動物虐待のもたらす結果  

※英国動物福祉団体WISPAのレポート翻訳
(荒訳です。英文を読むと同時に日本語に打ち出したものです。ここから”こなれた日本語”にするのが大変ですねぇ〜。内容は結構興味深いです。)

 

  幼少年期の動物虐待のかたちは様々である。ペット、野生動物や家畜へのいじめ、その延長としてペットの殺害、生きたまま皮を剥ぐ、石を投げつけたり叩く、わざと怪我をさせる、犬同士を喧嘩させる、高いところから放り投げる、羽をむしる、二匹の動物の尾を結び付ける、電気ショックを与える、やけどを負わせる、目を潰す、体の一部分を切り落とす、わざと飢餓状態に置く、ロープで吊るす、骨折させる、化学薬品をかける、などが上げられるであろう。その他の動物虐待と考えられる個々のケースについては、社会通念上認められる範囲で虐待と定義される。その中には闘鶏に参加すること、動物の訓練時の度を過ぎた体罰や動物への性的いたずらなども含まれる。また幼少年期の生き物への過剰な恐怖心や嫌悪感からくる虐待、例えば蛇に対する極端な恐怖心から、目の前に現れた蛇を殺してしまう等も虐待の一つとみなす。

  152人の被験者から、373例の様々な動物虐待のケースが報告された。60%は幼少年期における最低1回からそれ以上の動物虐待をした経験を持ち、41%は12回の虐待、11.2%の被験者は3―4回の虐待経験があることを認めた。そして8%近くの被験者は5回以上動物虐待を行っていた。(表II)多くの例は、非日常的に行われ、動物へのいたずら程度とみなされるものであった。約3分の1の被験者は、例えば昆虫の羽根をもぎ取るといった無脊椎動物に対してのいたずらであり、一般的には動物虐待行為とは見なされないものであった。(ケラート、1983年)

 

  Iは凶悪犯、準凶悪犯、非凶悪犯(これらはローベンワース刑務所でのみ別途行われた調査対象である。)そしてカンサスとコネティカット州から抽出された一般市民の幼児期における動物虐待の頻度を示すものである。この表によると、凶悪犯の25%は幼少年期に5回以上もの動物虐待をした経験があると答え、準凶悪犯の6%、一般市民の0%と比較しすると凶悪犯の幼少年期における動物虐待の回数が、他の被験者に比べ抜きん出ていることが明らかである。

虐待の度合いを測るための基準も設定された。各被験者の虐待行為はその内容によって1から5段階のポイントに換算され加点された。また狩猟、動物訓練時の動物への暴行といった、不必要な動物への虐待行為に対しても同様の加点法が採用された。この調査では、圧倒的に高いポイントが、カンサスおよびコネティカット州両方の凶悪犯に共通して見られた。(表II)そして、準凶悪犯、非凶悪犯および一般市民の評価点の間に差異は見られず、このことは幼少年期の軽い動物虐待行為は、むしろ人間が内包する凶暴性によるものであることを示している。

紙面の都合で、個々の虐待に関しての分析は控えるが、一例を挙げれば、動物に投石すると言った行為の度合いは、凶悪犯では抜きん出ていることが表IIIから分かる。

 

 

動物虐待の動機

 

幼少年期の動物虐待の内容をここで検証してみたい。それらの詳細は、このレポートを読む人々にショックを与えることは本意ではない。しかし、虐待行動の現実を正しく伝えることが必要であると考えているのであえて以下に記述する。
 
ある被験者は動物たちの首を絞める、鳥を撃つ、そして猫を電子レンジで破裂させるといった虐待を重ねていた。調査員が虐待時の彼の気持ちを尋ねたところ、彼はただ「面白かった、ただそれだけ」と答えた。また彼は喧嘩、破壊行為や放火といった幼少時の関連行動を語った。

