渡る世間は鬼ばかり
【2000年10月〜2001年3月】
2001年2月13日掲載
最終更新日 2001年7月15日

【2000年10月〜12月】
『第一印象』

 これはすごい、まさに毒矢の如く相手を口撃する姑の陰険さは必見である。そして世間の荒波が激しくなるほど子供はしっかりせざるを得なくなる。世の中を生きることがいかに難しいかということを身をもって教えてくれる貴重なドラマだといえる。

『本当のいい子』

 それにしても『野々下加津(以下加津)』はいい子である。複雑な家庭事情にもめげず前向きに生きている。自己主張するだけでなく、相手を気遣う配慮もするあたり、大人顔負けである。たよりない大人の姿を見ていると、子供はしっかりしなければと考えるかもしれない。よくこういう子は生意気だとか可愛げがないとかいわれる。しかし、自分に言わせてみれば加津ちゃんこそ本当のいい子だと思う。
 このドラマには自分のことだけしか考えてないムカツク輩がいる。こうしたエキセントリックな奴等を見ているとホント頭に来る。そういう奴等に限って自分の思い通りにならないと我慢ならないどうしようもない性格をしている。人のこと言うよりおまえの方が相手の気持ちを考えろと言いたい。全くもって憤慨している。

『至上最凶の女』

 『松田聖子(以下聖子)』、今も活躍するアイドル歌手と同姓同名だが、中身は似ても似つかない最低女だ。自己中心的だし、己の保身のために姑に媚びを売る姿にはヘドがでる。よくこれで結婚できたと思う。よほど相手の男性はいい人なのか、それとも単なる大馬鹿かのどちらかだろう。
 そう思っていたら疑問が沸いてきた。ひょっとして聖子はお金目当てで結婚したのではないか。最近妖しげな表情をしているなと思っていたら案の定失踪してしまう。同時にお店のお金が盗まれているが一体誰の仕業なのか。果たして聖子は真の悪者なのかそれともただの誤解なのか。来年以降にこの問題は持ち越された。

『身内に絶対いてほしくない人物』

 『本間常子【ほんまつねこ】(以下常子)』もわがままで自分勝手、他人の意見は聞く耳持たないとあらゆる駄目人間の要素を兼ね備えている。よくもまああそこまで意地悪くなれるよ。それでもこんな人間がいるからこそドラマとしては面白くなるんだと思う。迷惑な人が巻き起こす一筋縄ではいかない騒動は見ている分には楽しい。間違っても自分の身の周りにはいてほしくない。

『番組内のオアシス』

 こうしたムカツク奴等がいる一方、いい人もいる。『岡倉大吉(以下大吉)』じいさんはしっかりしていていつも娘に適切なアドバイスをする。その娘『本間長子(以下長子)』もいい人だ。少し感情的になることはあるけど、思いやりのある素敵な女性だと思う。そんな彼女は本間家の嫁にいったので名字は変わっている。しかし、住まいは長子の実家だ。夫の『本間英作(以下英作)』とは仲睦まじくやっている。

『番組の特徴』

 このドラマは常に問題が起こってないといけないようだ。せっかく本間のばあさん常子と縁を切れたと思っていたら、岡倉のじいさんが余計な提案をしてしまう。常子にクリスマスプレゼントをしなさいと。始めは渋っていた長子も大吉の説得に説き伏せられてしまう。良く考えれば大吉がこんなことを思いつくはずがないし、長子も承知するはずがない。しかし、多少本来の性格に反したことをすることでさらにドロドロした展開が見られると考えるとそれもいいかなと思えてくる。

『行き過ぎた不幸』

 加津が骨折させられた時は流石にひいた。いくら大勢の同級生(それも男の子)にいじめられたとはいえ骨折はないだろう。それにしても何故加津は襲われたんだろう。終業式を休んだくらいで彼女にひどい怪我を負わせる道理はないと思う。そんな理由で骨折させられるまで痛めつけられたらかなわない。フィクションだと分かっていてもやはりかわいそうでならない。



【2001年1月〜3月】
『1月』

 やはり聖子はお金を持ち逃げしていた。しかし、お金はほとんど使い込まず残していた。それからいろいろあったけどこれで解決かというとそうではなさそうだ。何故なら張本人である聖子がまたしても疑惑の眼差しを浮かべたからだ。もし、何かたくらんでいるのならいつ行動を起こすのか。ちょっと楽しみだ。

