耶麻台国最終兵器シリーズ2

  壊れた耶麻台国軍


                                     作・ビック様




 むぐぐぐぅ!!


 「皆、こんな夜遅くに集まってくれてありがとう」

 九峪は深夜にもかかわらず耶麻台国軍の幹部達全員を集めていた。

 「いえ、九峪様が緊急召集をするとなれば当然の事。

  それにしても、一体何があったのでございますか?」

 伊雅の言葉に幹部達全員の視線が九峪に集まる。


 むぐぅ、むぐぐぐぐっ!!


 九峪は言いにくそうに苦い顔をした。

 「それなんだがなぁ……とても…不味い事になった」

 「…と言いますと?」

 いつもの九峪らしからぬ態度に疑問を覚えながらも星華が疑問の声を上げる。

 「うーーーん………実際見てもらった方が早いか、志野! 入ってきてくれ」

 九峪の背後にあった扉から踊り子の衣装を来た5〜6才位の小さな女の子が入ってきた。

 ((( か、可愛すぎる!!)))

 (((( 萌えぇーーー!!))))

 バタバタッ

 何人かが鼻血を撒き散らしながら出血多量で倒れた。
 
 伊雅、砥部、嵩虎、重然のオヤジ4人組である。

 だが、その表情は実に満足そうだ。

 「あの……九峪様」

 「どうした?」

 「志野さんを呼んだのではないのですか? その子供は?」

 伊万里が恐る恐るといった感じに尋ねる。

 忌瀬は何か思い当たることがあるのか引きつった顔をしている。

 (まさか……いくらなんでも……ねぇ)

 忌瀬は額に汗を掻いていた。


 むぐぅーーー!!


 「それが……この子は正真正銘、志野なんだ」


 …………


 「「「「えぇぇぇぇ!!」」」」

 「嘘でしょう!?」

 「いくらなんでもそんな冗談…」

 「この世界何が起きても不思議じゃないけど、いくらなんでもそれは…」

 上乃、星華、藤那から否定の言葉が飛び交う。

 「本当なんです! 私小さくなってますけど…私は志野なんです。信じてください!!」 

 今にも泣き出しそうな顔をして志野は言った。

 ((((( げ、激萌ぇぇ!!)))))

 志野の女性さえも虜にさせる表情に出血多量で倒れる者が続出した。

 すでに床には血の池が出来始めていた。

 「信じられない気持ちも分かるが、天魔鏡でも確かめたんだ。 間違いない」

 鼻に詰め物をしながら九峪は言った。

 「でも、なんで小さくなってますの?」

 只深が疑問の声を上げる。

 「それなんだが…どうやら志野に聞いたところ珠洲が何かしたらしいんだけど…」

 「「「珠洲ちゃんが!?」」」

 ふむむむむっ!!

 皆の視線の先には口に布を押し込められ、手足を縄で縛られている珠洲がいた。

 「そういえば何故珠洲ちゃんが縛られているのかしら?」

 「当然のように縛られていたから誰も気にしてなかったもんね〜♪」

 衣緒と上乃が今気がついたと言わんばかりに声を上げた。

 「俺が志野と珠洲を見つけた時には、

  志野は泣いてて事情を聞けそうになかったんで、

  近くで志野を見ながらなにやらブツブツ独り言しゃべってた珠洲に声をかけたんだけど…

  俺を見たらいきなり怒り出して

 『九峪! 私の志野に近づくな!! 触れるな!! また私から志野を引き離そうとしてるの!?

  そうはいかない!! 志野…いえ、志野ちゃんは私の物なのよぉぉーー!!』

  なんて言い出し始めてさ、会話も出来そうにないからとりあえず縛って黙らせたままつれてきたんだ」

 九峪の話を聞いて皆引きつった顔をしていた。


 「あ、あの…志野さん?」

 「え…あ、何ですか? 亜衣さん」

 少し落ち着いてから亜衣が志野に声をかけた。

 「今考えてみて、何か小さくなってしまった原因とかとか…なにか思い当たることはありませんか?

  それがわかればもしかしたら元の姿に戻れるかもしれません」

 ((( 戻らなくてもいいかも…)))

 この時、志野の魅力に取り付かれた何人かの人間の心が一つになった。

 「原因…ですか?」

 「はい、何でもいいんです。

  何か変なものを食べたとか、怪しい方術をかけられたとか…」

 「そうですね……術なんてかけられた覚えはありませんし…

  食べ物も珠洲と一緒に外食を食べたことくらいしか……」

 「珠洲ちゃんと?」

 ピクッ

 亜衣と珠洲の話を聞いて忌瀬はなぜか動揺していた。

 「忌瀬?」

 「は、はいぃ?」

 「何か心当たりがあるのか?」

 九峪が忌瀬の様子に気付き問いかける。

 「えっと…あ、あるような……ないような」

 「何か思い当たることがあるんだったら言ってみてくれ

  今は少しでも多くの情報が必要なんだ」

 「じ、じつは……」


 「「「「………はぁ?」」」」

 忌瀬が事の真実を告げると、その場にいた全員が呆れ返っていた。

 「つまり忌瀬さんが作った実験段階の惚れ薬を珠洲が奪って、珠洲が私にそれを飲ませたのではないかと?」

 「多分……そうだと思いますけど……」

 「…………」

 志野は何かを考え込むように沈黙した。

 …………

 ………………

 …………………………

 「珠洲」

 突然志野が笑顔で珠洲の方を向いた。

 勿論目は笑っていなかったが…

 「ハフッ」

 珠洲は今だ、口に布を押し込められ縄で縛られていた。

 「どうしてこんな事をしたかは後でゆっっっくりと聞くとして……とりあえずこの会議が終わり次第アレね♪」

 「フゥムゥゥゥゥ!!」

 志野の言葉を聞いた瞬間珠洲は血の涙を流した。

 (アレって何だよ!?)

