コナミが2000年にしたこと
2000年10月31日作成
最終更新日 2001年2月24日
『恐るべきコナミの野望』 【2000年夏】
某ラジオ番組で知った時はかなり驚かされた。事実かどうかネットで調べてみたがどうやら本当のようだ。それにしてもまさかコナミが業界を牛耳ろうとしているとは思わなかった。以下は分かったことについて自分なりの意見を述べてみたい。
今コナミは商品価値のありそうな言葉を片っ端から商標登録して自社の登録商標にしている。顕著な例はプロ野球選手を実名で使用する権利を独占していることだ。これによって他のメーカーはコナミとサブライセンス契約しなければ選手を実名で使えなくなった。もちろん契約にはお金がかかる。コナミはこれを狙っていたのだ。実際、スクウェアはこの事が原因で『劇空間プロ野球』の発売が延びていたのだ。半年も延期されたのは、おそらくコナミにお金を払うことを渋っていたと推測される。それでも前人気の高い商品だから仕方なくサブライセンス契約したといったところだろう。
登録商標の影響は雑誌にまで及んでいた。なんと、雑誌のコラムでコナミのゲーム名が使えないというのだ。実際ある人のコラムでは『実況パワフルプロ野球』が「あの野球ゲーム」に変わっていた。
他にもあらゆる権利を買い占めているので、今後他のメーカーは事あるごとにサブライセンス契約をせさせられるかもしれない。その時法外な契約金を支払わせることで天下統一も可能なのではと考えているとすると非常に恐ろしい。
『実はこんなこともしていた』
【2000年12月】
いろんなジャンルに渡って商標登録していることは知っていたけど、まさかあそこまでやるとは思いもしなかった。一番のショックは『ビジュアルノベル』である。最初に思いついたのは知る人ぞ知るパソコンメーカー『Leaf』である。この言葉をコナミは横取りしていたのだ。それだけでなくあたかもコナミが思いついたかのような振る舞いをしているのが許せない。
どういうことかというと、同社が開発しているソフトのジャンルであの『ビジュアルノベル』というジャンルでソフトを出そうとしているのだ。タイトルは『サイレントヒル』。2001年登場予定の『ゲームボーイアドバンス』用ソフトとして出そうとしている。内容はノベル形式のアドベンチャーゲームである。おそらくサウンドノベルはチュンソフトに先を越されたか登録出来なかったのだろう。それで似た表現を探していたら『ビジュアル ノベル』が見つかったのだろう。登録されてないことが分かるや否や早速自分のものにしたんだろう。このまるで人のふんどしで相撲をしているやり方に自分は憤慨したのだ。
『補足』 【2001年1月】
と、思っていたらいつの間にか『プレイノベル』というジャンルに変更されていた。想像ではあるが、おそらく多くのユーザーが抗議したのだろう。それにたまりかねたコナミは『ビジュアルノベル』を使うのを断念したと思われる。なにはともあれ『ビジュアルノベル』が使われないことが分かり一安心した。
ファイナルファンタジーXに
関する話題
2001年7月5日作成
加筆修正して 2001年7月8日掲載
『いろんな意味で注目されそう』
まもなく発売される「ファイナルファンタジーX(以下FFX)」。このソフトの売上如何では自社だけでなく他社も大きな影響を及ぼすことが十分に考えられる。雑誌の期待度だけを見れば今回も売れそうな気配だけど、もし、思ったより(最低でも200万枚以上)売れなかったら大変なことになる。
まず発売元であるスクゥエアは会社の存亡に関わってくる。理由は「ファイナルファンタジー一色にする」といってFF関連のソフトしか出さない(ワンダースワンで出すわずかなオリジナルとディズニーと共同製作する「キングダム・ハーツ」除く)というかなり危険な賭に出ているからだ。ということは「パラサイトイブ」シリーズ、「ゼノギアス」「サガ・フロンティア」シリーズ、「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」「クロノクロス」「チョコボの不思議のダンジョン」シリーズなど、これまで売上に貢献していたソフトの続編は一切作らないといってるようなものだ。現状ではワンダースワンカラーで「FFT」と「FFU」を発売しているが思ったほどの売れ行きではない。ということで「FFX」がこけたら会社経営がかなり危うくなってくる。
関連メーカーではデジキューブも危なくなる。これまでコンビニ販売を続けてこれたのも「FF」シリーズがあったればこそだ。これで「FFX」が転けたらコンビニでゲームソフトを販売してもらえなくなるかもしれない。そうなればデジキューブもやばいことになるやもしれない。
他社の場合はPS2の販売戦略の見直しを余儀なくされる。中小のメーカーは割が合わないとして販売を見合わせるだろうし、ビッグタイトルを抱える大手のソフトメーカーにしても慎重になってしまいかねない。中でも「ドラクエ」シリーズの販売権を持つエニックスなんかは下手すると任天堂の「ゲームキューブ」で続編を出すなんてこともなきにしもあらずだ。
そしてハードの販売元である「ソニー」はたまったものではない。ただでさえ無茶な値段でPS2を売っているのに、他社の新ハードを牽制するために幾度と無くマイナーチェンジを繰り返し、挙げ句の果てには値下げという無謀な決断もしてしまった。これで「FFX」が売れないことで他社がソフトの販売を見送ることになれば、ゲーム事業そのものから撤退なんてことにまで発展しかねない。
