〜戦  雲〜


作・ゴーアル様


 第四話 遺志(その3)



「朱玲、楠名、つき合わせてしまったな」
 天の火矛を構えつつ伊雅は、ここ数年をともに戦った部下に声をかける。
「いえ、かまいませぬ。これが我らの道なれば、悔やむことなどありませぬ。むしろ、志を託せたことを喜んでおりまする。――そうでございましょう?」
「ああ、わたしは託した。あの二人にな」
 朱玲――壊滅したといってよい響衆を立て直した功労者。組頭として危地にも飛び込み、里を守ってきた男があの二人を認めてくれたこと、意見が一致したことが伊雅にはうれしかった。
「九峪様は少々頼りなくはございますが、我々とは違う何かを持っていらっしゃる。それが復興の鍵になりましょう。加えて、清瑞もおります」
「そうだな、あいつも立派に育った。……できれば良い女になったところを見たかったが」
「心配いりませぬ。良き女子になりましょう。それにまだ響衆は滅んだわけではありませぬ」
「で、あったな。……ふむ、後顧の憂いはないな」
「存外、幸せなのかもしれません。なあ、楠名」
 里一番の無口として有名だった男はこの期に及んでもただうなずくだけだった。
「この期に及んでもかわいげのない男だ。では、伊雅様――」
「うむ、参ろうか。――目指すは左道士総監の首級よ」
 剣と同調した伊雅は心の奥底から猛々しさを奮い起こす。天の火矛は月夜にて太陽の輝きを放つ。
 朱玲と楠名もそれぞれ構えた。
 魔獣の目が赤く染まった。
「うおおおっ!」
 咆哮とともに赤光の剣が炎の大剣へと変わる――
 魔獣が吠えた。
 それが戦いの始まりだった。
 大地を駆けし魔獣は突撃を開始し、翼持ちし魔獣が飛び上がり、炎を吐く。
 炎は天の火矛に吸収されるが、魔獣はかまわず吐き続ける。その間に地上の魔獣が伊雅たちへと詰め寄る。
 ドンッ――五つ首の魔犬が吹き飛んだ。
 さらに爆発が続き、何頭かの魔獣があとずさる――まるで傷はない。
 爆発したのは朱玲と楠名が投げた炸裂岩だった。
 人にとっては致命傷になる威力であっても、魔獣にとっては皮でできた毬をぶつけられた程度のものでしかない。
 せいぜいが足止め程度にしかならない。しかも相手は明らかに多勢であった。
 ――大技でいくしかない。
 一体一体確実に、などと言っていられる余裕はない。
 炎を吐きながら上空から滑空してくる翼持つ虎。
 熊をも一撃で倒す前足が伊雅を襲う。
 相手は空飛ぶ魔獣、逃げても空中で向きを変えて、目標を追尾して爪を立てるだけだろう。
 十分に引き付けてからかわすしかない。
 一寸の見切り。
 炎の向こうに虎の目がしっかりと見えた。
 かわそうとした瞬間――足が動かない。
 何が起きたかを確認するまでもなく、伊雅は地面に転がる。
 虎の爪が伊雅の左肩を捉え、鮮血を撒き散らす。
 左肩を襲った痛みを耐えつつ、自分の足を見る。
 地面から生えた朝顔の蔓のようなものが両足に巻きついていた。視界の端に見えたのはにたりと笑う蛇――
「チィッ!」
 剣で蔓を斬り、地面を転がりながら立ち上がる。
 足を止めれば殺されるしかない。
「グアッ!」
 悲鳴が聞こえた。
 牙が異常に発達した猪の突進をかわしつつ、そちらを見る。
 そこにいたのは朱玲――右腕を引きちぎられていた。
 決して小柄ではない彼の身体を持ち上げるのは巨大な猿。引きちぎった腕を振り回し、投げ捨て、頭からかぶりつこうと大きく口を開けた。
 血の滴った朱玲の顔に壮絶な笑みが浮かんだ。
 影に生き影に死ぬ乱波――修羅の死に様。
 残った左腕を巨猿の口に突っ込む。
 その手に持っていたのは――炸裂岩。
 大きな破壊音とともに巨猿の頭が吹っ飛んだ。
 力を失った巨猿の腕から、両腕を失った朱玲が落ちる。
 待ち構えていたかのように、四肢を発達させたワニが朱玲に喰らいついた。
 その瞬間、朱玲の身体が爆散した――魔獣を道連れにして。
 ――朱玲!
 里に戻ることに反対した朱玲が最期の瞬間まで戦い、死んだ。里を助けに戻った判断が間違っていたとは思わない。結果が間違っていたとしても、それは後からの評価に過ぎないということを伊雅は知っていた。それでも心の底から浮かび上がってくる悔いを無視することはできない。
 ――だからこそ、まだ死ねんのだ!
 亀の甲羅を着た蛇が冷気を吐く。
 火球で迎撃し、飛び掛ってきた魔獣の首を切り落とす。四首の魔犬が出来上がった。
 地面から伸びてきた蔓を切り払う。
 ――く、途切れがない。