 別の被験者は家で飼っていたペットに対する日常的ないじめ、拷問、殺害の様子を述べた。また彼は高いところから動物を放り投げたり、犬たちをわざと飢えさせたりした。彼は鳥と蛇に対して異常なほどの恐怖心を抱いていた。これら一連の行動は父親に対しての嫌悪感と恐怖心から発生し、それらの行為は、彼の「怒りの捌け口であり、八つ当たりや復讐、仕返しの手段」であった。

もう一人の被験者の場合、動物虐待は自分自身の力を誇示するための手段と説明した。彼は闘犬のため犬たちを訓練する際、「強くするため」という理由から犬たちに火薬を食べさせていた。彼はまた保護動物(フロリダ・パンサー)を違法に密猟したり、動物たちを無差別に殺害し、その凶暴性を高めていった。

ある被験者からは、家庭内での喧嘩、家族の数多い逮捕歴、異常性愛そして麻薬やアルコール中毒など家庭崩壊が原因とされる、様々な動物虐待例が報告された。本来なら家庭で与えられるべき楽しみや喜びを、動物虐待によって見出そうとした。彼は猫を袋詰めにし車に轢かせる、金魚鉢に毒薬をひたしネズミを入れる、電気ショックを与える、2匹の猫の尾を紐で結ぶ、ペットを叩いたり、溺れさせるなどといった虐待行為をしていた。これらの行為は「面白くて、興奮した」と彼は繰り返し述べた。

別の被験者は、猫を焼却炉に放り込む、犬を叩く、石を投げつける、高い所から落とす等の虐待をしていた。銃、罠そして火薬等を使った快感を得るための殺害が中心的テーマであった。この被験者はまた鳥の羽を抜いたり、動物たちとの戦いに興味を示していたと報告された。

 

類似したケースが152人の被験者のうち40人以上から度を越えた虐待のケースが報告された。それらのケースを注意深く分より析した結果によると、動物たちに対して残酷でかつ狂暴な行動の動機の分類がなされた。この分類には、より綿密な分析や改良が必要であろう。 しかし特記できることは、動物を虐待する動機が多様で、ほとんどの被験者たちは様々な動物虐待の動機を語った。以下が動物虐待の動機として挙げられる。

 

 

1.      動物の支配

 

  一時的に動物を支配下に置くために、あるいはその動物の生態に反する状況においやったり等の、動物の肉体への過剰な懲罰が与えられる。ある被験者は、夕飯を邪魔されたとの理由で飼い犬の睾丸を蹴った。ある人は飼い犬が鶏小屋に近寄ると、罰として犬の肛門に塗料を繰り返し塗っていた。また言うことを聞かせようと、電気ショックを与えたり、暴行を加えていたケースもあった。これらのお仕置きは、動物のしつけをはるかに超えた行動である。

 

2.      動物への報復

 

  何人かの被験者は、動物への的外れな憎しみから極端な罰を与えたり、仕返しをしていた。例えばあるケースでは、彼の飼っていた雌犬によその雄犬が交尾をしようと寄ってきただけで撃ち殺してしまった。自分を引っかいた猫を焼き殺したり、吠え声のうるさい近所の犬を溺れさせたりといった例もあった。このような、ちょっとしたきっかけを快楽的な虐待の口実にし、異常なまでの復讐心を燃え上がらせる、というパターンがこのようなタイプの動物虐待の動機となっている。

 

3.      異種の生き物を排除し差別意識を満たす

 

  人々は時にある種の動物に対し、好き嫌いを示す。例えばある文化の価値観ではネズミやヘビに対し嫌悪感を示す。このタイプの偏見から生まれる残酷さというのは、普通にみられる好き嫌いの範ちゅうを超えており、動物への特定の偏見を大義名分これらの暴力やサディックな虐待は行われる。

