『はじめに』
『刺激が強すぎるのでは』
そもそものきっかけは、【バーチャルネットアイドルちゆ12歳ポータル】で面白可笑しく紹介されていたのを見て興味を持ったからだ。それから一通り読んで思ったのは「大人が読む分には、一つのエンターテイメント作品として楽しめるが、本来の読者層である小中学生には、ちと刺激が強すぎるのではないか」と他人事ながらも心配してしまった。『来実の魅力とは・・・』
一体全体、黒龍は来実の何に惹かれたのだろうか。家事全般が得意ということを除けば、漫画の世界では何の変哲も無い普通の女の子という感じで、とてもではないが、香港マフィアを牛耳るボスが見初めてしまうなんて有り得ない。『納得のいく結末ではなかった』
マフィアのボスと凡庸な少女の恋という設定からして、一般的に考えられる幸せな結末には至らないだろうとは思っていた。実際のところ、最終9巻の帯でも触れている通り、ハッピーエンドではなかった(その割にカバーは白を基調にピンクの花模様で幸せを想起させるデザインになっていた)。それ自体は別に構わない。問題はそこに至るまでの過程に無理があったことにある。一応伏線は張られているが、それも取ってつけたようなもので、とてもではないが納得のいく結末ではなかった。『最後に・・・』
いろいろと苦言を呈してきたが、なんだかんだいって興味深い内容ではあった。香港の街や学校はどんな様子であるとか、香港人の価値観といったような情報を、着実に作品へ反映させているところなんかは素直に凄いと思う。コミック作家として、作品作りに対する姿勢に関しては、ホントに頭が下がる。読み物としての面白さは「快感フレーズ」に2〜3歩及ばないものの、及第点を挙げられる内容だったとは思う。それだけに、この作品が少女コミックというカテゴリーで出版されてしまったことが、至極残念でならない。タイトル | 作者 | 出版社 | 第1巻出版年度 |
覇王愛人 1〜9巻 | 新條まゆ | 小学館 | 2002年 |
タイトル | 作者 | 出版社 | 第1巻出版年度 |
快感フレーズ 1〜17巻 | 新條まゆ | 小学館 | 1997年 |
サイト名 |
バーチャルネットアイドル ちゆ12歳ポータル |