アニメ主題歌回想2007
点は5段階評価。
カッコ内は(作品との整合性、メロディの好み、歌詞の好み)の順。
数字の評点は
気に入らん(←1・2・3・4・5→)良い
点は5段階評価。
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風の向こう (レ・ミゼラブル 少女コゼット)
「レ・ミゼラブル」と言う古典小説を題材に脚色を加えて製作された作品で…10年ぶりに製作された名作劇場シリーズ。 主題歌は斎藤由貴が担当する格調高さを感じる曲であり、「名作劇場」のイメージをどれだけ高尚に捕らえているかを示した曲であるが…どうも「高尚さ」が前に出すぎて良い曲に思えなかった。 映像は、主人公の少女コゼットが家事仕事をするシーンや、常に憂いた表情のジャン・バルジャンが登場し、これも「名作劇場らしさ」を端々から感じる。下手に今時の音楽を追わなかったのは偉い。 この調子で次回作製作してシリーズの長期化しないかな?と思う。
(4、3,3)
HEART☆BEAT(デルトラクエスト)
海外のオーソドックスな少年ヒーロー物のファンタジー小説をアニメにしたのが本作。 どれだけ原作に忠実か知らないが、アニメは古典的RPGの面白さを忠実に詰めた感じで好印象だった。 OP曲は何か知らんが軽いアイドルチックな曲調と歌声で、ファンタジーにしては軽すぎやしないか?と思ったのだが、歌詞は冒険を題材にした内容で、物語が案外軽いと知った後は合っていると感じる様になった。 OP映像は主人公達が縦横無尽に駆け、戦い、そしてまだ見ぬ人々との出会もあるが、魔の手が迫っている…と、オーソドックスな要素が組み合わされた内容で、好感がもてました。
評価(4,3,3)
スケッチスイッチ(ひだまりスケッチ )
美術系の高校(?)を舞台に女子高生の日々を描いたコメディ…非常に軽いメロディで、初見から聴き心地は良かった。 OP映像も透明感とかディフォルメされた珍キャラなど、作品の面白さが散りばめられた楽しい出来であったと思う。 歌詞は美術の事を歌った内容だが…コミカルが入っており、デザイン用語みたいなのが散りばめられて訳が分からない文章になっています。(それが良い点でもある)
評価(5、4,3)
A Happy Life(がくえんゆーとぴあ まなびストレート!)
少子化・価値観の多様化で「学校」の地位がこれでもかと低下した未来2035年を舞台にして、主人公の登場で活気付く学校生活を描いたのが本作。 主題歌は久々に林原めぐみが担当している。 個人的には、この曲を作った岡崎律子さんは大変、お気に入りであった物だし、曲名を冠したミニアルバムは聴き倒した物であるから、聴いてると涙ぐんでしまったり贔屓目に見てしまう。 歌詞が良い…語り掛ける文体が非常に情緒的で心に響いてくる(オリジナルバージョンの話だよ)
本曲はより軽やかに弾んだリズムにアレンジされてまして、OP映像では主人公達が元気よく走り回っています。 学校を舞台にしたこのOP映像は、恐らく「学校を自分達の色で染め上げろ!」的な、抑圧への抵抗…みたいな暗喩であろうと思うが、しゃらくさい。
…さて、ここからは感想以前に思った事だが、個人的にこの映像は唾棄すべき物と思っています。 何故か? それは対象が何であれ、カラースプレーでいたずらにペントして行く行為が、どれだけ嫌いであるかと言う事ですよ。 自宅の倉庫の壁を塗られて、それを塗り直したらまた犯られ…そんな繰り返しで、仕舞いに諦めてラクガキだらけになった壁とか、見るに堪えないし、それを「芸術だ」とか「抵抗の証」とか思ってる連中が死ぬ程に嫌だからです。 このOPもね…一見して「ふざけるな、他人の所有物をラクガキで汚すな、犯されて氏ね!」と瞬間に思ったのよね。
(4、3、5)
Miracle Episode I(Master of Epic The Animation Age)
MMO・RPGを原作にするアニメ。 オリジナルストーリーでもするかと思えば、実態はゲーム世界の情報を題材にした短編コメディだった。 毎週「ラル・ファク・イル・ファッシーナ」と挨拶してるのと「ワラゲッチャー5」が記憶の残っているが…それだけ。 主題歌は声優ユニットが担当しており、ゲームと言うよりはアニメの軽さを象徴するかの様な明るい曲であった。 歌詞もタイトルの通り、ゲームの舞台を意識した物になっており、OPとしては好印象。 映像も「ワラゲッチャー5」やそれ以外の登場キャラがコミカルに動いている物で楽しく見られる…冒険してないけどアニメらしいOPと言った所だろうか。
