〜約束のために〜



作・葵様


八話 戦闘


「まだか!?貴様達の隠れ家とやらは?」
 苛ついた口調で長い黒髪を揺らしながら詰問する女。
「もう少しで見えてくる!」
 怒鳴り返すのは宗像姉妹の長女亜衣だ、隣には他の三人も並んでいる。
 亜衣と星華の身体には方封札と呼ばれる方術を減殺する札が何枚もはられている。格闘系の衣緒は全身に鎖と重石をつけられている。何故か羽江にいたっては猿ぐつわまで噛まされている。
「深川様!」
「何だ?何か見つかったのか?」
 どうやら先ほどの女性は深川というらしい、指揮官らしく周りに指示している。
「確かこの辺りは 、蛇渇様が耶麻台国縁者の里を襲撃した際逃げおおせた者が居るので注意せよ、と通達のあった場所では・・・?」
「ふん・・・あんなジジイの言う事なんぞしるか!」
 部下の言葉に露骨に顔をゆがめる、蛇渇という人物を相当嫌っているのが分かる。
「そんな事はどうでも良い!さっさと行け!」
「は・はっ!」
 怒鳴り付けられた兵士は慌てて走り出す。
「ふんっ!部下にあたるとは・・・情けないな」
 その様子を見ていた亜衣が鼻で笑ってそんな事を言った。
(亜衣姉様ったらいちいちそんな挑発しなくても、凄い睨んでるじゃない)
 横では次女の衣緒が心配そうに見ている。案の定深川は亜衣の挑発を受けてこちらに近づいてきた。
「何だぁ、貴様何か言ったかぁ?」
「ふん・・さあな、なんのことだ?」
 亜衣の目の前に立ちにやりと笑い見下ろす深川、それに対し亜衣も負けじと挑発的に笑うとそう言った。
「・・・貴様、その態度いずれ後悔させてやるからな、覚悟しろ」
「深川様!」
 亜衣を見下ろしながら言いかけた深川に、先ほどの部下が声をかけた。
「今度は何だ!」
「あれを!」
「ん?・・・なんだあいつは?」
 深川達から少し離れた位置に見たこともない服を着た男が一人で立っていた。
「こんにちは・・・調子はどうだい?狗根国兵さん」
 そう言って不敵に笑った男は、片手に黒塗りの鞘を持った九峪であった。

 時間は少しさかのぼる。 
「俺の考えた作戦は簡単・・・一人が先回りして連中の注意を引く、んで連中が星華さんたちから離れた隙を突いて彼女達を助けてそのまま逃げる。目的は彼女達を助けることだから敵兵は気にしなくてもいいと思う」
 狗根国兵たちに追い付いてすぐ九峪はそう言った。
「下手に連中に構ったせいで彼女たちに何かあったら意味が無いからな」
 伊万里、伊雅、清瑞の三人を見渡しながらそう言う。
「それで、囮は誰がやるんですか?」
「・・・私がやろう」
 伊万里の言葉に清瑞が答える。
「うむ、それが良いだろう、清瑞なら適任だ!」
「はい、それでは・・・」
 清瑞が先回りしようと走り出そうとした、その時
「待った!」
 突然、九峪が待ったを掛けた。
「何だ?」
「囮の役、俺がやりたいんだけど・・・」
 睨むように見つめる清瑞に、遠慮がちにそう言う九峪
「どうしてです九峪さん?」
「そうだ、清瑞は腕が立つ、失敗なら心配無用だ」
「・・・・」
 二人が不思議そうに聞く中、清瑞は黙って睨み続ける。その視線は
(貴様、何のつもりだ?)
 そう言っていた。
 しかし九峪はその視線を無視して二人の質問に答えた。
「いや・・・深い理由は無いんだけど、囮のほうが俺としては楽だからさ」
「「はぁ?」」
 伊万里と伊雅は同じような顔をして不思議がっていた、清瑞も理解不能といった様子だ。
 普通に考えて囮のほうが難しいに決まっている、その上命の危険も多い。むしろ囮よりも伏兵の方が安全だ。無論危険といったら伏兵もなのだが。
「ほら・・彼女達を助けるとなると、周りの連中を始末しなきゃいけないだろ?それがさ・・・」
「ああ・・・なるほど」
 少し落ち込んだように言う九峪、その様子に伊雅も納得したように頷く。
「まぁ、慣れない内は人を斬るのは怖いものだからな」
「・・・まぁそんな所」
 頬を掻きながら苦笑いで答える九峪。
「それでは伊雅様・・・」
「仕方あるまい・・星華様の身に何かあってからでは遅いからな、囮役は九峪殿にやってもらおう」
 その言葉に頭を下げる九峪。
「しかし、九峪殿の考えは囮が失敗してしまった時点で意味を成さなくなる、失敗は」
「しないって!解ってるよ伊雅さん、それに俺の格好なら注意を引くのに持ってこいだろ?」
 自信満々に笑みを浮かべた九峪は、合流場所を決めた後に走り出した。

