曲・鬼姫


天 目
(てんもく)



小説版


 小説火魅子伝で、現在九峪と並ぶキーパーソン的な存在といっても良いかと思います。

 火向編9巻までは狗根国四天王の1人で、征西都督筆頭補佐。日輪将軍と呼ばれていたのが彼女です。3年前から天界の扉の探索任務に就いていましたが、帖佐が泗国討伐で九洲を離れることになったため、筆頭補佐も兼任。
 狗根国下の九洲の実質的な支配者で、九洲の施政の全てを取り仕切っていました。

 とにかく目立つことが大好きで、面積のごく小さな鎧と大きな羽飾りを背負った姿は、ド派手としか言いようがありません。その類まれな美貌と体を保つためには、あらゆる努力を惜しまず、風呂にも毎日3〜5回は入っているんだそうです。
 羽飾りは古代遺産と伝えられる武器でもあり、天目の意志、闘気に応じて自由自在に変化、伸縮します。鋭く尖らせた羽根先は青銅の扉程度、やすやすと突き刺さるほど。
 また「魔界の黒き泉」の力によって、超人的な膂力(りょりょく。筋力のこと)を手に入れており、これも大きな武器となります。下級魔人程度では正面から戦っても相手にならないので、蛇渇は天目を魔人に襲わせた際(6巻)、羽飾りを外す入浴時を狙いました。

 しかし天目の最大の武器は、天目親衛隊の存在でしょう。
 美しい容姿を誇り、知力も武力も優秀な女性ばかりを集めて作られた天目親衛隊は、狗根国軍に属してはいるものの、実態は天目の私兵部隊のようなものでした。天目と同じような極小の鎧を着用して闊歩する彼女達の姿は、相当に目立ちます。
 天目は出自が卑しかろうと、かつて耶麻台国に仕えていようと、優秀であれば分け隔てなく採用し、その働きに応じて報いてきました。徹底的な能力主義ですね。部下を信頼し、自分の為に殉じた者を手厚く葬る配慮も見せます。
 ですから彼女達の天目に対する忠誠心は並ではなく、天目のためなら命を投げ出すことも厭いません。それは天目が襲撃された時、瀕死の隊員が最後まで天目に尽くそうとしたことからも、明らかでしょう。

 天目自身、自分1人の能力と頭脳だけを頼りに、狗根国内で手柄を立てながら、出世を重ねてきたんだそうです。分け隔てがないのは、そのせいでもあるんでしょうね。

 性格は帖佐が言うには「本質的に凶暴で残酷でワガママで性格がねじれている上に、短気で気位が高くうぬぼれ屋」だそうです・・・ひどい言われよう(^^;親衛隊員以外の狗根国人には、彼女のその性格ゆえに、あまり天目の評判は良くなかった様子。加えてあの格好ですからね〜。
 前述の親衛隊員にとっても天目は、命を懸けて仕える主であると同時に、最も恐ろしい人物でもあるようですね。優れた働きをすれば、時には一族郎党にまで報いてくれるし、可愛がってもくれますが、天目の期待に応えることができなければ、敵と斬り死にしたほうがマシと思えるほど、ネチネチいびられるそうですから。
 自身優秀な執政官でもある天目は、部下にも言われた以上のことを成し遂げようとする者を好むので、親衛隊員もなかなか大変なようです。

 そして──
 九峪達、復興軍が起って以降の天目の言動は、とにかく謎だらけでした。
 本来なら敵であり、一刻も早く潰さねばならないはずの復興軍に、忌瀬や真姉胡を潜入させて復興軍を手助けさせたり。復興軍に4千の狗根国軍を差し向けた時に、虎桃に軍監として復興軍の戦いぶりを視察させたり。蛇渇が復興軍打倒のために喚んだ魔人達を指揮下に置こうとしたのも、勝手に復興軍を潰されては困るから、だったし。
 表向き復興軍討伐の手を打っているように見せながら九洲の狗根国兵を減らし、部下にも火向に耶麻台国残党を集めて殲滅するのが目的、と説明しつつ、天目が画策していたもの。
 10巻で初めて明らかになったその目的は、狗根国に反旗を翻し、九洲を自分の支配下に置くことでした。
 大商人で只深の養父でもある恒常の援助を受け、紫香楽を殺した天目は 親衛隊員を動かし火向以外の九洲を掌握したのです。
 そして火向国をほぼ支配下に置いた復興軍と接触を図り、九峪と会談。狗根国本国からの征西軍に備え手を結ぶと同時に、火後と豊後を復興軍に譲渡しました。