(4、3、3)
Lights, Camera. Action(月面兎兵器ミーナ)
地球のスポーツを狙う宇宙人犯罪者から地球を守る変身ヒーローにされてしまった女子高生アナウンサーが活躍するアニメ。 主題歌は落ち着いたポップな曲で、軽く弾む様なメロディが非常に心地良いが、歌声はダルそうな歌声に違和感を感じた。 アニメの主題歌として合っていると思えないので並程度の感想に留めましょうかね… また、極め付けは歌詞で、もぉ…ね、やる気無しの内容はイライラするったらない。 バトルヒロイン物じゃ無いのかよ?とか突っ込みたい …映像は無難なのだが、曲と合ってない…何とでも合う絵が動いてるだけの典型。
(2,3,2)
Bravin' Bad Brew(ヴィーナス ヴァーサス ヴァイアラス)
人には見えない「ヴァイアラス」と言うバケモノと戦うヒロイン達を描いた作品。 番組の中身については内容について行けず途中で視聴を断念した。 しかし、テンポの良いメロディに合わせ、甲高い女性ボーカルが歌い上げている本曲は割と好印象だった。 OP映像も曲にそれなりに合ったダークな雰囲気を表現していたと思うが…魅せる場面に欠けており、全体的には印象に残っておらず、凡庸な出来だったかと。
(3,2,2)
Yes!プリキュア5
えっと…ついに戦隊物になってしまった戦うヒロイン物の新作。 別に期待はしていなかったが、幼年層の支持は今だ大きい様である。 主題歌は前作と大して変わらない路線なので好感が持てるが、番組の出来には別に大きな盛り上がりを感じられなかった(…世間では割と好評らしいのだがw) しかしまぁ、幼年女子の希望の星であるのは変わらない事実である訳で、これが子供時代に見たアニメの思い出として記憶に残るのなら、それは素晴らしい事である。
(4,3,3)
RISE(ロケットガール)
狂的なロケットマニアが運営する宇宙機関(いや、私はそう思ったんだよ^^;)に、背格好が最適だからとスカウトされた少女が宇宙飛行士として活躍するお話。 主題歌は一昔前の風味がするのだが…まぁリズムに勢いがあって宜しいわね。 歌詞は前向きだが、主人公が(本心はともかく表面的には)「宇宙飛行士になんてなりたくない」などとツンデレってるのであるから違和感があるかもしれない。 映像としては…んー最後のロケットが3機並んで飛んでいくシーンがイメージからして軽すぎだろう。 重そうな図体を引きずる様に駆け昇って行く映像にこそ、ロケットの力強さが感じられはしないだろうか? 戦闘機じゃ無いっつーの。
(3,3,3)
空色デイズ(天元突破グレンラガン)
80年代末〜90年代初頭に流行ったディフォルメ・ロボット物の風味がするSFアニメ。 ロボット物なので主題歌は熱血系か、それに順ずる曲調が望まれると思うが、まさにそんな感じの曲であり実に聴き心地が良い。 歌詞も全体に前向きで、曲のリズムと相性も良いが…個人的には心に響く部分は無かった。 が、後から歌詞カードを見た限り、主人公たちを歌った物だと一目瞭然であった…素晴らしいな。
OP映像もロボット物の王道とも言える出来栄えで、良い意味での陳腐さを今風にアレンジ出来ており、初見でも違和感無く入り込めた。 秀作以上の出来と言って良いだろう。
(5、4、4)
ゲゲゲの鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)
妖怪退治する伝統芸的作品のリメイク。 本曲はいつもの曲だが、歌手である泉谷しげるのべらんめぇ口調と曲のアレンジがちょっと癪に障るのを除けば、大きくイメージを踏み外してはおらず、取り立てて言う事は無い。 映像も何もかも「鬼太郎ブランド」のイメージを崩さずに新しい作品である事を感じさせられて好感が持てる。 散々イメージをイジり倒しているどこかのネコロボットアニメとは大違いと言いたい。
(5,4,3)
ハヤテのごとく! (ハヤテのごとく!)
