曲・抜刀


九峪 雅比古
(くたに まさひこ) 



小説版


 17歳。家族については触れた事がないので不明。
 現代の普通の高校生でしたが、天魔鏡の精・キョウによって、間違って異世界の「九洲」に召喚されてしまった、不運な人(笑)。そのキョウが言うには、現代に帰る手段は、滅亡している耶麻台国を復興し、女王火魅子を擁立、彼女に時の御柱を動かしてもらうしか方法がない。
 そして九峪は神の遣いを名乗り、耶麻台国復興軍・最高司令官として、狗根国との戦いに身を投じることになります。

 紹介画像はゲームなので、かなりたくましい感じがしますが、この世界の人に比べ、体力も武術の心得も無い小説九峪には今のところ、刀を振るって戦う、というような場面はありません。今後も魔人はともかく、「人」を斬ることはないのでは・・・あれば重要な転換期になると思います。ならなきゃおかしい(^^;
 その代わり、歴史小説やゲームから得たという、用兵等の戦争に関する知識を豊富に持っているので、それが武器となっています。もっとも、いくら知識ばかりあっても、適切に応用できる能力、機転がなければ持ち腐れな訳で・・・敵の動きを読む洞察力や組織運営能力、人事能力等、司令官に必要な素質も元からあったんでしょうね。今後経験をつめば、軍事・非軍事ともに、更に手腕を発揮してくれるでしょう。また、九峪には方術や左道は効かないようです。


 性格ですが──
 忍耐力ないわ、だだはこねるわ、年下相手にもムキになるわ、無茶はするわ、とおよそリーダーらしいとは程遠いので、よく呆れられてます(笑)。情けない姿をさらしたことも数多し。要するに、子供っぽいんですね。
 その上結構スケベだし(^^;)女性達を口説きまくったり、故意にさわりまくったりはしないんですが・・・そこは健康な17歳の青少年、露出度高い衣装や大きな胸やお尻が目の前にあると、ついつい目線はそっちに、鼻の下が伸び、そして妄想モードが発動!してしまうらしく・・・周り美女ばっかだし、しっかり皆に「すけべぇ」だと認識されちゃったし、九峪君も大変だね〜。

 ともかく、基本的に明るく憎めない性格が、九峪の最大の魅力でしょう。「神の遣い」だというのに、誰にでも親しげに話し掛けるし、頭を下げることもためらわない謙虚な態度も、周囲には驚きと共に好意的に捉えられているようです。
 上記の欠点さえ、親しみやすさを増す要因になってたりもするし・・・彼が周囲に影響を与えているのは確かです。
 「どこか不思議で、どこか変で、それでいて何となく魅力的な人」とは衣緒の弁。時折見せる気遣いや優しさ、ついでに笑顔や真剣な顔も、結構女性達を惑わし(!?)ているようですしね。天然無自覚プレイボーイの素質も、充分か(笑)
 10巻あたりでは清瑞のことを結構気にかけていましたし、こちらの行方も興味があるところ。
 
 一見、精神力弱そうに見えますが、異世界に来たっていうのに結構あっさり受け入れてる度胸や、スプラッタな死体だらけの場所で、生死不明の香蘭を探しつづけたりした(8巻)ところとかは、大したものだと思います(多分後で悪夢見てるでしょうが)。
 が、そんな状況でも妄想モードは忘れないのは、気持ちの切り替えが早いというか、なんというか(−−;)元部下の死体達の前でそりゃないでしょ、と呆れたのも事実。
 読者サービスもほどほどに・・・ま〜、その後の彼の態度で、多少名誉回復はできたとは思いますが。
 できるだけ、人の命が失われないように、というのが、九峪の戦術の基本理念となっていますしね。


 あと、彼は危険が迫ると、魔人を一撃で焼き尽くす(記憶はなかったんですが)等の、不思議な力を見せることがあります。いずれの時も日魅子の持っていた鈴(討魔の鈴)が鳴ることから、鈴が関係あるのは間違いない。が、それが鈴の力なのか、現代にいる日魅子の力なのか、九峪自身の力を鈴が引き出すきっかけを作っているのか、何か全く別な力が関与しているのか、まだ不明なままです。
 それに消息不明だった火魅子候補達が、導かれるように一気に集結したり・・・九峪召還と時を前後して、キョウも予測していなかった事態が数々起きつつあるのは確か。耶麻台国が滅んだときには動かなかった、仙界や竜宮(もしかしたら魔界も)の動きもあわただしくなっている気配もありますし。キョウの外で事態が動いてるから、本当に九峪は間違って呼ばれただけなのかどうかも、微妙となっています。う〜ん、すっごい気になる。
 
最初は自分の世界に帰りたいためだけに、耶麻台国を復興しようとしていた九峪ですが、多くの仲間と共にするうちに、彼らのために復興させることを決意しました。意欲が増すにつれ積極的になり、司令官・神の遣いらしい振る舞いも身についてきましたし(スケベにもなってるけど(^^;)その他もろもろの伏線や恋愛の行方含め、続きが気になりますよね。


