四 天 王




紫香楽「枇杷島がおちただと!何かの間違いではないのか!?」
兵士「いえ、間違いでは・・・」
紫香楽「あれを見つけてから整備するのに、5年もかかったのだぞ。それなのに・・・平八郎のばか者めが・・・」
鋼雷「遅いな。いつまで待たせる気だ」
九洲占領軍・四天王・鋼雷
帖佐「あの人の遅刻はいつものことです。少しは落ち着いてお待ちなさい」
雲母「おそらく厚化粧に時間をかけているのでしょう」
天目「はーい、お待たせ」
鋼雷「遅いではないか」
天目「まあまあ、怒らない、怒らない。女の子にはね、いろいろとすることがあるのよ」
鋼雷「誰が、女の子だ」
天目「うっさいわね!」
帖佐「さあ、そろそろ始めましょう。我々にとって、事態はかなり深刻なようです」
雲母「まことにな。蛇渇殿の呼び出した魔人どもでは、反乱を抑えきれないようだ」
天目「引退間際のおいぼれが呼んだ魔人なんて、しょせんその程度のもの。ざまがいいわねえ。おーっほっほっほ」
雲母「紫香楽様の期待を一身に背負った機動要塞もおちたしな。あれで反乱軍が止められるとは思わなかったが、それにしてもこうもあっさりとやられるとは」
帖佐「おかけで、泗国討伐中のわたしも呼び戻されてしまいましたよ」
鋼雷「平八郎め。口ほどにもなかったようだな。わしのほうは、既に出面国の反乱を、平定し終わっていたからいいようなものの」
天目「鋼雷ちゃん。また、たくさん殺しちゃったんでしょう?今度は何人くらい殺したのかしら?」
鋼雷「ふん、虫けらなど、いちいち数えてみたこともないが・・・ざっと、一千ってところか」
天目「・・・おーっほっほっほ・・・まあ、そんなに殺したの。・・・恨み買うわよ」
鋼雷「反乱を起こすような奴らは、生かしておいても仕方がないわ。第一なぁ、ぐっふふふ。殺してしまえば、恨もうにも恨めんだろう」
天目「ふふふ、そうじゃなくってよ」
鋼雷「なに!?どういうことだ?」
天目「恨みを抱くのは、死んだ人間じゃない。生き残った人間だってこと。生き残った人間がいる限り、恨みは決して消えることがない・・・」
鋼雷「ふん、逃げた奴が、どれだけわしを恨もうが、わしに指一本触れることもできんわ」
天目「だといいけど」
帖佐「二人とも、今は出面の話よりこちらの件を」
鋼雷「そのようなこと、おぬしに言われんでも承知しておる!」
雲母「で、どうするのだ?事態は急を要するのだ。なんとしても、反乱軍を抑えねばならんぞ」
帖佐「いよいよ我らが出なくてはならないでしょう」
鋼雷「一番手はわしに任せてもらおう。出面の残党では歯ごたえがなくて困っていたのだ」
天目「あら、出面の残党はそんなに弱かったかしら?」
鋼雷「話にもならんわ。わしが出向くほどの相手ではなかったな」
天目「あ〜ら、そう・・・」
鋼雷「どうだ、帖佐。文句はあるまいな」
帖佐「かまいませんよ。しかし・・・」
鋼雷「なにをそんなに気にしているのだ?たかが耶麻台国の残党ごときに」
雲母「残党ごときと仰るか?もうすでに残党と呼ぶには、大きすぎる勢力になっているぞ」
帖佐「そこなのです、問題は。我々が、九洲を占領してから、これまでに何度か耶麻台国の残党による反乱が起きました。しかし、今回はどうも今までと様子が違う・・・それが気がかりなのです」
鋼雷「どう違うというのだ!?」
帖佐「妙に一つにまとまっている・・・そうは思いませんか。今までのような散発的な抵抗と違い、全軍が一つにまとまり、目的に向って邁進しているような・・・」
天目「そう言われれば、そうよねえ」
雲母「一つにまとまるようななにかが、奴らの背後にあるというわけか」
鋼雷「火魅子か!?」
雲母「いや、それはないだろう。火魅子の資質がある耶麻台王家の女が、我々の追及の手を逃れていたとしてもだ、耶牟原城がこうして我々の手にある限り、火魅子の即位はありえない」
鋼雷「火魅子ではないとすると・・・まさか、天界の扉が!?」
天目「天界の扉ね・・・確かに、敵がそれを見つけたとすれば、そこからなにか新たな力を手に入れた可能性はあるわよね。でも、我々が長年探し続けて見つけられなかったものを、奴らが見つけられるとは思えないわ」
帖佐「それに、もし奴らが天界の扉を見つければ当然、我々の情報網、なんらかの情報が入ってくるはず。しかし、今に至るまでそのような報告はありません」
雲母「では、いったいなんだというのだ?」
帖佐「わかりません。だからこそ、気がかりなのです」
鋼雷「それすら分からんというのか!ふん、いつまでも考えているだけでは、らちがあかんわ。なにか疑問があれば、奴らを叩き潰して、奴らの口から訊けばいいのだ。まあ、おぬしらはここで待っておれ。すぐに、勝利の知らせを届けてやる」
帖佐「鋼雷殿。今までの反乱とは質が違うと考え、十分に心してかかられたほうが良いでしょう」
鋼雷「おぬしなぞに言われるまでもない!では、戦の準備をするので失礼する!」
雲母「ふん、相変わらず、がさつでせっかちな男だ」
天目「天界の扉・・・」
帖佐「・・・どうも、悪い予感がします」

