曲・古の鏡

キョウ



小説版

 耶麻台国の7つの神器の1つ、「天魔鏡」の精です。体長40〜50センチ。火魅子の資質を持つ女の子を見分け、鏡に映し出す能力があります。
 九峪を火魅子世界に引きずり込んだ張本人です。ゲーム画像ではキョウの前面の文字は「天」ですが、小説版のキョウには、陰陽五行系の複雑な図形が描かれています。アニメも少し違う図形です。

 耶麻台国建国の頃から存在しており(6巻の142Pには百年とありますが、これは誤植でしょうね)、耶麻台国の盛衰をずっと見守り続けていました。
 しかし、キョウは九峪達の世界に転移(したんだと私は思ってますが、明確に記述されてるわけではありません)、1700年の間鏡は地中に埋もれたまま、世界を見続けながら、直系火魅子(日魅子)が現れるのを待っていたわけです。そしてついに時は満ち、天魔鏡は掘り出され、日魅子と九峪とキョウは出会いました。で、キョウは日魅子を火魅子世界へと連れ去ろうとしましたが、九峪が体当たりして邪魔をしたため、代わりに九峪を連れて来てしまったわけです。・・・そのあたりのことは、時系列やら何やらかなりややこしいので、「火魅子伝」コーナーででもそのうち別途解釈します・・・

 仕方がないのでキョウは九峪を説得し、彼を神の遣いと名乗らせて、耶麻台国復興の戦いを起こすことにします。そしてその最初の足がかりとして、ちょうど近くに来ていた元副王の伊雅と九峪を引き合わせようとした際、火魅子候補の2人にも出会い、復興の戦いは始まったのです。

 性格は、一言でいえばお調子者。
 興国の頃から存在する神器の、しかも精霊ですから、地位的には「神の遣い」と同等なのですが、物言いや態度には威厳のカケラもありません。誰に対しても友達感覚で話します。
 特に九峪には、神器の精の立場を取らずにすむし、九峪も神の遣いでなくていいので、お互い他の面々には言えない話もします。もっとも、余計な一言、が多かったり、やたらと胸を張るクセがあったりするので、よく九峪に首を絞められたりもしてますけど(笑)親しみは感じるけど、頼りがいがあるとはちょっと言い難い。
 首を絞められたら苦しがるし、精霊なのに物を通り抜けたりはできないし、コロコロ表情は変わるし、どうにも人間くさい精霊ですねえ。

 火魅子の資質を見分ける他にも、他の神器や人を探知する能力や、気配を悟られずに行動する能力などがあり、多少ですが術も使えるようです。ただ実体化しつづけると疲れるので、九峪の部屋にある本体の銅鏡で、普段は休んでいるようです。

 最初のうちこそ、自分が九峪を指図し、操って、復興の戦いを進めるつもりだったキョウですが、九峪が優れた司令官ぶりを発揮し、自分でも予想もつかないような作戦を立案、成功させるのを見るに至り、最近では全て九峪に一任するようになっています。
 それにそれまで各地に散らばっていて、藤那以外所在もつかめず、キョウ達の方で探すしかないと思っていた火魅子候補達─香蘭はキョウすら存在を把握していなかった─が、運命に導かれるように復興軍に参加してきて、6人もが一挙に勢ぞろいするという事態は、キョウにとっても予想外のことでした。

 それまでの100年(1巻の131Pあたりでは50年、となってるのですが、他の場所では100年となってるので)、火魅子の資質を持つ者は、1人も生まれていなかった上、建国以来、そんな大勢が一度に会するという事態はなく・・・特に大陸や半島にいた香蘭や只深なんて、普通なら絶対同時期に集まるなんてあり得ないですもんね。
 自分の思惑とは別の次元、もっと上の次元で何かが起こりつつあるのではないか、自分も操られているのではないか、とキョウ自身戸惑い混乱し、九峪が喚んでいるのでは、と疑うのも当然でしょう。
 10巻では、物事が九峪を中心に動いていることを認め、偶然、事故だったはずの九峪召還が必然だったのでは、と思うまでになっています。

