電撃王2001年度版
2001年2月10日掲載
最終更新日 2001年12月23日


【2月号】

 今月はさらなるリニューアルが施された。なんか以前にも増して紙面が読みにくくなったのは気のせいだろうか。それはともかく、今回、気になったのはヒットチャートの大幅な刷新であろう。そのうちフォントサイズと色が変更になったのは大変ありがたい。以前リニューアルした時は数字が読みにくくて仕方がなかった。それを反省してか、今月からは黒を基本に初登場時は赤というシンプルな色にしたことで格段に見やすくなった。ただし週間チャートの方はフォントサイズが小さいので読みにくい。が、それはいい。  問題はランキングの順位数の変更だ。今までは月間、週間共に30位まで掲載していた。これならデータが新しい週間だけで充分だと思っていた。そこで『電撃王』も考えたのだろう。二つのランキングを両立させるために、月間は30位、週間は20位ということにした。こうすることで詳しいデータは月間チャートを、そして週間チャートはあくまで速報として、それぞれ役割を分担させた。  確かにこれで一応両立することになった。しかし、そうまでして両方のランキングを載せる必要があるのだろうか。今一度考え直す必要があるように思える。  とはいえ、難しい問題である。月刊誌なので最新のデータが掲載できない以上、なにかしら付加価値は必要だ。昔はゲーム誌で唯一推定販売本数を載せることで週刊誌と差別化出来ていた。ところが週刊誌も推定販売本数を載せるようになってしまった。こうなるとデータが古い月刊誌は非常に不利になる。これに危機感を感じたのか、出来る限り最新の週間チャートを載せるなどして試行錯誤をしている。  個人的には最初のリニューアル前のランキング(月間も週間も30位まで掲載)でなおかつ今月の月間チャートと同じようなフォントサイズを週間チャートも使用してくれたらそれでいい。データは最新ではないけど、週刊誌が早すぎるだけの話であって、『電撃王』のデータも充分通用すると思う。たとえ時間が掛かっても最終的にこの方向に修正してくれればいいなと思っている。  最後に、ゲーム以外のチャートの集計期間は週間ではなく月間で掲載した方が親切だと思う。協力してくれる会社許可してくれるなら早急に変更した方がいい。ちなみにアダルト情報は雑誌『電撃姫』の広告だった。これで『電撃王』ほぼ完全に一般ゲーム誌に生まれ変わったと言えよう。



【3月号】

 ふと気づいたんだけど、ゲームの週間ランキングで『遊戯王デュエルモンスターズ4』は三種類別々にランクインしていた。確かに三つのバージョンで売られているけど、なにも別々にランキングに載せなくてもいいと思う。自分は一つでも多くの作品の売り上げが知りたいので、こんなことはしないでほしい。それなら月刊ランキングはというと一つにまとめてあった。なんでこんな中途半端なことをするのだろうか。理解できない。
 中途半端といえばバラエティーチャートも同じ事が言える。多種多様に揃えているのはいいけどいずれも一周分のデータしかないのはどういうことなのか。月刊誌なんだから一ヶ月分のデータを載せるのが筋だと思う。諸般の事情でやむを得ないのならともかく、そうでないのであれば是非とも改善してほしい。
 さて、レビューコーナーに目を移すと『7(セブン)モールモースの騎兵隊』が載っていた。相変わらずのステキ節だったけど、結構誉めていたように思う。その中で気がついたことがいくつかあったので、とても参考になった。そういうこともあって、このゲームをレビューしてくれたことは、個人的に非常にありがたいと思っている。

「追加」 (2001年2月17日)