 正直、魔獣がというよりも、その数が問題だった。かわしても、斬ってもすぐに次が来る。さらには魔獣の能力がそれぞれ違うことも脅威だった。近距離、中距離、上空、地中とまるで隙がない。
 この攻撃の嵐の中で立っていられること自体が伊雅が超一流の戦士であることを証明していた。
 しかし、限界はある。
 地面から飛び出る蔓の動きが変わった。それまでのからめ取る動きから突き刺す動きへと。先端は針のように細く鋭く硬くなっていた。
 予測し得ない動き――魔獣との戦闘が豊富な伊雅はその攻撃や動きを予測することはない。いや、予測しないように心がけているといったほうが正しい。魔獣は人知を超えた存在なのだ。その形状にとらわれ、先入観を持ってしまえば、予測し得ない動きに対応することはできない。だから伊雅は集中力を高め、戦闘の中で相手の能力を探る。
 それが伊雅の戦い方――しかし、だからといって全ての攻撃を防ぐことができるわけではない。
 蔓の突然の変化に対応が遅れる。
 わき腹をえぐられた。
 走る激痛――足は止めない。
 蔓が天の火矛へと絡みついた。
 ――燃えよ!
 剣へと力を込める。
 燃え上がった炎が蔓を消し炭へと変え、さらに蔓を伝い、地中へと消える――
「ギャオオオーッ」
 甲羅を着た蛇が叫び声を上げた。甲羅の下が燃え、蔓がのた打ち回っている。
「うっ!」
 わき腹の痛みに動きが鈍り、歩法が乱れる。
 銀の針で全身を包んだ狼がすかさず飛び掛る。伊雅たちによって全滅させられた魔狼よりは一回り小さい。しかし、より俊敏、より狡猾であった。
 銀狼の攻撃は鋭かったが、伊雅はなんとかこれをかわす。
 攻撃をかわされた銀狼は追撃をすることなく、間合いをとって伊雅をじっとにらむ。おそらく弱るのを待っているのだろう。
 ――このままでは疲労するだけだ。
 勝負をかけなければならない。
 どうやってその間を作るか、猪の攻撃を紙一重でかわしつつ伊雅は考える。
 そのときだった。
 ――伊雅様……
 低く渋い声がした。
 ――わたしが隙を作ります。
 木霊の術。
 声の主の正体に伊雅が気づいたとき、男はすでに動き出していた。
 右肩は一角獣の角に貫かれ、腹にも足にも深い傷を負っている。それでも男は走る。
 左手には暗器を持ち、今にも伊雅へと飛び掛ろうとした魔獣の目にそれを突き刺す。痛みに暴れる魔獣に跳ね飛ばされながらも、倒れこむことはない。
 いや、倒れてしまったらもう立ち上がれないのだ。
 銀狼が動いた。
 針の毛を逆立てて、口を開き飛び掛る。
 男は動かない。いや、動けない。
 頭を避け、傷を負っている右肩で牙を受け止めた。強靭な牙が骨まで噛み切ろうと、肉に食い込む。男はかまわず、左手を魔獣の首にかける。針が手に突き刺さる。その痛みを無視して、片手で銀狼を持ち上げる――そして、投げた。
 鮮血が飛び散る。
 銀狼の牙は男の右肩を噛み切っていた。
 膝が崩れ、大地に倒れこんだ。
 ――楠名よ!
 男が作ってくれた間を無駄にすることはできない。目を閉じ、深く呼吸――
 力を呼び起こす。
 深遠なる生命の底。
 血に流れる炎のたぎりを今ここに――
 叫びを胸に伊雅は剣を大地に突き刺した。
「地炎輪!!」
 地に炎が走り、風が起こる。
 全てを飲み込む炎の嵐。
 魔に侵されし大地を清める清浄の炎。
 伊雅を中心に起こった噴火の如き爆炎は魔獣を包んだ。
 命あるものならば生き延びることなどできようはずもない地獄――
 咆哮が聞こえた。
 破壊し足りぬと天を見上げ吼える。
 蛇の、虎の、狼の、犬の、猪の、猿の叫びが空を震わせ、大地を侵食する。
 負なるものへの渇望が清浄なる炎を上回った。
 瘴気が全てを染める。
 消し飛ばされたのは炎の竜巻。
 月夜に残るはただ一人の武人。
 己が剣を地に刺し、その両足が踏みしめるは大地。
 静寂が辺りを包んだ。
 炎を退けた咆哮も今はない。
 魔獣は動きを止めた。どこかに感じる違和感を探るように――
 地は確かに存在し、風は緩やかに流れている。
 照らすは月の光。
 東の空に浮かぶ満月。
 そう、月光。
 ふいに空が光を持った。
 優しく冷たい月の明かりではない。
 赤く輝く粒子が中空に集う。
 まるで霧が雲を作るかのように――
 空が光った。
 ――天は裁きを欲す。
 粒子が炎の雲へと変わる。
「降天業火」
 雲が落ちる。
 なだれのように情け容赦なく全てを巻き込む。
 天の炎。
 それは神の息吹――
 炎が全てを包んだ。





