It’s FUJIMI Fantasia


 ドラゴンマガジンで連載中のものや、文庫で私が読んでいるものを、私的独断と偏見込みで語っていこうというコーナーです。


伝説の勇者の伝説

 鏡貴也先生 作、とよた瑣織先生 絵。長編の「伝説の勇者の伝説」シリーズと、短編の「とりあえず伝説の勇者の伝説」シリーズがあります。
 本当は強いが、昼寝こそ最大の幸福と公言する万年無気力男、ライナ・リュートと、大抵無表情だが絶世の美女であり、だんごをこよなく愛する、超絶剣技の持ち主、フェリス・エリスの2人組を中心に巻き起こる物語。世界はスレイヤーズ等と同じ、中世的な剣と魔法の世界が舞台となっています。
 富士見作品は、大抵長編シリーズはシリアスで、短編シリーズはギャグ、コメディですが、これも同じ構成です。

 長編シリーズは、ライナが持つ魔法を全て解析、自分の物にしてしまう複写眼(アルファ・ステイグマ)や、勇者の遺品やエリス家の謎の他に、ローランド王シオン・アスタールがもう1人の主役として登場するのが特徴。ギャグシーンもありますが、権謀術数渦巻く様や本格バトルが展開されます。腐りきった貴族社会を正し、皆が笑える世界を作るためには、手段を選ばぬ決意をした王の動向も主要ストーリーとなっています。
 短編シリーズは、シオンは基本的に出てきません。伝説の勇者の遺品伝説を求めて旅をするライナとフェリスに、ミルクというライナの幼なじみなどが絡んで、ドタバタコメディーを展開します。かと思うと、かなりシリアス目な話も混じっていたりしますけどね。

 文庫が出れば、どちらのシリーズも買っています。ギャグはライナとフェリスの関係、掛け合いが面白いので。単発ギャグキャラは、いい具合にぶっ飛んでるし(笑)
 長編では2人にシオンを加えた3人を中心に、様々なドラマがあって、引き込まれます。戦闘は少人数がメインですが、政治という面での戦略闘争もあり。ただ物語はかなり暗めです。


まぶらほ

 築地俊彦先生 作、駒都え〜じ先生 絵。ドラゴンマガジンで連載されている中・短編シリーズがメインであり、文庫版ではそのサイドストーリー的なメイド編と、外伝的位置づけの長編があります。

 現代とほぼ同じだが、人々が多かれ少なかれ魔力を持ち、魔法が生涯で使える回数とその強さが、社会的地位を大きく左右している世界。
 エリート魔法学校に通う高校生、式森和樹は、先祖に世界的な魔術師を多く輩出している家系であり、その遺伝子は世界一。が、和樹自身は容姿平凡、成績悪し、魔法使用回数は生涯で8回だけ(つまり、魔力は凄まじいのだが、ほいほい使えない、宝の持ち腐れ)だという、いわゆるオチコボレ。
 そのオチコボレの元に、3人の美少女が妻にして欲しいと一度に押しかけてきたことから、物語は始まります。
 普段は清純可憐だが、和樹のことになると途端に暴走、嫉妬の鬼と化す宮間夕菜。
 新興財閥の令嬢で、大人びており、いきなり和樹を押し倒した積極少女(後にこの積極性はフェイクだと判明)風椿玖里子。
 退魔を生業とする旧家の出で、武術の達人であり、和樹のことを軟弱者だと毛嫌いしていた神城凛。

 この3人と和樹を中心に、ドタバタギャグが基本的に展開されるのが、中・短編シリーズです。和樹はこの中で魔法を使いきって死んで幽霊になったり、生き返ったと思ったら世界を滅ぼしかねない存在になってたり、とこれだけ見ても、かなりとんでもないのが分かりますね^^;もちろん、最初和樹自身はなんとも思ってなかった玖里子と凛も、段々和樹に惚れていくという、お約束もついてます。
 夕菜の嫉妬、暴走っぷりが回を追うごとに酷くなってきて、他のクラスメイトキャラとかも、暴走しっぱなしな話が多くなった時点で、かなり引いてしまったのですが。独占欲が強すぎて嫉妬のあまり相手をズタボロにしたり、女と見れば誤解し敵視するようなキャラって、どうも好きじゃないもので。ただここ最近は話の方向が軌道修正された・・・かな?