雲母「鋼雷が討ち死にとはな」
帖佐「あれほど油断しないようにと忠告したのに・・・バカな男ですね」
天目「しょせんそれだけの奴だったってことね」
帖佐「仕方ありませんね。次は私が出ましょう。助太刀は無用ですよ。わたしはあなた方とは違いますから」
天目「ついに狗根国の切り札、不老の美男子のお出ましか!」
帖佐「そういう冗談は、あまり好きではありませんね」
天目「だってそうでしょう?帖佐殿は九洲を制圧したときから、まるで年をとっていないとお聞きしましたわ」
帖佐「私の場合は、魔界の泉の影響がそちらへ出ているのでしょう」
天目「あらー、うらやましいわー。あたくしもあやかりたいわぁー」
帖佐「あなたは人並み外れた腕力を手に入れたではありませんか」
天目「まあ、そうね。人並み外れた美貌もありますけど」
雲母「・・・」
帖佐「コホン・・・・・・とにかく、わたしの留守の間は頼みますよ」
雲母「承知した。帖佐殿、気をつけていかれよ。鋼雷の例もある、油断なきよう」


帖佐戦
帖佐「くっ、耶麻台国軍もなかなかやる・・・だがこのままではすまさん!わたしは氷貴将軍帖佐!きさまに勇気があるのなら、わたしとの一騎討ちに応じよ!」
九峪「一騎討ちか、望むところだ!」

帖佐「氷貴将軍・帖佐ともあろうものが、このような所で朽ち果てるか。・・・お前は強かった・・・その強さであの子も守ってやってくれ・・・」
九峪「あの子?あの子って誰だ?」
帖佐「これを・・・頼む・・・」

「九峪はん・・・帖佐はうちのホンマの両親の仇やったんや。うちが自分で仇をとりたかった・・・」
「只深・・・これを読んでみてくれないか」
「えっ・・・なんや・・・手紙か・・・なになに・・・只深へ」
「お前がこの手紙を読んでいる頃には、私はこの世にはいないだろう。お前が私を恨んでいるのはよく分かる。だが、お前には本当のことを伝えておきたい。あの日、狗根国軍が耶麻台国王家が隠れ住んでいるという里を襲ったとき、私はその場にはいなかったのだ。私が到着したときには、制圧を任せた部下が手柄をはやって、里を全滅させてしまっていた。私の目的は、あくまでも耶麻台国王家の人間を見つけ出すこと。里の人々を皆殺しにするつもりはなかった。私は呆然として灰になった里を歩いた。そのとき、息絶えた母親の腕の中で。消え入りそうな声で泣く、赤子のお前を見つけたのだ。わたしは国の許可をうけずに、お前をひそかに育てることにした。わたしの子供として。それから3年ほど経った頃だ。心ない部下の密告により、私はお前を守りきれなくなった。私は苦しみ、悩んだ末に信頼できる部下にお前を託し、送り出したのだ。その時の選択が正しかったのか、私には分からない。だが、只深。もう一度お前に会いたかった。会って、ただ、話したかった・・・」
「なんや!なんやこれ!?」
「帖佐が死ぬ間際にオレに渡した手紙だよ」
ないている只深
「そんな・・・帖佐が・・・うちの育ての親やて!?そんなのウソやーーーっ!」
九峪「・・・」
「そうやな・・・そんなときに、ウソなんて・・・ウソなんてついたりせえへんよな・・・両親の仇は、うちが取るつもりでおったのに・・・帖佐がうちの育ての親やったなんて・・・」
「只深・・・」
心なしか、九峪の表情も厳しい。唇をかみ締めているようだ。
「ごめんな、九峪はん。すぐに元気になるから・・・今だけ・・・今だけ1人にさせてな・・・」

「ここでおうたが百年目!この日が来るのを待っとったんや・・・帖佐っちゅうのはおのれやな?」
「いかにも。氷貴将軍帖佐とはわたしのことだ。・・・お前は?」
「うちは耶麻台国軍の只深や!あんたに殺されたうちの両親の仇、取らせてもらうで!」
「只深?・・・本当に・・・只深か?」
「覚悟せい!いざ、尋常に勝負や!!」

ないている只深。
「父さん、母さん・・・見てはりまっか?うちは・・・仇をとったで!」
「ふ・・・そう・・・か・・・大きくなったな・・・只深・・・」
「大きくなったって・・・?なんであんたに言われなあかんの」
「おまえは幼かったし、覚えていないのも無理はない・・・」
マジマジと見つめる只深
「えっ・・・?そう言えば、あんたの顔・・・見覚えがある・・・でも・・・どこでや・・・」
手紙を渡す帖佐。
「・・・これを・・・会えて・・・よかった・・・」
息絶えた帖佐。
「なんや?手紙・・・なにが書いてあんのや・・・なになに・・・只深へ」
手紙の内容〜
「なんや!なんや、これ!こいつが・・・こいつがうちの育ての親やて!?そんなんウソやーーーっ!ウソやウソや、大ウソにきまっとる・・・・!」
叫ぶ只深。どこか安らかな帖佐の死に顔。
「・・・いや・・・そうや・・・そう・・・うちの思い出の中の、やさしいとうさまの顔・・・あれは・・・あんた・・・あんたの顔やったん・・・そうか・・そうやったんか・・・」
夕日が沈み行く・・・
「こらあ、も一度、目ぇ開けんかい!目ぇ開けて説明せい!!こら、ちょうさーーーっ!」
涙声の只深・
「目ぇ・・・開けんかい・・・!お願いや・・・!!なあ・・・」
只深の絶叫。
「とうさまあああっ!」