『2月1日』

 2月に入ってからはいろいろと考えさせられることが多いけど、とりわけこの日の話は正直いって感動させられた。自分のことで悩んでいる『小島眞(以下眞)』を心配した父親『小島勇(以下勇)』が「どんな遠回りをして迷ってもいいから自分の好きな道を見つけろ」か。誰からでもいいからこんな台詞を一度でも言われてみたいよ。言ってくれていたらドラマのキャストでなくても気分が軽くなっていたと思う。
 結局親の思う通りには子供は育ってくれない。大半は親の思いとは違う道に進むことになるけど、それは仕方がない。いくら血が繋がってても人それぞれ違う個性を持っているからだ。
 問題は自分の子供の決めたことにケチをつける馬鹿両親だ。おそらく自分の敷いたレール通りに進めることこそが正しいと考えているのだろう。それでも反抗して意見を言えればまだいい。言えずに無理して我慢し続けているとそのうちとんでもないことになりかねない。子供の生き方に必要以上に干渉するのは間違っている。
 それはさておき、長引く不況はどの職種でも同じで、なにをするにしても大変そうだ。サラリーマンだからといって安定しているとは限らない。だからといって自営業もどう転ぶか分からない。先行き不透明な世の中なんだと改めて思った。
 それを考えるとたとえ仕事が大変でも夫婦力で合わせられれば幸せといえなくもない。確かに好きな人とずっと一緒にいられることほど嬉しいことはない。今の世の中なにが幸せでなにが不幸なのかなんて、考えようでどうにでもなるのかもしれない。

『2月15日』

 子供を条件付きで誉めてはいけない。そんなことを学習させ続けていけば、いずれは『野々下隆(以下隆)』みたいにブチ切れてしまう。父親に対して暴言を吐くなど悪態の限りをつくす隆を見ているとよほど腹に据えかねていたことがあったことが容易に想像できる。だいたい実力に関係なくただ自分の子供だから大丈夫なんて過剰な期待をされたら誰だって嫌気がさすよ。それなのに馬鹿な親は自分の夢を子供に託そうと躍起になる。ある意味もっとも哀れな家族といえるかもしれない。この先野々下一家はどうなるんだろう。一緒には暮らしてないし、母親とは血の繋がりがない加津も含め、来週以降は目が離せない。

『2月22日』

 それにしても野々下の親は情けない。子供が離婚しろといって本当に離婚してしまうのはどうかしてると思う。子供の脅しに屈してしまうなんて、勇も言ってたけど甘やかしもいいところだ。これじゃ隆が訳の分からない行動をするようになっても仕方がないよ。それよりも、野々下の両親が離婚することになると父親とだけ血の繋がりのある加津はどうなるんだろう。このままいけば父親についていくしかない。しかし、一筋縄ではいかないドラマだけに次の展開がどうなるのか分からない。
 さて、このドラマを見ていていると目で訴える演技が多いことに気づく。聖子による疑惑の眼差しや怒りを秘めた厳しい視線を送る隆など、台詞はないのにいろんな事を目だけで想像できるのは凄いことだと思う。ひょっとしたら目以外にも気がつかないところで演技しているのかもしれない。これからはもっと注意して役者の演技を見てみようかな。

『3月1日』

 親子に限らずいいたいことははっきり言うべきだ。きっと喧嘩になるだろうけど、それを恐れていたら何も解決できない。今の隆は母親に叱られたくない一心で我慢していたようだ。となると隆にもそれなりに問題はある。しかし、一番悪いのは親である。型にはまった教育を押しつけ、反抗せずに従っていさえすればいいという考え方は横暴としかいいようがない。周りに意見を言う人がいなかったらいつかとんでもないことをしでかしていたかもしれない。幸い、親戚に眞や『高橋望(以下望)』というしっかりした子供がいたから最悪の事態は免れた。これで、もし誰もいなかったらと思うとぞっとする。

『3月8日』
「隆の進路はどうなる?」

 隆が自分の気持ちを正直に話したことで野々下夫婦は離婚しないことになった。それは良かったけど、トラブルの火種はすでに用意されていた。隆が高校に行かず水道工事屋になると言い出した。今日の話を見る限り単なる思いつきのような気がするけど、とにかく来週はこのことだけでも十分に荒れることが予想できる。
 さて、どれくらい水道屋をやりたいのかは分からないけど、どうしてもと隆がやりたいのであれば仕方がない。仮に今高校に行かなくても後で『大学入試資格検定(以下大検)』を受ければ努力次第でどうにでもなる。だから最終的には本人の好きなようにさせるべきだろう。自分で決めたのであれば、どんな結果になったとしても後悔しないはずだ。

