曲・月見晩酌


藤 那
(ふじな)



小説版


 火魅子候補の一人。仙族の母と耶麻台王族の父の間に生まれた女性で、閑谷とは乳姉弟です。20歳。
 父親は耶麻台国と狗根国の戦争が始まった時に、仙族の里から下界に降りていったまま、音信不通になりました。母親についての記述はありませんが、恐らく亡くなったのでしょう。藤那は阿祖山中にある里で、何も出来ない自分に苛立ちながら暮らしていましたが、九峪召還とほぼ時を同じくして里にやってきた、仙人の命令がきっかけで下界に降りることを決意。閑谷や里の若者達と共に、九峪達とは違う場所から耶麻台国再興軍を立ち上げます。
 そして忌瀬や志野の一座を仲間に加えながら当麻城乗っ取りに成功、伊尾木が原の戦いに勝利した九峪達の復興軍と合流しました。

 祖父は里の長老ですし、火魅子の資質を持っていることを自分も周囲も知っていました。そのため誇り高く、自尊心も強く、物腰も威厳と気品に満ちています。人に命令するのに慣れているし、背が高く声も迫力があるので、演説する姿はまさに威風堂々としています。最も王族らしい火魅子候補といえるでしょう。
 とはいえ、王族らしい、が火魅子に近い、とイコールにはならないですが。藤那自身は、火魅子になることに並々ならぬ執着を持っていて、亜衣や星華とは一番のライバル関係にあります。
 仙族出身だけあって方術や星読みに優れ、戦場では押しの強い指揮を展開します。それに目的のためなら、自尊心も王族の誇りも捨てて、猿の着ぐるみを着せられようが、ほとんど裸で狗根国兵の前で踊らされようが(3、4巻)我慢する根性も大したものです・・・場面としてはギャグでしたけど。

 また藤那のことを語ろうと思ったら、「酒」は欠かせないでしょう。とにかく酒好きです。ヒマさえあれば飲んでます。底なしです。思考がマヒするほど酔ったりはしないようですが、そんな態度は周囲を不安にさせるようです。
 自分でもわかっていたのでしょう、 耶麻台国が半復興した10巻では、火後県の知事に就任。火魅子を目指し、民に信頼されるためにしばらく酒を絶つことを決意しました。

 もう1つ、欠かせないのは閑谷の存在ですね。藤那のことが大好きで、彼女の役に立ちたいといつも必死な閑谷くん。しかし藤那はといえば、「よく言うことを聞く弟のような便利な存在」で、「自分のもので、自分専属の奴隷」と言ってはばからない(^^;。そして他人が閑谷にちょっかいを出すのを嫌います。
 この二人のやりとりは周囲から見れば夫婦漫才、夫婦ゲンカにしか見えないんですが、藤那の本当の心はいかに・・・?



ゲーム版


 年齢は23歳。声は田中敦子さんです。
 仙族の1つ、竜人族の血と耶麻台王家の血を引き、里に幼い頃引き取られて育った彼女は、九峪達が耶麻台国復興の戦いを始めたのを聞きつけて、九峪の元にやってきます。

 基本的には同じですが、ゲーム版の方が小説版より激しい性格をしていますね。
 お酒はヒマがあってもなくても飲んでいるし、ロレツの回らない赤い顔で酔っ払ってることもしばしば(^^;プライドもとても高く、九峪と初めて会ったときも、自分が「次期女王」だとはっきり宣言し、「手伝ってやる」とふんぞり返る始末。九峪に対してもタメ口です。
 自信家で気まぐれ屋、意に添わないことがあればキツイ言葉で怒り出すし、都合が悪くなると逃げるし、「やる気」とは縁遠いし、ギャンブルはするし・・・とにかく行動が読めない、無難な答えが通用しない。ゲームキャラ中、1番扱いが難しい女性でしょうね。


 でも酔っていないときの藤那はいつも物憂げな顔をしていて、九峪と二人の時に、はっとするほど切なくて胸を打つ言葉を言うことがあります。本当は寂しがりやで、素直じゃないだけで、理解してくれる人を求めて色々気まぐれを言うのかもしれませんね。それに街で捨て猫を拾っているのを見かけたり、九峪のために密かに料理の修業をしたりと、カワイイところも見せてくれます。九峪が望むなら、酒を控えようとすら言うのです。・・・キスシーンの藤那は変な顔(爆)ですが(^^;
 ゲームで私が2番目に好きなキャラです^^


アニメ版


 20歳です。
 アニメ版では、最初、狗根国側に寝返った裏切り者の女王候補ということで登場します。星華にだけ打ち明けていましたが、彼女は狗根国の中からその情報を教える役目を、自ら引き受けたわけです。耶麻台国の残党が住む村の位置などを狗根国に教え、潰しているとして事情を知らない伊万里や志野からは命を狙われ、狗根国の四天王達には元女王候補ということで疎まれながらも、色々裏で画策していました。日魅子護送の任を請け負ったのもその1つです。
 しかし平八郎の罠にかかりそのことがバレて、処刑されかけたところを救われ、以後は九峪や星華達と行動を共にするようになります。そして最後の決戦では平八郎と一騎打ちの戦いを繰り広げ、討ち果たしました。
 酒好きなのは同じで、杯に墨火の力を宿しています。しかしそれで酔った姿をみせることはありません。憂い酒、とでもいいましょうか。アニメ版藤那は策士、といった風情ですね。無感情で冷酷のように見えて、自分が今一番すべきことを分かっている女性です。


コミック版


 未登場です(T_T)