兵士「紫香楽様、ただいま早馬が!氷貴将軍帖佐様が討ち死にされました!」
紫香楽「ばっ、ばかな!何かの間違いではないのか!?」
兵士「ま、まちがいございません」
紫香楽「ま、ま、まさか、帖佐が?敵はそこまで強いのか。ダメだ勝てん、もう終わりだ。帖佐が・・・帖佐までもが・・・こうなったら、敵に殺される前に、いさぎよく腹を切る!征西都督府長官紫香楽の死に様、とくとみるがいい!」
「痛い痛い痛い!うわー、血が!指先から血が出てるう!は、早く衛生兵を呼んで来い!このままでは出血多量で死んでしまう!」
兵士「・・・」
紫香楽「ぐずぐずせんと、早く行け!」
兵士「わ、わかりました」
紫香楽「困った・・・」

雲母「帖佐までやられてしまうとはな。四天王のうち、二人までもが倒されたわけか・・・しかたない・・・いよいよ私が出撃するか」
雲母「私としたことが・・・敵の力を侮っていたようだ。そろそろ本気でかからねばなるまい。私の真の力・・・今こそ見せてやろう!うおおおーーっ!魔界の泉で得たわが力・・・とくと思い知るがいい!!」
「くっ・・・なんてことだ・・・私も死ぬの・・・か?魔界の力でも勝てないとは・・・」

天目「雲母が反乱軍にやられたのはいいとしても・・・東山と回青が出てくるとは予想外だったわね。これで、今までのように自由には動けなくなるわ。さて、どうするか・・・まあ、どうするにせよ、残った四天王としては、出撃しないわけには行かないわね」

「くっ!このあたくしが負けるなんて・・・ここまで反乱軍が強いとは・・・でも、負けたままでおとなしく引き下がるあたくしじゃなくてよ!・・・覚えてらっしゃい!!」

兵士「天目様が、反乱軍に敗れたようでございます」
東山「派手なだけで役に立たん女だ。天目をわしのところまで連れて来い」
兵士「ははっ!」
東山「あやつには、罰を与えてくれる。死ぬほど恐ろしい罰をな」
天目「ちょっと、どういうことですの?東山上将軍?」
東山「反乱軍に負けた上、のこのこと逃げ帰るような情けない将軍は、わが軍には要らんということだ」
天目「処刑するというの?・・・仕方ないわね。負けた以上、覚悟は出来てるわ。ただ・・・一つだけあたくしの願いを聞いてくださいません?処刑は・・・公開処刑に。それもなるたけ群集が大勢集まるような、広いところをお願いしたいわ。聞いてくださる?」
東山「ダメだ」
天目「ケチぃ!」
東山「黙れ黙れ!だいいち、わしはきさまを処刑するつもりはない」
天目「え?どういうことですの?」
東山「きさまにとって、死ぬよりもつらい目にあわせてやるわ」
天目「な、なにをしようというのです?まさか、ムチ打ち一千回とか?それとも、針のむしろ座り?いいえ、ろうそく責めかしら。なんでもいいですけど、拷問も公開にしていただきたいですわ」
東山「黙れ黙れ黙れ!そんなことではないわ」
天目「じゃあ、なんですの?」
東山「ふっふっふっふ」
天目「・・・」
東山「者ども!こやつの派手な衣装をひっぺがして、あれを着せてしまえ!」
天目「あ、あれって、なに!?」
おびえる天目
東山「やれっ!」
モノローグ「あ、あなたたち、おやめなさい。お、お願い・・・許してええっ!」
喪服の天目「・・・」
東山「当分その格好で、一兵卒として働くのだ!よし、連れて行け!」
天目「ひどいっ、ひどすぎますっ!東山様あ、お許しください!いやあーーーっ、許してええっっっ!!」
東山「ふん、これで少しは懲りただろう」

「戦国の華であるあたくしが・・・こんな格好じゃ、誰も注目してくれませんわ!あたくしが戦場に立つだけで、殺伐とした血なまぐさい戦場が、ぱっと華やかになる。そして、敵といわず味方といわず、誰もがあたくしを見て驚嘆する。ああ、なんと美しい「まるで戦場に降臨した女神のようだ・と・・・それがなに?このあたくしにこんな格好で戦場に出ろと!?耶麻台国の連中に笑われるのが関の山ですわ!・・・そう・・・耶麻台国ね・・・復讐するにはかえって好都合・・・まだ「天界の扉」は見つかってはいないけど・・・決めたわ・・・東山、覚えてらっしゃい!必ず借りはお返ししますわ、この喪服の恨み・・・そして・・・」