 そして時間は戻る。
「こんにちは・・・調子はどうだい?狗根国兵さん」
 不敵な笑みを浮かべ軽口を言う九峪。
「・・・貴様何者だ?こいつらの仲間か?」
 兵達の先頭に出てきた深川が星華たちを指差しながら言う。
「まぁ、そんなとこかな、狗根国の左道士深川さん」
「ほう・・・私を知っているのか」
「あんたの術は質が悪いからね」
 にんまりと笑う深川。
「例えば何だ?」
「そうだな・・・死走傀儡って左道、あれは酷いな・・敵にも味方にも」
 頭の中に術の効果と同時に術の映像が過ぎる。ゾンビの様に蠢く狗根国兵、それを絶望的な表情で切りつけている兵士たち、内臓を引き摺りながら歩き続ける狗根国兵。その表情は悲しみに取り付かれている。
「驚いたな、あれを知っているのか!」
「それと・・・あの蟲を使うやつ、あんたホント性格悪いな」
 九峪の言葉に深川の表情が驚きに変わった。
「なっ!?何故それを知っている!あれは私しか知らないはずだぞ!」
(食いついた!あともう少しだな・・・)
 深川のリアクションに囮役としての手応えを感じた九峪。今までの会話は深川の意識を九峪に向けるための布石だった。
「さぁな・・・知りたきゃ力ずくでやってみな?」
「・・・・」
 九峪の挑発に無言で答える深川、乗ってくると思っていた九峪は内心少し焦った。
(以外に冷静だな・・・気位が高そうなこいつに効きそうなのは・・・)
 不敵な笑みの下で九峪の頭はフル回転していた。
「そうそう・・・さっきの作戦だけどお粗末も良いもんだな」
「なにぃ?私の作戦のどこがお粗末だというのだ!?」
 怒りのこもった声を上げる深川に満足しながら九峪は続ける。
「だってさ、アンタ以外に指揮官級の人間が居ないじゃないか!それじゃあ伏兵がいるの簡単に解っちまうぜ?」
「あっ!?そうか!」
 それまで黙っていた亜衣が声を上げた、九峪の言葉を理解できなかった星華が亜衣の方を向いた。
「どう言う事なの亜衣?私達にも説明してくれない?」
「・・・星華様、解らないんですか?」
 心底がっかりした声で聞き返す亜衣、それに憤慨した星華。
「ふん!私は亜衣みたいに軍略については詳しくないんだから仕方ないでしょ!まぁもっとも・・・」
 ちらりと亜衣の腹部の辺りを見る。
「そのせいで、お腹が弛むなんて事は無いのですけど・・」
「なっ!?」
 亜衣の表情が一変する。
「いくら頭が良くても三段腹じゃ女性として問題あるわよ?」
 亜衣の表情が気に入ったのか、したり顔で続ける。
「な・それを言ったら星華様はたれ乳じゃないですか、そっちのが問題あると思いますよ!」
「グッ・・・亜衣ぃ、言うに事欠いてそれぇ?第一私のどこかたれ乳だって言うのよ!?」
 亜衣の放ったカウンターに怯みながら叫ぶ。
「星華様だって私のどこが三段腹・・」「ほら見なさい私の綺麗なお胸を・・」
 自分達の置かれた状況をすっかり忘れ罵り合う二人、そんな二人を九峪は呆れて、狗根国兵は星華の胸を食い入るように見つめながら、深川は怒りに肩を振るわせながら見つめている。
(二人ともこんな所で口げんかしなくてもいいのに、あっ!あの女が睨んでる!止めなきゃ何されるかわからない)
「あのお姉様も星華様もその辺りで・・・」
 深川の様子に気付いた衣緒が止めに入る、しかし
「五月蝿い!貧乳筋肉娘は黙ってろ」
「そうです、悔しかったら肩がこるくらい胸を育てなさい」
「なっ!?二人ともそういうこと言いますか!?」
 こうして衣緒を含めた三人の口げんかに拡大された。
「ふぐぅ〜」
 その隣では、猿ぐつわをされた羽江が肩をすくめている。
「星華様のお胸は今は立派な巨乳です、でもあと二・三年もしたら・・・」
「衣緒の筋肉じゃあ、好きな男も抱きしめられんだろうなぁ、熊ですら絞め殺してしまいそうだもんな」
