陰陽五行思想



火魅子伝、特に小説版では、いろいろなところに、陰陽五行思想(陰陽五行説)に基づく記述が出てきます。ここではその陰陽五行思想とはどういうものなのか、について、簡単に解説しましょう。・・・あくまで簡単に、です。もっと深く知りたい方は、ご自分で調べてみてください、頭が花畑になりますから(爆)


陰陽思想

 陰陽五行思想とは、陰陽思想と五行思想が合体したもののことを言います。

 で、陰陽思想とは、簡単に言えば、世界は混沌から陽、と陰の2つに分かれたものである、という思想です。そして同じ「混沌」から生まれたものであるゆえに、二つは完全に相反するものではなく、相対的な関係にあります。
 つまり、陰陽は互いに対立するものではあるけれども、隣同士で少し混じりあった部分もあるから、ある時点では陽が陰になり、陰が陽になったりする。そうやって互いに行き来し、交代、消長をくりかえしているものだということですね。・・・ああもうすでになんだか難しいことになってる(涙)


大極図

 こういうのを「大極図(たいきょくず)」といい、陰陽の循環を表す図です。白が陽、黒が陰。
 白の中にも黒、黒の中にも白がありますね?この図と合わせて考えてみれば、多少は理解していただけるのではないかと思います。万物はそれが置かれている状況、たとえば時間などの要因によって、陽にも陰にもなる、ということなのです。
 光は時間が昼間(陽)だとまったく目立たない(陰)ですけど、時間が夜(陰)になって暗くなれば、輝く(陽)になりますね。これが陽にも陰にもなる、という意味です。

 ちなみに、陽の定義は能動的、攻撃的、昇進的(積極的)なもの。男、太陽、天、剛、火、春夏、表、日中、吉、善、精神、人間など。
 陰の定義は受動的、防衛的、沈静的なもの。女、月、地、柔、水、秋冬、裏、夜間、凶、悪、肉体、妖怪など、です。

 これらは表裏一体。昼と夜は一日に必ずやってくるし、男だけ、女だけでは世界は成り立たない。またあるときは善であっても、いつ悪になるか分からない。事物は全て、相反する2つで一対になることで出来ていて、どちらかが欠けては壊れてしまう。
 そして、万物には人間や国なども含まれます。時間が経過したり、形勢が変わると、陽(吉)であったものも、陰(凶)になることがある。それらの変化を見極め、より良い方向に導こうというのが、陰陽思想を基にした占いの原点かと思います。


陰陽五行思想

 陰陽五行思想とは、万物万象は「木・火・土・金・水」の5つの元素で出来ているという五行思想を、陰陽思想に組み入れたものです。

 では、それぞれの五行の性質、キーワードについて少しまとめてみましょう。

・・・天に向かって成長する樹木。
    本性は「曲直」。曲がったり真っ直ぐになりながらも進む。
    木星(歳星)、東、春、朝、竜など。気は生気。
    月は1,2,3月。色は青。数は3,8。
    守護神は蒼龍(青龍)。

・・・全てを燃やす躍動の火。
    本性は「炎上」。燃え上がり、天に至る。
    火星(螢惑星)、南、夏、昼、鳳凰など。気は旺気。
    月は4,5,6月。色は赤。数は2,7。
    守護神は朱雀。

・・・万物を育て守る土。
    本性は「稼穡(かしょく)」。種を実らせる。
    中央、中間に位置し、他4つの属性全てを持つ。受け入れ、育み、包蔵するもの。
    星は土星(填星)。色は黄。数は5、10。
    人が中心なので守護神はなし。黄龍をあてることもあるようです。

・・・固い金属、鉱物。
    本性は「従革」。形を変え色々なものになる。
    金星(太白星)、西、秋、夕方、麒麟など。気は老気。
    月は7,8,9月。色は白。数は4,9。
    守護神は白虎。

・・・命の泉を象徴する水。
    本性は「潤下(じゅんか)」。地を潤した後、下方へと流れ、暗く冷たい低いところに集まる。
    水星(辰星)、北、冬、夜、亀など。気は死気。
    月は10、11,12月。色は黒。数は1、6。
    守護神は玄武。

 こんな感じですね。なお、月は旧暦です。
 万物を全て五行に当てはめて考えるのを、五行配当といいます。

 龍といえば水、玄武といえば土、というイメージもありますが、実は違うんですね〜。なので火魅子伝のゲームで、青竜が水系術の上位に来たりしてるのは、本当は違うんですけど・・・ま、細かいことは言いっこなし、ってことで。
 にしても、蒼龍(青龍)が水のイメージになったのは、川や海に棲むといわれる龍ですし、「龍神」は水気のようなので、混合するのも無理はないと思うんですが。
 玄武が土のイメージになった理由がよく分からないんですよ。甲羅から岩が想起されるからでしょうかね?