翌日、狗根国軍から天目の姿が消えた。


 耶麻台国支配下の城、巴日輪の紋章が入った門の前。外套をかぶった天目が訪ねて来る。
天目「忌瀬に会いたいの。取次ぎなさい」
 忌瀬の兵士。ガスマスクをすっぽり被り、手袋、白衣に薬嚢、細菌兵器。
兵士「どちら様です?忌瀬様にどのようなご用件でしょう?」
 頭巾を取る天目。
天目「あ〜ら。あたくしの顔を見忘れたかしら?」
兵士「あ、あなたは!?ど、どうしてここに!?」
天目「それは忌瀬に会ってから話します。すぐに取次ぎなさい」
兵士「は、はいっ」

兵士「お待たせいたしました。こちらへどうぞ」
忌瀬の部屋。飄々としている忌瀬。いつもタバコをくわえ、書類を手にしている
「お久しゅうございます、天目様。いったいどうされました?敵地まで乗り込んでくるなんて!それに、随分と地味なお着物。天目様らしくもありませんねえ。まあ、いつもの天目様のお姿で、敵陣を訪ねるのは難しいでしょうけど」
天目「逃げてきたの」
忌瀬「は?」
天目「だから逃げてきたのよ。狗根国軍から」
忌瀬「はあ、それはまた。いったいどうしたんです?」
天目「耶麻台国軍との戦いで、負けた責任を問われ、一兵卒に降格されて・・・・」
忌瀬化すかに笑っている「あらまあ!ではその仕打ちに腹を立てて?」
天目「その程度のことで、このあたくしが逃げ出すと思って!そんな生易しいことではないわ。東山め、よりにもよって、このあたくしに!・・・喪服を着せたのです!あんな地味で目立たない服を、このあたくしに着せるなどとは、あたくしの全存在を否定すること!絶対に、絶対に、絶対に許すことは出来ないわ!」
忌瀬「ですが、ただの一兵卒に以前のような派手な鎧を着せるわけにも・・・」
天目「なんですの?」
忌瀬「ああ、いえ、なんでもございませんわ」
天目「というわけなのです、忌瀬」
忌瀬「というわけと仰られても、そのことと今回のご訪問と、どのような関係が?」
天目「だ・か・ら!狗根国を脱走した以上、あたくしの居場所は、もはや耶麻台国軍しかありません。そこで、昔の部下のお前を訪ねてきたのです」
忌瀬「では、天目様をかくまえと?」
天目「いいえ、耶麻台国軍に加わり、狗根国と戦うと言っているのです。あなたの部隊の一員でもよくてよ」
忌瀬「・・・困りますよぉ・・・私のような部隊長クラスならともかくねぇ・・・」
天目「今はただの一兵卒よ」
忌瀬「名目はそうでしょうが・・・・ともかく、私の一存ではなんともできませんよ。耶麻台国軍の総大将・九峪様に引き合わせますから、直接お話していただけません?」
天目「耶麻台国軍の総大将・・・ね。わかったわ、会いましょう」
忌瀬「では、手配いたします。しばらくこの城でお待ちください」

忌瀬「九峪様」
九峪「忌瀬か。なにか用?」
忌瀬「九峪様、狗根国の征西都督府長官の配下に居る四天王をご存知?」
九峪「知ってるも何も、今までに戦ってるからね」
忌瀬「お会いになります?」
九峪「お会いになりますって四天王だろ?最高幹部だろ!?会えるはずもないし、向こうだって会う気なんかないだろ」
忌瀬「向こうが会いたいといったら?」
九峪「なに!?どういうことだ、それは?」
忌瀬「ご紹介しましょう。この方こそ、狗根国四天王のお1人「日輪将軍天目」様・・・です」
天目登場。
天目「はじめまして」
九峪「どういうことだ、忌瀬!?」
天目「この方が耶麻台国軍の総大将だというの、忌瀬!?」
忌瀬「はい」
天目「たいした男には見えないわ・・・こんな男が率いていた軍に負けていたとはね」
忌瀬「九峪様は、別の世界から来られた、耶麻台王家の神の遣い・・・なのだそうです」
 驚く天目。
天目「あら、神の遣い?ん・・・そう言われると・・・確かに不思議な目をしているわね」
九峪「おい、他人の品定めより、あんたの自己紹介が先だろ。敵の本陣へ何しに来たんだ!?」
天目「そうね・・・じつは」
 頭巾を取る
「仲間にしていただこうと思って参りましたの」
九峪「なあぁにいぃ!?仲間だあ!?おい、忌瀬。どういうことか説明してくれ。なにがなんだか分からないぞ」
忌瀬「天目様は、狗根国軍で随分と屈辱的な目に合わされて・・・それで、脱走されたようなのです」
天目「そういうことなのです。ですからあたくしにはもう、帰る場所がありませんの。仲間にしていただければ、狗根国との戦いでお役に立てますわよ」
九峪「嫌だと言ったら?」
天目「そちらに断られたら、大陸にでも渡るまでのこと」
九峪「・・・忌瀬。ちょっと別室で待っててくれないか」
忌瀬「分かりました。では天目様、こちらへ」

