グラディウスW 復活
1999年4月3日作成
加筆修正して 2001年4月23日掲載

ついに登場『グラディウスW 復活(以下グラW)』

 あの「グラディウス」シリーズの最新作が10年の歳月を経てついに姿を現した。それがどんな形であれファンにとっては続編が出たというだけで素直にうれしい。
 プレイする前の印象は見た目(キャラクターのデザイン、色使い)にセンスが感じられなかった。もう少しデッサンの段階で工夫をしてほしかった。一方ゲームとしての出来栄えはシリーズ独特の雰囲気は実感できたので、今後の展開に期待したい。

『第一印象』

 実際のプレイは最初の十数回では3面のボスまでしかいけなかった。3面の構成は地形が『グラディウスU(以下グラU)』の結晶で、浮遊する物体は同じくグラUの結晶に『グラディウスV(以下グラV)』の泡が飛び交う。結晶は破壊不能な大きな固まりで、時折浮遊してくる。泡は一見するとグラVの時と同じでも分裂の性質が違うので一苦労する。グラVの泡はある程度ダメージを与えると一瞬のうちに分裂した。ところがグラWの泡はダメージ量が足りないと分裂しなくなった。さらに伸縮運動という予備動作が加わった。その間も泡は無情にも前進してくるのでこれまで以上に速く追いつめられてしまう。新たな工夫をしなければこの面の攻略は難しい。
 いきなり3面でつまずいたが、歯ごたえというかやりがいのありそうな予感はする。コツとでも言えばいいだろうか。何度もグラWを見たりプレイしていると反射神経による超避けも多少はあるけど、どちらかというとパターンを覚えてクリアするタイプのゲームだ。

『グラWの良いところ、悪いところ』

 まずいいところは時間をかけて丁寧に調整された難易度にある。敵の役割がはっきりしているのでインチキさを感じない。ビックバイパー(以下自機)の動きを見て行動しているところもなかなかいい。なかでもお気に入りは植物面で登場するつたの動きには感心させられた。ダメージを食らうとその部分は丸まってしまう。その後何もしないと元に戻ろうとつたを振り回す。状況によって自分のみを守るように見える仕草は素直に「すごい」と思った。
 逆にダメだと思ったのはレーザー系の武器が使えない、ということだ。弾切れしやすいのは仕方ないとしても、ノーマルショットよりも威力が劣る装備があるのには閉口した。あと、どこかで見たような面の存在があることも大いに問題がある。具体的にはグラWの1面はグラUの焼き直しとしか思えないほど面の構成、敵の攻撃パターンが酷似している。こんなことならこの面は最初からない方が良かった。

『最悪のエンディング』

 最後の敵は相変わらず何もしてこないので、簡単にやっつけられる。さあこれで感動のエンディングを見ようと思っていた。それなのに、なんだあの出来の悪さは。あれじゃすべての苦労が水の泡だよ。
 最初に目では確認できなくらいの速さで自機が敵要塞を脱出するシーンを見て面食らった。どういう意図でこんな演出をしたのかが分からない。せめて飛んでゆく姿だけははっきりと見せてほしかった。ここを直すだけで印象が大分変わると思う。さらに輪をかけて酷いのはスタッフ紹介画面である。まるで手抜きとしか思えない演出にただただ呆れた。上手い人がエンディングを飛ばしてしまう気持ちが今なら分かる。こんな演出ならいっそのことジ・エンドとだけ表示してくれた方がまだましだ。

『BGMについて』

 グラWの音楽は今一つピンとこなかった。それほど悪いとは思わないけど、とりわけ良いとも思わなかった。各ステージの曲はそれなりにイメージに合っている。ボスのテーマで徐々にテンションがあがる展開は結構好きなんだけれど、それ以外は全体的に音のショボさを感じた。シンセサイザー系はもっと綺麗な音が出るはずだ。それなのにグラWでのシンセ音は妙に古めかしい。聞いてて表現に広がりを感じさせる曲が無かったのが残念だ。

『結論』

 10年も歳月を費やした割にはこじんまりした内容だと思う。別に悪い出来ではないけど、『グラディウス』シリーズの続編ということを考えるといろんな意味で物足りない気がする。


【今回プレイしたゲーム】
タイトル発売元 発売年度
グラディウスW 復活 コナミ 1999年


【参考資料】
『ゲーム』
タイトル対応ハード 発売元発売年度
グラディウスV&W
〜復活の神話〜
PS2 コナミ2000年

『CD』
タイトル発売元発売年度
グラディウスW 復活
オリジナル・ゲーム・サントラ
キングレコード1999年