小説版あらすじ



第一巻

 九州、佐賀県の耶牟原遺跡。
 高校生・九峪雅比古は、ガールフレンドの姫島日魅子と共に訪れたここで、珍しい銅鏡が発見されたニュースを聞く。
 その夜、様子のおかしい日魅子と共に鏡の前まで来た彼は、鏡から不思議な光が出現し、日魅子が吸い込まれていくという異常事態に、とっさに日魅子を突き飛ばした。
 そして目覚めた彼の目の前には、異世界の九洲・耶麻台国の神器・銅鏡「天魔鏡」の精であるキョウが浮かんでいた。

 神器の精・キョウによれば九峪は、15年前に滅亡した耶麻台国を復興し、女王「火魅子」を擁立しなければ、元の世界に帰れない。仕方なく彼は「神の遣い」を名乗り、九洲を現在支配している狗根国と、戦うことを決意する。

 九峪がこの世界に現れたのと同じ頃、山人の伊万里、上乃、仁清は狩りの最中に、巨大な鳥のようなものが空を飛行しているのを発見し、追跡を開始する。
 その正体は耶麻台国の王族で火魅子の資質を持つ星華と、彼女に仕える宗像3姉妹が操る飛空挺。九洲の民が囚われ、狗根国兵に護送されているらしいのを見つけ、助けに行く所だった。しかしその囚人は、耶麻台国の残党をおびき出すためのオトリで、4人は捕らえられてしまう。
 そして4人は、自分たちの隠れ家である廃棄神社への案内を余儀なくされたが、そこは九峪が休んでいる場所でもあった。
 さらに、元耶麻台国副王・伊雅と彼に仕える乱破・清瑞もまた、天魔鏡に反応した耶麻台国の神器・蒼竜玉に導かれ、九峪の元へ──

 期せずして、一挙に同じ時、同じ場所に集った彼ら。ここに、耶麻台国復興に向けての戦いが始まる。




第二巻

 耶麻台国復興軍の総司令官に祭り上げられた九峪。彼と伊万里、星華の二人の火魅子候補という強力な旗印の元に、狗根国の圧政に苦しむ九洲の人々は続々と集結し始めていた。
 狗根国兵のいない小さな砦や村も落とし、着実に成長する復興軍だったが、そこに武器防具の不足という大きな課題が浮上する。拠点の確保のためにも、狗根国兵が駐留する城郭都市・当麻の街の攻略を迫られた復興軍は、九峪の提案した釣り野伏せ作戦で攻撃をかけることを決定した。

 そのころ商人の只深と伊部、それに彼女たちと行動を共にしていた大陸出身の格闘家、香蘭と紅玉は、東火向近くの山村で魔人が率いる狗根国の部隊と遭遇。倒したものの、只深は拷問で重傷を負ってしまう。
 そして仙族の血も引く火魅子候補、藤那とその乳兄弟の閑谷達もまた、復興軍に合流する前に襲った狗根国の砦で、狗根国人を全員食い殺した魔人と対峙していた。

 それは九洲狗根国軍の本拠地、征西都督府に本国から派遣された左道士監・蛇渇が大勢の魔人を召還したのが原因だったのだが・・・その魔人達を支配下に置くことに成功した、狗根国四天王の1人・天目は一方で部下の忌瀬に、耶麻台国側への手助けを命じていた。

 様々な思惑絡む中、当麻の街を奪うため、釣り野伏せ作戦を遂行する復興軍と、駐留する狗根国軍の戦が始まった。



第三巻

 当麻の街の乗っ取りを計画した藤那達は、街中に潜入するために、街外で興行を打っていた旅芸人一座に紛れ込もうと思いつく。旅芸人一座の座長は志野という剣舞を舞う踊り子だった。
 そして街内に入った一座が留主へ御前興行をした夜、藤那は志野と珠洲が密かに宮殿へ潜入した所を目撃。翌朝そのことを問いただそうとして刀を突きつけられた彼女は、思い切って当麻の街乗っ取りに協力してくれるよう、申し出る。
 申し出を受けた志野たちは慰問団で兵舎を訪れ、眠り薬入りの酒を飲ませるという計画をたて、動き出した。

 一方、戦場から離れたところで待機していた九峪と親衛隊の元には、只深の商隊が到着、謁見を求めてきた。武器防具を満載してきた彼らの協力により、兵装を充実させた親衛隊は、戦場の皆を援護するべく進撃を開始した。
 その戦場で囮部隊を率いているのは伊万里と亜衣。互いに話すことで少し打ち解けた二人は、翌朝始まるであろう戦いにむけ、決意を新たにする。そして朝、戦闘が始まり、自分という火魅子候補の存在を誇示することで自ら餌となった伊万里の元に、狗根国兵が殺到する。
 大怪我をして森の中に身を潜めた彼女を、深川の部隊が発見した・・・