『これまでのRPGとの違い』
サガフロ2では戦闘の回数が明らかに減っている。いくら趣向を凝らしたシステムを用意してもらっても、うんざりするほど繰り返しやらされてはたまらない。その点、サガフロ2ではフィールドマップ上では瞬時に目的地へ移動するシステムを採用しているのだ。これまでの経験から単純に計算しても戦闘の数は半分になる。ダンジョンに関しても同じことがいえる。構造自体はそれほど広くないし、敵がシンボルマークとして見えるので、無駄な戦いを避けることも可能というのはありがたい。ケチをつけるとすれば無駄に広くはないが、淡い色彩で描かれているので時折道に迷ってしまうことぐらいだ。『独特の戦闘システムについて』
一回の戦闘に費やす時間は長いが、その分戦略性を高めた飽きさせない内容になっている。システムの核となる連携とひらめき、それと新たに加わった特殊戦闘デュエルはかなり楽しめた。集めた技の中から連携技を探し、それが見事敵に命中したときは相当な快感を得られる。ひらめきの場合、ある程度運の要素が絡む。しかし、確率を上げる方法はいくつかある。仮にひらめかなくてもデュエルで発見することも可能なので問題はない。新たな技をひらめくには自分より強い敵の方が遙かに編み出しやすいと言うルールも気に入った。ひらめきで覚えた技の中には通常の戦闘で連携させられるものがある。『シナリオについて』
シナリオもこれまでのいい人の集まりが世界平和のために力を合わせる、というお決まりのパターンではないことに好感が持てた。主人公が小さいときの悲劇をきっかけに屈折した心の持ち主になる、という設定も共感させられた。動乱の最中、人格的に問題のある者同士が集まり、運命を主人公に託すという設定もなかなかいい。流石に最後はつじつまを合わせるためのお約束パターンになっているが、これは仕方がないと思う。『問題点』
サガフロ2唯一の欠点は物語終盤でのゲームバランスが非常に悪いことだ。エンディング手前で発生する見方の兵力が圧倒的に不利なシミュレーションパートと、最後に登場する多くのボスキャラである。 まず、シミュレーションからいうと、これは単純に双方のバランスが極端に悪く、勝るための条件がかなり厳しい。一方、ボスキャララッシュの方はというと、こちらもいただけない。なぜ、こんなにも急に攻撃が激しくなるのだろう。特にラスボスでは相当な苦労を強いられた。この部分だけは本当に許せない。今までがほぼ完璧な内容だっただけに、余計に腹が立つ。『結論』
エンディングにたどり着き、一通り終えてみての感想はやはり素晴らしいの一言に尽きる。感動的なシナリオ、淡い色で統一された美しいグラフィック、練り込まれた数々のシステムなど、いずれも文句のつけようのない完成度を誇っている。終盤のバランスの悪さを差し引いても充分満足のいく内容である。タイトル | 発売元 | 発売年度 |
サガ・フロンティア2 | スクウェア | 1999年 |