渡る世間は鬼ばかり
【2001年7月〜9月】
2001年2月13日掲載
最終更新日 2001年10月7日

【7月5日】

『本間英作(以下英作)は幸せ者だ』

 夫に理解のある奥さん長子に恵まれ、彼女の実家では大事にされている英作は幸せ者である。これまでは近くにいたから気づけなかったかもしれない。離れてみて初めてありがたみが解ることもあるだろう。今でも母親である常子は相変わらず子離れが出来ていないようだけど、英作さえしっかりしていれば長子との夫婦仲はいつまでも続きそうな気がする。

『大きく揺れる幸楽』

 最新のレジを導入したことにショックを受けた小島キミ(以下キミ)は今後二度と店に顔を出さないのかな、と思っていたら次週の予告でチャッカリ居座っていた。この様子だと当分の間は幸楽の中も騒がしいままのようだ。それよりも問題なのは近くにオープンする激安ラーメンショップだ。250円という超破格値は幸楽にとっては驚異だ。実際、幸楽のラーメンは600円もするので店の経営のことであれやこれやとトラブルが発生することは間違いない。どんな騒動を巻き起こしてくれるか、今から楽しみだ。


【7月12日】

『なくてはならない存在』

 一時は引退かと思われたキミも親友の助言でやる気を取り戻すと、いつもの憎まれ口をまき散らすようになった。やれやれと思いつつ、このばあさんが元気にしてないと幸楽に活気が出ないと思うのは気のせいだろうか。もちろん、傍若無人ぶりを発揮する田島聖子(以下聖子)もいてもらわないとつまらなくなるのは言うまでもない。


【7月19日】

『傍若無人な聖子について補足』

 相変わらず聖子はキミにたいして媚びへつらい、小島勇(以下勇)の嫁五月や子供達にはなんでも逆らうという人として最低なことを続けている。おそらく聖子には相手に感謝するというなんて殊勝な気持ちはこれっぽっちもないに違いない。奴は自分の味方になってくれる人間には親切を装い、少しでも気にくわない人に対しては容赦なく毒を吐き捨てる。本当ならこんな女がいつまでも幸楽にのさばっていてはいけない。しかし、これ程のわがままぶりを発揮していればいくらでもトラブルを起こせるので「渡る世間」的にはいてもらわなくてはならない存在でもある。


【7月26日】

『今を大事にしてあげたい』

 家出をしてまで城代正則(以下正則)の看病を選んだ小島愛(以下愛)。結婚できるかどうか分からないし、いくらつくしても別れることになるかもしれない。そうしたら後悔したり辛い思いをするかもしれない。「それでもいいの?」という五月に「それでも構わない」というのだからよほど今のつきあいを大切にしたいのだろう。そこまで思い詰めているなら愛の好きなようにさせたらいいと思う。たとえ悪い結果になったとしても彼女にとってかけがえのない経験になるはずだから。

『結婚というのはかくも大変』

 一緒に暮らして上手くいってる時は良く、逆に自分にとって許せない欠点が見つかれば別れるなんて自分勝手だ。という秋葉あかり(以下あかり)の母親野田弥生(以下弥生)の言葉にはもの凄く重みを感じた。
 確かに一緒に住んでみればいい面だけでなく嫌な面も見えてくる。だからといってちょっと自分の思い通りにならないからといって簡単に諦めるのは間違ってる。
 とはいえ今はあかりの言い分しか聞いてないので、夫秋葉和夫(以下和夫)がどう思っているかが分からないうちはまだなんともいいようがない。


【8月2日】

『やむを得ない離婚』

 結婚当初から梨園をおろそかにすると舅は嫁を罵っていた。加えてハウス栽培のことで納得のいかないあかりは我慢しきれずに出ていってしまう。これに舅は絶対許さないと豪語している。嫁舅の関係が完全に壊れてしまったのにそんなところに帰ってきてくれだなんて和夫は言えるはずもない。これで2人が別れてしまうのは残念だけど、和夫の立場やあかりと舅の関係を考えるとそれも仕方がない。