「亜衣のお腹の脂肪は確実に摘めますわ、こんな状況で無ければ試してあげるのに・・・」
 口げんかを続ける三人に深川が歩み寄る。
「貴様ら・・・」
「あっ!?お姉様そんなこと言うんですか!?」
「星華様!言って良い事と悪い事がありますよ!」
「衣緒、あなた王家の者になんて口を・・・」
 何かを言いかけた深川を遮り三人の口げんかは続く。
「星華様・・・」「亜衣ったら・・・」「衣緒、お前という奴は・・・」
 もはや、誰が誰に言っているのか解らなくなっている、そんな三人についに深川の我慢は爆発した。
「キサマラァ!!!いい加減にしろ!!!」
「「「わぁ!?」」」
 深川の怒声に三人も話すのをやめた。
「お前達は捕虜なんだぞ!立場を理解しろ!」
 息を荒くしながら深川は叫ぶ
(えっと・・・どうしたら話戻せるんだろう・・・?)
 それを見ながら九峪は途方にくれていた。
 九峪が見ている中で、深川は三人に向かって何か言い続けている
「・・・貴様らの口げんかなんぞ聞きたくも無い!お前達!こいつらにも猿ぐつわをしておけ!」
「はっ!」
 深川の言葉に狗根国兵は迅速に反応する。
(・・・意外と兵の統率は執れてるみたいだな、意外と手ごわい?)
 そこまで考えてはっとする、それと同時に自戒する。
(俺は戦いに来たんじゃないだろ!何考えてんだ!)
「おい・結局貴様は何がしたいんだ!?」
 考え込んでいる九峪に深川は問いかける
(さて・・・どうしたもんかね?なんか落ち着いちゃってるし・・・)
 星華たちを怒鳴りつけて深川は冷静さを取り戻してしまっている、もう先ほどの挑発は通じないだろう。
「おい!貴様止まれ!」
「ん?」
 考え込んでいるうちに、九峪の身体は深川に向かって歩き出していたらしく、気がつくと十メートルほどの距離まで近づいていた。
 深川との距離を見て九峪の作戦は決まった。
「まぁいいか・・・注意を引くのが目的なんだしな」
「なにぃ?貴様何をぶつぶつ言っている!?」 
 意識的に抑えた声で呟いた言葉に深川が反応する
「別に・・・何でもない・ぜっ!」
 それまでのゆったりとした口調とは一変、いきなり走り出した九峪は深川との距離を一気に縮めた。
「なっ!」
 慌てたのは深川だ、九峪の唐突さに着いていけず硬直してしまっている。
「深川様!」「お下がりを奴は我々が!」
 結局反応したのは近くに居た部下であった、その言葉にはっとした深川は急いで後ろに引き下がった。
「う・うむ!奴を切り裂いてしまえ!」
「「はっ!」」
 九峪は深川の言葉に頷いた二人の内右側の方に向かった。
「この下郎が!!」
 九峪に向かって振り降ろされる剣、九峪はそれを急ブレーキをかけて回避した。
 ガギッ
 いやな音と共に剣は地面を削った。
 慌てて引き戻そうとする男、しかし、殺しきれなかった勢いを利用して九峪がそれを踏みつけた!
「なっ!?」
 驚きで硬直してしまう男、その隙を九峪は見逃さなかった。
「ハッ!」
 九峪の右足が弧を描きながら男の顔面を襲った。
「がっ!?」
 見事な回し蹴りに男の身体は宙を舞った。
「おのれぇ!!!」
 仲間の姿に激昂した片割れが怒声と共に剣を真横に薙ぎ払った。
 殺った。
 男はかわしようの無いタイミングに内心笑みを浮かべた、が
「甘い!」
 そう叫びながら九峪は右手を剣に向けて叩き付けた。
 ギィン
 不快な金属音が鳴り響いた。
「なっ!?」
 拳で剣を防ぐという九峪の行動とありえない衝撃により思わず仰け反ってしまった狗根国兵。
その隙は九峪にとって十分であった。
「ふっ」
 短い息継ぎと共に放たれた九峪の拳は、狗根国兵の顔面に突き刺さった。
「ぎゃ!?」
 短い奇声を上げた狗根国兵はそのままずるずると倒れこんだ。
 深川に追いすがろうとした九峪だが、顔を上げた瞬間後ろに飛び退いた。
「クックック・・惜しかったなぁ?」
