒をふりかけられた藤那と忌瀬に殺到、薬を舐めて全員眠ってしまう。
 そこで耶麻台国の幟を持参し、豪華な衣装を身にまとい、それまでとは雲泥の気品と威風を見せる藤那。驚く志野達に、藤那は自分が耶麻台国の王族で、火魅子の資質を持つことを明かしたのだった。民衆の前で演説を行い、ついに当麻の街掌握に成功した彼女らは、耶麻台国再興軍を名乗り兵を募った。そして復興軍と合流するため、また志野の一座の座長を殺した、現在当麻の街の軍部隊長をしている多李敷に仇討ちをするために、出撃した。

 そのころ、伊尾木が原に展開していた復興軍本隊は、敵の先行部隊が通り過ぎるのを待ち、分断を狙っていた。釣りは成功、野伏せのほうもうまくいくはずだった。しかし、戦闘経験のない兵が耐え切れず、命令を無視して飛び出したため奇襲は失敗してしまう。元々兵の質に差がある上、態勢を整えた狗根国兵に対峙するはめになった復興軍は、最悪の事態に陥りつつあった。
 その絶望的な状況、絶好のタイミングで只深の物資によって兵装を整えた九峪親衛隊と、紅玉、香蘭親子、伊部という一騎当千の強者が援軍に到着する。これにより戦況は一変、復興軍はかろうじて勝利をおさめたのだった。

 一方、怪我をして意識のない伊万里を連れ去った深川達は、人を操る時に使い、後に宿主を殺してしまう蟲・尸操虫(しそうちゅう)を伊万里に飲ませ、神の遣い・九峪を殺すように暗示をかける。

 伊万里・星華・藤那・只深・香蘭・志野。6人の火魅子候補は、今揃おうとしていた。

 4巻には九峪と伊万里と上乃の、温泉探索中でのひとときを書いた「火魅子伝外伝・現代にないもの」も収録。