例えば猫嫌いの人は世間ではよく見かける。しかし猫への理由のない異常な憎悪が虐待の動機となる場合があることが報告された。ある被験者は猫に対する様々な虐待の理由は、ただ単に猫が嫌いだったからと述べた。他にガールフレンドの飼い猫を電子レンジに入れて破裂させたケース、芝刈機に猫を巻き込ませて殺したケースなどが報告された。これらのケースを含め多くの被験者たちは猫のことを「ズル賢い」とか「ぞっとする」、「自分勝手」と表現した。被験者の一人は、他の人種に対する嫌悪感を、猫を虐待することにより憂さ晴らしをしていた。

これに反し、犬に対してこのような嫌悪感を抱いていた被験者はゼロであった。しかし、何人かは犬への異常な恐怖心を抱いていることを認めた。それにもかかわらず、他の人々や動物たちに自己の凶暴性を誇示するために虐待していたケースがいくつか見られた。極端な嫌悪感は、蛇、ネズミや昆虫に対し顕著であった。何人かの被験者はそれらの生き物たちを無差別に撃ち殺したり、焼き殺したり、切り刻んで殺していた。

 

4.      自己の怒りを動物を通して表現する。

 

動物虐待は時として他人や動物へ自己の怒りを表現するための手段として行われることもある。例えば、動物や人間へのもやもやした怒りが蓄積されていき、関係の無い動物を怒りの捌け口の対象とする。ある被験者は飼っていたペットに言うことを聞かせるためとの理由で、極端な体罰を与えていた。他にも、火薬を犬に食べさせていたり、理由も無いのに、自分の犬を使って他の動物たちを殺させていたケースなどが見られた。

 

5.      自己の攻撃性を高める。

 

  何人かの被験者は動物たちを殺したりいじめるのは自分たちの攻撃のテクニックを磨いたり、凶暴性を他の人々に誇示するためと供述した。一人の被験者は意味も無く練習台として動物をピストルで撃っていた。別の被験者はオートバイ仲間に、自分のすごさを見せるために動物を殺していた。

 

6.      他の人が驚くのを見るのを面白がる。

 

時として動物への虐待行為は、愉快だからという理由で行われることもある。ある被験者は面白半分に枕カバーに猫を詰め、それにライターのガスをかけて火を点け、それを飲み屋で見せびらかした。別のケースではハトたちを小さいカゴに押し込み、レストランで放した。別の被験者は仲間と面白がるためにカエルの足を切り取り、破裂させた。

 

7.      復讐の対象として。

 

復讐対象の身代わりとして、動物たちを虐待する場合もある。このような場合は、虐待のターゲットとして、他の人が所有している動物、特に可愛がっているペットが選ばれることが多い。ある被験者は、近所とのトラブルから、その人に復讐するため飼い猫を南京袋に入れゴルフクラブで殴った。別の例では、気に食わない隣人の玄関に、アライグマの切り取った睾丸を吊るすといった嫌がらせをした。

 

8.      別の人間の身代わりにする。

 

上の例に関連する動機として、ある人に対しての怒りを人間に発散させるというものがある。自分が刃向かえない相手に向けての不満を動物にぶつけるといった典型的な例である。子供は親や大人たちに立ち向かうことは困難で、弱い動物たちに欲求不満をぶつけることになる。

多くの凶暴な被験者は、暴力的で殺伐とした家庭環境に育ち、肉体的な虐待を受けていた。そして動物を虐待することにより憤まんを晴らしていた。ある被験者は「親や仲間から受けた傷に対する仕返し」として動物を虐待していたと述べた。別の被験者は、自分が受けていた暴力に対する復讐として、動物へ暴力を振るっていた。

 

 9.単なるサディズムから。

 

最後に挙げられる動機として、とりたてて動物への憎しみや嫌悪感が無いのに、動物を痛めつけたり、殺害したくなるといった欲求による虐待が挙げられる。動物を苦しめることによって快感を得ることが虐待の目的となっている。サディズムの快感は、時には動物への完全支配欲を満たすことによって得られる。また自己の弱さをカモフラージュするためとも言えるかもしれない。

