'99 Nagano Junior Grand Prix

♪♪♪ 青田買いレポート ♪♪♪

「Naomi.Nari.Namが来る!!」というので見に行った長野ジュニアグランプリ。 肝心の彼女は大器の片鱗を見せつつも絶不調(2000年全米でもまだ立ち直ってなかったみたい) でしたが、ダンスで思わぬ大収穫があり、連日とてもよいお買い物をいたしました。

Ice Dancing
Compulsory Dance
課題はブルース。どう見ても10代前半、お人形のようなハンガリーや ボスニアヘルツェゴビナの選手でさえ、曲が流れるとしなや かに体をくねらせてアダルトムードのイントロへ。このアンバランスは出来上がってしまった シニアにはない面白さ。
下位の2〜3組はリズムのとり方が合っていなかったり、エッジがぐらついたりもしたけれど、 CDトップのBelbin/Agosto(USA)、 2位のOttaviani/Scali(ITA)、 3位のKoulikova/Markov(RUS)の3組はテクニックも しっかりしていたし、パターンどりも大きいし、ティーンエージャーとは思えないほどブルース のアンニュイで妖しげなムードも充分に表現していて甲乙つけがたく大接戦。ブルースを生で観 て面白いと思ったのは正直言って初めてでした。

Original Dance
シニアと同じくラテンコンビネーション。Merengueの速いテンポをメインにした Ottaviani/Scaliが足さばきも軽やかに最後までスピー ドも落とさずに逆転トップ。近くで見たOttavianiの睫毛がつけ睫毛なのか、マスカラの付け過 ぎか、マネキンのように固まっていたのがちょっとこわかったデス。
Belbin/Agostoはとても上手くて文句のつけようがないの だけど、ラテンにしてはお品が良すぎた感じ。
Koulikova/MarkovはMarkovが途中で腹踊りをやったり 面白い振付けだったけれど、途中からパワーダウン。足でも痛めたのかと思ったら、翌日のEX でもこのODを滑って同じところからバテ気味になるのでプログラムの問題かも。
Hoffmann/Elek(HUN)は女性のリズム感がすばらしく、将来性 は◎。

Free Dance
トップのOttaviani/Scaliはパソドブレ、全体 を速いステップで構成、アニシナ姉さんに負けず劣らずの男性持ち上げリフトも披露。ピチピチ として活きがよかったです。
Belbin/Agostoはとにかく優雅で上品、"Graceful"という 言葉がぴったり。Belbinはとても綺麗な子で、品の良いエレガントなピンクのコスチュームがこ れほど似合う子も少ないのでは。最近読んだArticleによれば、彼女はカナダ人で国内では適当 なパートナーがいなかったためアメリカへ移ったとか(アメリカのcitizenshipを取得する予定 らしい)。
Koulikova/Markovは色っぽい口元が少しクリモワに似 ているKoulikovaの妖艶さを活かしたモダンなプログラム。
Hoffmann/Elekははじけるようなジャイブを踊りまくって元 気なところをアピール。
Petetin/Jost(FRA)は身長差がありすぎたけれど、ディシュネ ー兄妹を彷彿させる個性的なよい味を出していました。
Nitake/Omera(USA)はNitakeの膝から足首にかけてが蛇のよう にクネクネと柔らかくて独特。

Ottaviani/Scali、Koulikova/Markovはまだ粗削りな面もあるのでこれからが楽しみ。
Koulikovaは金髪美人、Markovも可愛いながらも美形、2人とも立ち姿だけで人を惹きつける華 やかな魅力にあふれています。
Belbin/Agostoは現時点でとても完成度が高いけれど、同じIgor Shpilbandコーチの元で今シー ズンシニアデビューを果たしたSilverstein/Pekarekと芸風も同じ(だって教えるのもプログラ ム作るのも両チームともShpilbandコーチなんだもの)、年齢もほとんど一緒なのでこれからど うやって独自性を出していくのかが問題なのでは。

全体的にダンスはテクニック、プレゼンテーション、プログラム構成、何をとっても 非常にハイレベルで、各組ともに個性があり、コスチュームセンスよくて見映えもGOOD!! 本人達の資質はもちろんのこと、ODやFDはプログラムの作りがとても新しい感性のものになっ ていて時代の流れを感じました。
上位3組はJGPファイナルにも出ましたが、彼らの上に更に3組という結果になったので(全米 Jrではリベンジもあったけど)、おそるべし、ジュニアのダンス。有望な新人が続々と育って いるのでシニアにご贔屓がいる方々は今現在のライバルだけを見ていてはいけません!!
唯一残念だったのはおとなりの韓国からは出場していたのに、せっかくの自国開催にもかかわ らず日本からは参加するチームがなかったこと(ほとんど選手がいないんだからしかたないん だけど)。


一応他の種目も見たのでちょっぴりですが感想を。

Pair
Shen/Zhaoと同じコーチについているという中国のZhang/Zhang(兄妹?)がミスの少 ない曲芸のような技の連発で勝ったけれど、学校の体育の授業みたいで色気はゼロ。
2位のPoirier/Buntinは女の子がすごく華奢で小さくて、スローでは天井まで届いてしまいそ うでした。少し西アジア系の血が混じったようなエキゾティックな可愛い子で成長が楽しみ。
他の3組は女性が成長期のペアの難しさを露呈し、ことごとく女性がジャンプを失敗。この時 期を乗り越えるのが大変なんでしょうね、きっと。

Ladies
ナオミがジャンプは失敗するは、フライングシットでつぶれるわ(SPはこれで失敗し た選手が他にも数名)と本当に調子が悪かったのだけど、ディック・バト ンも絶賛のスピンはお見事。
優勝したJennifer.Kirkはかわいくて妖精みたい。アメリカの女子は本当に層が厚いですね。
日本勢は中野さん、恩田さんは力強いジャンプをポンポンと決め、若松さんは対照的に柔らか い表現力で可憐な舞姫でした。

Men
フリーでは中国のMa選手があまりにもあっさりとクリーンなクワドトゥを決めたの で「あれっ?今のって4回転?」という感じで拍手がまばら。
いろいろな変形スピンをする選手が多かったです。
ノルウェー大会で優勝したGao選手は2週続きで疲れていたのか、練習でも試合でも元気があ りませんでした。

Exhibition
会場を一番わかせたのは田村君。蛍光グリーンに黒模様のハデなスーツに髪を逆立 ててヒデの曲を。投げキッス、流し目などもあり、ファンサービスに徹する役者ぶりで田中 君とのペアも披露。
Ottaviani/Scaliは「速いだけがとりえじゃないの よ」といわんばかりのムーディーなバラードを。スローもしっとりとこなします。
ちゃんとEX用のナンバーを用意している選手が多く(シニアもSPだのODだの昔のフリーだ のでお茶を濁さずに見習ってほしい)、見応えたっぷり。

各種目ともに次代を担うのに十分な資質を持った選手が国内外ともに多く、とても 満足のいく大会でした。未来のゴールドメダリスト達に拍手!!

Back to Index

YU-KAN SKATE CLUB Home



All Right Reserved, Copyright  YU-KAN SKATE CLUB

Create:2000.02.22