九峪「おい、キョウ!」
キョウ「呼んだかい?」
九峪「さっきの話、聞いてただろ。どうすりゃいい?」
饅頭食べながら
キョウ「味方にすれば」
九峪「あっさり言うな」
キョウ「だってえ、四天王の一人だろ。すごい戦力じゃん。これからの戦いに役立つだろうし」
九峪「しかしなあ、敵の四天王を仲間にするなんて、みんながなんていうか」
キョウ「昨日の敵は今日の友。背に腹は変えられない。窮鳥懐に入れば・・・えっとなんだっけ」
九峪「わかったわかった。大きな戦力になるのは確かだろうしな」
 九峪、トホホな格好になる。
「でも、みんなに吊るし上げられるんだろうな」
「じゃあ、二人を呼ぶか」

忌瀬「ご決心はつきました?九峪様」
九峪「ああ、仲間にすることにしたよ」
天目「あら、あたくしが狗根国の間者か刺客だとは思わないの?」
九峪「あんたが間者や刺客なら、オレはもうとっくに殺されてるだろ」
天目「ふふふ、なかなかいい度胸ね。気に入ったわ、九峪とやら。・・・あら、もう「九峪様」とお呼びしなくてはいけないのかしら?」
九峪「昨日までの敵の大幹部からそんなふうに呼ばれると、なんか気持ち悪いな」
天目「あらそう?でも、中m名へのしましもあるでしょう。九峪様と呼ばせていただきますわ。それから1つだけ、こちらから条件を出させてくださいませんこと」
九峪「なんだ?」
天目「鎧は、あたくしが自分で選んだものを着ます。よろしいこと?」
九峪「そんなことか。いいよ、なんでも好きなものを着てくれ」
天目「では、これからお世話になりますわ。よろしく」
九峪「ああ、よろしく頼むよ」

嵩虎「九峪様、全員集まりました」
九峪「よし、じゃあ、始めるか。あー、今日集まってもらったのはほかでもない、みんなに紹介したい人がいるんだ。いいよ、出てきてくれ」
天目派手な鎧で登場
「・・・」
九峪トほほ「はーあ」
伊万里「うん?どこかで・・・」
星華「あの派手な鎧には、見覚えがあるような・・・」
香蘭「おおう、派手な色使い。ああいうの、色モノ言うか?」
藤那「酒が飲みたい・・・早く会議終わらないかな」
閑谷「ちょっと、藤那ったら!」
志野「あの人も踊り子なのかしら?」
只深「すっごい鎧。修理代、ようけかかりそやなあ」
天目「(ふっふっふ、これよ、これなのよ。みんなの視線が突き刺さる快感!みんなの注目を集めるこの快感こそが、あたくしの生きる道よぉ)」
九峪「あー、じつはこの人は、元狗根国軍の幹部で「日輪将軍天目」と言うんだ。今日からオレたち耶麻台国軍に加わって、狗根国と戦ってくれることになった」
えーーっっっ!?どういうことです!?
九峪たじたじ「いや、どういうことって、今言ったとおりだよ」
星華「敵の将軍を味方にするというのですか」
香蘭「これ、「昨日の敵は今日の共倒れ」のことか?」
藤那「あいつ、酒飲めるかな」
閑谷「そういう問題じゃないでしょ」
只深「鎧の修理代、自前にして欲しなあ」
九峪「あー、静かにして、ちょっと静かに!確かに、彼女が元狗根国の将軍だということに関して、言いたいことはあると思う。けど、たとえ過去がどうであれ、狗根国と戦うことを決意した以上、彼女もオレたちの同志だ。オレは同じ目的を持った仲間として、彼女を耶麻台国軍に迎えいれようと思うんだ」
志野「・・・・」
星華うつむきながら「・・・」
伊万里責めるような目で「・・・」
藤那キツメに「・・・」
香蘭?な顔「・・・」
只深ジト目「・・・」
九峪「これは神のお告げでもある。みんな耶麻台国のために従ってくれ」
志野素直に「はい」
伊万里、承服しかねるが「わかりました」
星華、手を合わせて祈りながら「・・・」
只深「しゃあないなあ」
藤那「よし、新たな仲間のために乾杯だ!」
閑谷「だからダメだってば」
九峪「天目はしばらくの間オレ預かりということにする。以上で会議は終了。みんなよろしく頼むわ」

天目微笑を浮かべながら
「本当に神のお告げがありましたの?」
九峪「ないよ、そんなもん」
天目「よろしかったんですの?そんなウソをついて」
九峪「「ウソも方便」てね。とにかくウソまでついたんだ、しっかり働いて欲しいな」
天目「わかりましたわ」

佐瀬帆城クリア後

忌瀬「あ、天目様・・・今日はなんのご用です?」
忌瀬、永閃と永楽の所在はどうなっているの?
忌瀬「いちおう、部下に監視はさせていますよ。どうなさるおつもりです?」
天目「はっきり言って、東山と回青は化け物です・奴らが出てくれば、耶麻台国軍の勝利はおぼつかない。でももし永閃と永楽がいれば・・・」
忌瀬「ですが、永閃と永楽の二人は、天目様の切り札ではありません?」
天目「あたくしはね、忌瀬。東山を倒せればそれでいいの。そのためには、切り札であろうと場にさらしてもいいと思ってるわ。問題は二人が能力を封じられたままだということ・・・どこかにあるはずよ。二人の天空人としての能力を復活させる鍵が、どこかに・・・」