 ここのところ、キョウの役割は突如目の前に現れる火魅子候補達を見ては仰天し、飛び上がるだけになってしまってますが(^^;神器の方は全部は見つかっていないし、耶麻台国は半復興しましたが、耶牟原城のある元征西都督府は天目の支配下のまま。九峪召還が必然だったのなら、彼を喚んだのは誰なのか、このあたりも合わせて第2部が気になるところです。


ゲーム版


 小説版同様、天魔鏡の精です。声は南 央美さん。体長は30センチほど。

 九峪を間違って連れてきてしまい、耶麻台国復興の使命を押し付けるのも小説と同じです。日魅子を連れて行こうとした最初の登場シーンは、とても良い精霊とは思えませんが(^▽^;)どっちかというと妖怪、悪魔・・・
 性格もほぼ同じですね。自信満々に九峪を怒らせることいって、首絞められてるし(笑)ただし火魅子候補達がポンポン現れても、疑問に思うこともなく、素直に喜んでますけどね。

 それまでは火魅子の前以外では姿を現すことがなく、火魅子の相談役のようなものを務めていたようです。おまんじゅうが好きでよく食べていますが、そのエネルギー源は火魅子の力。火魅子不在が続く今、キョウの力は段々と衰退していっており、九峪が九洲に来た時点から2年しか活動期限がありませんでした。九峪はその2年の間で耶麻台国を復興させなければ、キョウの力添えを受けることができず、現代に帰れないわけです。

 役割的にはゲーム中の謎を解説するナビゲーター、といったところでした。


アニメ版


 アニメのキョウは他のとは、かなり異なります。体長は手の平に乗るくらいです。

 「天霊(あまたま)」というのがキョウの正体なのですが、その天霊というのが何なのか、明確な説明がされていません。感じからいうと、墨火の生み出す精霊、のようなものみたいですね。1つではなく、数多くいます。
 紫香楽が神殿に乗り込んできたときに、そのほとんどが消滅してしまいましたが、1つだけ残ったものが赤ん坊の日魅子が持たされていた、火の守りの証である鏡のペンダントにレリーフになって宿り、日魅子と一緒に時を越えて現代にやってきました。
 そして日魅子が成長して、遺跡で彼女が出現した地点に立ったとき、ペンダントから出てきて彼女と、飛び込んできた九峪をこっちの世界へ連れて行ったのです。・・・でもこの時、九峪が飛び込んだから良かったものの、そうでなければ墨火の力は大半が現代に残ったまま、なわけで・・・どっか抜けてるのは小説、ゲームと同じですね(^^;)

 耶麻台国に来てからも、日魅子の側にいることが多く、彼女の周りを飛んでいました。キョウという名前も、日魅子が銅鏡のペンダントから出てきたことからつけたものです。しかし言葉を理解することはできるんですが、キョウが話すのはほとんど「キャア」「キュウ」「キョウ」言葉だったので、意志の伝達はもっぱらボディランゲージと表情でした。日魅子に危険が迫ったときは、小さいながらも一生懸命彼女を守ろうとする、結構カワイイ奴でした。

 墨火が復活すると同時に他の天霊も復活、九峪と日魅子が現代へ帰るときに手助けをしたんですが、最後にこのキョウだけが「ヒミコ」と、初めて言葉を発したのが印象的でした。


コミック版

 九峪が現代で何かの声に呼ばれて掘り出した、銅鏡の半分。これと数年前に九州で発掘されていたもう片方が合わさり、日魅子に憑依して出現したのがキョウです。ですから精霊としての姿はありません。

「天と魔のはざまより生まれ出でた、時を統べる鏡の精」であり、全ての時と閉ざす者を導く、導標(どうひょう)。キョウが自分を紹介したときにいった言葉です。実際かなりの力を持ち、九峪を古代へ導きました。

 しかし本当は、日魅子に大きな力があることを知った火魅子が、母親の太皇が使っていた鏡に、その力を移しただけで、キョウ自身の力はそんなに強くありませんでした。
 九峪を古代へ転送するときに彼が術の固定を解いてしまい、時空のかなたへ消えそうになった時、キョウは既に日魅子へ返してしまって、ほとんど残っていなかった力を使い、九峪を古代へ導いたのです。

 そのためキョウは全ての力を使い果たし、古代で太皇と九峪の見守る中、銅鏡は2つに割れ、その命を失ってしまいました。
 立派だねえ・・・