 夕刻までは親が子が笑い、語らっていた。
 子が生まれ、人が死に、営みを積み重ねていた。
 彼らは知っていた。
 その営みが永遠にあるわけではないことを――奪われることがあるということを。
 それでも、明日を求め戦っていた。
 明日の向こうにあるもののために。
 強い風が吹いた。
 風を遮るものは、ここにはもうなかった。
 あるのは三つの影だけ。
「くくくっ、すばらしい力よの」
 髑髏がしゃべった。
 間違いなく炎の中に巻き込まれたというのに、服すら焦げてはいない。
「大地に潜みし炎気を宙に導き出し、天の炎気と融合させるか。剣の力もすさまじいが、そのような力技を成功させる精神力も尋常ではないな」
 蛇渇は哂う。
 となりには左道士を体内に取り込んだ魔獣がいた。そちらにも傷はないようだ。
「わしとて全力で結界を張らねば、どうなっていたか」
 手には鈴を持っている。
 硬音の鈴――そう呼ばれるこの鈴は防御用の結界を張る魔器であった。魔力を込めるだけで防御用の結界が展開できる。魔力が強力であればあるほど、強力な結界がされるのであった。
 ピキッと鈴が音を立て、割れた。
 供給される魔力が強すぎたのだ。それだけの力でなければ防げないほどの炎だったということだ。
 天から降った炎は里全てを包み込んだ。
 木造の家屋は全て燃え尽き、あとに残るのは家の土台などになっていた石のみ。その石もあまりの高温にさらされ、もろくなっている。
 里はただの荒野と化していた。
 そして魔獣もまた炎獄の中に消えた。
「それにしても、あれだけの魔獣を倒すとはな。質、量ともにかなりのものだったのだが。帖佐あたりが本気になったとして、勝てるかどうか分からん」
「……征西四天王か」
「ほう、しゃべれるのか?」
 蛇渇の声に嘲りはない。ただ純粋に感心している。
「まだ、終わっていないのでな」
 そう言いながらも、口調にはかなりつらさが混じっている。
 地面に突き刺したままの剣を支えとしながら立っているその姿はひどいものだった。
 服は焦げ、皮膚もやけどを負っている。左肩と右のわき腹にはかなり深い傷がある。白髪はちりちりとこげていた。それでもその目は力を失っていなかった。
 剣も変わらぬ輝きを放っている。
「ふふふ、心地よい殺気よの。このような辺境でこれだけの相手と戦えたというのだから、めぐり合わせとは面白いものよ。――貴様の剣、天の火矛であろう?」
 赤い目を爛々と輝かせながら、蛇渇は剣の銘を言い当てる。
「そして、その剣の使い手ということは、耶麻台副王、伊雅。貴様だな」
 伊雅は答えを返さない。ただ、深呼吸を繰り返し、蛇渇をにらみつける。
「十五年前の戦では常に耶麻台軍の陣頭に立ち、我が軍を悩ました炎の御剣の使い手。わしはお目にかかったことがないがな。帖佐は褒めておったぞ。大した武人だったとな」
 現征西四天王、帖佐――かつての戦いにおいて幾度も剣を交えた間柄だった。神技とも呼べる剣技の使い手にして翼持つ麗人。翼を羽ばたかせ剣を振るう姿を伊雅は思い出した。
「たしか耶麻台副王は耶牟原城陥落の際に城と命運を共にしていたはずであったが。そういえば、九洲の民の間では陥落の際に死んだのは影武者で、本人は生きているといううわさがあると聞いたことがあったわ。うわさが真実を言い当てるということもあるということか。……ふん、誤算であったな」
「誤算だと?」
「そうよ。まさかそんな大物がいるとは思わず、貴様らが里にいない間に攻撃を仕掛けてしまった。逃げられていたかもしれんというのにな」
 蛇渇は愉快そうに哂う。
「なるほど、……では、こちらも誤算であったということだ。まさか左道士総監がいるとはな」
「ふむ、わしがおると知っておったら最初から逃げておったか?」
「さあ、それは分からん。大事なのは、こうして左道士総監を殺せる場にいるということだけだ」
 重心を足へと戻し、伊雅は剣を大地から引き抜いた。
「はははっ、貴様、根っからの武人よのう! よかろう、かかってくるが良い!」
 哄笑を上げ、蛇渇は詠唱を始めた。
 共にもはや駆け引きは必要ない。通じる相手でもない。
 両者の距離は二十歩程度。
 伊雅が走る。
 傷による影響などまるでないように――ただ走る。
 距離をとっての戦いは明らかに左道士に有利。
 一気に間合いを詰める以外に勝利の道はない。
 それでも蛇渇の詠唱は速い。
「禍し餓鬼」
 左道士にとって一般的であるはずの呪文――しかし、蛇渇は並みの左道士ではなかった。
 苦しみの表情を浮かべる幽魂が蛇渇の手から放たれる。
 その数は五つ。
 悔恨の叫びが荒野に響き、伊雅を道連れにしようと迫る。
 地面すれすれを飛ぶものもあれば、真正面から突き進むものもある――
 ――全てを斬ることは不可能。だが、足を止めるわけには行かない!
 伊雅の目は幽魂の後ろにいる蛇渇の姿をしっかりと捕らえていた。