「理想の人生」

 親にしてみれば不安になるのも無理はない。いくら選択の幅が昔に比べて多くなったといっても自分の子供には無難な道を歩いてほしいのだろう。親の世代では受験戦争に勝利すれば幸せになれるという幻想を植え付けられている。だから偏差値、テストの点数という目に見える物差しに飛びついてしまうのもうなずける。
 しかし、ドラマで何度も言っていることだが、一流大学を出て一流企業に就職すればいいという時代は完全にではないにせよ終わったといっても過言ではない。どんなに実力のある企業でも一寸先は闇、何が起こるか分からない。だったら自分の腕一本でお店を大きく出来る職人になる方が夢があっていいかもしれない。だからといって勉強が悪いわけではない。問題はなんの目的もなしにただ勉強すればいいという誤った固定観念だと思う。
 単純に知識を詰め込んでいっても途中で挫折して絶望したら何も残らない。それよりも好きなことやりたいことを積み重ねていった方が遙かにいい。たとえ失敗しても本人が望んで取り組んだのならいくらでもやり直せるからだ。というより失敗を繰り返して試行錯誤することが最も重要なことだと思う。そうして納得のいく方法を自分で編み出せば自信がつくし、生き甲斐にもなる。
 これはあくまでも理想だけど、悔いの残らない生き方が浸透すればこれからの日本にとってもプラスになると思う。

『3月15日』
「それぞれの転機」

 先週隆の進路問題で荒れるかなあと思っていたけど、騒いでいたのは母親である『野々下邦子(以下邦子)』だけだった。これを見る限り、隆は本気で水道屋になりたいようだ。邦子はせっかく高校に合格したんだからと大反対だが、それ以外は立派な職人になれよと応援していた。まだ完全には決定してないので、来週以降もこの問題は続きそうだ。
 次回予告を見ると、来週以降はいろんなトラブルが続出して大変なことになりそうだ。隆の進路問題はもちろん、ラーメン屋「幸楽」で働く職人の独立、嫁姑のこじれからくる本間病院の存続危機、『野田良(以下良)』とリストラされた仲間達と一緒に立ち上げたご飯を炊いて売る商売は上手く軌道に乗るのか、『岡倉葉子(以下葉子)』と『青山久光(以下久光)』は恋人同士になるのか、などなど、見所は満載だ。そこからどんな騒動に発展するんだろうと想像すると不謹慎ながらワクワクしてしまう。

『3月29日』
「深刻化する嫁舅、親子それぞれの問題」
〈葉子と久光とタキ〉

 それにしても『青山タキ(以下タキさん)』の頑なに態度には驚いた。それだけ『岡倉大吉(以下岡倉)』への恩があるのだろう。さらにタキさんは岡倉の娘だから反対していることも理由の一つにしていた。けれど、ひょっとしたら誰が相手でも反対してたんじゃないかな。別に葉子でなくても結婚すればタキさんとて無関係ではいられないのだから。
 こうなると2人の交際は難しいのかなと思いきや、久光が反対を押し切って結婚するすると宣言したのにはびっくりした。なんか展開がもの凄く早い気もするが、このカップルの場合、結婚してからが大変そうなので、『渡る世間』としてのお楽しみはこれからかもしれない。

〈長子と英作と常子〉

 親子3人の幸せを必死で守ろうとしている『本間長子(以下長子)』を見ているとなんだかんだいっても夫である英作が大好きなんだということが分かる。自分だって『本間常子(以下常子)』みたいな超わがままな舅なんかとは一緒に住みたいとはこれぽっちも思わない。
 しかし、そうすると本間病院を続けていくことは無理だろう。英作の妹由紀にも裏切られているから、これでもし英作が手を差し伸べない展開になれば確実に潰れてしまう。だからといって大阪には行きたくないし、離婚も嫌だ。そこで考えた長子はかつて常子と仲の良かった『神林清明(以下神林)』に来てもらい、すべてを丸く収めようと画策するが、果たして上手くいくのだろうか。いずれにせよ大波乱が期待できる展開になりそうだ。

「一つ気になること」

 『小島愛(以下愛)』の男友達『城代政則(以下城代)』なんだけど、台詞のしゃべり方がどこかぎこちないような気がする。たどたどしいというのだろうか、聞いてて妙な違和感があった。城代は留学何かで長い間海外で暮らしている設定ということなのだろうか。それとも単に下手なだけなのか。いずれにせよ気になったのでちょっと書いてみた。



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タイトル放送局 放送年度
渡る世間は鬼ばかりTBS 2000〜01年