「AV8-B HARRIER U Plus」製作記

別に飛行機にも詳しくなく軍事マニアでもなく、戦争反対の平和主義者のワタクシですが、それでもメカものはやっぱり面白い…。男の子ですからねェ。んで飛行機のひとつも作ってみるべぇ、と選んだのが上記の機種。飛行機のクセに垂直上昇やホバリングが出来たりするところがヘンコなワタシのお気に入り。グラマラスなボディも迫力あっていい感じ。映画、トゥールライズではHARRIERが派手に暴れまわったんで飛行機に詳しくない方でもご存知かと思います。HARRIERにも色々あるみたいですが、まあ、とりあえずこれでいってみようかってノリで。というわけで、じぇんじぇんワケわからず作りはじめるわけですが、どこまでできるのやら(笑)。詳しい方から見れば似ても似つかぬものになるのかなぁ…。

4/25:製作開始。すでにネット上で画像や大まかな資料は検索してありましたが、さすがにそれだけでは作れそうも無い。近くの書店で資料を漁るが値段ばかり高くて良いものが無い。コリャダメだということで、この日○○年ぶりにプラモデルを購入。「ハセガワ製1/72、AV-8B HARRIER II PLUS」税別\900-也。特に書籍等は購入せず、これだけで作り始めることにします。プラモデルを購入してみてわかったことですが、ボディラインがやたらと複雑…(T_T)。初めて飛行機作るのならも少し簡単そうなものを選んだ方がよかったかもと若干の後悔。とはいえ決めたものはしょうがないので気合を入れて取り組むことにします。プラモの図面をスキャナでスキャンしテンプレートに直し、大まかに形状を作成。ざっと配置して様子を見たところ。

4/26:この日はあまりいじれず。OSが起動できなくなり、再インスト。時間が取れずにボディ後部の尾翼まわりを中心にボディラインを若干いじるにとどまる。

4/27:主翼をほぼ正確な位置に作りなおし、ボディ側のラインを調整していきます。独特のボリューム感のある形状の表現が難しい。

4/28:更にボディをいじったのですが、写真で見る感じと、プラモのパーツで見る感じがずいぶん違います。重くなるのを避けるため、本来ならあまりパーツを増やさないうちにボディのラインを完成させたいところですが、バランスを見るためパーツを追加。形状がつかみやすいパーツを参考にボディラインを固めていくことにしました。

ここまでのパーツを色分けしてみたところ。

4/29:画面ではわかりにくいですが、さらにボディを調整。このあたりになるとテンプレートではわかりにくいので、プラモデルを部分的に仮組みし、それをノギスで計測、スケールである78倍しておよその実寸を割り出したり、断面を見るため、見たい部分に輪ゴムを巻きつけて見てみたりと、あれこれやってみます。下の図ではわかりにくいですが、この飛行機をモデリングする時に一番厄介そうなのが主翼下部にある可動式のノズルのあたりとその後部の排気口あたりでしょう。本来はココを一体形状でモデリングしたいところですが、それでは線形状がやたらと増えてしまいそうです。線形状を増やせば増やすほどShadeの欠点である皺が増えやすくなります。可能な限り少なくして、各パーツの接合と可動部の切り出しに必要な分と、あとでピクチャーマッピングするために必要な分以外は増やしたくないところです。主翼や可動式ノズルに隠れて目立たないと思われる部分なので、ブーリアンで抜いてやる予定にして、現時点ではあまり作りこまないようにしました。あと、この日は主翼のしわを取り、形状もみなおして、胴体上部との接合部分が滑らかになるようにポイントの、記憶、適用で繋いで様子を見ています。もちろんこれでOKではありませんし、主翼前部につけられた小さな丸い翼部分の成形もまだです。プラモで言えばパテを盛ってはヤスリで成形して様子を見るといった地味な作業が続きますが、これを怠るとあとで泣きをみます。いったん繋いでみるとイメージが明確になりますが、結果気に入らなくて後戻りや、最初から作りなおしというのもよくあるケースです。どこか変だなと思ったらその周囲が変だったというのはよくあることですので…。

4/30:案の定というか、ボディを大幅に変更。主翼下部のごちゃついたあたりは、上記の通り、ブーリアンで抜いたり、パーツを継ぎ足す予定なのでいいのですが、尾翼あたりの形状を作るためには線が一本足りないことに気付く。簡単に追加できるかとも思ったのだが、思ったより厄介で皺も増えてしまった(泣)。一番複雑な部分の断面から必要な線形状の本数を割り出して製作するという基本的な手順を飛ばしたからですねぇ(^^ゞ。というわけで機体上部のひょうたんのようにくびれた部分も含めて、再度調整しなおしました。ひょっとしたらはなから作りなおした方がよかったかもしれませんが。というわけで、また別の皺が出来たり再度主翼との接合部を繋ぎなおす必要がでてきましたが、今日はここまで。これでもボディ後部の面取りはまだなので、さらに線形状は増やさなければなりません。む〜ん、ボディが決まらないといつまでも翼の本格調整に入れないぞ〜。