 大地を蹴る。
 狙うは蛇渇の命のみ――
 伊雅は正面の幽魂に向かって跳んだ。
 天の火矛を振るい、幽魂を炎で焼き尽くす。
 他の四つの幽魂が迫ってくるのを感じながらも、ただ前へ――
 目は蛇渇の姿を捉え続け――
 そして――
 剣が蛇渇を貫く。
 音が消えた。
 胸の中からは血の臭い。
「見事よな」
 蛇渇のしゃがれた声。
 目の前がゆっくりと暗くなっていく。
「まさか我が左道に正面から飛び込む者がいるとは思わなかったわ」
 よろめきながら蛇渇が離れた。
 腹部を押さえる。
「だが、わしが接近戦も得意だったとは思わなかったようだな」
 そう言う蛇渇の手は赤く濡れていた。
 伊雅の手もまた赤く濡れていた――それは腹部から流れる血。
 膝が崩れた。
 天の火矛を地面に突き立て、倒れこまないように支え、膝立ちでこらえる。
 朦朧とする意識に必死に逆らい、蛇渇をにらみつける。その目はまだ力を失っていない。しかし、身体はすでに限界であった。
 たしかに剣は蛇渇を貫いた。
 その感触に間違いはない。
 ただ、致命傷ではなかった。
「ぐほっ」
 口から血を吐く。
 これまで無視していた傷や疲労、痛みが一気に襲い掛かってきた。
 ――負けた、か……
 身体が動かずとも天の火矛ならば炎で攻撃することはできる。だが、それが通じるような相手ではない。
 ――朱玲、楠名、すまん。
 絶望的な状況の中で、最後の望みに賭けてくれたふたり。それに応えられなかった自分。
 情けない。
 無力感が全身を包む。
 兄から託された赤子を見失い、兄の期待に背いた。
 そして今また――
 何もできなかったのか――いや、違う。自分は託したのだ。
 あのときの兄のように。
 だから――
 柄にかけた右手に力を込める。なんでもないはずの動作が今はつらい。
「ほう、立つか」
 興味深そうに蛇渇がつぶやく。
 足に力が入らない。
 ――ただ立つだけだろう!
 自分への叱咤は思うように効果を上げない。
 それでもゆっくりと大地を踏み、立ち上がる。
 身体がぐらつく。
 倒れたら二度と立ち上がれない。大地に根を張るように、踏みしめる。
 剣を抜こうとする――が、体重をかけたせいで深く刺さったのか、それとも力が入らないだけなのか、剣は抜けない。
 傷口から左手を離す。
 血があふれ出るが、かまわずに両手で剣を引き抜き、正眼に構える。
「最後の一太刀というわけか」
 髑髏の左道士に緊張はない。すでに勝負はついているのだ。
 天の火矛を構えた、伊雅は剣の腹に顔を映す。
 ――ひどい顔だ。
 歳をとったのだ。
 まだ四十半ばだというのに、髪は白髪が大勢を占めている。
 十五年前のあの日、兄から託された希望を失った。
 絶望の中で出会った娘。
 前に進めたのは娘のおかげだった。
 共に各地を回り、姪――火魅子を探し、また火魅子の資質を持つ女児の行方を追い求めた。
 そして一週間前に神の遣いに出会った。
 不思議な少年だった。
 自分とは根本的な考え方が違う。
 それでいて反発を感じない。
 時を感じた。
 ただ、神の遣いというのは嘘だと感じた。
 だてに王族をしてきたのではない。人を見る目には自信がある。彼は神の遣い呼ばれることを嫌がっていた。
 それは嘘をつくのが嫌だからなのだろう。
 天魔鏡の精が彼を神の遣いと呼ぶのだから、ただの嘘ではない。そう思っていた。
 しかし――
 左道が九峪を襲い、防がれたあのとき、自分の剣は左道には届かなかった。
 ほんの一瞬の差――しかし、致命的な差。
 また届かなかったのか、絶望が生まれようとした。
 だが、彼は無事だった。
 左道のほうに問題があったとは思えない。
 ということは――
「どうした、かかってこんのか?」
 じれたように蛇渇が言う。
 伊雅は笑みを浮かべた。
 思い出すのは何も知らない子供だったときのこと。
 友人と共に遊びまわり、両親や兄を心配させた。
 狗根国との戦い。
 多くの仲間が死んでいった。
 そして今、自分はここにいる。
 剣を逆手に持ち替え――自分の胸へと突き刺した。
「何!?」
 蛇渇が驚きの声を上げる。
 ぐっ、ぐっと身体を突き抜けるまで剣を押し込む。
 今まで出会ってきた人たちの顔が浮かぶ。
 互いに武芸を競った友人。
 いつも一言多かった師匠。
 共に戦った兵士たち。
 王として散った兄。
 志を託した少年。
 父であることを伝えられなかった娘。
 そして、最後に浮かんだのは――
 ――あなたは本当に不器用なんですから。
 そう言って笑った女の笑顔だった。
 天の火矛が光る。
 剣は炎と変わり、伊雅の身体を焼き尽くす。
 さらに輝きを増した炎は昇竜のように天へと昇った。
 天へと伸びる炎の柱。
 炎が消えると、そこには何もなかった。
 天の火は天へと還った。
 