 1月31日、セガはハード事業から撤退することになった。この記事のことで今回たまたま購入していた『ファミ通』と比較してみると興味深い違いが見られた。
 まず表紙を見てみると、『ファミ通』は【巻頭特集、セガ激震!その全貌に迫る』という見出しが載っていた。これだけを見ても明らかに何かあったことが分かる。一方、『電撃王』はというと【スクープ、バーチャ4&サクラがPS2で遊べる】としか伝えていない。これだけでは何があったかは分かりようがない。ページ数を見ても『ファミ通』はおよそ10ページにも及ぶ大特集を組んでいた。ならば『電撃王』はというと、たったの1ページしか扱っていなかった。これだけを見ても『電撃王』がいかにセガを応援していたかが伺える。それだけに事実上の「敗北宣言」を目の当たりにしたら相当のショックを受けたであろうことは容易に想像できる。今はただ「ご愁傷様」としか言いようがない。
 さて、今後の指針はどうするのかというとすでに決まっていた。『マイクロソフト』社の『Xbox』を支持していくようだ。あくまでマイナー路線を貫く『電撃王』らしい選択といえよう。自分が言うのも何だが、貴誌にはこのまま突き進んでいってほしい。『電撃王』の長所はマイナーなものを賞賛し、メジャーに対して毒をはき続けるヒネクレた性格にある。自分はこのスタイルが大好きなので、今の形が継承される限りは購入し続けようと思っている。


【参考資料】
『雑誌』
誌名 〜月〜日号出版社 発売年月日
ファミ通 2月23日号 エンターブレイン 2001年2月2日


【4月号】

 どうやら『セガ』を完全に見捨てた訳ではないようだ。しかし、以前に比べればかなりトーンダウンしている。その中で印象的だったのは最初の方でけだるい表情の「ネジタイヘイ」が他機種のハードを呟くシーン。なんと2ページぶち抜きである。これだけでも十分『電撃王』らしい無駄なページの使い方である。
 さて、この面を読み返すと「『セガ』の明日はどっちだ!?」との見出し。一目で異様にセガのロゴマークが大きいことが分かる。また見出しの大きさが表紙は小さく、中身は特大ということからも未だ『セガ』に未練があるように思われる。記事では締めくくりにネジ君の表情を見ればわかるでしょ、みたいなこと書いてあるが、その表情はなんとも不気味そのもの。自虐的な演出も含め、非常に痛々しい感じがする。これではとてもじゃないが明るい未来なんかあり得ないとしか思えない。
 これらを見る限りは全面的に応援するというよりも、影ながらエールを送るという形でサポートしていくようだ。ただし、全体の文面を見ているとハード事業撤退の後遺症は今後も当分は尾を引きそうだ。
 さて、ランキングに目を移すとまたしても嫌な変更があった。先月までは週間ランキングのみ『遊戯王〜』を分けて掲載していたのに、今月では月刊ランキングも分けて掲載していた。これには少なからずショックを受けた。確かに売り上げは年々下がっている。だから少しでも高い売り上げが出ているように見せかけたかったのだろう。なんか納得いかない。
 一方、バラエティーランキングは相変わらず一周分のみ(携帯電話を除く)のチャートになっている。メインはゲームだから誰も文句は言わないかもしれないが、敢えて言う。早く一月分の集計にしろと。今のままではまったく役に立たない。こんな無駄なことにページを使うくらいなら、ネジ君の写真を埋め尽くした方がよっぽどましだ。


【5月号】

 日に日にネットワーク中心の構成に変わっている。確かにゲーム自体は年々パワーダウンしているからしかたないんだけど、読んでる方としては興味のないコンテンツばかりで面白くない。
 さて、気を取り直してゲームのページを見ると、ううん、今月もたいした作品は無さそうな感じがする。ランキングもゲームは遊戯王が3つランクインしているし、他のチャートは相変わらず役に立たない1週間分しか載せてない。さらにめくると電撃ゲームソフト大賞?、別にどうでもいいよ。ふうっ、なんか今月はこれまでにないほどたいくつな内容だった。