 切り立った山脈。傘うすぎぬで顔を隠した天目。
天目「お久しぶりね」
永閃「またあなたですか。何度来ても答えは同じですよ」
永楽「そうだ。魔人どもと手を組んでいる狗根国の人間に手を貸すつもりはない」
永閃「第一、手を貸そうにも、今の我々はただの人間です。あなたのお手伝いなどできませんよ。狗根国の創作からかくまってくれたことには感謝していますが」
天目「このあいだ来た時とは、いささか立場が変わりましたの」
永閃「はて、どういうことです?」
天目「あたくしは耶麻台国に鞍替えしたのよ」
永楽「まさか!?」
永閃「ちょっと・・・信じられませんね」
天目「まあ、そうでしょうね。それなら、一度耶麻台国軍を訪ねてみてくださらない。そうすれば、あたくしの言ったことが本当だと分かるはずよ」
 とても質素な、木のツタで作られたような住まい。天井の光のみ、不思議な光になっている。
永閃「で、あなたが耶麻台国軍の人間になったとして、我々にどうしろと言うのです?」
天目「今度は耶麻台国軍の人間として願むわ。手を貸してもらいたいの。耶麻台国軍もよく戦ってはいるけど、このままでは勝ち目は薄い・・・あなたたちの力が必要なの」
永閃「確かに、耶麻台国は、地上に降りたわが一族の長・姫御子が作った国ですが・・・」
永楽「耶麻台国の方に力を貸したいのは山々だが・・・何度も言うように、我々は天空人の能力を封印されている。今のままではたいした手助けは出来ないぞ」
天目「でも、封印を解く鍵はあるんでしょう?」
永閃「それは・・・」
天目「とにかく、一度、耶麻台国軍を訪ねて欲しいの。総大将の九峪という男、なかなか面白い男よ。きっと気に入るわ」
永楽「おい貴様、なにをたくらんでいる?」
天目「あたくしが今たくらんでいるのは、狗根国上将軍・東山と倒すこと・・・では」

永楽「どう思う、兄上?」
永閃「どうもよく分からない。だが、今回の耶麻台国復興軍が、今までとは違うことは確かなようだ。一度、里に下りてみる必要があるかもしれないな」
永楽「わかった」

比坂島城クリア後

兵士「天目様!永閃とおっしゃる客人がお見えです」
天目「なんですって?すぐにお通ししなさい」
永閃「これはまた・・・ずいぶんと派手な格好ですね」
天目「これがあたくしの本来の姿!あなたたちのところを訪ねるときは、人目につかないよう・・・いつも思い切り地味な姿にしていたのです」
永楽「そんな格好で恥ずかしくないのか?」
天目「恥ずかしいですって?なぜですの?あたくしのような美しい肉体を見せることは、自慢でこそあれ恥ずかしいと思うことなど、どこにもありませんわ。それに人の注目を惹くことこそ、あたくしの生き甲斐ですもの」
永楽「・・・まあ、本人が平気ならいいが・・・わたしには真似できないな」
天目「そんなことより、さっそく訪ねてきてくれたということは、その気になってくれたのかしら?」
永閃「まずは、総大将の九峪殿とやらに会わせていただこうと思いましてね」
天目「わかったわ。すぐに九峪様にお引き合わせしましょう」
 九峪の間。
天目「失礼しますわ、九峪様」
九峪「どうかしたのか、天目」
天目「じつは、会っていただきたい人がいるんですの。いえ、正確に言うと人ではないのですけれど」
九峪「え?どういうことだ?」
永閃「失礼します」
永楽「失礼する」
九峪「・・・この人達か?まあ、座ってくれ」
永閃「確かに、変わったお方だ。人間のようでもあり、違うようでもある。むろん、天空人とも仙人とも違う」
永楽「最初に聞いたときはホラだと思ったんだが、神の遣いというのもあながちウソではなさそうだな」
九峪「人をのけ者にして話を進めるなよ」
天目「これは失礼しましたわ。では、紹介しましょう。この二人は天空人の兄妹「永閃」と「永楽」です」
九峪「天空人!?・・・天界に住んでるという?」
永閃「そうです。『元』天空人ですが」
九峪「え?元ってどういうこと?」
永楽「我々二人は天空人としての能力を封印されているのだ。だから今は普通の人間と変わらない」
九峪「けど、天空人は、人間界とは関わりを持たないんだろ。どうして人間界にいるのさ?」
永閃「話せば長くなりますが、聞きたいですか?」
選択肢・聞きたい
永閃「では、お話しましょう。なぜ、わたしと永楽が能力を封じられて人間界にいるのか」

 どこかの町らしい風景。中央に五芒星の形をした広場のような場所がある。セピア色でよく分からないが、町の半分は燃えているようだ。
「今から数百年の昔、天空人と魔人は、五界の覇権をかけて争っていました。戦争は天界に有利に進みました。魔界の軍は、劣勢を挽回するために、総力を挙げて天界の軍に、最後の決戦を挑んできました。決戦の場は、天界と魔界の中間にある、人間界になりました。天界軍と、それに協力する仙界軍、そして魔人軍と魔獣軍が、人間界に集まってきました。ところが、私と妹の率いる隊は、決戦に遅れてしまったのです」
九峪「どうして遅れたんだ?」
永閃「それは・・・」