 

「死んだか……」
 つぶやくように蛇渇は言った。
 手ごわい相手だった。さすがは耶麻台の血を引く者と賞賛したくなる気持ちもある。
 蛇渇は強い力を好む。であるからこそ、敵ではあったとはいえ強き武人であった男の死に感じるところはある。無論、倒したことを後悔しているわけではない。それとはまた別のことであった。
「蛇渇様」
「鬼火か、里の中におったようだが、よく生きていたな」
「はっ、男と女が逃げた後をつけておりました。相手の足が速く、この足では着いていけませんでしたので、痕跡を見つけつつ追跡していたのですが。天から炎が落ちるところが見えたので、急いで戻ってまいりました」
 鬼火は女乱波によって傷つけられた傷口をさする。
「そうか、……先ほどの男の死に様を見たか?」
「はい、見ましたが」
「名乗りはしなかったが、あやつは耶麻台副王であったに違いない。あの剣が証拠よ」
「天の火矛……、副王の顔は見たことがありませんでしたので、気づきませんでした」
「責めておるのではない。――あの男が自分を貫き、燃やしたことどう思った?」
 ふいに気づいたような蛇渇の質問に鬼火は戸惑ったが、思うところをそのまま述べる。
「少々意外でした。死に様を選ぶような男には見えませんでしたので、最後の最後まで相手に向かい戦うのかと思いましたので」
「……ふむ、たしかにわしも最初はそう思った。しかし、おそらく違うのだ。耶麻台副王だった男が辺境の山奥に隠れ、戦う気力を保ち続けていたのだ。その目的は耶麻台の復興しかあるまい」
 蛇渇はわき腹に手を当てる。鋭い剣だった。
「そして知っておったのだろうな。九洲の民が己の生存を信じていることを。もし自分の首がさらされてしまえば、その希望を打ち砕くことになる。――見事な死に様と言うべきかな」
 鬼火は主が人を褒めるということに驚きながらも、一方で納得していた。結局、この魔人は強さこそ絶対であるのだ。だからこそ、強者をそれなりに尊敬する。惰弱な者には一欠けらの情けすら見せない。
「まあ、結局は十五年の歳月を経て、現実が公式見解と一致したのだ。耶麻台副王死亡とな。首を取れなかったことは大した問題ではない」
 口ではそう言いながらも蛇渇は気づいていた。
 耶麻台の王族は誰かに復興の夢を託したのだと。であるから、己の身を焼き尽くし、その機運を盛り下げないようにしたのだろう。
 そしてその相手は――
「あやつらか」
 戦いの前に逃げた若い男と女を思い出す。
「芽は摘んでおかねばならぬな。……鬼火よ、貴様にはこの魔獣を預ける」
 波動を送り、水蜘蛛を足元に呼び寄せた。その体内には相変わらず苦悶の表情を浮かべた左道士――孤影が取り込まれている。
「先に国府城に戻っておれ。わしは逃げたふたりを追う」
「はっ、ふたりは西に逃げております」
「そうか。――水蜘蛛よ、分かれよ」
 蛇渇の言葉を受け、水蜘蛛はその身体を二つに分けた。そして厚い座布団のような形になる。蛇渇は水蜘蛛に乗り、そして移動を始めた。
 主が去るのを待って、鬼火も水蜘蛛を連れ動き出した。


 音谷の里と名づけられた里があった。
 今はもうない。
 あるのはわずかに人の痕跡を残す石のみ。
 ただの荒野が広がるだけ。
 東の夜空に昇った月だけが、傷ついた大地を癒すように輝いていた。
 






