曲・終焉の時


紫香楽
(しから)



 コミック版以外に登場。狗根国の九洲統治機関・征西都督府の長官であるのは、登場全メディア共通です。アニメ、ゲームでは敵の大ボスになっています。声は、森川智之さんです。

 小説版の紫香楽は、狗根国大王の息子ですが「東太子(ひつぎのみこ)」つまり皇太子ではなく、数多い王子の1人に過ぎません。母親の出自が低く、王位継承順位でいえば5,6番手。次期大王になれる可能性は低いが、しかし天界の扉を見つけることができれば、次期大王への道も開かれると紫香楽は考えていました。
 また、九洲の長官に任命されたということは、大王の寵愛をそれなりに受けていた証拠でもあります。
 ですから紫香楽の不興を買うようなマネはできないのに、さらに本人は無能ときているので、周囲にとっては手のつけられない愚か者、お飾りどころかお荷物になっていました。
 もっともそれは裏を返せば、操りやすいということでもあります。マジメな帖佐は紫香楽のお守りもマトモにしていたようですが、天目は酒と女と薬をあてがって骨抜きにし、紫香楽の次期大王への野心も利用できる時は利用しながら、自分の目的のために好き勝手に行動していましたからね。

 しかしそれも天目が狗根国造反の準備を整えるまでのこと。10巻で彼女はその準備を整え、紫香楽を襲撃します。それに対し紫香楽は、おぞましい化け物となって対抗しようとしましたが、所詮保身に走っただけの魔物。天目に切り刻まれ殺されました。

 ゲーム版の紫香楽も、小説版と同じく愚か者です。威張ってはいても気が弱く、周りの言うことしか聞いていなかったため、耶麻台国軍が起って進撃を続けても、紫香楽自身はロクな手が打てませんでした。せいぜい、本国に応援を要請して、枇杷島を呼び寄せるのが関の山。その枇杷島が落ち、周囲を固めていた優秀な武将達が次々倒れ、敗戦が濃厚になってもオロオロするだけで、自害する勇気もなく──
 ・・・結局、耶牟原城を奪還に来た九峪達に対し、最後の手段を使って身を破滅させるしか、手段は残りませんでした。
 でもゲーム版紫香楽には、どこかコミカルな部分がありますね。狗根国のギャグ担当というか、なんとなく憎めない愚か者といった感じがします。

 アニメ版紫香楽は上の2つとは別人のように、悪役を立派に果たしています(笑)一応顔も2枚目系でしたし。
 狗根国国王の一人息子だったようですが、親子の愛情はお互いにカケラも持っておらず、紫香楽は憎しみすら抱いていました。国王の命令に従って耶麻台国の残党討伐をしながらも、闇の泉からゾンビ兵を作り出して自分の軍事力を強化していたのは、枇杷島という強力無比な兵器を持つ国王に対抗するためでした。王のほうもそれは承知していて、雲母に監視役をさせたりしていましたが、自身を闇の力に染めた紫香楽に、あっさり殺されてしまいました。

 性格は冷酷で傲慢、自信過剰。失敗した兵は容赦なく切り捨ててゾンビ行きですし、耶麻台国に侵攻した際は墨火の力を手に入れるために、赤ん坊だった日魅子をためらいもなく墨火の炎に投げ込みました。そして、かなり歪んだ美意識の持ち主です(^^;絶世の美女と言われた霄霏(しょうひ)を半身化け物の姿にして閉じ込め、美しいと愛でる感性には、ゲーム版の亜衣も遠く及びません。
 ・・・でも、野心と行動力は人一倍でしたが、頭の方は良いとは思えませんでした(爆)力だけに頼って、作戦がお粗末なのはゲームと似たり寄ったりでしたからねえ。
┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ〜


曲・悪魔崇拝者


蛇 渇
(じゃかつ)



 狗根国左道士監の役職についている人物です。声は若本規夫さん。

 小説版では上には左道士総監がいるようですが、どうやら役職のみの人物で、実質左道士を束ねているのは彼です。紫香楽の左道士補強の要請に応じた狗根国大王に命じられて、九州にやってきました。

 どう見ても「人間やめちゃってます」な容姿ですが、一応人間ではあるようで、百歳近いとか。骨と皮ばかりのせいか、やたらと、どもるのがクセです。
 若い頃魔界の泉を飲んで、左道士の能力を強化させることに成功した人物で、狗根国でも数人しかいない、魔人を喚ぶことができる高位の左道士の1人です。しかも蛇渇は一度に何人もの魔人を喚べるのですから、その実力の程が分かるというもの。さらに並の人間ではその力場に触れただけで気絶したり、肉体の一部が破壊されることもある、という魔界の泉の空気を、心地よく感じるというのですから・・・・やっぱ人間やめてるかもしれない(^^;