お金持ち美少女の執事となった薄幸の青年が繰り広げる破天荒なコメディ作品。 主人公は薄幸だが超人。 ヒロインはツンデレで活動的だが引きこもり(設定が難しいな…)さて、主題歌になるが番組タイトルを歌詞に取り込んでおり、そこがサビなのはまぁ良いのだが、個人的には何の事を歌っているのかあいまいで、数回拝聴しただけでは理解し難い歌詞でした。 メロディは明るくアップテンポ。タイトルが入っている以外は別に番組に合っているかは…んー微妙な気がしないでもない。
(3,3,3)
gravitation(ヒロイック・エイジ)
設定が稀有壮大なSF叙事詩。 題材はギリシャ神話「アルゴー船の冒険」であろう(…て、一目瞭然かw)。 そこからイメージされる音楽とは? と、考えても頷くしかない重厚なメロディを持ち、それに負けない声量で歌い上げられる歌詞もまた、物語を想起させる内容となっています。 映像は少々、陳腐さを感じるのですが、主人公がヒロインを守る構図で流れる輪唱みたいなメロディなど、妙な雰囲気ではあるが聴き惚れる魅力がありました。
(5、4,4)
ゆめおぼろ (桃華月憚)
和風伝奇系の美少女アニメ。 数話を観ただけだが、恋愛でも無いしミステリーでもない…女の子を描く以外、何がしたいのか判らなかった…とりあえず自分の感受性の無さについて不徳の致す所である。 主題歌だが、何となく和風だがリズムなど心地よく聴き応えはある。 歌詞も番組内容にあっているおしとやかな感じで良いと思うのだが、前記のような次第であるから自分には番組と合っているか?細かい所はわからない。
(3,4,3)
時を越えて (キスダム -ENGAGE planet-)
世界が怪物に滅ぼされ、その危機を救う救世主みたいな存在に選ばれてしまった主人公が戦う、鬱系シナリオのヒーローアクション? 本作OPで目立つのは作中で殆ど目立たない割に重要アイテムなメカです。 その戦闘機から分離してロボット/STOL機に変形する奇妙なSF機械の登場シーンが妙に強調されているのに実際に活躍するのは主人公の超能力(?)という…Why?の嵐に話数が進むほど違和感を感じた。 正直、物語がスーパーロボット系よろしくメカ重視であればカッコイイのだろうが…他の映像も本編映像を繋いだだけに見えて少々クオリティが低く見えた。
OP映像はそんな感じであるが、歌も少々特異であると言えます。 かつてヒットチャートを賑せた「TWOMIX」(本曲ではII
MIX DELTAと名乗っている)が担当しているのだが、んー90年代に受けたそのままの感性が今も通用するとは中々… 歌詞と言いメロディと言い、昨今の音楽と比べると何処か時代的かもね。
(3,3,3)
Romantic summer(瀬戸の花嫁)
父親の田舎の海で出会った少女と許婚になってしまった主人公が、実は彼女が人魚で極道だった!と言う事実に恐れおののきながらも恋愛街道を突っ走る様な?…ハイテンションメディ。 主題歌はヒロイン役の声優2人が担当しており、曲調や映像は夏を思わせる非常に軽快なテケテケ音楽的な物に仕上がっています。 まぁ何だ…暴力と無気力が織り交ぜられた作品独特の空気が表現されていて面白いOPでありました。