 息が切れ、苦しい。
 それでも足は止まらない。止められない。
 背中は汗でびっしょりと濡れ、シャツがへばりつき、気持ち悪い。のどが渇き、息のし過ぎで胸が痛い。前に進むために振る腕もだるくなってきた。
 目の前を走る女の背中は変わらずそこにある。疲れたそぶりなどまるでない。
 ――きつい、けど……
 九峪は萎えそうになる心を叱咤する。
 視線は女の足元に固定していた。枯れ木や石を避けなければ簡単に転倒してしまう。
 木々が月光を隠し、林の中は闇。
 しかし、九峪はうっすらとだが、足元をはっきりと見ていた。
 ――キョウのおかげだな。
 里を脱出し、林の中に入ったところで九峪は石に足を取られ転んだ。ここ最近の鍛錬の成果か、受身を取れたので怪我はしなかったが、これから林の中を突っ切るのである。
 暗さはそれ自体が敵であった。
 ゆっくり歩いて逃げている暇はない。そんなことをすれば、伊雅の心を無にすることになる。困る九峪にキョウが鏡の中から現れ、声をかけた。
 ――まだ力が回復してないんだけど、仕方ない。夜目の術と時増期甲をかけるよ。
 夜目の術は暗闇でも視界を確保することができ、時増期甲は持久力を上げ、速く走ることができるとキョウは言った。清瑞にもかけようとしたが、断られた。
 実際、術をかけてもらった九峪よりも清瑞のほうが速く、疲れてもいない。一時的な術で長年の修練を超えることはできないようだ。
 とにかく、術のおかげで九峪は暗闇の中を走ることができた。
 それでも限界は近いようだ。
 清瑞が速度を落とし、止まった。
 合わせて九峪も止まる――その瞬間、どっと疲れが全身に襲い掛かった。
 息を整えるために深呼吸をしようとするが、身体が受け付けない。短い呼吸を何度も繰り返す。
「すぐに呼吸を整えろ。まだ、逃げ切れたか分からん」
 そういう清瑞に疲れた様子はない。九峪に合わせて走っていたからだろう。息も切れてはいない。
 ――無茶言いやがって……
 胸の鼓動は苦しいくらいに激しい。休ませてくれと身体が訴えている。しかし、その訴えをねじ伏せ、震える膝に手をついて息を整える。
 休むことなどできるはずもなかった。
「ハァ、ハァ、それで……どこにいく……つもりなんだ」
 絶え絶えに言う九峪を見つめる清瑞の視線は厳しい。
「あてはある。だが、今は逃げることだけを考えろ。振り切らねばどうしようもない」
「……そうか、……伊雅は――」
「言うな!」
 刃物のような叱咤が九峪を打つ。
「伊雅様は強いお方だ。むざむざと負けるようなことはない。……万が一、万が一にもお倒れになったならば、そのときは――」
 続きを口には出さない。
 その語調の強さが全てを物語っていた。
 仇を――
「とにかく今は逃げることだ。生き延びなければ何もできん」
「……分かったよ」
 九峪はうなずかざるを得ない。
 あの骸骨の左道士――
 恐怖だった。
 身体が震える。
 酷使した筋肉のせいではない。心が怯えていた。
「もういいようだな」
 九峪の呼吸がもとに戻ったのを確認した清瑞が声にかける。
「ああ、なんとかな」
 正直、まだ足は悲鳴を上げていたが、強がりは言える程度に回復していた。
「では、行く――、ちっ」
 舌打ちをし、清瑞は刀を抜き、九峪の前に出た。
 突然の行動に戸惑う九峪。
 そのとき邪笑が林に響いた。
「くくくっ、追いついたぞ」
 瘴気の風が吹き抜ける。
 そこにいたのはかたかたと音を立てそうな髑髏――人とは思えぬ化け物。
 蛇渇。
「大した逃げ足だったが、わしからは逃げられん」
 なぶるように話す化け物を、清瑞はただにらみつける。その横で九峪は必死に震えを押さえ、紫艶――伊雅からもらった刀を抜いた。剣先の震えは止められない。
「ほう、足止めをしておった者どものことは聞かぬか。……まあ、わしがここにいることがその答えだからの。なかなか手ごわい男であったぞ。死んだがな」
 ぞわっと九峪の背筋に冷たいものが走った。
 清瑞の全身からすさまじいまでの殺気が放たれている。
 自分に向けられたものではない――そう分かっていても押さえることのできない恐怖。
「心地よい殺気であるが、少々もの足らんな。――死んでわが糧になるがよい」
 魂を揺さぶる哄笑。
 清瑞の殺気が極限にまで高まる――
「おまえは逃げろ」
 ただ一言つぶやき、答えも待たずに駆け出した。
 疾風――
 左手で棒手裏剣を投げつける。
 指呼の距離においては必殺を誇る武器は、しかし、蛇渇の振り回した外套にからめ取られる。その外套が清瑞の視界をさえぎる――
 木漏れた月明かりが電光の如き速度で振るわれる清瑞の刀を照らし――外套を切り裂いた。
 切れ間から見えたのは、拳を繰り出す蛇渇。
 赤い双眸がおどろおどろしく光る――
 突き出された拳は清瑞を捉えた。
 音を立てて飛ばされた清瑞は、十歩近い距離の後に背中から木にぶつかる。
 衝撃に耐えられず、背中を木にこすりつけながら、地面に座り込む。
 苦悶の表情を上げながらも、なおその目は蛇渇に向いていた。
「ふむ、剣の柄でわしの拳を叩いたか。おかげで威力が半減しおったわ。――もっともその服がなければ、それでも十分であったのだがな」
 自分の右手を見ながら、蛇渇は清瑞の対応をそう評する。明らかに見下した物言いであった。
 ――くっ……
 清瑞の顔がゆがみ、左手を腹に当てる。
 傷こそなかったが、皮でできた忍者装束は切り裂かれ、白い肌が艶かしくあらわになっていた。
 ――あと少し、そうすれば戦える。
 まだ諦めてなどいない。
 戦い続ける。
 悲壮なまでの決意――しかし、化け物はその時間を与えることなどなかった。
「これ以上は遊べそうもないな」
 蛇渇は清瑞に向かい右手を伸ばした。
 なかなか楽しい夜だった。
 強き男との戦い。
 この相手も女にしては十分に強い。ただ、自分に物足りなかったというだけだ。
 さあ、終わりにしよう。
 魔を呼び起こし、詠唱を始めようとして――
「ほう」
 先ほどまで女の影に隠れて震えていた男が盾となるかのように立ちふさがった。
 刀を構えてはいるが、刀身は震え、その内心をあらわしている。
「……バカ、……何をやっている! 逃げろと……言っただろう!」
 清瑞は目を疑った。逃げたと思っていた男が目の前に立っている。
「逃げられるかよ」
「……ふざけたことを……言うな」
「俺一人だけ逃げてどうなる? 逃げられやしない。――なら、片隅で震えているわけにはいかないだろうが!」
 九峪は叫ぶ。
 清瑞にではない。
 自分自身に吼える。
 怖くて、悪い夢だと思いたくて、逃げ出したくて、泣きたくなる自分を大声でしかる。
 戦わなければならないときがあるのを知ったから――
 その叫びを清瑞は聞いた。
 男は叫びながらも、手足はがくがく震えている。ただの強がり――
 ――バカが……
 心の中で毒づきながらも、どこかで心地よさを感じている自分に、少し、驚いた。
「大した決意だが、弱者の決意など見苦しいわ!」
 楽しみを邪魔されたかのように、蛇渇は叫び、左道を放つ。
「禍し餓鬼」
 林の清浄な空気を、怨嗟の声を上げる幽魂が汚す。
 瘴気の塊――それは死そのもの。
 九峪は動くことができない。
 息がつまり、足がすくむ。
 恐怖が体の全神経を支配する。
 ただ目だけはつぶらなかった。襲い来る幽魂からは目を離さない。
 そして九峪は飲み込まれ――瞬間、幽魂は消え去った。
 残るのは林に静まる空気だけ。
「なん……だと……」
 思わぬ展開に蛇渇は混乱し――隙を作った。
 九峪たちと清瑞の間に何かが投げ込まれ、爆発した。炎ではなく、煙が吐き出され、辺りを覆う。
「こちらに!」
「速く!」
 煙の中に響く女の声。
 煙を吸い込み、咳き込みながら九峪は混乱する。
 ――何が起きたんだ?
 恐慌に陥りそうになった九峪の耳に冷静な声が聞こえた。
「行くぞ」
 肩をつかまれる。
 煙の中、方針が示された。
 口を手で押さえ、九峪は引かれるままに、煙の中を走った。