ゲーム版


 ゲーム版の九峪は、主人公兼、プレイヤー自身となります。声は関 智一さんです。
 設定は、18歳になった以外、小説版とほぼ変りません。なぜか結構マユゲが太いですが(笑)。キョウに間違って召喚され、帰るために耶麻台国軍・総大将として復興を目指すのが目的です。

 小説版との最大の違いは、ケンカが強いという設定があり、ゲーム最初から刀を振るい、第一軍を率いて戦線で戦う、という所です。体格もいいし、現代では剣道部の部長でもしてたんでしょうか。最強の部隊として戦場を駆けさせたプレイヤーも多いでしょう。
 現代で強かったからといって、こっちで通用するのか、人間の兵士を斬れるのか、という疑問もありますが・・・アクションゲームだから、ってことで深くは考えないほうがいいんでしょうね(^^;。戦える分、華々しい見せ場は多いのでそれで良し!ってことで(笑)枇杷島攻略戦等で先頭きって戦う姿は、なかなかカッコいい。七支刀(しちしとう)もサマになってます。もちろん、プレイヤー自身ですから指揮官としての役目も持っています。

 九峪の言動は、ほとんどが恋人候補達とのやりとりの選択肢で決まるので、プレイヤーによって若干性格が違ってきますが、まあ、よほどひねくれた選択ばかりしなければ、基本は小説版に近いものになるでしょう。あっちよりは落ち着いているというか、達観した感じもしますね。・・・そんなにスケベじゃないからか(笑)
 普段は飄々としてますが、イベントの端々に、この世界に一人でいることの寂しさや、逆にこの世界の人々に心惹かれ、帰りがたくなっている心境を覗かせたりもします。
 ゴキブリ退治や風呂釜修理、下着ドロ捕り物にトイレ掃除まで、およそ総大将がやるようなことじゃないものを頼まれたりもしますが(^^;、普通にイベントをこなしていれば、高確率で複数の女性達に愛される存在になるはずです。

 最終的に告白を受ければ、九峪は耶麻台国復興後、現代に帰るか、それともこっちの世界に残るかの選択を迫られることになります。


アニメ版


 アニメ版の九峪は、「墨火(ぼっか)の力を宿す者」として登場します。主人公です。誰が何と言おうと主人公です、例えOPとEDに影さえ出てなくても(爆)

 18歳。フリークライミング部の部長で、冒険家の父親はチョモランマ登頂中に行方不明。15年前、赤ん坊だった日魅子が現代の遺跡から出現したとき、側にいたために墨火の力を宿してしまったのが彼です。古代に来てからは狗根国に捕らわれた日魅子を助けるため、その後は日魅子と共に、現代へ戻るため、反乱軍の仲間と共に奮闘することになります。

 九峪が持つ力は強大で、下手をすれば世界も滅ぼしてしまうほどのもの。にも関わらず本人に自覚がなく、感情が高ぶったりすると無意識に力を解放してしまうことがあるから、危険このうえない(^^;それでも後半、訓練を積むことで墨火の力から、聖剣「七支之御剣(ななさやのみつるぎ)」を作れるようになりますが、完全に力を制御するには日魅子の存在が不可欠。そのためか、それとも九峪の想いのなせる業か、九峪には日魅子の居場所がわかる、という能力もありました。

 キョウという案内説明役がおらず、自分の状況が中々わからなかったせいか、それが地なのか・・・恐らく後者だろうな〜、アニメ版九峪はかなり短気。「人に指図されるのが大っ嫌いなんだ!」なんて叫んでますし。剣の腕もないし、知謀もない、力も自由に引き出せない。全メディア中、1番情けないですが(苦笑)、日魅子が好きだという気持ちは本物で、いざって時には主人公らしい活躍をしてくれます。


コミック版


 2000年前、耶麻台の女王火魅子の伴侶であり、魔界の扉を彼女と共に封じて死んだ英雄・「九峪」。主人公の九峪雅比古は、その九峪が現代に転生した姿です。
 そして古代で再び蛇渇が魔界の扉を開こうとしていることが原因で、一日にして滅んでしまった現代世界。その歴史のゆがみを正し、世界を守りうる力を持つのは、ただ一人「閉ざす者・九峪」だけ。そして日魅子に憑依したキョウは、九峪を古代に召喚し、日魅子も古代にやってきました。
 コミック版では、母親が声だけですが登場しています。また日魅子以外にも「委員長」と呼ばれていた子が、九峪に想いをよせていました。悲劇的な結末をたどってしまいましたが・・・

 ・・・その肩書きもすごいけど、力もすごい。山ほどの大きさがあり、圧倒的な強さと不死とも言われた肉体を持つ上級魔族を、剣の一振りで骨だけにして、その魂も天に還してしまうほど。
蛇渇が十重二十重に張り巡らした結界さえ、一瞬で解いて日魅子を救ったし。はっきり言って蛇渇自身を倒すのも、簡単なんじゃないだろうか(^^;できれば続きを読みたいものです。

 そして、「炎の御剣(かぎろいのみつるぎ)」もしくは「九峪の剣」と呼ばれる剣を持っており、力に覚醒した九峪が体内?から出現させます。女王候補でも触れることはできますが、自在に呼び出し使いこなせるのは九峪のみ。うーん、やっぱメチャクチャカッコいい、伝説の勇者様してます(笑)