子供の泣き声。村娘らしい。
永閃「おいで、ここにいては危ない」
永楽「兄様、早くしないと決戦に間に合わなくなるぞ」
永閃「永楽、おまえは部隊を率いて先に行ってくれ。わたしは魔獣を片付けてから行く」
永楽「今は人間界に関わりあっている場合じゃないだろう」
永閃「しかし、この魔獣どもは、我々と魔界との戦いの影響で、人間界に現れてしまったのだ。このまま見過ごしてはおけない」
永楽「兄様らしいね。仕方がない、付き合うか」
永閃「いいのか?」
永楽「これだけの魔獣を一部隊だけで相手にするのは大変だ。わたしの隊も手助けするよ」
永閃「すまない」

九峪の間
永閃「結局、我々は決戦に間に合わず、天界軍は最終的な勝利を逃してしまいました」
永楽「責任を追及されたわたしと兄は、罰として天空人の能力を封印され、人間界に残されたのだ」
永閃「それから今に至るまで、我々は正体をかくし、各地を点々とわたり歩いていました。狗根国の捜索から逃れるために・・・ですが、ある日から、そこにいる天目殿がかくまってくれたのです」
九峪「天目が?どういうことだ?」
天目「封印の解かれた天空人の力に興味がありましたの・・・・伝説に残るほどのその力に、ね。」

いや、いいを選んだ場合はここから

「ところで・・・「天界の扉」のことはご存じ?」
九峪「聞いたことはあるような・・・」
天目「天界の扉とは、人間界と天界を繋ぐ扉なのです」
永閃「魔界軍は決戦に勝ったものの、天界軍を制圧するほどの戦力は残っていませんでした。それは天界軍の方も同じで、その後決定的な勝利をあげることなく、両軍は消耗戦に突入していきます

天界魔界の和睦の図
永閃「もはや勝ちも負けもなくなって、ようやく天界と魔界は和睦を結びました。今後、互いの領域には手を出さないという条件で」
 天界軍と魔界軍の絵。中央に枇杷島らしき5錐の物体と、討魔の鈴らしき物体が見える
「その結果、仙界は天界の庇護の元におかれ、魔獣界は魔界の支配下に入ります。そして、人間界はどちらの影響も受けない、中立の緩衝地帯となったのです。天界も魔界も、人間界に通じる扉を閉じました。それが、天界の扉であり、魔界の扉です。これ以降、魔人も天空人も、人間界に降りることはなくなりました」
九峪「でも、狗根国は魔人や魔獣を使ってるじゃないか」
永楽「たいていの魔人や天空人は、自ら人間界に現れることはしない。だが、魔人の中には・・・人間の召喚によって、人間界に干渉しようという者もいる。彼らは血を殺戮を好むからな」
永閃「人間にも、魔獣や魔人を召喚するだけでなく、魔界の力を積極的に受け入れようとする者がいます」
永楽「おそらく、狗根国の将軍級の人間が並外れて強いのは、魔界の力を使い肉体や能力を強化しているため・・・」
九峪「そうなのか?」
天目「まあ、ね」
九峪「じゃあ、あんたのそのむちむちボディも、肉体改造のたまものなんだ?」
天目「ばかおっしゃい!これは自前よ!」
永閃「後に控えている将軍は、恐らくその力を手に入れているはず・・・今後の戦いでは、かなりの苦戦を強いられるでしょう」
九峪「うーん、じゃあどうしたらいいんだ?」
天目「この二人を連れてきたのは、そのためです。かれらはあたくしの切り札・・・」
九峪「けど、この二人は能力を封じられてるって言ったじゃないか」
永閃「我々の封印を解く方法があるのです・・・・それが、無限の笙・・・・」
九峪「無限の笙?」
永閃「我々もくわしいことは知らないのですが、楽器の一種らしいのです」」
永楽「無限の笙の奏でる音が、我々の封印を解く鍵なんだ」
九峪「で、それはどこに!?」
永閃「それが・・・分からないのです」
九峪「なんだ、それじゃ意味ないじゃないか」
キョウ気楽に出現「やあ。無限の笙なら、おいら知ってるぞ」
永楽「・・・天魔鏡の精・・・九峪殿が神の遣いというのも、本当かもしれんな・・・ところで、無限の笙を知ってるというのは本当か?」
キョウいじけて「あ、おいらを疑うの?知ってるったら知ってるんだよ・・・」
九峪、キョウの首絞める。
九峪「だから、どこにあるんだよ!?」
キョウ「久志振岳(くしふるだけ)」
九峪「久志振岳って?」
キョウ「姫神子が、初めて地上に降臨した山だよ」
九峪「よし、じゃあ久志振岳を探索してみよう」
永閃「九峪殿、ここであなたと出会ったのも何かの縁。我々も耶麻台国群に協力しましょう。元々、耶麻台国を興した姫神子様は、我々の一族の長なのです」
永楽「我々の封印が解ければ、おまえたちの戦いの大きな力になれるはずだ」
九峪「そうだな。こちらからもお願いするよ。耶麻台国復興に力を貸してくれ」
永閃「承知しました」
九峪「あ、でも、封印を解いて力を借りたりして、あとで天界から文句を言われないだろうな?」
永楽「心配は無用だ。無限の笙の奏でる音はわたしと兄様に対する、刑期の終わりを告げる音なのだ」
九峪「よし、とにかく、久志振岳を探索してみよう」
永閃「ああ、そうだ。その前に、これを・・・」
天光環
永閃「4つの天光環です。姫神子様の血筋の方だけが、身に付けられる天界の装身具です」
永閃「これを身に付けた方は、新たな力が開花するでしょう」
九峪「ありがとう。使わせてもらうよ」
永閃「それから、これも・・・」