あるケースでは、スズメの羽を生きたままむしったり、また両生類の腹を開けてゆっくりと死ぬのを見て楽しむといった例が報告された。別の被験者は、動物へ電気ショックを与えたり、2匹の猫の尻尾を紐で結んだりしていたという。またスリルがあるからと魚を刃物で切り刻んでいたケースもあった。生き物を殺すことで興奮し、そして生き物の命を消すこと事体が第一の目的であり、動物への恐怖心や嫌悪感とは無関係である。ある被験者は家畜を殺したり動物を罠にかけることの動機は「悪党になるため」で、殺す行為そのものが彼の目的であった。別の被験者は動物の首を絞めて殺害する行為はスリリングで面白く、それ以外の感情は無かったと語った。一方別の被験者は、生死の狭間を見ることに魅了されていたと述べた。そして鶏が首を切り落とされた後直ちに死なないことから、人間もギロチンにかけられた後同様なのかという妄想に取り付かれた。彼は動物の殺害方法を色々と研究していたという。

 

 

 

家族関係について

 

  被験者の幼少期の家庭環境が、動物虐待を生み出したという点は顕著に現れていた。より詳しいデータが必要かもしれないが、一応ここで結論を出すことは出来る。

   多くの凶悪犯は、幼少年期に暴力的な家庭環境に育っていた。例えば凶悪犯では幼少時期の凶暴性の度合いが、非凶悪犯および一般市民に比べずば抜けて高いことが分かる。(表IV)それに加え、非凶悪犯と一般市民の平均スコアーにも開きがあった。(この調査の基準となるスコアーは、被験者の幼少年期における学校での喧嘩、他人への暴力行為、放火等の問題行動を点数化して出されたものである。)表Vは、凶悪犯は、幼少年期に他人への凶暴性がかなり高かったことを示している。

 

動物虐待をしていた凶悪犯の幼少年期の家庭環境は様々であったが、特に親からのひどい折檻や親のアルコール問題等は共通した家庭の問題であった。それに加え、動物をいじめたことのあると答えた非凶悪犯および一般市民の中からも、子供の頃に肉体的な虐待を受けていたり、父親とたびたび喧嘩したり、また親がアルコール中毒であった、という結果が出た。

凶悪犯の家庭内暴力の程度は、表VIVIIから見ても顕著に高かった。全凶悪犯の4分の3は幼少年時期に度を越した折檻を繰り返し受けていた。この数字は非凶悪犯の31%、一般市民の10%と比較すると抜きんでていることが明らかである。それに加え、折檻されていた非凶悪犯の3分の1近くは、凶悪犯罪とのボーダーラインにあった。そして一般市民でも、両親から暴力を受けていたと答えた75%は、動物虐待の経験があると答えた。

 

両親のアルコール問題、とりわけ父親のアルコール中毒のケースは、凶悪犯の幼少年期にかなりの影響を与えていたことが分かった。73%の凶悪犯の親または親権者は、アルコールや麻薬問題を抱えていた。この数字は非凶悪犯の20%、一般市民の10%と比べはるかに高い。またこれらの問題を抱えた家庭では、深刻な家庭内暴力を伴っていた。凶悪犯の半分近くが幼少時期にアルコール中毒や家庭内暴力にさらされていた。これは、非凶悪犯の12%、一般市民の7%と比べると高い割合を示していることが報告された。

 

 

結論

 

  この報告書は、動物虐待の動機、家庭内暴力等を聞き取り調査し、幼少年期における動物虐待がもたらす結果を調査したものである。この結果から、大人による狂暴な犯罪は、子供時代の親からの折檻や動物虐待と強く関連していることが分かる。前述した9つの動物虐待の動機から、動物虐待はさまざまな側面をもってその形を作っているということが言える。

  これらのデータは、研究者、心理学者や社会の指導的立場の人々に広く認知されるべきである。より思いやりのある動物と人間の関係、倫理観を発展させるよう働きかけることが必要であろう。

 

 

 

基本となる考え方

 

1.  加害者が親でも子供でも、家庭内で動物が虐待されている場合、子供も虐待されている可能性が高い。

2.  動物を虐待する子供は、他の人々に暴力を振るう過程への第一歩を踏み出したことになる。この一歩は深刻に受け止められなければならない。

3.  動物虐待は性別と深い関わりがある(加害者のほとんどが男性だということ)。 

 

 

 

 

私達になにができるか?

