※注意   このSSは、ガンダムを知っているのが前提となります。
       もし知らないのであれば原作を見てからの方が笑えると思います。

       それでも構わなければお読み下さい。m(_ _)m






 人の歴史は破壊と再生に満ちている。


 宇宙世紀0083年。

 デラーズ・フリートによる『星の屑作戦』発動。

 アナベル・ガトー少佐、トリトン基地から核弾頭ごとGP02Aを強奪。

 同世紀11月10日。

 地球連邦軍、四年ぶりに観艦式を挙行。
 デラーズ・フリート、観艦式を襲撃。
 GP02Aの核弾頭により、連邦軍艦隊の2/3が壊滅。

 同世紀12月4日。

 ジャミトフ・ハイマンの提唱により、旧公国軍残党狩りを目的とする
 特別任務部隊ティターンズが結成される。

 宇宙世紀0085年。

 ティターンズ、サイド1・30パンチに毒ガスを注入して住民を虐殺。
 反地球連邦運動(A・E・U・G=エゥーゴ)活発化。

 宇宙世紀0087年。

 エゥーゴ、サイド7・グリーンノアから試作MS三機を強奪。

 同世紀11月16日。

 エゥーゴ、ダカールの連邦議会を占拠。
 シャア・アズナブル、TV放送でティターンズの実態を告発。

 同世紀2月22日。

 エゥーゴ、アクシズ、ティターンズによる艦隊戦。
 ティターンズ崩壊。
 エゥーゴも戦力の大半を失う。
 シャア・アズナブル行方不明に。

 宇宙世紀0088年2月29日。

 アクシズ、ジオン公国の再興を宣言。ネオジオンを呼称して各サイドに制圧部隊を派遣。





 そんなのは、まったく関係ない事であるが、火魅子伝本編のサブキャラである兎華乃とサブキャラ一同は、火魅子伝ヒロインたちに対し反旗を翻し、『ネオ・耶麻台』を作り出していた。

 ヒロインたちも負けじと『ロンド・火魅子』を名乗り、サブキャラとメインヒロインの激闘の日々が過ぎていたのだった…


逆襲のメインキャラ


作・ユメコ様








「前回のあれから何がどうなったらこうなるんだ?」

「うるさいぞ、清瑞」

 メインヒロインの一人である清瑞は、前回の潜入から帰還していた。

「それが命懸けで情報を持ってきた部下に言う言葉か?」

「命懸けって………オイ。まあ、いいか。で、どうなってるんだ?」

 いま、この場にいるのは、九峪雅比古。火魅子伝主人公である。

 ところで、キャラが勝手に動いているが、問題ないのだろうか? ちなみに現在、プレイヤーはドラ○エというRPGに現を抜かしているらしい。

「バカ言え。ゲームの主人公がプレイヤーの意思と無関係に動いたら困るだろ。RPGで主人公が勝手にモンスターと戦い出したら全然つまらないじゃないか」

「レベルが上がっていたらこれからが楽だろ?」


 こいつら………ナレーションにつっこんでやがる。まあいい。こいつらならこの位やるだろう。さっさと進めてくれ。


「そうだな。それで?」

「耶牟原城は完全に、ネオ・耶麻台に制圧された。
配置は上空に魅土、永閃、永楽、西に兎音、兎奈美、兎華乃、南に珠洲、閑谷、虎桃、東に紅玉、寝太郎、忌瀬、北に嵩虎、重然、土岐、遠州だ」