 珠洲のこの世の終りのような表情を見てアレとは何か疑問に思いつつ

 九峪の本能は「絶対聞いてはいけない!!」と最大音量で警告を発していた。


 「で、原因は分かったとして……元に戻るんですか? 忌瀬さん」

 「そのことですけど…あの薬はまだ実験段階でしたし……

  志野さんの体をじっっっっくりと調べて、

  まあうまく事が運んだとしても一ヶ月は元に戻るのを我慢していただかないと…」

 『志野の体を調べる』の所で忌瀬のメガネが怪しく光っていた。

 (ふふふ、志野さんには悪いけど最高の研究ができるわ!!

  しかも今の志野さんに検査のためとか言ってあんな事やこんな事できそうだし…フフフフフ!!!)

 表情はすまなそうにしていたが、忌瀬の心の中は研究という名の欲望で一杯だった。

 「そうですか…忌瀬さん、どうかよろしくお願いします」

 「いえいえ、こちらこそ♪」

 「えっ」

 (なんか…嬉しそう…)
 
 「あ、任せてください。 必ず志野さんを元の姿に戻してあげますよ」

 「はい」

 (なんか怖い気もしますけど…)

 志野は不安に駆られていた。


 「して九峪様、志野様の身におこった事を兵達に知らせると混乱を招くでしょう。 いかが致しますか?」

 「そうだな〜〜。 耶麻台国軍の兵達には悪いけど志野の事は秘密にしておいた方がいいな。

  志野がいなくなった理由はまあ何とでもなるけど…

  問題は今の志野にどこに住んでもらうかってとこかな?」

 「と言いますと?」

 「まあ、ばれないとは思うけど…万が一ってこともあるからな、志野が元に戻るまで住む場所を変えたほうがいいと思うんだ」

 「なるほど、近所に住んでいる者が仕草や雰囲気で志野様に気づくやもしれませんからな」

 「でだ、今の志野一人だけじゃさすがに不自然だからな、あの状態の珠洲と一緒だと尚更不安だし…

  ここはこの場にいる誰かの部屋で一緒に住むのが一番だと思うんだ」

  「「「「では、私の所に!!!」」」」

 この場にいる全員が一斉に叫んでいた。

 「え〜〜と、勿論女性限定なんで伊雅達は諦めてくれ」

 ガガガガーーーーーン!!

 伊雅、砥部、嵩虎、重然はその場で廃人と化した。

 そんな伊雅達を無視して女性陣は既に論争に明け暮れていた。

 「絶対私と志野ちゃんが一緒に住むのよ♪」

 「いえ、私と志野さんが一緒に住むのです!」

 「いや〜〜、私と一緒に暮らすの〜〜!!」

 「ワタシと一緒がいいのことヨ!!」

 誰もが我こそはと名乗りを上げる。

 「このまま話してても決まりそうにありませんね。 ここは志野様に順番に皆さんの所を回って貰うというのはどうでしょうか?」

 「「「「異議なし!!」」」」

 話し合いが始まってから2時間、亜衣の一言でようやく終止符がうたれた。

 (私の思いに関係なく事が進められているような……)

 志野は人知れず心の中で涙した。

 「あの…志野様」

 志野が振り返るとそこにはいつの間にか復活した伊雅がいた。

 「はい、何でしょうか?」

 「せめて元の姿に戻るまで……私のことを

  『おじ様』 

  と読んでくれませんか?」

 ……

 …………

 ………………

 「はい!?」

 志野の思考はそこでフリーズしたという。




 おまけ

 この会議の中、九峪は以外にも冷静(一応)だった。

 それは何故か…

 (今志野は急な変化に戸惑っている)

 (だからこそ!! 俺が頼りになるという所を見せて置かねば!!)

 (そうすれば自然と志野は俺の胸の中に……)

 (ああ!! 考えただけで鼻血がでそうだ!!)

 ………だそうだ。





 あとがき

 ああ、SSを書いていると自分の文才のなさが嫌というほどわかってしまうのが悲しい所です(号泣)。

 こんな駄文読んでくださって誠に有難うございます。

 前回の投稿から一ヶ月もかかってしまいましたが暖かい心で見守って下さいませ(^^;

 次の投稿はいつになるかわかりませんが頑張っていくつもりなんでよろしくお願いします。


てことで、ビックさんから続きゲットです♪

 壊れ、増殖感染中ですねえ。幼女志野、おそるべし。特にオヤジーズへの破壊力抜群。それでこそオヤジ(ぇ
 伊雅は清瑞に対しては甘やかしたりできなかったでしょうからねえ、おじ様にロマンを感じてそうです。
 で・・・珠洲の閻魔帳に続き志野の「アレ」が、すっご〜く気になるんですが(笑)

 時間かかってもいいので、続きをまたお願いしますね?ビックさん( ̄ー ̄)ニヤリッ
 たのしみにしてま〜す。

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