 余裕の笑みを浮かべる深川、その周りには十数人の狗根国兵が取り囲んでいる。彼女の余裕はそこから生まれていた。
「・・・・・」
 その様子を九峪は黙って見つめていた、その様子を見た深川はさらに笑みを深くする。
「第一こちらには人質が居るのだぞ?」
 深川の笑み交じりの台詞に九峪が反応した。
「・・・そうだったな」
「そうさ、お前の目的はこいつ等なんだろ?どうなってもいいのか?」
 九峪の反応に気を良くしたのか、深川の笑みはどんどん深くなる。
 しかし。
「勝手にすれば?」
「は?」
 思わず間抜けな声が出てしまった。
「どうぞご自由に」
「な・こいつ等がどうなっても良いのか?」
 淡々と続ける九峪、先ほどとは立場が逆転している、九峪が余裕の笑みを浮かべ、深川が冷静さを失っている。
「俺の目的はお前らをこれ以上進ませないことだからな」
「何!?この先に何かあるのか!?」
「さぁ・・・それはどうかな?」
 先ほどの深川と同じように、九峪の笑みがどんどん深くなっていく。
 九峪の言葉に狼狽する深川に向けて指を一本立てる九峪。
「第一、お前達は一つ勘違いをしている」
「?」
 何のことか分からない深川に向かってとびきり残酷な笑みを浮かべる。
「お前達がそこでふんぞり返っていられるのは彼女達が居るからだ。つまりお前達が彼女達の命を握っているんじゃなくて、彼女達がお前達の命を握ってんだよ!」
「なっ!」
 九峪の宣言のような言葉にあからさまにうろたえる狗根国兵。
 それを見て満足そうにする九峪。
<・・・九峪>
(何だよ!今良いとこなんだぞ!)
<しかし、九峪の言ってることが正しいとしても状況は変わらないぞ>
 そう、どちらにしても九峪が手を出せないという状況は変わらない、しかし九峪は余裕の表情のままだ。
(まぁ見てろって!)
 普通の状況なら九峪の言葉は大した効果は無かっただろう、しかし九峪の二人の兵士をあっさりと倒したその力量、そして九峪の表情はまだ何かを隠しているとしか思えないほど余裕がある。
 これらの要因が狗根国兵たちに九峪の発言を信じさせる事となったのだ。
 そしてその事がはっきりと効果として現れた。
「お・おい、なんかやばくないか?」
「・・・確かに、もう少し奴から離れたほうがいいな」
「しかし、深川様はそんな事許していないぞ」 
「構うもんか!それに少し離れるくらいなら問題ないって!」
「・・・そうだな、少しくらいなら」 
 星華と宗像三姉妹を抑えている狗根国兵が九峪のプレッシャーに耐え切れず勝手な行動を起こしたのだ。
 彼らは集団から五メートルほど離れた地点まで移動した。九峪の言葉や態度は彼ら、無論深川も含めてその頭から伏兵の存在を忘れさせていた。
 そして彼らの行動にいち早く気付き、それに反応した黒い影があった。
「がっ!?」
「どうした?・・!」 
 おかしな声を上げた同僚に目を受けた瞬間彼は絶句した、同僚は首の動脈を切り裂かれていたのだ。
 しかしそのことを理解する前に彼の視界が一回転した。
「えっ?」
 彼は自分の首が胴から切り離されていることに気付かず絶命した。
「はっ?」
 最後の一人もその影に気付くことすら出来ず切り殺されていた。
「・・・・」
 狗根国兵三人を瞬時に倒した影は清瑞だった。
 彼女は深川たちが自分に気付いていないことを確認すると星華に振り向いた。
「・・星華様ですね?」
「・・・・ふぐ」
 猿ぐつわをされながら星華は頷いた、それを確認した清瑞は茂みに向かって合図をした。
 すると茂みの中から伊雅と伊万里の二人が出てきた。
「星華様・・・ご無事で安心しました、私は耶麻台国王弟伊雅でございます」
 深々と頭を下げる伊雅、星華も清瑞により方封札と猿ぐつわを取られている。
「い・伊雅!王弟の・・・それではあの方は耶麻台国の関係者なのですか?」