【6月号】

 よほどネタが無かったのだろう。先月に続いてゲーム以外のことを大特集しいた。それもそのはず、ソフトが売れてない傾向が続いているからだ。いくらハードが好調でも、話題となるソフトが少ないのでは話にならない。それでもなんとかゲームの情報を入れようと発売前の「ゲームキューブ」を特集するなど、工夫はしている。しかし、肝心のソフトは未だ謎に包まれたままでは紹介するのにも限度がある。これではゲームだけでページを組むことなんかできっこない。こんな調子が続くようではゲーム業界も本当にやばいと言わざるをえない。


【7月号】

 今月はE3という第イベントがあったにも関わらず、一番ページを割いていたのはデジタルグッズだった。確かに有力なメーカーのソフトの発売は大分先の話だし、とんでもない話題になるほどのめぼしいタイトルは少なかった。そのせいだろうか、今月の「電撃王」は読み進むうちにゲーム雑誌という感覚がかなり薄かった。
 特に強く感じたのはデジタル商品を紹介している時とゲームソフトを紹介している時とでは熱意が違うことだ。デジタル関連については不必要なまでに手取り足取り紹介しているのに、本業であるはずのゲームの方はというと、あまりやる気があるようには見えない。こうして見るとまるでゲームなんか買わなくても他に楽しいことがあるぜ、みたいな印象さえ受けた。逆に言うと、それだけゲーム業界はかなりのところまで追い込まれていると言わざるを得ないのかもしれない。それどころか、ゲームソフトだけでは儲けられないという時代の足跡がすぐそこまで迫ってきているような気がしてならない。
 さて、今月も嫌な変更点があった。それは、ゲームの発売予定表のページが減り、今月以降に発売されるゲームリストが消滅してしまったことだ。その月に発売されるリストのみ残されているが、それではあまりにも寂しすぎる。この部分だけでも考え直してくれないだろうか。


【8月号】

 とりあえず、3大ハードについては別のところで書き記すとして、ここでは前号との違いや気になる部分について個人的な意見を述べたいと思う。

『またしてもランキングは大幅にリニューアルされていた』

 嬉しい変更はバラエティーランキングで視聴率以外は全て一ヶ月分のデータにしたことだ。「電撃王」が月刊誌ということを考えると今までそうしなかったのが不思議だったんだけど、これでようやく役に立つ情報になった。それ以外でも新たなコンテンツがたくさん増えた。それはいいけど、意味のないものもたくさんあるのが気になる。次号以降でどうするのか分からないけど、無駄に情報を増やしても読者は混乱するだけだと思う。
 残念だったのはゲームの週間ランキングが無くなってしまっただ。おそらく月刊誌でこんなことをするのは無意味だということに気がついたのだろう。ま、これについては仕方がないと思っている。それより、GBA(ゲームボーイアドバンス)「ファイナルファイトONE」が月間チャートに載ってなかったのが納得いかない。ソフトの発売日(5/25)を考えると1週分のみだが、それでも数万本の売上はあったはずだ。まあ、セガ贔屓の雑誌であることを考えれば任天堂ハードのソフトなんかなくても構わないという考えがあるのかもしれない。そういう背景があるにせよ、やはり公平に集計してほしい。次号でどうなっているのか、これまで以上に注意して見ていく必要がありそうだ。

『これだけはやめるべきではないか』

 先月からネットアイドルを綴じ込みページにして扱うようにしているが、肝心のモデルがたいした容姿ではないのでわざわざ中身を開けて見ようという気は全く起きなかった。これについては早々に打ち切りにするべきではないだろうか。

『ファンタシースターオンライン(以下PSO)は本当に成功したのか?』

 たかだか10数万枚しか売れなかった(初代、バージョン2共に)のに、これで成功したと言い切れるところはいかにも「電撃王」らしい。しかし、本当に成功したのだろうか。それは嘘だろう。グラフィック的には大したことなさそうだけど、開発には時間がかかっているはずだ。それであの程度の売上では元が取れないと思う。いくらネットの料金で取り戻そうとしても受け皿が少なければ全然意味がない。