しかし天目の真の目的は狗根国離反、九洲支配にはとどまらないはず。天界の扉がその目的には重要らしく、神の遣いだという九峪自身にも並々ならぬ関心を示しています。彼自身の護衛のために、魔兎族3姉妹を差し向けたりもしていますからね。第2部はこの目的も大きな展開をみせるでしょう。

 ちなみに、小説版天目の年齢は23歳だと天目が言っていますが。
 魔兎族と天目が知り合ったのは、耶麻台国と戦をした後から2、3年の間だとしても、天目は8〜11歳。真姉胡は天目に11、2年仕えているから、やっぱりその時の天目は、11,2歳ということに・・・なるような。
・・・テンモクサン、アナタホントニ23デスカ?
 10巻でも外見上20代後半らしいといってますしね〜。


ゲーム版


 狗根国九洲占領軍四天王・日輪将軍天目という肩書きです。泉の力で超人的な膂力を持っていることも、小説と同じです。
 年齢は28歳で、声は高島雅羅さんです。
 ゲーム後半になって耶麻台国軍と直接対決しましたが敗戦、上将軍・東山によって厳罰を受けさせられた屈辱で狗根国を離反し、既に耶麻台国軍に参加していた自分の元部下の、忌瀬の元を訪ね、彼女を通じて九峪と面会、軍への参加を希望します。そして九峪は天目を受け入れ、以後天目は九峪軍専属武将として活躍することになります。

 とにかく派手好きなのも小説と同じです。自分がこの世で1番美しいとキッパリ言い切り、目立つ格好をするのは、美しい自分を見て兵士が士気を高めるからで、だからこういう格好は自分の義務なのだと公言しています。東山が天目に与えた罰は、当分の間、1兵卒に降格し、喪服を着ること、というものだったのですが、天目が我慢ならなかったのは降格ではなく、地味な喪服を着ることだったというのですから、気合が入ってますね(^^;

 イベント類も美容や自分の美しさを誇示するものばかりなので、天目と付き合うには「過剰に褒める」ことが前提条件になります(笑)大勢の人に見られることが大好きですしね。もっとも、褒めてばっかりいればいい、ってもんでもないんですが。
 ただの派手好きで高笑いの似合うギャグキャラに思われがちですが・・・実際、告白イベントなんかも、亜衣とタメはる爆笑ものなんですけど・・・狗根国で四天王だっただけあって、結構鋭い所を見せたりもします。
 それに九峪との好感度があがれば、イベントで「誰かさんと一緒なら、無人島も悪くない」と、いじらしいことも言ってくれます。

 また、天目の東山への憎しみは、単に喪服の件だけではなかったことが、最後に判明します。狗根国に滅ぼされた出面の国の王女が彼女で、東山はその指揮をとっていた、いわば仇だったんですね。四天王の鋼雷を殺したのも、鋼雷が出面の民を虐殺したから。天空人の兄妹をかくまっていたのも、彼らから天界の扉への手がかりを得て、天界の力を手に入れ、東山を討つためでした。

 なお、蛇渇とも犬猿の仲だったようですが、こっちは特に仇討ちとは関係なかったようです。
 また、ゲームがこうだったからといって、小説も同じ目的とは限りません。


アニメ版


 アニメ版の天目は・・・ただの脇役です(爆)
 四天王として耶麻台国の残党狩りをしていただけで、メインストーリーに関わることはありませんでした。ただ、クールに見えて意外と優しい性格だったようで、消えた恋人を捜し続けている帖佐に、さりげなく手がかりのような言葉を言ったりしています。
 また雲母とは仲が良かったようです。紫香楽への愛情と国王の命令に板ばさみになった上、最後には紫香楽を失った彼女を、励ますシーンがありました。
 他に見所としては、枇杷島で伊万里と対決する場面がありますね。


コミック版

未登場です(T_T)