 煙が晴れた後に残されたのは蛇渇だけだった。
「煙球か、まだ仲間がおったとはな」
 つぶやく蛇渇。
 ――ぐっ!
 突然、腹を押さえて膝をついた。
 腹に手を当てると、手は赤黒い血でにじんだ。
 ――傷が開いたか。魔力で傷をふさいだはずであったが……、あの剣の力。
 炎をまといし御剣――その神力が魔力の働きを阻害している。蛇渇はそう判断した。
「あの男の執念か」
 死してもなお足止めをする。執念だとしか思えない。
 ――この傷では追跡は不可能だな。相馬めに賞金をかけさせておいて正解であった。
 それにしても、あの若い男。
 左道を無効化した。
 構えていた刀のせいか?
 いや、違う。
 まったく魔力は感じなかった。
 であれば、あの男自身の力。
 だが、左道を防ぐのではなく、無効化するなどありえない。ありえるとするならば、この世のものではない。すなわち――外法の人。
 風が葉を揺らした。
 時が動く。
 ふいにそう思った。
 血で血を洗う歓喜のときが来る。
 哂いがこぼれる。
 次第に声が高まり、哄笑が林を越えて響き渡った。


 





 九洲の南、大角南部にある国府城。
 城の中心にある宮殿内の部屋にふたりの女性がいた。
 ひとりは湖を思わせる青い髪をしている。髪は後頭部の上の辺りで結われ、赤い飾りのついたかんざしを挿し、桐製の髪飾りを前髪の上からつけていた。
 年の頃は二十歳といったところか。
 まつげはきれいにそろえられ、薄く赤紅が指された唇は小さくきゅっと結ばれている。幾人もの男を魅了するであろう瞳は閉じられていて見えない。
 身に着けているのは肌が見えるような薄絹。籠堤燈の明かりが薄絹の下の肢体をはっきりとうつしていた。
 全体的に細身なその姿は儚い。
 もうひとりの女性――いや少女と言う方が正しい。歳は十四、五といったところだろうか。
 髪は栗色で、首の辺りでそろえられている。
 将来は間違いなく美女になるだろうと思われるその顔は青髪の女性の方へと向けられていた。
 その目はじっと女性の顔を見ていた。
 痛々しいほどの緊張感が部屋に満ちている。
 どのような人間であってもこの部屋の中にいたいというものはいないだろう。
 ふたりに緊張感を解こうとする気配はない。
 ただ、じっと何かを待っている。
 部屋の外で音がした。
「お二方、相馬様がお呼びです」
 相馬、その名が音となった瞬間、ふたりの肩が動いた。
「わかりました。今から参ります」
 青髪の女性が外からの声に答えた。
 目をゆっくりと開ける。
 顔を少女の方へと向け、顔を見合わせる。
「手はず通りに」
「分かった」
 青髪の女性は流れるように立ち上がった。
 薄絹の上からはっきりと分かる胸の双丘が魅惑的に揺れる。それでいていやらしさはない。
 喩えるならば鈴蘭。
 可憐さと儚さのどちらも兼ね備え、そして隠されているのは――毒。
 音も立てずに、部屋の戸を開け、廊下へと足を踏み出した。