「オンラインゲームは業界を救えるか」

 ゲーム業界全体が落ち込んでいることを考えれば少しでも可能性のあるネットゲームをお勧めするのは至極当然のことかもしれない。一通りのジャンルは出尽くし、現実で人間が体験できることのゲーム化もほぼやり尽くしたといえる。
 だからネットゲームに未来を託したくなる気持ちは分かる。現に海外では熱狂的なファンがのめり込んでいるネットゲームがあるという話を聞く。日本でもインターネットが着実に浸透しつつあるので、今後ネットゲームの需要が増えるかもしれない。やりようによっては無限の可能性があるように見えるし、実際のところ他の業界では上手く活用することで成功を収めてる企業も少なくない。
 そうした空気の中で「PSO」は発売された。結果は周知の通りの惨敗。2000年度のベストゲームとして評価された後も売上は伸びなかった。結局のところ熱狂的なゲーム信者で尚かつインターネットも利用しまくっているという限られた人間にしか受けなかった。
 今後はスクウェア、エニックス、ナムコが共同運営する「プレイオンライン」が2002年の春に始まる予定だけど、どうなんだろう。いくら専用ソフトとして「FFXI」が出るといっても1年も経たずにシリーズの最新作がリリースされるのはユーザーにとってかなりの抵抗がありそう。ネット専用という敷居の高さも売上に悪い影響を及ぼしそうな気がする。今の段階ではとてもじゃないが成功しそうな気配は感じられない。


【9月号】
「欲しいハード、いらないハード」

 いかにも電撃王がやりそうな見出しという感じがする。この勢いが紙面でも続いていた。中身を要約すると「もう今のPSだと限界だし〜、そろそろ次のハードが欲しいって感じがするけどどれも今一な感じがするぅ〜。本当はセガの最新ハードが欲しかったけどぉ〜、事業を撤退しちゃって超ブルー入ってるぅ〜」、ちょっと誇張してるけど、文章を斜めに読んでいくとこんな感じじゃないだろうか。貴誌らしいけだるい文章は停滞するゲーム業界そのものをあらわしているといえなくもない。

「セガ贔屓のはずなのにどうして」

 熱狂的なセガファンの集まる雑誌としては異例の扱いとなっている劇場版『ファイナルファンタジー』。ページ数こそ2Pと少ないが、限られた枚数で大絶賛していたことに驚いた。さらに、初日だけだった全米興業成績1位をさも凄いような書き方をして全世界で大ヒット間違いなしだなんていう始末。実際は極度の売上不振でこのままでは大赤字間違いなしと酷評されている。
 それにも関わらずスクウェアの作品をこうまでして持ち上げたのは何故なんだろう。今までの「電撃王」なら考えられないことだ。ひょっとしてスクゥエアから秘密のルートで裏金をもらったのだろうか。それとも国内で万が一ヒットするかもしれないと思っているからだろうか。いずれにしても「電撃王」らしからぬ記事だった。

「予想通りの展開」

 やはりというか当然というか「美人ネットアイドル」は今回で終了となった。最終回だからか袋綴じになってないんだけど、やっぱりモデルのレベルが低い。はっきりいってこの程度で美人といいうのには無理がある。もうこれで終わりだからいいようなものの、こんなことで自分は美人なんだと勘違いする女が増えたらたまったものじゃない。いくらネタがないからといってこんないい加減な企画は二度とやらないでほしい。

「いかにも転けそうな『Rez』」

 グラフィックを見る限りはアイデア先行型のいかにも売れなさそうなゲームという感じだ。そういえばその昔テレビで制作の過程を紹介していたような気がする。あの時すでにつまらなそうな印象だったけど、今のと比べると流石にグラフィックはまともになってるものの、つまらなそうな感じというのはちっとも変わってない。なんかこれもPS2一押しのゲームとして大きく取り扱ってるけど、果たして本当に売れるのかどうか。まあPS2とDC併せて10万枚出荷できれば御の字ではなかろうか。個人的にはそれよりもさらに下回しそうな気がする。
 あ、そうそう、『シェンムー2』もどのくらい売れないのかという意味で関心がある。前作では総制作費70億という数字だけが目立ち、肝心のソフトは思ったほど伸びずに大赤字という悲惨な末路を辿っただけに、どのくらいの成績を残すのか興味津々だ。