『とにかくホッとした』

 愛と正則が別れることにならなくて良かった。それにしてもまさか勇と正則の父忠信が意気投合してうち解けるとは思いもしなかった。その背景にはラーメン屋をやりたくても出来ない事情を勇に説明したことが大きい。自分と似たような境遇だということが分かれば誰だって親近感を抱く。
 もちろん、ただ口で言うだけなら勇も納得しなかったろう。決め手になったのは忠信が用意したラーメンのスープであった。早速幸楽の麺を加えて食べてみたところ、素人とは到底思えない素晴らしい味だった。流石の勇もこれで相手のことを信じる気持ちになれたのだろう。
 先週の予告だけを見たらてっきりお終いかと思っていただけに、なんだかホッとした。あとは正則役の宮下裕治の演技が向上しさえすれば何も言うことはない。


【8月9日】

『キミの不快指数上昇中』

 愛が病院から帰ってくると勇の態度が180度変わっていた。もっと喜ぶかと思ったけどあまりに急だったからか愛は戸惑っていた。これで勇に関しては解決した。今後の見所は五月のやることに何かとケチをつけるキミがどういう意地悪をするかだろう。息子である勇までもが正則との交際を認めたことで内心は面白くないに違いない。  キミの不快指数はまだまだ上がり続けた。正則と仲間達との旅行に愛が誘われ、アルバイトのサチは病状が悪化した祖母の見舞いでしばらく休暇がほしいといってきた。状況が変化することに耐えられないキミにとっては気に入らないことが立て続けに起こった。この段階ですら嫌みを連発していただけに来週以降どれだけの毒を吐くのだろうか。


【8月16日】

『山口政子(以下政子)の態度に岡倉大吉(以下大吉)大激怒』

 政子があたかも岡倉葉子(以下葉子)は自分の娘だと言わんばかりの態度をとったと葉子の様子を見にいってきた父大吉は帰ってくるや否や大激怒。いくらかつては葉子がお世話をしてもらっていたといっても赤の他人に母親面されれば誰だって面白くない。

『キミの気持ちに変化が?』

 正則の父忠信のラーメンの腕は本物だった。それだけではない。彼の忌憚のない話し方に勇が今まで以上に大喜びしただけでなく、あの気むずかしいキミさえも悪い気がしないというような笑みを浮かばせたのだ。流石にこれで忠信とキミの軋轢がなくなった訳ではないだろうけれど、少しは風向きが良くなりそうな気配だ。

『本間日向子(以下日向子)を巡って嫁姑の大喧嘩バトルが
今再び始まろうとしている』

 本間常子(以下常子)が突然岡倉家にやってきた。するといきなり孫娘日向子に本間病院を継がせろといってきた。一緒に暮らしている由紀夫婦は子供を作る気がなく、現状では日向子しか病院を継ぐ人間はいない。今からならまだ間に合うので英才教育を施しなさいと半ば脅迫気味に嫁である長子に迫ってきた。長子は娘の意志を尊重したいので今から将来を縛るようなことはしたくないと説明した。しかし、そんなことで納得するような常識人ではないことは経験上あり得ない。となればこれからは日向子の将来のことで嫁と姑が一生を掛けていがみ合うことになるのはまず間違いない。どんな嵐が吹き荒れるのか今から楽しみで仕方がない。


【8月30日】

 先週は全部ではないが見逃してしまい、結局は書かずじまいにしてしまった。

『今回ばかりは長子の方が悪い』

 長子は日向子を守るなんていってるけど母親としてなんにもしてなんだから常子に対しても文句を言えた義理ではない。肝心の日向子がどういうつもりで医者になりたいのかは知らない。けれど、仕事のことしか頭にない長子に比べたら常子の方がまだましだと子供は判断したのかもしれない。

『聖子はお金を騙し取られた?』

 どうやら聖子はみんなに黙って大阪にいっていたようだ。それが今週になると早速戻ってきて幸楽弁当のスポンサーになってくれる人がいることを報告した。そのことで聖子の夫周平は大反対した。これはこれで大変なんだけど、どうやらそれ以上の大波乱が来週以降に待ち受けていそうだ。
 予告を見ると自殺したのではないかとかなんかで大騒ぎしていた。ひょっとしてM資金詐欺のような手口で弁当の売上金を盗まれてしまったのだろうか。もしそうなら死んでもお詫びしきれないと思いこんでも不思議ではない。その辺の真相も含め、来週はなにかと目が離せない。