以上のように「FFX」の売上次第でこれだけの影響が出ることが予想される。ちなみに私「胡蝶」はどうするかというと、とりあえず購入したいと思っている。理由はいろいろと話題に事欠かないことと他にやりたいと思っているソフトがないからだ。
3大ハードについて+α
2001年7月12日作成
加筆修正して 2001年7月15日掲載
『ゲームキューブ(以下GC)』
任天堂にとっては開発しやすいんだろうけど、他社にとっては器が少ない(1、5GB「ギガバイト」)ことの方が問題のようだ。カプコンの「鬼武者」はすでに4GB以上使っている。単純計算してもGCに移植するにはCD3枚組にしないと実現しないことになる。最近は高度なCG技術を駆使したゲームが多い。映像が派手になればなるほど大量のメモリーが必要となる。
これはあくまで憶測だけど、おそらく使える容量をわざと減らすことで、派手な映像に頼ったソフトを発売させないようにしたかったのではないか。いくら豪華なグラフィックによる演出をしてもゲームそのものが楽しくなければ意味がない。だからCGなんかに容量を割く必要はない、と任天堂は考えているのかもしれない。
もう一つ任天堂の恐ろしさを述べるとすれば、商品の売り時を熟知しているということだ。売れなくなりつつある現状を考えると、すでに新しい事業を模索している可能性も十分ある。それが何なのかは分からない。しかし、したたかな任天堂のことだから水面下ではいろんなことをしているはずだ。
『Xbox』
性能は群を抜いていて開発もしやすいというメーカーにとっては夢のようなマシンといえる。値段にしても高レベルのスペックに加えて40GBものハードディスクを始めから搭載して399ドルというとんでもない価格設定をしている。問題はこれで商売になるのかどうかだけである。
当時39800円で発売したPS2は出せば出すほど赤字になるという無茶な値段だった。あれから約1年が経ったとはいえ、このことを踏まえて考えると、40000円以下で出せばPS2以上の赤字が出ることは必死だ。個人的には59800円で発売しても黒字になることはないと予想している。ひょっとしたら思いもよらぬ技術革新で大幅なコストダウンに成功したのかもしれない。もしそうなら脱帽するしかないんだけど、そんなことはまずあり得ないだろう。
そうそう、いくらハード性能が優れていても売上に貢献するキラーソフトがなければただの箱。今のところ国内で開発してるメーカーに限ればそういうソフトはないに等しい。一応「デッドオアアライブ3」があるものの、格闘ブームは過ぎ去ってしまったので、改めて購入したいとは思わない。キラーコンテンツ不足もXbox悩みといえそうだ。
『プレイステーション2(以下PS2)』
前にも書いた通り「FFX」の売れ行き次第で今後の展開が大きく左右される。これに加えるなら、仮に「FFX」が売れたとしても、これに続く大作(最低でも50万枚以上の売上が予想されるソフト)が不発に終われば同様にまずいことになる。
DVDビデオを搭載してしまったことでユーザーはゲーム派とDVDビデオ派に分かれてしまった。そのため本来の機能であるゲームソフトの売上が伸び悩むというなんとも皮肉な現象を引き起こしてしまった。今後大作ソフトとして「みんなのゴルフ3(以下みんゴル3)」「パラッパラッパー2(以下パラッパ2)」「デビルメイクライ」「エースコンバット4」「メタルギアソリッド2」「バーチャファイター4」「鉄拳4」などが挙げられる。このうち半数以上が予想を下回る数字を残すことになればPS2はかなり苦しい立場に追い込まれる。このうち「みんゴル3」「パラッパ2」については発売前に値下げ(5800円→4980円)をしたことで余計にボーダーライン(50万枚)以上売れてくれないと洒落にならなくなったのが気がかりだ。
『スクウェアについて補足』
「映画はヒットするのか」
そういえばフルCG映画も制作していたことを思い出した。150億円以上ものお金を投資した大作で、果たしてどのくらい売上を出せば元が取れるのか分からないくらい途方もない額だ。それでもあれだけのCG技術を駆使していればアメリカではヒットしそうな気はする。
「本当にスクウェアは大丈夫?」
ファミ通ドットコムによる最新ランキングではワンダースワンの新作はかなり苦戦している。やはり「FF」という名がついてないと駄目なのかもしれない。さらに突っ込んだことをいえば、もしGBAで発売していたら違った結果になっていたのではないだろうか。いやいや、たとえそうなったとしても画面を見る限り地味な印象しかないからどんなハードで出していても売れなかったに違いない。それに任天堂との関係が修復していないのでいくらGBAで出したくて出せない。現在の力関係から考えるとスクウェアの方が頭を下げなければならない。
しかし、プライドの高いスクウェアは死んでも出来ない相談だろう。そうなるとこれから発売していく「FF」関連商品は失敗が許されないというプレッシャーを強いられる。このままバランスの悪い経営をしていたら会社がいつまでもつか分からない。取り返しのつかないことにならなければいいけど。