1 帝都東京分裂
西日本帝国海軍中尉「愛月亜里砂」は非常呼集され、太平洋上の空母「赤城」へと運ばれる。それは東日本に「未知の何者か」が上陸し、空軍が大打撃を被ったからであった。
話はその3日前に戻り…生物学者、葉狩真一が国防総省へ出頭するまでの下らない経緯をはさみ、東日本の軌道母艦が「異星の曳航体」を核兵器で叩き落とす事に失敗し「黒い球体」は父島沖に落下、その付近にいた東日本の巡洋艦は何らかの事故で「無人」となり漂流、望月ひとみ中尉はその艦内を捜索する・・・
2 東日本共和国侵攻
望月ひとみ達は漂流する巡洋艦で「ナメクジ」の様な生物に襲撃され艦内を逃げまわっていた。同時刻、潜水艦「さつましらなみ」(なんと言うネーミングセンス!)も三陸沖の海中でこの怪物の母体に遭遇「ナメクジ」の侵入を許してしまう。・・・この後は葉狩真一の件の続き、とか東日本の農水相「水無月現一郎」の銃殺、東日本の歪んだ平等政権の姿が描かれている。この辺りは一体何の風刺なのか・・・とにかく苦笑するしかないです。
3 激突!西日本帝国
東日本の策略で西日本空軍の目であるAWACSが不時着、空中監視に穴が空き東日本の戦闘機隊が西日本に侵入。・・・が、技術水準で大きく劣る東日本軍の攻撃は失敗、しかし東日本首脳陣には「玉虫色」の戦果報告が行われ山多田先生他は大戦果に狂喜する。 その頃、常磐海岸に「何者か」が上陸、集結していた東日本の戦車隊は全滅、父親の銃殺によって前線で死ぬ事を期待されていた「水無月是清」はほうほうの体で逃げ出す事になる。その他、なんだカンだあった後(もう面倒臭い!)戦艦大和のレーダーが高高度を超高速で飛翔する物体を捕らえ、森高美月少尉の操縦するハリアーが燃料切れで墜落寸前、その飛翔体に助けられる。
4 女王蜂出撃!
この巻劈頭、父島沖に墜落した「黒い球体」を回収しようとする東日本艦隊と西日本艦隊が「三宅島沖」で衝突、東日本艦隊はたった一隻のイージス艦によって全滅する。 まあ「ご都合主義」ですからね〜。 次に東日本の(暫定)首都新潟での議事堂警護隊の指揮官「立花五月」の脱走劇、阿武隈山地の東日本軍が怪物の為に壊滅した事を描写した後、舞台は一巻冒頭に戻るが・・・愛月亜里砂の繰るF−18は惜しくも怪物によって撃墜され、彼女も地上を跋扈する「ナメクジ」に追われるハメとなり、立花五月と出会ったりしながらなんとか帰還、息をつく暇も無く父島群島に作られた秘密基地へ呼び出されると、異星の星間飛翔体を改造した「究極戦機」の操縦を命じられる。
5 レヴァイアサン殲滅
「怪物」レヴァイアサンは東日本の国民を餌にして西日本へと誘導する作戦によって帝都「西東京」へと侵入、東日本軍は混乱に乗じての西日本侵攻を企てる。・・・この次に住民避難作業が50ページに渡って延々と描かれ、ステレオタイプのダメ官僚の姿が漫才ネタのごとく語り続けられるのには参った。 これでは気分が萎えてしまうねぇ〜
東日本の「パトロン」である「ネオソヴィエト」一党を失脚させた山多田先生は西日本征服をあきらめず、水爆を搭載したミサイルを西東京に発射、「リヴァイアサン」「西日本帝国」という2つの敵を屠ろうとする。 そこへ立ちふさがる「究極戦機」だが?・・・
まめちしきのコーナー
東日本共和国
社会主義国で極東一の貧乏国家だが国民には世界一豊かな楽園であると宣伝されている。 国境は1巻の地図を見る限り新潟、群馬、埼玉、千葉以東だが・・・作中で「千葉が西日本だ云々」という描写もあった気がする・・・謎です。
葉狩真一
西日本帝国の分子生物学者、究極戦機の設計を担当した。
山多田大三
この作品で最もアクの強い人物の一人。 東日本平等党委員長で独裁者、彼の国民らは事ある毎に「山多田先生なぜえらい」という国民愛唱歌を合唱する。 革命以前は学校教師だった。
水無月是清
作中、銃殺にされる東日本農相水無月現一郎の息子。 山多田先生の寛大(?)な心によって銃殺を免れ、それまで属した情報部から最前線部隊へ異動させられる。
立花五月
東日本首都新潟の国会議事堂警護隊長、この警護隊は選りすぐりの美少女で構成され山多田先生の夜伽の相手も務める。 全員がマインドコントロールされており絶対服従だが、彼女は化学者の父親の計らいで「抗マインドコントロール剤」という都合の良い薬を得、洗脳されていない。 しかし、これがバレて逃走した。 自ら逮捕した水無月是清に恋をし、彼を追って最前線へ・・・
究極戦機UFC1001
廃棄物を運搬していた異星の星間飛翔体の人工知能の提案で彼(?)自身を改造して建造された究極の兵器。 針のような形状から女性型の巨大ロボットに変形する。
姉妹編である「わたしのファルコン」挿絵の形状イメージはハッキリ言ってエリアルその物である。
ネオソヴィエト
ソビエト崩壊時に東日本へ亡命してきた共産貴族の生き残り。 軌道基地、ロケット、新鋭戦闘機、空母など多大な財産を東日本へもたらした。