君が望む永遠
Rumbling hearts
2003年5月1日作成
最終更新日 2003年6月15日

遥エンド、水月エンド  茜エンド2、愛美(純愛)エンド
全てのエンドを見て思ったこと

『はじめに』

 これから書いていくのは基本的にPS2をプレイしてて思いついたことなんだけど、平行して原作(PC)もやっているので、ひょっとしたら記憶がごっちゃになってるかもしれないことをここで予めお断りしておこうと思う。
 それにしてもPC(原作)に始まり、小説、サントラ、ムック、ドラマCD各種といったように関連商品を一通り所持している自分がPS2にまで(DCは本体がないので未購入)手を出してしまったのは、偏に「君が望む永遠」という作品が殊の外好きだからなんだと、購入した後になってしみじみ思った。



【遥エンド、水月エンドで思ったこと】

『PCとの違い(遥エンド、水月エンド終了時点で)』

 一部の言葉や過激な性描写が全年齢向けに修正された部分を除けば、基本的には原作であるPCと一緒のようだ。とはいえ、CG全般に関して言わせてもらうと、特殊エフェクト(力の強弱関係なくPS2は殴られても画面が揺れるだけ)や背景全般のきめの細かさなどはPCと比べるとちょっと見劣りしてしまう。それと文章履歴がウィンドウ表示のままということやセーブ数が20しかないところなんかは、もう少しなんとかしてほしかった気もする。どうせPCと同じにするのが無理なのであれば、せめて家庭用なりの工夫というものを見せてほしかった。

『遥エンドと水月エンドで思ったこと』

 事情を知らずに一面的に見れば、どうしようもないくらい優柔不断な態度を取り続ける鳴海孝之や、必死になって孝之に縋りつこうとする水月は突っ込みどころ満載である。特にはっきりしない態度で問題を先延ばしにしようと思い悩む孝之の気持ちは仕方がないとはいえ、情けないなとも思ってしまう。
 それと、こうやって改めてPS2でやり直しても孝之と遥が付き合うようになるところは納得がいかなかった。彼女のおかげで水月という掛け替えのない親友を得られたことに対して感謝するのは判るのだが、そこから愛情にまで発展してしまうことがどうしても腑に落ちなかった。これは3年後になって遥が目覚め、孝之が彼女を選ぶように選択した時にも同じような違和感を覚えた。
 実際に遥エンドと水月エンドの過程を比較してみると、遥を選ぶことに孝之はもの凄く抵抗を感じていることに対して、水月を選ぶ時はそうすることがむしろ当然(特に遥の親父さんが強く思っていた)というような気持ちが伝わってきた。別にどちらを選ぶのが正しいとは言わない。ただ、シナリオを紐解いていくと、遥より水月を選ぶことが孝之にとっても周りにとっても幸せに繋がるのでないか、というように描かれていたように思えてならない。

「まるで水月の気持ちを歌ってるかのような曲に巡り合う」

 遥エンドで水月の報われなさ加減を実感していたところ、たまたま昔のCD(マキシシングルRED内の1曲「Love Again〜永遠の世界〜」)で、まるで彼女の気持ちを代わりに歌っているような気がして、改めて歌詞カードを見てみたら驚くほど似通っていてびっくりした。特に2番でその傾向が強く、Aメロ、Bメロで水月の不安な感情を、そして、サビ、Cメロで傷つきつつも未だ孝之のことが忘れられない水月の複雑な気持ちというものが重なった途端、もうどうにもならないほど切なくなってしまった。このことに気づいてからしばらくの間、このCDを繰り返し聴いては当時の感動の余韻に浸りまくってしまった。



【茜エンド2、愛美(純愛)エンドで思ったこと】

『茜エンド2』

 以前どこかのサイトで必ずしも遥が妊娠しているとは限らないとの意見に自分も同意して、それは今でも変わらない。しかし、そうなると何故PCでは「茜妊娠エンド」というサブタイになったかに疑問を持つようになった。
 確かに、エピローグで子供に尋ねられて茜が母親だと子供に教えているだけで、結局のところ本当の母親は誰なのかとのはぼかしたままにしている。ただ、それでも赤ん坊の生みの親が茜かもしれないという可能性が示唆されたに過ぎず、それだけで「茜妊娠エンド」としてしまうのはどうかと思う。それまでの話も妊娠した遥の子供を生ませるのか、中絶するかの二者択一に孝之が大いに悩むというのがメインで、茜が妊娠したかどうかなんてことは全く取り上げられてなかった。それに、どちらの子供であるか判らないことを強調したいのであれば、「茜妊娠エンド」ではなく「涼宮妊娠エンド」とするのが妥当ではないだろうか。