【9月6日】

『予想通り騙し取られていた』

 詐欺の手口はともかく、やはり聖子は女社長(本当に社長かどうか怪しい)にお金を騙し取られていた。そのことを苦に自殺を図ろうとするが命はなんとか取り留め、数日後には無事幸楽に戻ってきた。
 今回のことは流石に反省しているようでいつものふてぶてしい態度は影を潜めていた。しかし、「3日後にはけろっとしてるさ」と加津がいうように、しばらくしたらまた元の生意気な聖子に逆戻りしてるんだろうな。


【9月13日】

『これはいじめ問題に対する一つの答えかもしれない』

 時代の風はやはり女性の方に吹いているようだ。高校生男子(それも4人)が(たった一人の)小学生女子である加津に気迫で負けてしまう。最近は情けない男という設定のお話が急増しているけど、ついにここまできたかと苦笑いしてしまった。
 さて、これを見て思ったのは「いじめにあってる人間が反撃するのであれば相手と差し違えるくらいの覚悟で挑まないと駄目だ」ということである。そのくらいの意気込みがないといつまでも相手になめられ、前以上にボコられてしまう可能性が高い。かといって本気でいじめ(もしくはそのグループ)に刃向かうのは生半可なことではない。本当なら誰かに相談して助けてもらうか、遠くに逃げてしまうのが安全で確かな方法かもしれない。しかし、そのどちらも出来ないのであれば、死ぬ気で立ち向かうより他にないと思うのだが、どうだろう。


【9月20日】

『大吉おじいちゃんが可哀想』

 独身に戻った葉子は他人の政子に取られ、唯一同居している長子も誕生日を祝ってあげられなかった。他の娘達はというと、とっくの昔に嫁いでしまっていて、気がつくと手塩に掛けた5人娘全員が遠い存在に思えてしまったのだろう。次週の予告でふて寝してしまうくらいだから余程のことである。本当は娘達が幸せに暮らしていることを喜ぶべきなんだろうけど、割り切れないもどかしさというものがあるんだろうな。
 さて、次回はいよいよ第5部の最終回。どんな結末になるのか今から楽しみである。


【9月27日】
第5部最終回

『けじめをつけたからこそ、事態は丸く収まった』

 携帯騒動でキミを怒らせてしまい加津は幸楽を出ていかなければならなくなった。その後は加津なりの信念(5日間も飲まず食わずという無茶をする)を貫いたことで再び戻ってくることが出来た。それもキミが諸手を挙げて歓迎するというおまけ付きである。これについては加津が筋を通して一旦出ていったからに他ならない。キミにしてみれば自分の言うことを素直に聞き入れてくれれば悪い気はしない。加えて、本気で幸楽に戻りたいという気持ちを命懸けで示されれば誰だって嬉しいに決まっている。だからキミは喜んで加津を迎え入れたんだと思う。なんにせよ、加津が幸楽に戻ってきて本当に良かった。

『最後は5人娘と一緒に大団円を迎えた』

 生きる気力を失って寝込んでしまった大吉に5人の娘が全員駆けつけてきた。なんだかんだ文句はいってるけど心の底では父親のことを心配しているようだ。この時五月が「お父さんがお店をやっていることが健康の証」という台詞は結構心に響いた。父親がお店で働いているからこそ、娘達は安心していられる。なるほど、そうかもしれない。この言葉を聞かされれば流石の大吉も元気なうちは働かなければならないと思うようになるのも無理はない。その後受けた健康診断の結果も異常なしということが分かり、最後は大吉の復帰を祝って娘達がパーティーを開くという大団円を迎え、ホッと一安心した。
 これで第5部は終了したけど、来年の春には新シリーズが始まるらしいので今から楽しみだ。


【現在見ているドラマ】
タイトル放送局 放送年度
渡る世間は鬼ばかりTBS 2000〜01年