「『FF]』のレビューについて」

 ストーリーを理解しやすくし、キャラに対する感情移入も高める手法として、主人公に今の心境を語らせるタイプの作品がジャンルを問わず流行りつつある。『FF]』以外では現在(2001年8月時点)プレイ中の『君が望む永遠』(パソゲー)にもその傾向が顕著に表れている。その場その場で感じていることを事細かに見せるシナリオは受け手に強烈な印象を与えている。もちろんシナリオそのものが良くないとゼロ意味だけど、上手く活用すれば今まで以上にゲームの世界に没入させられると思う。
 さて、レビューの方はというと今回も3人のライターが見開き2Pで批評していた。全体的の印象としては概ね誉めていたように思う。多少皮肉めいた言い方をしている人もいたけど、多くの人に勧められる素晴らしいソフトとして紹介していた。

「ランキングはまたまたリニューアル」

 良かった点は週間ランキングが戻ってきたことだ。月刊誌なんだから無理することはないんだけど、こうしてくれる方が何かと便利なのでやれるものなら続けてほしい。  それ以外のチャートにも変化が見られた。レイアウトはすっきりし、必要のないデータはバッサリと切り捨てていたことには好感が持てる。唯一残念のは、コミックチャートの集計期間が1週間ということぐらいで、あとはほぼ理想的な形になったように思われる。

【参考資料】
『ゲーム』
タイトル 対応機種 メーカー発売年度
君が望む永遠 win95、98
2000、Me
アージュ2001年
ファイナルファンタジー]PS2 スクウェア2001年


【10月号】
『ゲームキューブ大特集』

 発売直前ということもあって任天堂のゲームキューブを大特集していた。でも、気になるのは辛口コラムの方で、そちらを拝見すると、あまり諸手を挙げて喜んではいないようだ。近い将来セガ系の移植作や個人的にお気に入りの話題作が出れば購入に踏み切りそうだけど、少なくとも発売日に急いで購入する必要はないということみたいだ。さらにXboxに至っては本当に売れるのかと懐疑的だった。まあ、自分としてはどうしてもプレイしてみたいソフトがないので現状ではいずれのハードも購入する意志はないんだけどね。

『ついに復活』

 ランキングは先月よりもさらにシンプルにすることで昔の雰囲気に近くなった。これまでのと比べるとちょっと寂しい気もするが、これはこれで別に構わない。それよりもソフトの発売予定表が昔のように来月以降のものまで掲載してくれるようになったことが何よりも嬉しい。
 これで、残る唯一の不満はハード売上のチャートが棒グラフであることぐらいになった。本当はこれもソフトと同様に数字で表してほしいところなんだけど、流石にそこまで要求するのは難しそうなので、今の状態を続けてくれる間は文句をいうつもりはない。


【11月号】
『電撃王が最近気になってしょうがないことを……』

 この後も長ったらしい見出しが続くんだけど、今月号は殊更電撃王らしさが如実に表れたように思う。どこか醒めた目で皮肉まじりに書くところなんかその最たるものである。もちろん、昔から(古くはBEEPの頃から)セガとそれに関わる企業を愛し、それ以外のメーカーに対しては食ってかかる文章だった。最近はなりを潜めていたが今月号ではその片鱗が戻ってきたような気がする。
 なんていうか、この記事を読んでると本当にゲーム業界は大丈夫なの、なんて心配してしまう。実際のところ全体の売上は減少傾向にあるし、大ヒットの目安である100万本以上のソフトもめっきり少なくなった。このままでは不味いのではないかとある意味警告しているのかもしれない。だからといって具体的にどうすればいいかなんて都合のいい解決策は残念ながら示されなかった。まあ、電撃王に思いつくくらいならとっくのとうにメーカーも実行しているはずだ。そんなこんなで打開策が見えない現状を考えると、不安を煽るような記事になってしまうのは仕方のないことかもしれない。