(5,3,3)
Apocrypha (神曲奏界ポリフォニカ)
妖精が人間生活の傍らに普通に存在している異世界を舞台に、その世界で妖精と契約して様々な異能力を発揮する職業に就く主人公とパートナーの妖精の姿を描いていきます。
本作のテーマの1つは音楽であり、妖精と人間の絆である様で、OPも音楽によって妖精の持つ神秘性が主人公の音楽でより輝く…的なイメージを強調ているのだろうと感じます。 しかし、全体的に作画(キャラデザとクオリティの上限値)が微妙なので、その成否については微妙と言わざるを得ないのであるが、そんな中で至極、素敵なのは歌手(eufonius)であろうか? クラシカルなメロディと歌い手の持つ独特の声質は個人的には好みであり、この作品には勿体無い限りだった。
(4、4,3)
United Force (機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ)
世界が何か大変な事になった後の時代、国家間戦争はルール化されたロボットによる格闘で決する事となった。 そのロボットのパイロットに選ばれた少年を主人公にしたロボットアクション。 OPは主人公達や戦闘の主役である12体のロボットが描かれているが、CGモデルと線画(注)の組み合わせでしかなく、どことなく安っぽく思えた。(…んーオイラのセンスが悪いのかね?) リズムやメロディは比較的アップテンポなのだが、歌手の個性なのかそれほど熱い物ではない気がしたかな。 個人的に気に入ったのは歌詞かな? おそらくは作品の主軸であるロボットのパイロット(主人公)とオペレータ(ヒロイン)2人の関係をヒロイン主観で歌った内容であろうが、憂いと、それを吹き飛ばした主人公への思いが強く感じられる前向きな詩であった。
注:(線画だが、作品が進むにつれ、登場したロボット・パイロットに色がついて行った)
(4,3,4)
久遠 (鋼鉄三国志)
三国志を題材とする…美青年が活躍する女性向けファンタジーアクション。 主題歌は野暮ったい曲調と歌詞なのだが、主人公の武器である赤い剣に映った英雄達の映像を憂いだ眼で見つめる主人公の映像、燃え上がる炎、怪しい表情を浮かべる物語のキーパーソン諸葛亮など次々と移り変わるシーンの数々は、初見でも物語の概要が理解し易くはある。 「三国志」と言う題材にしては矮小な雰囲気なのだが…まぁ、物語にはあっているのではないだろうかね?
(4,3,3)
暗黒天国 (かみちゃまかりん)
神様になった少女が敵と戦って世界を救う(?)少女漫画のアニメ化。 少女漫画だが、大きなお友達を取り込もうと言う邪悪な雰囲気がしないでもない内容だな。 主題歌はコメディチックな物語にしては刺々しい曲調で好きになれない。 歌詞も何の事を歌っているか判らないし… まぁ神様とかゴスロリチックなヒロインのイメージを考えれば合っているメロディなのだろうが、主たる視聴層を置いてけぼりな気もする…難しい物だな。 もうちょっと子供っぽいかアイドルチックな方が受けが良いんではないだろうか?