相生(そうしょう)と相剋(そうこく)

 さて、この陰陽五行思想で重要なのが、相生と相剋の関係でしょうね。


                    



これは、この相生、相剋の関係を図にしたものです。五行の相関図だと思ってください。

 外側の円は、時計回りで、相生の関係を指しています。相生とは、生み出す関係とでもいいましょうか。木は、燃えることで火を生み、火は燃えて灰(土)を生み、土の中からは金属が掘り出され、金属のまわりには水滴が付き、水は木を育てるといった感じです。
 逆時計回りは、逆相生。生み出される関係ですね。木は水があってこそ育つ。水は金(固形物)がなければ存在できない。そして金は土がなければ作られないし、土は灰がなければ出来ず、火は木のように燃えるものがなければ生まれない、といった風にです。

 そして円の内側の、五芒星を描いている図形。
 木→土→水→火→金→木という順序を相剋と呼びます。
 木は土の栄養を取り、根を張って締め付ける。土は水をせき止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を切ってしまう。苦しめ、殺す関係ということになります。
 で、逆順序の関係を逆相剋というようです。力を削られる関係とでも言いましょうか・・・
 木は金の力を削り、やがて切れなくしてしまう。金は火の勢いを殺し、火は水を蒸発させて消し、水は土をえぐり、固い岩は木を阻もうとする、というような感じでしょうか。

 つまり相剋関係だからと言って、必ずしもいいってわけじゃないんですよ。相剋の方が強いけど、相手を苦しめれば(剋すれば)当然反発に合う、ということです。相手が大きければ優位でも分からない。焼け石に水、ってことわざもあるじゃないですか(ちょっと違う気もするけど)

 また木は、火を生み、燃やされれば土になる代わりに滅びてしまう。金によって切られた木も、様々な道具として再生する。こんな感じで、相生の中にも相剋が、相剋の中にも相生があったりします。

 ホンットにややこしいですが、とまあ、こんな相関図が出来るわけです。
 ちなみに、同じ属性同士は、特に影響を与え合わないので、相性はまあまあいい方だと言えるでしょう。

 五行もまた相生、相剋によって循環し、交代、消長を繰り返すのです。


五行の陰陽

五行にも陰陽があります。木は陽中の陰、火は陽中の陽、土は陰陽半々、金は陰中の陽、水は陰中の陰です。


十干

で、この五行をさ〜ら〜に、陰陽で分けて、10の区分にしたのが十干(じゅっかん)です。栄枯盛衰の段階を表したりもします。陽が兄(え)、陰が弟(と)です。

木の陽・・・甲(きのえ)。大樹。ヨロイの意。種が殻を破って発芽しようとする状態。
木の陰・・・乙(きのと)。潅木(かんぼく)。軋るの意。幼芽が伸びはじめた屈曲の状態。
火の陽・・・丙(ひのえ)。太陽の光熱。炳(あき)らかの意。草木が伸長して形態がはっきりした状態
火の陰・・・丁(ひのと)。ろうそくの火。壮の意。草木の形態が充実した状態。
土の陽・・・戊(つちのえ)。山の土。茂るの意。草木が繁茂してきた状態。
土の陰・・・己(つちのと)。田畑の土。紀の意。草木が盛大になり、その条理の整った状態。
金の陽・・・庚(かのえ)。剛金(鍛えられ形を変える)。更まるの意。草木が成熟し尽くし、改まろうとする状態。
金の陰・・・辛(かのと)。柔金(磨かれ光る)。新の意。草木が枯死し、新しくなろうとする状態。
水の陽・・・壬(みずのえ)。海洋、大河の水。妊の意。種の内部に新しいものが生じる状態。
水の陰・・・癸(みずのと)。水滴、雨露。揆るの意。種の内部の新しいものが、計れる位になった状態。


十二支

 これにも五行があてはめられているのは、火魅子伝でも出てますね。
 簡単に言えば「木」は寅・卯・辰、「火」は巳・午・未、「金」は申・酉・戌・「水」は亥・子・丑になります。
 「土」は4つの属性全てを持つということから、中央に配置し、特定の十二支を付けない場合が多いようです。火魅子伝的解釈もこれのようですね。ちなみに「土」を入れた場合は辰・未・戌・丑、がこれになります。
 ついでに正位とかの言葉もでていたから、これも紹介しておきましょう。

 「木」の正位は卯。真東に位置します。始まりは寅(東北東)、終わりは辰(東南東)
 「火」の正位は午。真南に位置します。始まりは巳(南南東)、終わりは未(南南西)
 「金」の正位は酉。真西に位置します。始まりは申(西南西)、終わりは戌(西北西)
 「水」の正位は子。真北に位置します。始まりは亥(北北西)、終わりは丑(北北東)

 で、子・寅・辰・申・午・戌は陽、残りは陰です。



・・・こんなものでしょうか。これでもかなり、なぜなにどうしてを省いて、分かりやすくしたつもりなんですが、それでもややこしいかも・・・基がそうなのでどうしようもないです(汗)
 他にも八卦とか暦とか、陰陽五行説を基にしたものはありますが、そこまで説明する気力はないです(−−;)さらに難しいし。
 間違ってる部分があったら、教えてください。


 まあ、こうやって見ると、耶麻台国はとことん陽で、狗根国はとことん陰だってことが分かると思います。最後の十二支の陰陽だけ逆ですけど、水自体が陰ですし。

 最も陽が強い、火の耶麻台国と、最も陰が強い、水の狗根国。対立しないわけがない(^^;