 とまあ力はありますが、狗根国内でも蛇渇を嫌っている者は多いようです。ガイコツ男と、すすんでオトモダチになりたい人間はそうはいないでしょうけど(汗)
 紫香楽や天目とも反目していますし、自分の部下であるはずの深川も蛇渇を嫌っているし、他の部下も忠誠からというよりは、怖れで従っているだけのように思えます。中には鳴壬のように子飼いの部下もいるようですが・・・。
 また、魔兎族3姉妹も蛇渇には恨みか何かを抱いている節があります。

 6巻では天目を魔人に襲わせている蛇渇ですが・・・2巻で召還した魔人を天目にとられても、それで反乱が収まれば良し、失敗しても天目が失脚するだけ、と泰然としていたのに、どうして襲わせたのか・・・7巻で挑発とか言ってますが、様子をみるとも言ってますし、よくわからない人物です。

 天目の造反が明らかになっても姿を見せず、潜んでいる蛇渇が出てきたとき、何かが起こりそうですね。

 ゲーム版では、耶麻台国残党掃討の任務に最初から就いており、伊雅達が潜む隠れ里を見つけた部下の報告を受けて、里を襲撃しました。伊雅は殺しましたが、彼の命がけの攻撃で蛇渇も手傷を負います。そして逃げた九峪と清瑞に追いつき殺そうとしましたが、これも伊万里と上乃に邪魔され断念しました。
 その後立ち寄った国府城で、志野と珠洲の城主暗殺計画を潰してから、征西都督府に戻りました。以降耶麻台国軍の前には多くの魔人が出現しますが、これらは蛇渇が喚んだものです。

 自分の左道の力を絶対視する蛇渇は、他の力を軽んじるため、他の幹部とは小説版同様仲が悪く、天目や平八郎と敵対する場面が見られました。目の奥を真っ赤に光らせて怒るのは、とっても不気味です(^^;

 アニメ版では星華の父親であった大神官が、生きたまま闇の泉に放り込まれ、闇の力に憑依された者が「蛇渇」でした。特にこれといって活躍することもなく、紫香楽に従う闇の者として多少の助言をしたりする程度でしたね。最後は闇の力に抵抗した星華の父親の魂と、星華によって浄化され、消滅しました。

 コミック版では、魔界の扉の封印をとこうとしていて、未来の世界を滅ぼした元凶です。
 そして日魅子の父親でもあります。あんなガイコツになる前は、かなりの美形だったんですね〜、信じられないことに(^^;
 かつて火魅子と蛇渇は恋人同士だったのですが、多分蛇渇の闇の部分に気づいたかどうかしたんでしょう、火魅子は蛇渇と別れ、その後、閉ざす者・九峪と一緒になりました。
 蛇渇はそれを許すことができず、魔道に堕ちて狗根国軍と魔族と共に耶麻台国に襲来、これを滅ぼしてしまいました。火魅子と九峪は扉を閉ざして死に、蛇渇は16年かけて扉の封印を解こうとしながらも未だに果たせずにいた所に、日魅子と転生した九峪が未来からやってくるのです。

 他のメディアの蛇渇と比べると、感情を露にすることが多い印象があります。骨と皮ばっかなのにそれが分かるんですから、大暮先生さすがですね〜。
 扉を閉ざすからという理由以上に、自分から全てを奪っていった九峪を相当恨んでいるようですが、力の方はどうも分が悪そうです。結界も一瞬で破られましたし。
 ・・・しっかし、ただの嫉妬心からここまでの事態を引き起こすとは、はた迷惑な奴っつーか、実の娘を裸にして拷問しようとするような奴、火魅子に逃げられて当然でしょこのオヤジ、と書きながらツッコミ入れましたよ、ワタシ(爆)

曲・阿修羅と孔雀


帖 佐
(ちょうさ)



 狗根国四天王の1人、氷貴将軍・帖佐です。メディアによって全部容姿が違いますが、人並みはずれた美しい容貌をしているのは共通しています。画像はゲームのものです。

 小説版の帖佐は、まだ1巻にしか登場しておらず、挿絵もないのですが、背中に小さな翼を生やしているという描写があります。そして魔界の黒き泉の力で、不老ともいえる体質を手に入れており、大体5年に1つくらいしか歳を取らないようです。
 15年前、耶麻台国制圧軍の総司令官だった帖佐は耶牟原城を落とし、耶麻台国は事実上滅びました。以降彼は征西都督筆頭補佐として九洲を治めていましたが、狗根国本国から泗国討伐の責任者となるよう命令を受け、現在は筆頭補佐の役目を天目に任せて、泗国へ遠征中となっています。
 常に冷静で真面目。一切の感情を挟むことなく仕事を遂行する、その冷酷な姿勢も氷貴、という呼び名にふさわしい。もちろんとても優秀なのは、いうまでもないでしょう。