(2,3,3)
HOWLING(DARKER THAN BLACK 黒の契約者)
何か大変な事が起きて世界が一変し「契約者」と呼ばれる超能力者が跋扈する様になって黄昏た時代を舞台にしたSFアクション…かな? 基本的な作風として少々暗いイメージラインがあり、曲調はクライムっぽい(ってどんなだw)雰囲気に仕上がっています。 無表情で冷酷そうな主人公に隠された伏線が何なのか、ちょっと心惹かれます。 そんな本曲の歌詞は攻撃的なのですが…んー、この歌手独特の声量と技巧は魅力的なのですが…心に響くような方向のんそれでは無かったと思うので、どうでも良い感じかなぁ…
(4,4,3)
SHINE (精霊の守り人)
アジア風の中世世界を舞台にしたファンタジー。 ビジュアル系バンドの有名アーティストを起用しており、その辺りはこの制作会社にしては変わっている気がしないでもない。 しかし、JPOPを選ぶには良いにしても、この曲が物語と合っているとは…微塵も思わないな。 こんな大河的な作品に本曲はもったいなさ過ぎる。 しかし、耽美というか、ゆっくりとした曲調に合わせたOP映像自体の美しさは流石と言わざるを得ないですがね。
(3,3,3)
FRIEND (BLUE DRAGON)
TVゲームのRPGを原作とするファンタジーアクション。 キャラデザインが鳥山明で、メカ・魔法などが登場する世界観…そして少年漫画らしい主人公が成長して行くという題材が上手くアニメ化されており、なかなか好きな作品である。 その主題歌は割と大人しめであるのだが、OPは割と好印象である。 敵の要塞とその周囲に群がる戦艦、そしていかにも手強そうな敵将など…非常に判りやすい。 しかしまぁ、アクションを前面に持ってきている作品なのに曲調が少々優しいのが珍しいといえば珍しいのかか?な この点はアニメに合ってないかもしれない。
(3,3,3)
endscape (地球へ…)
はるか未来、地球を脱出した人類がすむとある惑星では、時折生まれる超能力者を社会から抹殺する事で普通の人間社会を形成していた。 しかし、そこから逃れた能力者たちも潜伏しながら生き続けていた…そしてある日、主人公は自分が能力を持っている事を彼らのリーダーから知らされるのだった。 と、そんな感じのお話であるが7、80年代の名作漫画/アニメ映画のリメイク。
OPは叫ぶように語りかけるサビから始まり、主人公の使命を感じさせる戦いや仲間、それから相克などを感じさせる内容である。 曲とOP画像の相性は割と良く感じており、登場人物たちの苦悩や物語の行く末を案じさせる良作と思う。 歌詞もさ迷うミュウ達の心境を上手く言い表しているのでは無いかと思う。
(4,4,4)
もってけ!セーラーふく (らき☆すた)
4コマ漫画が原作の学園コメディ。 OPは、登場するレギュラーキャラが埼玉(何市かはよく知らぬ)の街角で踊る場面が連なる前半と、チアリーディングする後半の2部構成となっています。 曲調としては非常に高速なラップ音楽(…つかスキャットに近い印象)で、 速度とかサビを電子処理しているとしか思えない。歌うのは辛そうな感じがします。 歌詞は全く詩として意味を成しておらず、語呂とメロディを使った言葉遊びになっています。 まぁ、映像の面白さを追求したとも言える本曲の姿勢は嫌いではない。
(5、5,2)
blast of wind (風のスティグマ)
火・風・土・水と言った4大元素の精霊を通じて異能力を使う能力者達の相克劇(?)を描いている。その中で主人公の立ち位置だが「風の精霊王」と契約した強力無比の能力者であり、その劇を傍観…あるいは勧善懲悪の切り札・必殺技的な位置付けを担っている。(…立ち位置は「水戸黄門」ににてるかもね) そこで普通の主人公的な四苦八苦を担うのはヒロインや弟であったりする…何にせよ形態としては珍しいかもしれない訳だ。
さて、本作品の主題歌は「超能力バトル」と「美少女」が見所の作品にしては大人しめな内容であると言えますかね。 しっとりとした歌詞とメロディが情緒たっぷりにを聴かせてくれます。 感想としては、情緒的にしたいなら、もう少しOP映像に物語性があれば良かったんじゃないかなぁ?
