恋ヶ窪スケッチブック
2000年9月13日作成
最終更新日 2001年2月24日

『どんなストーリーか』

 主人公『都築めぐみ(以下めぐみ)』(12歳)は中学生活の中でいろんな体験をする。中学に入学した都築は入学式で退屈そうにしていた。すると迫真の演技を披露する演劇部の公演を見た途端すっかり虜になってしまう。いろいろすったもんだはあったけど、どうにか演劇部に入部できた都築はあこがれの先輩を眺めつつ、練習に励む。練習の間、同級生からの嫌がらせからいろいろと事件が起こるも無事解決する。仲のいい女の子が好きだという幼なじみの『早川泰助(以下泰助)』からは告白されて大騒ぎになる。なんやかんやで都築は演劇の主役に抜擢される。ある日信じていた幼なじみの早川に実は裏切られていたことを知ってしまう。それから二人(めぐみと早川)の仲はすれ違う。でも最後は仲直りをして全てが丸く納まる。

『一通り読んでみて』

 物語の流れとしては読んでいて心地いい。作者の用意したレールに読者がついていくことが出来れば十分に堪能できる。ストーリー自体は基本的にさっぱりしていて嫌みがない。爽やかな話が小気味良く話が進むところも良かった。

『個人的要望』

 個人的には登場人物は何故そういう行動を取るかについては、御都合主義を感じる。キャラクターの心理描写があまり描かれないので、物語の過程を楽しむことができない。これには「もし、こうだったらいいのにな」という願望も入ってる。理想はキャラクターの細かな心の揺れを描いた作品なんだけど、別に「恋ヶ窪スケッチブック」が嫌いなわけではない。むしろ、好感をもっているくらいだ。好きだからつい、こういう風になればいいのにな、と文句を言ってしまう。
 なので、こうした方がより好みの展開になるのに、と考えてしまう。例えば、幼なじみの泰助がスポーツでめぐみに気を使ってワザと負けているところも、彼の性格を考えれば有り得ないように思う。むしろ全力を出して勝つことでめぐみに自慢するタイプなんじゃないかな。それで彼女は憎まれ口をたたいて悔しがるだろうけど、すぐに立ち直っていつものように元気になると思う。サッカー勝負も仮に泰助が勝っても、彼なりの理屈でめぐみと一緒に演劇部に入る展開に出来たはず。彼の性格ならこうする方が自然である。どうしてワザと負けなければならないのか。最後までこの疑問は解けずじまいだった。納得いくかどうかはともかく、理由を示すエピソードがあればもっと作品に浸れたと思う。


【今回読んだコミック】
タイトル作者 出版社出版年度
恋ヶ窪スケッチブック
@、A
みずはらけんじ 青磁ビブロス1996年
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