【12月号】
『両方読んでて当然。そんなあなたに、さらに深い情報を』

 という見出しにライバル誌「ファミ通」をちらりとのぞかせるという非常に挑発的な表紙にするところはいかにもという感じがした。また、最大の話題作(!?)である「ファイナルファンタジーXI(以下FFXI)」が表紙にないところも電撃王らしい発想だと思う。
 それで、肝心の中身はというと、全体の構成は非常にシンプルで読みやすい紙面になっている。特集等の記事に関してもゲームについてとことん語ろうじゃないかという意気込みが感じられる内容は文句のつけようがない。あるとしたら雑誌そのものではなくソフトのラインナップが全盛期に比べて寂しいということだ。

『果たしてスクウェアは大丈夫なんだろうか』

 その中で「FFXI」が話題のソフトの1番手として紹介されていたんだけど、どうなんだろう。掲載されている写真のどれを見ても「FF」シリーズとかけ離れているように思えてならない。またキャラクターデザインに魅力というものを全く感じられないのも気に掛かる。画面写真だけをパッと見て「FF」の続編だと思う人は一体どれくらいいるんだろうか。おそらくほとんどの人は気づかないだろう。これでは大勢の人をネット接続させる為に「FFXI」の名前を乱用したと思われてもメーカーは反論出来ないと思う。
 さらにスクウェアは映画での負債をSCEに肩代わりしてもらうという失態も演じている。これによって一時的に経営危機は回避したけど、今後もメガヒットを出し続けられるかというと大いに疑問である。
 ついこの間出した「FF]」は大勢の人数を集め、2年もの月日を費やしてようやく完成したソフトである。これまではほとんどの人材をかき集めることで「FF」の新作を毎年発売することが出来た。しかし、これからは「FF」以外のソフトも精力的に開発するとなるとこれまでみたいに毎年リリースすることは不可能になる。
 ただでさえリスクの大きいネットゲームに手を出しているのに、加えて他の新規タイトルの売上が予想以上に低迷するようなことが……なんてことにならなければいいな、といことにしておこう。いくらなんでも天下のスクゥエアが潰れるなんてことは……なければいいなと思う。きっと大丈夫、たぶん大丈夫、おそらく大丈夫、だといいな。

『最後にランキングについて一言』

 ちらっと週間ランキングを見ていたらさらなる無茶をかましていた。これによって貴誌の発売週に限り週刊誌並(正確には1週間遅れ)の最新データを入手したことになる。それはいいんだけど、今後も継続して掲載することを考えると一抹の不安がある。
 ひょっとしてこの部分だけ特別に締め切りを遅らせるという処置を施したのだろうか。もしそうなら嬉しいけど、違うのなら何もそこまでして週刊誌と張り合わなくてもいいと思う。


【1月号】
『2002年のゲーム業界』

 一年間の総括と来年以降の展望を見据えた年末特集に相応しい内容になっている。ゲームソフトに関してもメディアワークスが一枚噛んでいる「シスタープリンセス〜ピュア・ストーリーズ〜」を除けばほとんどの話題作を紹介している。

『コラムについてちょっとした突っ込み』

 要するに現状では「ゲームキューブ(以下GC)」と「FF]T」を購入する気はないよ、ということを暗に言いたいのだろう。GCはキラータイトルである「スマブラDX」が出たとはいえ、ソフト不足の感は拭えない。「FF]T」にしてもネットゲームとして本当に成功するかどうか怪しいものだ。だからしばらくは今ある良作のソフトをプレイしながら様子を見るのがもっとも賢い選択ということかもしれない。

『付録について』

 なんだか役に立つんだかどうだか微妙な感じの用語集というかんじだな。別にあってもいいけど、さりとて無くても困ることはないように思う。