「ちょっとまて? なんで遠州が生きてるんだよ」

 九峪はいかにも不信そうに清瑞を見つめた。

「あん? ゲームは最初からやったら前回の話なんてまったくもって無関係だからな。当然だろう」

「…うわぁ」

 それを言っちゃあおしめえよ、である。

「そんなわけで今回の話は前回とあんまり関係ないから、ご了承ください(ぺこり)」

「…画面に向かってお辞儀をするのはやめろ」

 清瑞はどこだかよくわからないところに向かってお辞儀をしていた。

「ああ…何もしてないのに疲れたな…」

「一応、主役なんだからもっとやる気を出せ。これから兎華乃たち率いるネオ・耶麻台を叩き潰さないといけないんだからな」

 溜息をついている九峪をむっとした顔で睨む清瑞。

「…そうなのか?」

「そうだ。兎華乃たちの支配は既に火魅子伝本編を8割方支配してしまっているからな。
サブキャラのサブキャラによるサブキャラのための火魅子伝へと」

「うーん、それもある意味見てみたいもんだけどなあ」

 九峪本人も、CGやミニキャラアニメ回収目的のプレイヤーに何度も同じ戦いをやらされるのは飽きたらしい。

「サブキャラ主体になったら主役交代だな。九峪はワッキー志望か?」

「…それは嫌だなぁ…」

 戦闘はともかく、恋愛ゲームにとっての男脇役など、最も扱いが悪い役の極みである。

「…だろう?」

「まあ仕方ない…なんとかしよう。じゃ、俺はどうすればいいんだ?」

「とりあえず、兎華乃の演説を録画した「びでおてーぷ」なるものがある。とりあえずそれを見ろ」

「………そんなもん、どこから手に入れた?」

「羽江様の発明だ。「でっき」と「てれび」もあるぞ」

「あっそ」

 清瑞は傍にあった「てれび」のスイッチを入れた。

「…っていうか俺たちはどこにいるんだろうな」

「九峪の部屋とでもしておけ」

 清瑞がそう言うと同時に、今までよくわからなかった背景が、みるみるうちに九峪の部屋へと変化していった。

「………」

 腑に落ちない顔ながらも、九峪は仕方なく画面を見ることにした。


「我が忠勇なるサブキャラたちよ。今やロンド・火魅子の半数が我が『墨火』によって消えた。この輝きこそ、我らサブキャラの正義の証である!」


「おいこらちょっと待て清瑞」

「なんだ?」

 清瑞は九峪の声に『一時停止』のボタンを押した。静止した画面には、どこかで見たような服に身を包んだ兎華乃の姿。

「…墨火って何だ?」

「知らないのか? アニメ版火魅子伝の…」

「そうじゃなくて。なんでそんなもんがあるんだ?」

「そういう設定だからだ」

「せ…」

 こともなげに言い放つ清瑞。

「問題あるか?」

「…いや、いい。続けてくれ」

 何かを心配するかのように、九峪の顔は青ざめていた。


「決定的打撃を受けたロンド・火魅子にいかほどの戦力が残っていようと、それはすでに形骸。敢えて言おうじゃないの! カスであると!」


「ヒロインのいないゲームなんて恋愛ゲームじゃないと思うんだがなあ」

「だから兎華乃たちがメインヒロインになろうと企んでいるんだろう?」

「なるほど…そういうことか」

 画面の中の兎華乃は演説を続けていた。


「それら軟弱の集団がこのア・バオア・耶牟原を抜くことはできないと私は断言するわ」


「…ア・バオア・耶牟原って………」

「これがちょっと意味がわからないんだが」

「知らなくていいよ………」

 ため息をつく九峪。


「火魅子伝は! 我ら選ばれた優良種たるサブキャラ一同に…」


 「びでお」はまだ続く。が、そこで清瑞は停止ボタンを押した。

「わかったか? 兎華乃はもはや九峪の知っている兎華乃じゃ無い」

「たしかにな」

「とりあえずだな。墨火のせいで半数のヒロインがやられてしまったからロンド・火魅子の戦力は残り少ないんだ」

「…誰がやられたんだ?」

「星華様、藤那様、只深様、上乃さん、音羽さん、愛宕さん、天目さんの七人だ。もっとも、私としてもでしゃばりな天目さんは消えてくれて助かったけどな」

「………」

 九峪はそういう清瑞をどこか悲しそうな目で見ていた。

「な、なんだよその目はっ! どうせ九峪にはわからないだろう! ヒロインたちはいかにして自分を選んでもらおうかと必死なんだ!」

「うーむ…」

 舞台の裏側なんて見ないほうがいいなと九峪は実感した。世の中知らないほうが幸せな事もあるのだ。

