曲・黒装束


清 瑞
(きよみず)



小説版


 耶麻台国復興軍の乱破(忍者のようなもの)で、19歳です。
 耶麻台国副王・伊雅の実の娘ですが、伊雅とキョウ以外、そのことを知りません。つまり王族で、日魅子の従姉ということになりますが、残念ながら彼女には火魅子の資質は宿らなかったようです。

 母親は伊雅と日魅子を耶牟原城から脱出させる際に、命を落としました。1巻の文章から推測すれば、母親は里で他の男と結婚し、清瑞はその人との子供、ということにしていたようです。恐らく身分違いだったせいでしょう。その「父」も、もういないようですが。
 4歳の時、里は狗根国の焼き討ちにあいます。しかし清瑞は生き残り、日魅子と最愛の人を失った伊雅と再会しました。そして乱破の腕と剣術の腕を磨きながら、2人で火魅子探しと、耶麻台国復興の活動をしながら過ごして15年、廃棄された神社で九峪と出会ったのです。

 敵の状況を把握する物見、街に潜入しての情報操作、戦場での部隊の指揮に、九峪の警護。彼女の乱破としての役割は多岐にわたりますが、それらを全てこなす力量は並々ならぬものがあります。
 
 無表情、無愛想で冷ややか。
 最初、九峪に出会ったときの清瑞は、復興軍内で唯一、彼のことを信用していませんでした。妙な格好をして、妙な話し方をする、およそ神の遣いらしくない言動の多い男では、無理もないですが(^^;
 任務には忠実なので、復興軍総司令官となった彼の警護の手を抜くことはありませんでしたが、伊雅の姿が見えない所では、あからさまに不審な顔をしたし、言葉の端々が皮肉と嫌味で棘だらけ。九峪の方もそれを受け流せるほど大人ではないから、お互いに反発しあって火花がバチバチ散っていたわけです。

 しかし九峪の作戦のお陰で、復興軍が快進撃を続けるにつれ、そして九峪の人柄を知るにつれ、清瑞の態度も変化していきました。はっきり変化が分かったのは、5巻の「九峪の裸を見ちゃったぞ事件」からでしょうか。それまで冷たい印象しかなかった清瑞が、壊れちゃいましたからね(大笑)それに実は純情なんだということが垣間見れました。
 直後起こった、伊万里の九峪襲撃事件でも、とっさに九峪をかばって負傷しましたし、7巻に至っては、香蘭に抱きしめられていた九峪を見て、焼き餅を焼いて「あっかんべ〜」してるし、「最初俺を疑っていただろう」という九峪に、彼の勘違いだ、と完全否定しています。嫌味や皮肉は健在ですが、お世辞まで言うようになったし。
 極めつけ、10巻では九峪のキスを「お守り代わり」という言い分のもとに受け入れ、彼の元で働くのが自分の生きがいであると思っているのですから、その変貌ぶりはすごいですね。これを好意と呼ばずになんというかと。

 そして九峪の認識も、清瑞の変化や、弱点(船に弱い)を知るにともない「憎たらしい奴」から「からかいがいのある奴」に変わり、こっちの世界にきてからもっとも長く共にしていることもあって、清瑞のことを大事に思うようになってきました。はっきり好意というものを口にしてはいませんが・・・キスしたしね(笑)

 10巻では虎桃によって捕らえられて元征西都督府に連れてこられ、賓客という名の人質となって軟禁状態におかれてしまった彼女ですが・・・天目にもえらい気に入られたようだし、いつ耶麻台国軍に帰ってこれるか^^;
 まあ火魅子伝ファンの人気も高いですし、第2部でもすぐ出番があるでしょう。


ゲーム版


 21歳。声は芝原チヤコさんです。
 伊雅に仕える忍者だったというのは小説と同じですが、伊雅の娘という設定は存在しません。ゲーム版の伊雅は蛇渇に殺されたので、清瑞がその遺志を継ぎました。耶麻台国復興のために、自分の命と引き換えにしても九峪を逃がし、後を託した主の最後の命令を、忠実に実行するために。
 耶牟原城の蛇渇戦を九峪軍で戦うと、仇は討ちました、という清瑞のセリフが聞けます。

 九峪軍の専属武将で、九峪の護衛役です。小説版のように、九峪の側を遠く離れることはありません。・・・九峪が他の女の子とデートしている時はいませんけど(^^;
 イベントは九峪を鍛えるとか、自分の技を伝授しようとするものが多く、総大将としての資質を問う質問もよくします。

 小説版の清瑞はずいぶん表情が豊かになり、「あっかんべ〜」までするようになりましたが、ゲーム版清瑞は火魅子候補でも様づけしないことがあるし、九峪に対しても終始タメ口。よく皮肉めいた物言いをするし、何を言っても冷たい反応をする。ケンカだって日常茶飯事です。小説版の最初の頃の態度によく似ていますね。
 彼女は、うまく感情を表に出すことができないのです。感情など、邪魔なものだと叩き込まれてきたから。戦闘能力だけが全てだったから・・・。
 星を、花を、虹を見ても、何も感じないという彼女に、九峪が言ったことがあります。
「じゃあ何で俺に突っかかる?ことあるごとにさ・・・怒ってるからじゃないのか?怒れりゃ、嬉しくもなれる・・・笑えもするだろうに・・・まあすぐには無理だとしても・・・たまには、のんびり空でも見ろって」

 九峪の、いつもは軽いけれど時々見せる、真摯な態度や気遣いに触れるにつれ、彼女の態度も微妙に変わっていきます。特訓の時ちょっとうれしそうだったり、清瑞が組んだスケジュールは、彼女が常に九峪の側にいるようなものだったり。九峪の護衛役という任務に、伊雅に託されたという理由だけではない、誇りを覗かせたり。カエルが大の苦手で、腰を抜かすという意外な一面を見せたりもします。

 清瑞の告白を受け入れ、九洲に残る、という選択肢も、1度は見てみることをお勧めします。普段無愛想だから、インパクトありました。


アニメ版


 アニメ版の清瑞は、「夜追いの邪鬼」という役柄です。任務的には乱破と同じですが・・・
 夜追いの邪鬼というのは、耶麻台国のために隠密裏に働く者達の総称で、特に伊雅だけに仕えている、というわけではありません。川を流された伊雅を気遣って声をかけたのが、アニメの初登場(声だけ)でしたが、伊雅は清瑞のことを知らなかったようですし。
 その後、狗根国に襲撃された隠れ里から、九峪と日魅子を逃がすために、影で案内役を務めた時、九峪の墨火の力を目の当たりにしました。
 他の活躍は・・・あんまり印象に残っていません(^^;志野に、九峪の力の説明をしたシーンくらいしか・・・
恐らく、影で色々働いてくれていたのでしょう。


コミック版


 未登場です(T_T)