 

l       気を配る

たとえ小さなことでも、虐待行為を見逃さないように。子供に注意して、その子の親と話し合うこと。学区の司法機関や児童福祉機関にも動物虐待行為を深刻に受け止めるように働きかける。

子供が家で動物が虐待されている話をした時は真剣に受け止める。加害者が親でも子供でも、動物虐待があるときには、子供が虐待される危険があることを示している。早期に手を打てば、虐待を未然に防ぐことができる。自分が虐待を受けていることを話したがらなくても、ペットが虐待されていることなら話す子供もいる。子供が家で動物が虐待されていると話した時には、ただちに学校のカウンセラー、心理学者、また、家庭で動物がどんな扱いを受けているか調べられる地元の動物保護機関に連絡する。

子供が虐待されていないか、充分な世話を受けているか、他の兆候にも気を配る。

 

l       通報する

 

児童虐待、あるいは養育義務の怠慢があるのではないかと思ったら、躊躇せずに通報する。これはどの州でも教師の義務として定められている。州によっては、疑わしいと思っただけでも通報するよう定められているが、はっきりした証拠を提出しなければならない州もある。州と学区が定める規則を知っておくこと。どの州でも通報した教師の名は公にしない。

動物が虐待されていると思ったら、地元の動物保護機関(そういう公共機関がなければ警察)に連絡する。充分な食事、水、住まいを与えていない、あるいは、あとが残るほど、または怪我をするほどの肉体的暴行を受けている場合は、ほとんどの州の州法で動物虐待と見なされる。通報することで、動物を救うだけでなく、助けを必要としている人間が誰なのかを特定することもできる。何らかの行動を起こすことで、虐待がエスカレートしていくのを防ぐことができる。

何かおかしなことがあれば、誰か他の人間が気づくだろうと、他人まかせにしない。

虐待と養育義務の怠慢があれば、それに対して自ら進んで証言する。

 

l       他の人々に協力を呼びかけ、グループを作る

 

グループを作り、虐待のサイクルを断ち切るよう努める。生徒が構内、あるいは通学中に動物を虐待した場合、どういう措置を取るかあらかじめ方針を決めておく。  生徒の家庭が助けを必要としていることを示す兆候にはどのようなものがあるか教師が知っておく。公共の機関に連絡を取る場合のガイドライン、子供を虐待している可  能性がある両親との話し合いの進め方についてのマニュアルを職員に配布する。例えば、教師がある生徒が虐待を受けている可能性があると通報し、その子の親が自分の子供をその教師のクラスから別のクラスに変えて欲しいと言ってきた場合にどうするかということを教師は知っている必要がある。

 

 

児童期における動物虐待――調査終了

 

攻撃的な性向のある犯罪者は他のタイプの人間よりも未成年期に動物を虐待していた割合が高い。実際、この二つは非常に関連性が強いので、児童期に多くの動物を  虐待した人間は、ごくまれに虐待したことがある、あるいはまったくしたことがない人間と比べると、のちに凶悪犯罪者になる可能性が高い、と言っても過言ではない。 

 

(調査内容の説明部分省略、本文参照)

 

児童期における動物虐待は多種多様で、ペットを故意に苦しめたり、いじめたりする、同様のことを野生動物、あるいは家畜にする、また、石を投げる、殴る、火傷をさせる、骨を折る、高い場所から放り投げる、羽をむしる、などといった行為がその中に含まれる。

また、調査は動物を虐待する九つの主な動機についても述べている。その中には、動物を支配する、動物に仕返しする、自分の攻撃性を誇示する、他の人がショックを受けるのを見て楽しむ、別の人間に仕返しをする手立てとする、他の人間を襲う代わりにする、などがある。