 伊雅の言葉に目を見開いた星華、しかしすぐ気を取り直すと九峪を指差し尋ねた。
「いや、彼は・・私にも良く分からないのですが少なくとも味方だと思われます」
「そうですか・・・ではこれからどうし」
「き・貴様ら!何者だ!?」
 星華の言葉はこちらの様子に気付いた兵士の言葉によって遮られた。
「しまった、やはり人質が狙いだったか!お前達行け!」
「「「はっ」」」
 深川が言うまでも無く三人の兵士が剣を抜き振りかぶった。
 慌てたのは伊雅たちだ、既に狗根国兵との距離は剣を抜くにも、術を紡ぐにも近すぎた、その上伊雅は星華と話し込み、清瑞は三姉妹の縄を解いていた。
 あまりに簡単に成功してしまった救出劇は彼らから注意力を奪っていた。
 しかし一人だけが違った。
「はぁっ!」 
「ぎゃあっ」
「ふっ」
「がはっ」
「タァッ」
「ば・ばかな」
「・・・ふぅ」
 剣についた血を振り払うと軽く息を吐き呼吸を整える、あの状況下で伊万里だけが反応できた。
「な・なんとういう動きだ」
 伊雅は伊万里の戦いぶりを見て驚いた。
(鋭さと速さはわしを超えるかも知れぬな)
 太刀筋や構えはメチャクチャだ、だが踏み込みの鋭さと一撃の速さは素晴らしかった。まさに我流の極みと言えるだろう。
「伊雅様、早く逃げましょう!」
 狗根国兵を睨みつけながら伊万里が言った。
「う・うむ、星華様もよろしいですね?」
「・・・ええ、私は構いませんがあの方はどうするのですか?」 
「大丈夫です、彼とは既に打ち合わせてありますので」
「わかりました、それでは急ぎましょう・・・三人とも行きますよ!」
「「「はい」」」
 星華の言葉に三姉妹が頷く、最初に衣緒が走り出し続いて星華、その後ろに亜衣と羽江が付く。
 これは先頭を格闘系の衣緒が付き、その後ろに術者の二人が付くことで、不意打ちに対応するための陣形だ。
「伊雅様・・・我々も行きましょう」
「うむ」
 続いて伊雅と清瑞が走り出す、殿は伊万里だ。
「・・・私達は逃げます!あなたも早く逃げてください!」
 睨みつけることで狗根国兵を牽制し時間を稼いでいた伊万里も、少しの間迷いながらもそう叫び走り出した。
 カモシカのように走る彼女を見て深川は追いかけるのを諦めた。
「ちぃっ!貴様は逃がさんぞ!」
 人質は逃がしたが、せめてこの男だけでも。
 そう思いながら振り返った深川。
「なっ!?」
 しかしそこには九峪の姿はなかった。しかも九峪を見晴らせていた兵は全員気絶させられていた。
「お・・おのれぇ!!!!」
 深川は地団駄を踏みながら空に向かってそう叫んだ

八話 完


 
 ようやく星華が出せました。
 今回も自信ありません、あまり言うと卑屈に聞こえてしまうかもしれませんが、他の方の作品を拝見するといかに自分が未熟か思い知らされます。
 なんだかんだ言いつつもこれからも書き続けようと思っていますのでお付き合い下さい。
それとカップリングですが迷っています。やはりここはハーレムでしょうか?
誰か意見を言っていただければ参考にしたいと思いますのでどうかよろしくお願いします。
 それでは次回また・・・



 カップリングについては、葵さんがお好きなキャラクターで構わないとおもいますが^^
 どのキャラもすきだあ!ならハーレムでいいかと(笑)んでおいおい決めていけばいいと思います。希望がある方は、アンケートのその他ででも書いてみてください。
宗像名物4姉妹喧嘩はどこでも健在ですね(笑)九峪の駆け引きがかすんでしまいました。それにしても九峪、強いなあ・・・次が気になります。

葵さん、連載がんばってください^^

質問 〜約束のために〜第8話の感想をお願いします

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