「…と。少し熱くなってしまったようだ…」

 清瑞ははっと気付いたように小さく息を吐く。

「とにかく。今九峪と私達がしなければいけないのは耶牟原城の征圧だ。奴等の唯一の拠点をこちらの手に収めればそれで終わる」

「…はぁ。それで、清瑞以外のヒロインはどこに行ったんだ?」

 九峪は憂鬱げに溜息をつく。もうどうあがいてもこの展開からは逃れられないと思ったらしい。

「既に作戦準備中だ。後は九峪の一声で作戦は発動する」

「作戦…奪回作戦か」

「いや、違う」

「違う? じゃあなんだ?」

 九峪が聞くと、清瑞は答えた。



「枇杷島落とし」



「…枇杷島?」

「墨火に対抗するには枇杷島しか無い。だから枇杷島を耶牟原城に向かって空から…」

 ぽかっ!

「…なにをする?」

「何でそんなものを落とす! そんなことをしたらサブキャラどころか俺たちがここに住めなくなってしまうぞ!」

「サブキャラたちは、既に自分たちのことしか考えていない! だから抹殺すると宣言したんだ!」

「人が人に罰を与えるなどと!」

「私達、ヒロインが粛清しようと言うんだ! 九峪!」

「エゴだよそれは!」

「火魅子伝がもたない時が来ているんだ! …そんなものでは!」

 清瑞は九峪を楼閣までつれていった。

「見ろ! 外を!」

「な…!」

 九峪は外を見て絶句した。戦闘がすでに始まっていたからだ。

「清瑞! 今すぐ戦闘を止めさせろ!!」

「私が始めたんじゃ無い! 始めたのは兎華乃だ! だから枇杷島を落とすんだ!」

「それがヒロインの言うことか!」

 九峪たちは激突しあっていた。ヒロインの主張と主人公の主張。それは全く同じようで全く相反するものであった。

 ヒロインは自らの立場を強化するような世界を望み、他のヒロインを出し抜こうとする。
主役は全体のバランスを取ろうと、世界の安定を願う。サブキャラの革命は主役とヒロインの関係にも溝を作り始めていた。

「わかった! もう九峪には頼らん! 九峪が動かないなら私たちがなんとかするしかない! …枇杷島落としを挙行する!」

 憤慨した清瑞は自らの懐から『枇杷島落とし』と書いてある狼煙を取り出し、上げた。
すぐさま返事の狼煙が上がる。

「『任務了解…目標、耶牟原城』か」

「…織部かっ!?」

 狼煙の色は織部のものであった。



「さあもう止められない! 枇杷島は織部の手によって動き出した! 後は落ちていくのみだ!」

「ふざけるな! たかが岩コロひとつ! 七支刀でたたっ切ってやる!」

「バカなことはやめるんだな! そんなことは不可能だ!」

「やってみなければわからん!」

「正気か!」

「ヒロインほど急ぎ過ぎもしなければ、サブキャラに絶望もしちゃいない!」

「枇杷島の落下は始まっているんだ!」

「主人公の名は、ダテじゃない!」



 九峪は駆けた。

 何時の間にか九峪はヒロインとサブキャラの闘争のことを忘れていた。

 思うことは一つ。

 枇杷島を止める。

 九峪は自分の可能性を信じ、駆け出していった。





「THIS IS ONLY THE BIGINNING」




 もう続きません(笑)





 後書き

 ども、ユメコです。

 スンマセン、けいさん。めちゃくちゃなSSになってしまいました。

 なにが書きたかったんだろう??? (汗 

 しかも、ガンダム知ってる人限定になってしまいました。


 こんなんでいいですか? (笑


 また、読んで下さった皆様方には感謝申し上げます。


 ユメコさんの「サブキャラの野望」の続編です。

 すいません、ガンダムはほとんど、といっていいほど知りませんです^^;いくつか単語を知っているくらい・・・でも、知らなくても十分楽しかったですよ^^知ってると、多分もっと楽しいのだろうと思います。
 九峪の冷静なツッコミが・・・それをいっちゃあおしめえよ、な展開が・・・あはは(笑)ユメコさん、本当に発想が新鮮で脱帽しました。かなり続きが気になりますが、これの続きはもうないとのこと。残念ですねえ。
 では、また他の物語での投稿をお待ちしております♪

 ユメコさん、どうもありがとうございました!!ヾ(〃^∇^)ノ♪

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