  児童期に五回以上動物を虐待したことがある者は、攻撃的な性向のある犯罪者が25パーセント以上、攻撃的な性向のない犯罪者が5パーセント、一般市民はゼロだった。言い換えれば、児童期に動物を虐待したことがある可能性は、攻撃的な性向のある犯罪者の場合、他のタイプの人間と比べると非常に高いということだ。

As well as ~ during childhood.  省略)

この調査は、研究者や臨床医が、問題のある家族関係や将来の反社会的、攻撃的な行動への兆候として動物虐待の重要性を認識する必要のあることを示している。WSPAは、この調査が、幼児期からの人道的な教育が必須であることを強く示唆するものだと見なしている。これは、ただ子供達に、動物には優しくするように、と教えるというものではない。これからの社会が、人間と動物の命を両方とも尊重するものになるようにするために必要なことなのだ。

 

 

 

 

虐待のサイクル

 

A.  人類学者マーガレット・ミードは、“子供に起こりうる最も危険なことの一つ  は、動物をいじめたり、殺したりすること、そして、それに対して何の罰も受けないことだ,“と述べている。

 

B.  1984年に、アラン・フェルトハウスとスティーヴン・ケラートはカンサス  州とコネティカット州の服役囚152人を対象に調査を行った。二人は刑務所の看守に、服役囚を“人間に対して攻撃的な性向のある者”と“ない者”とに選別してもらった。調査によって攻撃的な性向を持つ服役囚の25パーセントが児童期に繰り返し動物虐待をしたことがあるのが明らかになった。一方、攻撃的な性向のない服役囚では、6パーセントでしかなかった。

 

C.  死刑が執行される数時間前、連続殺人犯シオドア・バンディは、幼い頃同居していた祖父が動物を虐待していたことを話していた。

 

D.  アラン・フェルトハウスが調査した攻撃的な性向のある成人達は、犬や猫を繰  り返し虐待した経歴のある精神病患者だった。患者達に共通するのは、両親から厳しい折檻を受けたことで、また、全員、人間に対する攻撃的な性向が強かった。

 

E.  1979年、16歳のブレンダ・スペンサーは、サン・ディエゴの小学校で児 

童二人を殺し、八人を傷つけたが、それ以前に犬や猫の尾に火を付けて虐待していた。

 

F.  1982年にエリザベス・デヴァイニィとジェフリー・ディカートが行った児  童虐待の問題がある家族に関する調査によると、子供を肉体的に虐待する問題で  YOUTH AND FAMILY SERVICES(青少年と家族問題相談所)に紹介されたニュージャージー州在住の家族のうち、動物を肉体的に虐待したことのあるものが家族の中にいる  家庭が85パーセントあった。その大部分は加害者である親が子供をしつける方法として、ペットを殺したり、傷つけたりしていた。

 

G.  1979年に、殺人で有罪判決を受けた二人の16歳の少年のうちの一人、ロバート・アルトン・ハリスには前科があった。その四年前、隣人にライターのオイルをかけたうえ、マッチを擦って投げ、焼死させたのだ。ハリスが初めて警察沙汰を起こしたのは、10歳の時で、近所の猫を殺した時だった。

 

H.  1984年、ヴァージニア州クワンティコのFBIアカデミーに、凶悪犯罪分析のため全米本部が設立された。ここでは、既知の犯罪者の経歴をコンピュータに入力することで、まだ逮捕されていない連続犯罪者の性格を割り出すことができる。FBIは連続強姦犯と連続殺人犯のコンピュータの記録には必ずと言っていいほど頻繁に動物虐待の記録が入っていることに気づいた。

 

I.  ジェームズ・ハットンはイギリスのある自治体のために動物虐待についての記録を調べた。動物虐待があった23家族のうち、83パーセントが子供が虐待を受けていたり、親が養育の義務を怠っている危険がある、と福祉課などから報告されていた。