 帖佐には唯一その心を許し、心底愛している女性がいます。名前は柚子妃(ゆずき)、元は帖佐の副官で、帖佐の右腕として活躍していた女性でした。彼女の前でだけは、帖佐は優しい笑顔を見せます。
 ですが彼女は魔界の泉の力が、マイナスの方向に働いてしまい、急激過ぎる若化に襲われました。15年前は19歳でしたが、今は12,3歳。このままではいずれ死んでしまう。
 その若化をとめられるのは、天界の力だと信じ、帖佐は天界の扉をずっと探し続けているのです。

 泗国に遠征に行っている間に天目の造反が起こり、征西都督府に残していた柚子妃も天目の手に渡ったことになるわけですが、今後どう動くのか気になるところです。

 ゲーム版の帖佐は、背中に大きな翼を生やしています。声は松本保典さんです。
 四天王のリーダー的存在で、礼儀正しい言葉遣い等で他の3人をうまくコントロールしていたようです。そして完全な不老です。
 冷静なのも小説と同じです。が、冷酷ではなかったようですね。

 狗根国軍が耶麻台王家の者が潜むという里を襲撃した時、彼自身は耶麻台王家の者を見つけることだけが目的で、他の里の者を皆殺しにするつもりはありませんでした。しかし手柄をはやった彼の部下が、帖佐が里に着く前に、里を全滅させてしまっていたのです。帖佐は息絶えた母親の腕の中で、1人生き残っていた赤ん坊を連れ帰り、国に黙って我が子として育てることにしました。それが只深です。
 しかし3年後、部下の密告でバレて只深を守りきれなくなった彼は、信頼できる者に託して彼女を送り出しました。
 そしてさらに12年後、帖佐は耶麻台国軍の火魅子候補の中に、15歳になった只深の名前を発見したのです。
 帖佐を倒した後、彼の手紙からそれを知り、「かすかに記憶に残る、やさしい父様の顔」が帖佐だと思い出した只深は号泣します。しかし、狗根国四天王の使命を捨てることは出来なかった彼との結末は、これしかなかったんでしょう。
(Tへヽ)(/へT) シクシク..

 アニメ版の帖佐は、天界人でした。普段は翼はありませんが、自分の意志で出現させ、飛ぶことができます。
 天目は「天界人の生き残り」といい、紫香楽は「地上に落ちてきた天界人」といっているので、天界は滅んだかのように思えますが、帖佐は「人の世の暮らしが面白くなったのが堕落の始まり」だと言っているから、自分で降りてきたようにも思えるし・・・説明不足のままの設定が多いんですよね、アニメは(泣)
 軍神としての腕を買われ、狗根国に招かれたらしいのですが、行方知れずになった恋人の霄霏を探す手がかりを見つけるため、そのまま紫香楽に仕えていたようです。
 そのせいか、あまり覇気というものがなく、他の四天王ともほとんど打ち解けずに、黙って上からの命令に従っていたような所がありましたが、領地では善政を敷いていて、民からは慕われていました。腕や頭ももちろん確かで、伊万里を追い詰めたりもしています。
 川辺で倒れていた日魅子を助け、城に連れ帰って面倒を見てくれたのも帖佐です。九峪を探したいという日魅子に自分を重ね合わせ、「信じればいつか願いは叶う」と励ましてもいます。
 そして色々あった後、変わり果てた姿になった恋人を連れて、紫香楽の元を逃げたのですが、闇の力を手に入れた紫香楽によって、2人とも殺されてしまいました。

 コミック版では蛇渇の企みに気づき、敵対する者として登場します。性格もそうですが、容貌もキザな優男といった感じですね。九峪は「変なオカマ」だと表現してますが(笑)
 蛇渇が志野や香蘭達の攻撃で窮地に立っていたときに、魔龍に乗って、さっそうと登場した時も、蛇渇の手助けにきたのかと思いきや、街と要塞を上級魔族から守った九峪達に、礼を述べに参上しただけだ、と突っぱねています。キザだけど仁義を重んじる性格であると同時に、蛇渇との対立も根深いことをうかがわせました。