 メイド編は、和樹を次期主人と慕い、彼を主人とするべく活躍するメイド達と、メイドを敵視するパジャマ愛好者集団、和樹達が繰り広げるコメディです。メイドやパジャマ愛好者が世界的組織だったり、メイドが戦闘のスペシャリストだったり、戦車や銃火器がバリバリに使用されていたり、すごくバカバカしい物語なんですが、それが妙に面白い(笑)リーラというメイドのリーダーはお気に入りです。

 長編は、打って変わってハード、ダーク、シリアスと揃ってます。中・短編シリーズともメイド編とも繋がっていない、外伝みたいなもののようですね。
 怒りと恐怖を糧に成長する、夕菜の内に宿る強大な悪魔と、それをコントロールできる和樹を狙って、全世界に影響力を持つ影の組織が、和樹と3人に恐怖の牙を向ける。「彼」と呼ばれる影の組織のリーダーは誰なのか、その目的は、そして「彼」に対立する別の組織の思惑は・・・2人を巡り、謎が謎を呼ぶ展開となっています。人もあっさり残酷な方法で死にまくるので、他2つしか知らない人はびっくりするでしょう。でも私はこの長編が一番好きですね。次がメイド編かな。続きが待ち遠しいです。


魔法戦士リウイ

 水野 良先生作、横田 守先生絵。主に角川富士見系で、複数の作家(グループSNE)が同一舞台設定で様々な物語を書いている、ソードワールド世界(SW TRPGとしても有名)のうちの、ひとつの物語。同じ水野良先生作ソードワールドシリーズでは「ロードス島戦記」もあります。
 魔法を使える魔術師でありながら筋肉隆々、剣の扱いも得意な魔法戦士のリウイ。盗賊ギルドに所属する栗色の髪の元気少女、ミレル。赤髪の美女、蛮族出身の剣の達人ジーニ。戦神マイリーに仕える元貴族の金髪の司祭メリッサ。この4人が中心となって活躍するストーリーです。さらにアイラというリウイの幼馴染であり、後にリウイの婚約者となった女性もいます。

 リウイシリーズには、大きく分けてリウイがオーファンの王子であることが分かる前の「魔法戦士リウイ」シリーズと、分かった後の「〜の国の魔法戦士」シリーズがあります。
 初のリウイの物語は「剣の国の魔法戦士」でした。その後「湖岸の国の魔法戦士」がドラゴンマガジン誌上で連載され、私はこれを見てリウイが好きになり、続編を待っていたのですが・・・何年もこっちは音沙汰なしで、いい加減諦めてましたよ・・・ようやく「砂塵の国の魔法戦士」が出ましたけどね。この砂塵と湖岸の間に出たのが「魔法戦士リウイ」シリーズで、全10巻です。

 最初3人で行動していたミレル、ジーニ、メリッサ。しかしメリッサが、リウイが勇者であるという啓示をマイリーから受け、リウイを仲間に勧誘したのが魔法戦士シリーズの発端でした。最初のうちはリウイを毛嫌いしていた3人が、段々打ち解けてくる過程が魔法戦士シリーズのメインです。そこに以前からリウイに想いを寄せていた幼馴染のアイラや、リウイが好きになったことに気づいたミレルのことが絡んできたりもします。〜の国シリーズでは抜群の信頼とチームワークを誇る彼らの、素顔の一面を見ることができます。
 〜の国シリーズはストーリーが国規模、世界規模であるため、個々キャラクターの描写には少し弱いですから。スケールの大きな物語、智VS智の権謀術数な話が好きな人は、〜の国シリーズはお勧めですね。