(3,3,3)
ドラマチック (おおきく振りかぶって)
新設の高校野球部を主人公に、彼ら彼女らが送る最初の夏を描いた作品…いや「今の所」ってだけで将来、2年目以降を描かないとも限らないか。 さて、本曲を歌う歌手は名前に「BassBoll」と入っているアーティストであるし、歌詞や歌い方の分かり易さなどタイアップにしては良いチョイスであると思う。 特に歌詞は主人公達の最初の一歩を想起させる力強いリズムを感じた。 メロディのテンポも相まって非常に聴き心地は良い。
次にOPの初見での感想。 冒頭でイキナリ三橋の顔が登場するのに阿部以外のチームメイトが背中での登場だと言う所ではないか?と思う。 そしてチームメイトとの楽しげな三橋の表情と辛そうな過去のギャップ…物語が何を語りたいか?主人公の境遇を暗示する点において、非常に吸引力のある映像になっていると感じた。 そして、過去を振り切るが如き良い顔でボールを阿部のミットに投じる所で冒頭タイトルバックにも登場する夏空の映像でOPは締めとなっている。 練習シーンの一コマ一コマが青春って何だ?あの白い球〜な、野球を感じさせてくれる良質の野球ドラマを思わせる良い出来のOPだろう。
(5,3,4)
BLOOD QUEEN (怪物王女)
魔界のお姫様に従者にされてしまった主人公が、お姫様を襲いに来る数多の怪物たちと戦う…のと、周囲に集う美女(少女も含む)さん達に囲まれて繰り広げるコメディチックな生活を描いています。 主題歌は何かアレだ。 トワイライトゾーンのテーマとアダムスファミリーの映画のテーマ音楽を混ぜたような印象のメロディかと。 映像としては冒頭のタイトルが出てくる部分のデデデ デデデ♪的な所が音楽・映像共にとても好みでした。 全体的に気合が入ったフィルムであるな…と云った感想かね。
(5、4、3)
Days (ながされて藍蘭島)
豪華客船から転落した主人公が女性だらけの島に流れ着いて送るハーレム生活を描いた美少女萌えコメディ。 本気で状況を想像すると、知っている漂流の実話などから、かなり怖い想像をしてしまうが、気にしない方が良いのだろう。
…まぁ何だ、とりあえずいつものキングレコードらしいタイアップ曲であると言える本OP。 島の外観から始まって順番にヒロイン達が登場するが、主人公は彼女達から逃げ惑うのである…お約束だね。 それをバックにアップテンポなメロディが流れつつ前向きな歌詞を謳いあげるのだが、んーヒロイン役声優が歌い手な部分を除くと、この番組でなくとも通用しそうな曲だし…感想は控え目になるかね?
(4、3,3)
青春ライン (おおきく振りかぶって)
高校野球を題材にしたアニメの2代目主題歌。 ハーモニカのメロディを基調に歌声を乗せる…ノスタルジックさが基調になった曲で、前向きな歌詞が「青春」っぽい…しかし空々しいばかりだ。 見た目の情景ばかりが並んだ歌詞でどうもしっくり来ない。 あとクドいようだが、前主題歌を何で変えるのか、毎度の事ながら理解できないのだ。 それなりに良い曲だが、前曲とこの曲のイメージの違い…と言うかイメージを変える必然性は皆無だと考える。 たかだか2クールではないか?
