このコンサート何故完売できないのでしょう?
かなりの席が当日売りに出され、それも半分以上さばけていません。
集客力の不足はあきらかです。ベルリオーズ/「ローマの謝肉祭」序曲
全体として、ヴァイオリンが揃っていません。どうしたことでしょう?
そのためかトゥッティがぎこちなくきこえます。
しかし、打楽器陣は万全で演奏に素晴らしい隈取りを与えていました。
イングリッシュ・ホルンのソロも100点満点でした。
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番
今夜の私の最大の不安要素、児玉桃さんのピアノ。予感は不幸にも的中しました。
全体として、ニュアンスに貧しく、とりあえず弾いていますという感じにしかきこえません。
女性に対して失礼ですが、ステージ・マナーもどことなくけだるそうで、「華」が感じられません。
オケも美しいシーンも時折見せますが、ちょっと生彩を欠く感じでした。
ムソルグスキー〜ラヴェル/組曲「展覧会の絵」
ちょっと驚いたのは、かつてのアバドの様に拍手が終わるか終わらないかのタイミングで曲に入ったデュトワの指揮。この冒頭に象徴されるかのように、全体として、速めでインテンポ、さらに全曲ほぼアタッカで演奏は進みました。最初のプロムナードこそややまとまりにかけましたが、その後次第に指揮者、オーケストラ共に集中力が高まり、最高の演奏となりました。
全体として、どんな強奏でも粗さを見せないこと、また特に弦楽器のヴィブラート、ボーイングの均一感は、にわか作りのアンサンブルのPMFOには難しいことです。N響の底力、デュトワの底力を感じることのできるコンサートでした。
アンコールはビゼー/「アルルの女」組曲よりファランドール。
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