『愛美純愛エンド』

 まさかマナマナにオリジナルの、それも単に分量が多いというのではなく、割と読ませるシナリオとして用意されていたとは正直予想してなかった。まるで聖母のようなマナマナの献身的な態度には驚きつつ、彼女の根回しで孝之をとりまく環境が一時的とはいえ、改善していく様子がなんだか心地よかった。中でもマナマナの提案で紫のチューリップを遥に送るところは印象に残っている。色が紫ということもあって一瞬PCでの脅威を想起したものの、調べてみてびっくりした。まさか紫色のチューリップに「不滅の愛情」(茜から「永遠の愛情」だと聞かされる)なんて花言葉があるとは努々考えなかった。紫というと少し妖しげなイメージがあっただけに、チューリップと組み合わさることでこんなにも情熱的なものになるなんて思いもしなかった。あとは、最後に孝之が遥に向けて書いた手紙なんかも彼の複雑な感情が其処かしこに仄見えてちょっとばかり感動してしまった。
 全体的な流れを見ると感覚的に「茜エンド」と似通っていた。遥と水月との間で揺れ動いている孝之の間に、割って入っていくなんて許されることではないことを、純愛エンドのマナマナは自覚していた。どうせ好きになれないのであれば、せめて彼の為に役立ちたいという彼女の真摯な気持ちというものは痛いほど判った。結局は忘れられずに徐々に本心を伝えてしまい、その気持ちに孝之も応えてしまうところまでそっくりだったものの、通じてなかなかいい塩梅だったように思う。

『愛美エンド』

 PCにあった二つのお山から眺望するマナマナの不気味なお顔、そこから孝之の顔への禁断のシャワーは流石になかったものの、ストーキングに始まり監禁、陰謀を経てついには彼の全てを失わせるというサイコサスペンスさながらの恐るべき展開は健在だった。はっきりいって突っ込みどころが多すぎてあれなんだけど、哀れな孝之の姿は今見ると流石にかわいそうなんて思ってしまった。その原因の一つである水月と信二の辛辣な態度にしたって、いくらマナマナと暮らしてるといったって何日も洗ってない服装の孝之を見れば少しはおかしいと気づきそうなはずなのに、そんなことに目もくれず、そのまま見捨ててしまうなんて酷すぎると思う。なんにせよ、やばげな展開が盛り沢山のシナリオがここまで再現されているとは正直思わなかった。



【全てのエンドを見て思ったこと】

『PCとの違い(その2)』

 結局のところPS2での大きな変更点は「愛美純愛エンド」とイメージソング「風の行方」が新たに加えられたことくらいだろう。後は規制にひっかかる表現が削除変更されたりはしていたものの、大まかな部分ではほぼPCと一緒だった。声に関しても同様で、自分で聞き比べてみたところほとんど全ての声優は同じ人が声を当てていた。細かなところではエンディングテーマ「君が望む永遠」のボーカルが遥役の声優に代わっていた。個人的にこの変更は正解だと思っていて、PCでは得られなかったクリア後の余韻というものを味わえるようになったのが、ちょっとばかり嬉しかった。

『結論』

 基本的はPCと一緒だったので、それを購入できる環境(18歳以上でパソコンを所有している)にあるならば、無理してPS2の方を選ばなくてもいいように思う。



【今回プレイしたゲーム】
タイトル対応機種 発売元発売年度
君が望む永遠
Rumbling hearts
PS2プリンセスソフト2003年


【参考資料】
『ゲーム』
タイトル対応機種 発売元発売年度
君が望む永遠win95、98、2000、me アージュ2001年


『CD(マキシシングル)』
タイトルアーティスト 発売元発売年度
REDshela エーベックス2000年


『本』
タイトル作者 出版社出版年度
花ことばの本田中四郎 永岡書店1989年
色彩と心理 おもしろ辞典松岡武 三笠書房1994年