 冷たく、そして優しく輝く満月は東の空に――




 
 天の火矛の銘を持つ剣で一人の武人が命を絶ち、耶麻台八柱神が一柱、天の火矛の遣いを名乗る若者が九洲の大地に解き放たれた。





 月はまだ東の空――





 倭国を動かすことになる一日はまだ終わってはいなかった。




>>NEXT


あとがき

 どうも、ゴーアルです。
 前回からずいぶん間が空いてしまいました。期待してくださる方がいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
 今回の話はなかなか重くて、最初のうちがかなりつらかったです。
 序盤を乗り切ればそこからは比較的スムーズにはなったのですが、戦闘シーンは苦手です。



 それで今回の話ですが、主人公は伊雅です。
 この「〜戦雲〜」を書こうと思ったときに、いくつか書きたいなと思うシーンが浮かんだんですが、そのうちの一つが伊雅の自決シーンでした。
 ゲームでは伊雅の最期はきちんと描かれてないので、いったいどういう死に方をしたのかというのが気になっていたときに、たしかドラマだったと思うんですが、武将の首実検のシーンを見て、こんな話を思いつきました。
 敵の武将の首を晒すというのは、勝者の強さを知らしめることにつながります。そうなれば復興の機運は盛り下がる。やり方を間違えれば、九州の民の怒りに火をつけるかもしれませんが。
 それを避けるために伊雅は自身を焼いたということになります。
 ちなみにこのシーンを書いているとき、昔、ガンガンで連載されていた「ハーメルンのバイオリン弾き」のリュート物語を思い出しながら書いていました。なんとなく似ているかなと思ったので。まあ、あそこまで悲惨ではありませんが。
 さらにちなみに、この漫画は唯一、一番好きなキャラが男であるという、自分の中では稀有な作品です。
 と、まあ、これ以上書くと深川がオル・ゴール化しそう(そんなに大差ないですね)なのでやめておきます。
 「ハーメルンのバイオリン弾き」のダークシリアスとギャグの切り替えは自分の理想なのですが、力量不足だなとあきらめています。


 それと、伊雅の強さですが、べらぼうに強いです。もちろん天の火矛の力があるわけですが、それを使いこなすのも力のうちということで、本気を出した帖佐と互角といったところでしょうか。
 超絶的な力を持った伊雅ですが、蛇渇には及びませんでした。
 蛇渇についてはゲーム版とは性格が少し違います。命をなんとも思わぬ外道ですが、強さそのものに関しては、敵であっても尊敬の念に近いものを感じます。弱者については人とも思いませんが。


 九峪はまだまだです。
 でも最後には主人公らしいところが出せたのではないかと思います。
 また、キョウに少し能力を持たせました。理由はそうでもしないと存在を忘れてしまうからです。というのも、以前投稿させていただいた短編では本当に忘れていて、掲載していただいた後になって思い出したということがありましたので。ちなみに『霊言』というのは適当です。ただ、紙一重というところでは役に立つ能力なので、活躍するかもしれません。


 予想外だったのが、清瑞にいろいろな因縁ができてしまったことです。
 その因縁がどう話に影響するかは正直、考えていないのですが、面白くなるかなという気がします。
 ちなみに上で述べた、書きたいと思うシーンですが、次は第七話になります。そのシーンを書くためにも第五話、第六話をがんばって書き上げたいと思います。


 それではまた次回にて。



ゲーム版を基本にする以上、伊雅の死は避けて通れない展開なのですが・・・
武将の最期より王族の最期をとった男・・・・あ〜もうカッコよすぎですよ、ゴーアルさん。伊雅も蛇渇もすごく強いし。脇を固めるオリキャラの音谷の里の乱波の男たち、敵である左道士達の非情が、さらに雰囲気を盛り上げていますよね。
・・・がんばれ主人公!(笑)
まあ、確かにこの伊雅を亡くしたのはかなり惜しいですが、この伊雅が生きていたら、存在が大きすぎて九峪は頼ってしまい、大きく成長することはできない気もしますね。逆にここで亡くしてしまったからこそ、九峪自身が立ち上がる力になるとも言えますし。
所々、小説版の設定やキャラも交えつつ、次は伊万里の里と志野の仇討ちがメインですね。
期待してますね、ゴーアルさん!!^^


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