永楽が刀をささげ持っている。
キョウ「七支刀!そうか、あんたたちが持っていたのか!?」
九峪「なんだって?」
永閃「「討魔の剣・七支刀」です」
九峪「これ、どういう刀なんだ、キョウ?」
キョウ「耶麻台王家に伝わる神剣さ。もっとも、使いこなせるのは即位した火魅子だけなんだけどね・・・というわけで、今は使える人がいないんだ。とりあえず、九峪が持っててよ」
九峪「ああ、分かった・・・どれどれ。なんか、こう手になじむような気がするけどな」
 九峪、七支刀を持つ。
キョウ「こいつは・・・驚いたな。九峪の戦闘力が上がってる。七支刀が九峪を認めたんだ!」
 討魔の鈴が反応している。
キョウ「(そうか、鈴か。討魔の鈴から・・・)」


久志振岳の遺跡。まるでストーンヘンジ遺跡ののように、円形に石柱が並べられ、中央にバグパイプのように、中が空洞の円柱数本。そして井戸がある。神々しい雰囲気のある場所。
どうだ、なにかそれらしい物は見つかったか?
兵士「いえ、まだ」
そうか。
天目「焦ってはいけませんわ。簡単に見つかるものでもないでしょうし・・・・・・」
ああ、そうだな。
「ちりーん!」鈴が反応している
うん? 日魅子の鈴が鳴った・・・・・・。
永閃「この音は?」
「ちりーん!」
九峪の手から鈴が浮かび上がるイベント絵。
九峪「鈴がひとりでに鳴ってる?」
永閃「それは・・・・・・討魔の鈴? 代々姫神子様の家系だけが持つことを許されるものだが・・・・・・。・・・・・・九峪殿、その鈴を掲げてその辺をぐるっと回ってみてもらえませんか」
こうか?
「ちりーん!」
永閃「ある方角を向くと音が強くなります。その鈴はなにかに反応しているようですね」
天目「まさか、「無限の笙」!?」
永閃「それは、まだ、わかりません。しかし、確かめてみる必要はあるでしょうね」
「ちりーん!」
 中央。井戸のある場所。
ここに立つと、鈴の音が強くなる・・・・・・。
永楽「その井戸は?」
「ちりーん!」
鈴の反応、収まる
永楽「井戸が・・・・・・」
井戸が光を放つ。
ゴゴゴと地鳴り。
天目「えっ!? じ、地震ですの!」
永閃「お、大きいぞ!」
「「「うわあぁぁぁ」」」
天目「おさまったわ・・・・・・」
 井戸から不思議な音がする。
こ、今度はいったいなにが!?
永閃「い、井戸だ。井戸の中から音が聞こえる!」
天目「あっ!」
永楽「地底から吹き出す空気によって井戸が鳴っているのか!?」
キョウ「井戸が泣いている?」
永閃「うおっ」
永楽「こっ、これは・・・・・・」
永閃たちの変化が始まる
天目「ま、まさか・・・・・・」
キョウ「この遺跡自体が「無限の笙」だったのか!?」
変化を終えた二人。
へ、変身してる?
永閃「ありがとう、九峪殿」
永楽「どうやらわたしと兄様は天空人としての能力を取り戻せたようだ」
天目「これで東山や回青と戦えるめどがついたわ」
永閃「でも、なんだか、おかしい・・・・・・力が完全には元に戻っていないようです」
天目「えっ!? なんですって?」
永閃「もしかして・・・・・・まだ、思い出していないことがあるのかもしれません」

「永閃、永楽」
「天目殿。まあ、どうぞ、中へ」
「なにか用なのか?」
「「天界の扉」のこと・・・・・・思い出したかしら?」
「残念ながら・・・・・・思い出しましした」
「残念・・・・・・とは、どういうこと?」
「天界の扉は完全に閉じられているのを、思い出したということです」
「完全に・・・・・・閉じられてる!」
「そうです。 我々ですら人間界の側から開けることは不可能でしょう。開けられるのは、おそらく天界の側からだけ。ですから、刑期が終わっても我々二人は天界に戻れないことがわかったんですよ。我々の能力が完全に元に戻らないのも、天界の扉が閉ざされているためのようです」
「そうだったの・・・・・・でも、「魔界の扉」は? あれは開いているのではなくて? 征西都督府にある魔界の泉は魔界の力が「扉」を通じてもれ出したもののはずよ」
「魔界の扉は、おそらく完全に閉じきっていなかったのでしょう。あるいは、何者かがわざと閉じなかったか・・・・・・あるいは、閉じていたものをこじ開けたか」
「天界の扉で、どうしようと思ったのだ?」
「魔界の力だけでなく、天界の力を浴びれば今よりさらに強くなれるはずよ。そうすれば望みが・・・・・・」
「望み?」
「いえ、いいの。開けられないのなら・・・・・・失礼しますわ」
「あ、天目殿」
「(天界の力が得られないのなら、今のままで戦うしかない・・・・・・)」
「行ってしまった・・・・・」
「どうしたのかな、天目殿は。ずいぶんと思い詰めた顔をして・・・・・・天目殿らしくなかった・・・・・・」
「わからない。天目殿。なにを考えているのやら」