わかりやすいように翼をはぶいてレンダリングした図

5/01:下の画像を見て「コイツ行き詰まって苦し紛れに写真出してきたな。」と思ったあなたは鋭いっす(笑)。もともとこのページはきちんとした製作方法を紹介するためのページというより、初めて飛行機なるものに挑戦する人間がドタバタする様を見せるのが目的に近いわけで、最終的には出来ませんでした、チャンチャンで終わる可能性だって大であったりするわけですね。ただ、よく雑誌等に書かれている製作記事はその紆余曲折がはぶいてあるわけで、読んだからといって理解できるとはかぎらないわけで、その辺の狭間をうめていければという思惑もあります。ですから、あんまり代わり映えのしない重いだけの似たような画像が続いたり、結局後戻りということもまあ仕方ないかと。きちんとできたらいいシーンだけ画像抜き出してまとめ直せばいいわけですし…。もちろん細かい作りこみが始まればその部分を拡大した画像なんかも入れていきますから少しは見れるようになるかと思います。…と強引にご理解をいただいたところで、これまたいいかげんに撮影した写真ですねェ。上が購入した模型の箱とモデルの一部、そして先に話が出た「ノギス」の写真です。このノギスは通常のものとは素材が違いまして、金属ではなくカーボンファイバー製なんです。歯科技工士や宝石、時計の加工など素材を傷つけてはいけない方が使われるとのことで、お勧めの品です。確か価格は\2,500-ほどと思います。私はDIYショップ(ホームセンターってやつね)で購入しました。んで、下二枚が悩み多きボディ部ですねェ。正直、逃げ出したくなるような形状してますです。ある意味、顔作るほうが簡単かもしれないと思い始めております。

5/02:機体後部をメインに形状を煮詰めていっているところです。基本的に行なったのはポイントの配置が極力波打たないように移動することと、ハンドルを自由曲線と極力平行にしてやることです。上下にある垂直尾翼以外はまだ一体成形です。線形状が集まっているところを中心にしわが取り切れていません。可能であれば主翼後部あたりからお尻まで一体で作りたい気もしますが、恐らく最終的にはいくつにも分割することになるでしょう。このあたりはしわの出方と相談ということになります。若干上部のボリューム感がプラモより強いようですが、ひょっとしたらこのままでいくかもしれません。グラマラスさがチャームポイントになる機体ですので、若干デフォルメしてやったほうが最終的に迫力が出るかもしれないからです。3Dの常套手段ですね。

5/06:さらに機体後部からの形状を煮詰めることを中心に作業を行ないました。ほとんどがポイントの移動と皺取りの作業で、一番忍耐が必要な部分でもあります。基本的に皺取りはアンスムース、スムース、アイロンを使って行ないますが、機種から尾翼へ伸びる方向の線形状にはアイロンは使用しません。輪切り方向のポイントがガタガタになってしまうからです。輪切り方向の必要なポイントを選んでアンスムース、スムース、アイロンを使用し、さらに様子を見ながらポイントを移動して同じことの繰り返し。その間様子を見ては交差方向の機種から尾翼へ伸びる線形状にもスムースをかけて様子を見ます。あとは手動でチクチク修正を繰り返します。ポイントが密集してくると、画面拡大を最大倍率に上げても非常に見づらいので、もっと倍率を上げれればと思ったりします。正直言って非常にストレスがたまる作業ですので、他の部分をチョット作って遊んでみたりします。そのことで、ちょっと見はそれっぽくなってくるので精神衛生上もその方が効率上がります。製作意欲を持続するためにも必要なことと感じます。下側の画像は影をつけてレンダしてありますが、ようやく機体の主翼より後ろ側の皺がかなりとれ、それっぽくなってきた気がします。現時点でのパーツの分割は画面の色の通りです。

5/12:現時点での製作状況。機体後部から、主翼上面に繋がるひょうたん型のラインを整形し主翼との接合を試みました。このひょうたん型ラインと、翼断面をいかに繋げるかがキモになるところ。間にパーツをかましているのがわかると思います。このパーツは翼下側部分はさらに複雑な形になっているのでさらにいくつかに分割して作り込む必要があります。もちろん主翼そのものも途中で翼断面の変化やひねりがあるので作り込む必要があります。あちこちいじりなおしたりしたので、また皺ってますね(笑)。

主翼下部の垂直上昇機構と後部の排熱部を仮置きした部分です。図のようにブーリアンで抜いてみました。ほんとは前野公宏氏考案の「ブーモデ輪郭奥義」を使用し、丸めをきちんと行ないたくなるところですが、他のパーツで隠れる部分でもあり、最終的にどうするのかはまだ決めていません。ひょっとしたらアニメで動かしてみたくなるかもしれないので、できるだけ軽くしたいとの思いもあります。