(3、3,3)
覚醒ヒロイズム〜THE HERO WITHOUT A "NAME"〜(DARKER THAN BLACK)
超能力者同士の戦いを描いたアクション作の2代目主題歌。 冒頭からギターの音色がジャラランと聴こえて来てノリのよさを感じさせる曲なのだが、その期待は歌い出しから萎んでいく事になった。 何か大人しさを感じる歌い方で、リズムとしては「音頭」に近い物がある(…素人感覚でそう思ったんだよw)前主題歌は歌手の天性の賜物だろうが、迫ってくるような迫力が感じられた物であるが、この歌い手はそれに例えるべき個性は感じられない。 歌詞こそ勢いを持った内容なのだが、それが音頭の調子では「アソーレ」的な合いの手を打つより無いわね。 あと主題歌を変える必要は(以下略)
(3,2,3)
カリキュラム(もやしもん)
菌が見える(…それもかなり可愛い姿で)という青年を主人公に農業大学で繰り広げられる学園コメディの主題歌。 元の作品とアニメではキャラの造形が全く違うのが個人的には気に入らない(特に女性の精緻な描き込みが消えてる所がな!)のだが、作品へそれ自体は良い出来かもしれない。 さ、主題歌なのだが、とてもポップで軽快です。 何より、歌手の歌声がとても伸び伸びしていて朗らかな気分になれる。 アニメ映像は菌がリズムに乗って所狭し動き回る(ウジャウジャとな)この作品らしい物になっています。 題を見れば分かるが「学園物」の主題歌としては至極、納得のいく歌詞に感じる。 極端に「作品専用」に特化しておらず、一般曲としても売れそうであるが、まぁ…歴代のこの「放映枠」をみるに、いつも割と良い感じのタイアップを持って来ており、今回もこんな物だろうなと思える主題歌と思う。(4,3,3)
JOINT(灼眼のシャナII)
非常に人気のある作品のようだが…残念ながら2からの視聴である。 基本としては世界に隠れて存在している異能者たちが2つの陣営に分かれて争っており、それに巻き込まれた主人公と異能者の少女が良い感じになって、視聴者はツンデレに萌えたりする…的な感じ。 ラノベ原作。 本主題歌は高音と声量に物を言わしたとてもリズミカルなロック調の曲であり、ノリノリである。 歌詞も…困難に立ち向かっていく決意を固める?みたいな状況を歌い上げている…まぁ、雰囲気だけで「詩」としては何が何だか、文才の無い自分にはちよ分からないのだが。 しかし分からないといえばOP映像だ。 何だろう、あの延々とバックで動き続けている歯車とかシリンダーは。 既に1クール近くアニメを見ているが、ついぞそれらの事象が作品に関わっている感じは無い。曲名からの連想でこんなのだとしたら苦笑してしまうな。
(4、4,3)
七転八起☆至上主義(ハヤテのごとく)
超お金持ちのお嬢様に主題仕える青年執事が繰り広げるコメディ…の2代目主題歌。 まぁ、前と似たような曲だ。 個人的に歌変更は嫌いだが、変わった感じがしないから別に良いかと言う気分になってしまうな。(…いや、年のせいで曲の違いが分からなくなったのかもしれないが) 歌詞の直向さも似たような物である…まぁ、リズムがよりアップテンポになったのが違いではあるかな。 OP映像執事バトルとか敵っぽい理事長さんとかの登場シーンなど、10月からの新要素を取り入れてる以外は前主題歌の雰囲気を踏襲してます。 「作風」とはこうでなくては駄目だね。 作品イメージ構築の上で重要だよ…うん。
(5,4,3)
ホントのじぶん (しゅごキャラ)
少女漫画原作のアニメ化作品。 昨今の少女漫画は扇情的な性表現に偏らないと売れないようであるが、本作品は90年代からの商法で売りたいようである(…対象年齢が違うのかもしれないが) …成否は兎も角、頑張ってほしい物だ。 さて、本作品は、何故か願望をかなえる妖精(?)みたいな生き物が取り付いた主人公が「なりたい自分」っては何?と悩みながら日々の中で成長していく、変身アクションコメディである。 主題歌は映像から実にステレオタイプに少女的で、原色の散りばめられた背景や、玩具的なアイテムが印象的だった。 リズムは少々ゆったり目であるが、歌い手の優しい歌声、それから現代的な口語調で「やりたいようにやればいいじゃん?」と優しく問いかける歌詞はストレートで、聴き易さからか、心に届き易そうだと感じた。
(5,3,5)
青空loop(キミキス)
恋愛AVG原作のアニメ。 当然ラブロマンスである。 さて、非常にエロっぽいヒロインがとても印象的なのだが、本作品の音楽…特に主題歌とEDの印象は初見から非常に良い。 何故か色っぽい女の子が次々に登場して、それがまた憂いだ表情でまるでグラビア写真のごとくカメラ目線だし体の線の細さなんかハァハァしてしまう構図なのである。 いや、良いOPだw …メロディも心地良い旋律であったし、歌声も甘ったるいイメージ。 歌詞も「キス」やら「恋」やら実にそれらしい内容だった。
とか書いてたら年明けからOP動画が一新されてないか?きのせいか?
