PMF2012〜その2
Aプログラムと芸森ヴォーカル・アカデミー


2012年7月14日 8:50 札幌コンサートホール エントランス前

受付開始30分前を目標にしたが、10分遅れで現場着。
「おや、すでに7、8人の人影が・・・!」
「おはようございま〜す」
3人はスタッフ、関係者の方で、先客は4人。
まずは参戦権獲得か・・・。


2012年7月14日 10:00〜 札幌コンサートホール 大ホール
     PMFO Aプログラム オープン・リハーサル ルイジ指揮

先週に続き、アカデミーたちは早くからホールでおさらい。
意欲的な音楽監督も早い時間からステージ脇に登場。
ゲネ・プロは(おそらく)予定より早い時間でスタート。
今日はゲネ・プロらしい雰囲気で、ほぼ通しの演奏。
気になるところのピック・アップも怠らず。
なおかつ、予定よりかなり(20分以上)早く終了!


2012年7月14日 15:00〜 札幌コンサートホール 大ホール
     PMFO Aプログラム ルイジ指揮

ロシア物?2本立て、カロリーたっぷりのプログラム。
午前中はCBの特等席で聴いたが、本番はエコノミーにRAブロック、
ほぼ指揮者を真横から視る位置になる。
まずは「ペトルーシュカ」。
冒頭のフルートに続くチェロのSoliの響きが渋く聴こえたのにおや?と思ったが、
やはり若々しい響きで、意欲的なマエストロを前にアカデミーも積極的なパフォーマンスを繰り広げた。
特にフルート、トランペットといった管楽器のソロが技巧的にも音楽的にもセンスの良さを聴かせた。
ただし聴いた場所のせいだろうか、バランスの悪さや、小さなミスが目立って、ゲネプロの方が印象がよかった。
コーダの部分、音楽がイン・テンポで進み、やや平板なうちに終結するのは、オケの力量かそれとも指揮者の解釈か?

後半は「悲愴」、個人的にはPMFO以外なら好んで聴こうとは思わない音楽である。
ここで教授陣が加わる。冒頭のファゴット・ソロの重く太い響きはさすがである。
第1楽章は、第2主題を中心にテンポの動きが激しい。
この音楽だから出来ることではあるが、あまりの粘りについていけない方もいたのではないか?
気になったのは第2主題の入り、午前中もそうだったのだが、
ルイジは第1ヴァイオリンの方を向かず、ふわっとした感じで両手をおろすものだから、
第1ヴァイオリンの入りが非常に心もとない雰囲気であった。
しかしその後の盛り上がりは濃厚なカンタービレにテンポの動きもあり大変な盛り上がりを聴かせた。
中間のふたつの楽章は一転きっちりとしたテンポ運び、
ここでは細部の表現やバランスにはこだわって、純音楽的な演奏を目指したかの感もあった。
マーチの後半でも大きなアゴーギク無しに、力強いクライマックスを築いていた。
お約束のフライング拍手を若干はさんでのフィナーレは再び弦楽器を中心に、
第1楽章後半の様な熱い音楽を聴かせた。


終演は17:00少し前。


2012年7月15日 10:30〜 札幌芸術の森 野外ステージ前

今日の芸森は一人旅。それでも例年に比べてんびりと現地入り。
今年のフレンズ特典は「芸森野外10分優先入場」である。
見る限り10人程度の先客、奮発しての?椅子席だから苦労はなさそうだ。
出店はドリンクのみ、ちょっと寂しい。
来週のピクニック・コンサートに期待するか・・・。
後方では日が当るし、前過ぎず後ろ過ぎずの場所を探す。


2012年7月15日 12:00〜 札幌芸術の森 野外ステージ
     PMFヴォーカル・アカデミー・プレコンサート

「プレ・コンサート」というから、
次の週末のBプログラムへの予行演習ということか?
渡されたプログラムは、意外と重量級である。
 大野浩司(Br) モーツァルト:「ドン・ジョバンニ」〜カタログの歌
 カロル・ポルリエ(S) ベッリーニ:「ノルマ」〜「清らかな女神よ」
 ノンハー・ナリト・ニーヴァル(T)  モーツァルト:「コシ・ファン・トゥッテ」〜「いとしい人の愛のその風は」
 アレクサンドラ・ザルビーナ(S) ドニゼッティ:「愛の妙薬」〜「さあ、あなたは私のために自由よ」
 クリストフ・ヴィラ(C−T) ヴィヴァルディ:「バヤゼット(ティムール)」〜「私は妻としてさげすまれ」
 後藤春馬(Bs) ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」〜「悲しい胸の思いは」
 中村真紀(S) ヴェルディ:「オテロ」〜「アヴェ・マリア」
いずれも名歌手たちのような余裕はないものの丁寧な歌唱。
一番はヴィヴァルディ、カウンター・テナーを聴けるとは思えなかったし、大変シリアスなパフォーマンス。
続く最後のヴェルディの2曲も丁寧さ以上の立派なものだった。
「清らかな女神よ」長大な曲の前半のみだったが、美しい声はこれも来てよかったという気持ちである。
モーツァルトの聴きなれたものはさすがにちょっとつらいか・・・。
しかしこれだけのレベル、オケで聴ければBプロは充実したものになろう。
残念なのは、このコンサート前後にアナウンスもなく、アンコールもなし。
もうちょっと周囲のスタッフが盛り上げる気持ちがあって良いのではなかったか?

譜めくりを交代しつつ手堅い音楽でステージを務めたPMFピアニストへの賛辞を忘れてはいけない。

終演12:45


2012年7月15日 13:00〜 札幌芸術の森 野外ステージ
     PMFO Aプログラム ルイジ指揮

「ペトルーシュカ」&「悲愴」三連発の最後。
ここで吉例!美女を連れ添いブラックモアさん登場である。

ステージ上は(おそらく)オールアカデミーのオケである。
ピクニックの後の最終盤は今日と同じプログラムで、
東京、瀋陽、北京と三連発(^^;だから、
PMFOもここで「プレ・コンサート」である。

ここでアカデミーたちは見事な成果を挙げたと感じた。
ストラヴィンスキーはルイジも心がけたのであろう、
じっくりとしたテンポで見通しの良い演奏を繰り広げた。
ちょっと優等生すぎたかもしれないが・・・。

「悲愴」では、キタラでのリハーサル、本番に比べて、
ルイジの指揮が格段とこまやかに思えた。
野外ということに、アカデミー中心のオケということもあろう。
第1楽章の第2主題、いままでの2度のパフォーマンスと違い、
第1ヴァイオリンの方向に面と向かって確実な入りを与えていた。
そうしたルイジの細やかさにアカデミーも十二分に反応し、
野外ステージとは思えない、前日の演奏を大きく上回る演奏を聴かせたと思う。
特に金管、ヴィオラ、チェロといったパートが充実していて、
ロシア風の泥臭さ?はないが厚手の響きを聴かせていた。
マーラーの様な大作ではないが、こうしたスタンダードな編成?の曲を、
純音楽的に演奏するという点では、このプラミングは効果的なのだろう。

コンサート終盤は日向になって、厳しい暑さの芸森。
しかしこの開演時間だとステージには陽があたることはなく、
演奏者たちには好条件なのだろう。

終演14:55


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