【2000年10月〜12月】
『第一印象』
『本当のいい子』
それにしても『野々下加津(以下加津)』はいい子である。複雑な家庭事情にもめげず前向きに生きている。自己主張するだけでなく、相手を気遣う配慮もするあたり、大人顔負けである。たよりない大人の姿を見ていると、子供はしっかりしなければと考えるかもしれない。よくこういう子は生意気だとか可愛げがないとかいわれる。しかし、自分に言わせてみれば加津ちゃんこそ本当のいい子だと思う。『至上最凶の女』
『松田聖子(以下聖子)』、今も活躍するアイドル歌手と同姓同名だが、中身は似ても似つかない最低女だ。自己中心的だし、己の保身のために姑に媚びを売る姿にはヘドがでる。よくこれで結婚できたと思う。よほど相手の男性はいい人なのか、それとも単なる大馬鹿かのどちらかだろう。『身内に絶対いてほしくない人物』
『本間常子【ほんまつねこ】(以下常子)』もわがままで自分勝手、他人の意見は聞く耳持たないとあらゆる駄目人間の要素を兼ね備えている。よくもまああそこまで意地悪くなれるよ。それでもこんな人間がいるからこそドラマとしては面白くなるんだと思う。迷惑な人が巻き起こす一筋縄ではいかない騒動は見ている分には楽しい。間違っても自分の身の周りにはいてほしくない。『番組内のオアシス』
こうしたムカツク奴等がいる一方、いい人もいる。『岡倉大吉(以下大吉)』じいさんはしっかりしていていつも娘に適切なアドバイスをする。その娘『本間長子(以下長子)』もいい人だ。少し感情的になることはあるけど、思いやりのある素敵な女性だと思う。そんな彼女は本間家の嫁にいったので名字は変わっている。しかし、住まいは長子の実家だ。夫の『本間英作(以下英作)』とは仲睦まじくやっている。『番組の特徴』
このドラマは常に問題が起こってないといけないようだ。せっかく本間のばあさん常子と縁を切れたと思っていたら、岡倉のじいさんが余計な提案をしてしまう。常子にクリスマスプレゼントをしなさいと。始めは渋っていた長子も大吉の説得に説き伏せられてしまう。良く考えれば大吉がこんなことを思いつくはずがないし、長子も承知するはずがない。しかし、多少本来の性格に反したことをすることでさらにドロドロした展開が見られると考えるとそれもいいかなと思えてくる。『行き過ぎた不幸』
加津が骨折させられた時は流石にひいた。いくら大勢の同級生(それも男の子)にいじめられたとはいえ骨折はないだろう。それにしても何故加津は襲われたんだろう。終業式を休んだくらいで彼女にひどい怪我を負わせる道理はないと思う。そんな理由で骨折させられるまで痛めつけられたらかなわない。フィクションだと分かっていてもやはりかわいそうでならない。
【2001年1月〜3月】
『1月』
『2月1日』
2月に入ってからはいろいろと考えさせられることが多いけど、とりわけこの日の話は正直いって感動させられた。自分のことで悩んでいる『小島眞(以下眞)』を心配した父親『小島勇(以下勇)』が「どんな遠回りをして迷ってもいいから自分の好きな道を見つけろ」か。誰からでもいいからこんな台詞を一度でも言われてみたいよ。言ってくれていたらドラマのキャストでなくても気分が軽くなっていたと思う。『2月15日』
子供を条件付きで誉めてはいけない。そんなことを学習させ続けていけば、いずれは『野々下隆(以下隆)』みたいにブチ切れてしまう。父親に対して暴言を吐くなど悪態の限りをつくす隆を見ているとよほど腹に据えかねていたことがあったことが容易に想像できる。だいたい実力に関係なくただ自分の子供だから大丈夫なんて過剰な期待をされたら誰だって嫌気がさすよ。それなのに馬鹿な親は自分の夢を子供に託そうと躍起になる。ある意味もっとも哀れな家族といえるかもしれない。この先野々下一家はどうなるんだろう。一緒には暮らしてないし、母親とは血の繋がりがない加津も含め、来週以降は目が離せない。『2月22日』
それにしても野々下の親は情けない。子供が離婚しろといって本当に離婚してしまうのはどうかしてると思う。子供の脅しに屈してしまうなんて、勇も言ってたけど甘やかしもいいところだ。これじゃ隆が訳の分からない行動をするようになっても仕方がないよ。それよりも、野々下の両親が離婚することになると父親とだけ血の繋がりのある加津はどうなるんだろう。このままいけば父親についていくしかない。しかし、一筋縄ではいかないドラマだけに次の展開がどうなるのか分からない。『3月1日』
親子に限らずいいたいことははっきり言うべきだ。きっと喧嘩になるだろうけど、それを恐れていたら何も解決できない。今の隆は母親に叱られたくない一心で我慢していたようだ。となると隆にもそれなりに問題はある。しかし、一番悪いのは親である。型にはまった教育を押しつけ、反抗せずに従っていさえすればいいという考え方は横暴としかいいようがない。周りに意見を言う人がいなかったらいつかとんでもないことをしでかしていたかもしれない。幸い、親戚に眞や『高橋望(以下望)』というしっかりした子供がいたから最悪の事態は免れた。これで、もし誰もいなかったらと思うとぞっとする。『3月8日』
「隆の進路はどうなる?」
「理想の人生」
親にしてみれば不安になるのも無理はない。いくら選択の幅が昔に比べて多くなったといっても自分の子供には無難な道を歩いてほしいのだろう。親の世代では受験戦争に勝利すれば幸せになれるという幻想を植え付けられている。だから偏差値、テストの点数という目に見える物差しに飛びついてしまうのもうなずける。『3月15日』
「それぞれの転機」
『3月29日』
「深刻化する嫁舅、親子それぞれの問題」
〈葉子と久光とタキ〉
〈長子と英作と常子〉
「一つ気になること」
タイトル | 放送局 | 放送年度 |
渡る世間は鬼ばかり | TBS | 2000〜01年 |