『はじめに』
『よもや』
事前にメーカーのホームで確認した内容では魔法少女があられもない姿で嬲られまくることに特化した作品だと思っていた。実際その手のシチュエーションもしっかりとあるのだけど、それ以上にシナリオが想像を遥に超えたレベルできちんと描かれていたことに衝撃を受けた。『徹底された設定』
密度の濃いシナリオの背景には徹底された登場人物の設定があったことも忘れてはならない。特にエンジェルに変身する3人のヒロインにはっきりとした主義趣向というものがあって、それを頑なに貫かせた姿勢は見習うべきものがある。『システム』
音声再生付きの文章履歴がロードした直後でも残っているのは何かと便利だった。あとは、大まかな変更しかできないものの、環境設定は一通り揃っている。『声優について』
麻生要、守里の姉妹がなかなかの演技で頑張っていた。要は何よりも妹の守里を第一に一生懸命頑張りすぎてしまうところを、妹の守里は要の足手まといになるまいと健気に振舞う感じを、それぞれ上手く演じていた。守里の声優は他に沙羅と夏見もやっていて、このうち脇役である夏見に関しては、親友の美咲をからかういたずらっぽい性格がよく出ていた。それに対して沙羅はというと、内気な性格の時こそ良かったのだけど、あるシナリオで大きく変貌してからの演技はもう一歩という感じだった。そして、本作の主役である桜庭美咲はどいうかというと、もう少し頑張って活発な元気娘という役柄を演じてほしかった。最後に、事件の鍵を握るミントなんだけど、感情の起伏というものがあまり感じられずイマイチだった。『今後の要望』
地味ながらも魔法少女ものとして隙のないシナリオが拝めただけでも十分満足はしている。しかし、今後シリーズものとして続編を出す(美咲ハッピーエンドでその可能性を匂わせていた)のであれば、気になる点もいくつかあった。その最たるものが魅力に乏しいキャラのデザインである。男のデッサンが軒並み壊滅的であったのは仕方ないとしても、女の容貌(中でも沙羅は酷かった)はもうちょっとなんとかしてほしかった。出来れば別の人に頼めればいいのだろうけど、それが無理ならば、現在イラストを担当している方にスキルアップしてもらうより他ない。『最後に』
魔法少女、特撮ヒーローに強い思い入れがあるならば、作品から滲み出る味わい深さに共鳴することができるであろう。確かに見た目の印象の悪さは拭えないが、それだけで回避してしまうにはあまりにも惜しい作品ではないかと思う。タイトル | メーカー | 対応機種 | 発売年度 |
魔法天使ミサキ | RaSeN | win98/Me/2000/XP | 2003年 |