(5,4,3)
プリズム(電脳コイル)
実社会と電脳情報が結び付けられ「電脳メガネ」を通じてそれを利用する事が可能になり、子供の間で流行している時代を舞台に、電脳世界と戯れる子供たちが出会った事件を描いたのが本作。 NHKのジュブナイル向けコンテンツといえば、遥か白黒の昔からドラマ、人形劇などで「SF」「ミステリー」を無数に製作して来ており、本作も恐らくはその流れ上にあるのでは無いかと想像しています。(原作者とか繋がりで) 学校を舞台にし、登場する少年少女が謎に向き合っていく物語はそう思わせるに足る素晴らしい内容でした。
で、主題歌だが、これまたしっとりと聴かせる余韻に満ちた風情のある音楽になっており、それにあわせて描かれる風景や登場人物の表情も憂いを感じさせる。 詩の方も作品の謎を感じさせる思わせぶりな物でした。 …しかし実際のアニメはそれ程に暗い訳ではなく、ちょっとコメディの風味が強く…その点でOPは合っていないと思っていたのだが、このチョイスは先に書いたNHK的SFドラマとしては合っている…これ以上に無い位にね。
(5,3,4)
経験値上昇中☆(みなみけ)
ヤンマガ連載のちょっと色気の入った4コマが原作。 3姉妹を主人公に、彼女たちの周囲で様々な事件が起こり、回をごとに重ねる毎に変態的な人々が集まっていく様は爽快でさえあるし、作中に挟まれる3姉妹のリアル風のアップ画がどことなくバイブルブラックのアニメを思い出させる(…どうでも良い感想だな)
さて主題歌だが、担当は声優さんたちで、音楽会社はスタチャである。 とて聴きも心地の良いアップテンポなメロディとポップな歌詞がノリノリであった。 OP映像も彼女たちのドタバタ劇の一コマを上手く見せており作品を理解し易い物と思う。 まぁ…アレだ。 人気はそれ程では無かったと思うが佳作であろうよ。
(4,3,3)
宇宙(そら)に咲く(レンタルマギカ)
魔法使い、霊能者と言ったオカルト能力者を使って怪奇事件に関する依頼を解決する会社がある。その社長になった少年と、一癖ある社員たちが様々な事件を解決していくのがこの物語の要旨。まぁ流行り物の妖怪退治って訳であるな。
本作品の主題歌だが、いわゆるR&B(…つか、我ながら例えが古い気がするなぁ)的な歌い手さんで、声量を生かした伸びのある歌声が開始早々流れて来て掴みはOKである。 しかしどんなOPかと期待していると、登場人物らの映像に赤や青の帯が十字形に画面に伸び、その中を電光掲示板よろしく歌詞が流れていくと言う…何と言うか…クドい演出が目を引いた。 終わってみれば音楽、映像とも別に合っている印象も無く、何か上手い歌を聴いた気がするのと、文字が流れていた事以外には特に憶えていないと言う何とも奇妙な感想を抱くに至った。 あーあの文字のX点は強烈だったなぁ…そこは評価しよう…いい意味にな。
(3,3,3)
Perfect blue(ドラゴノーツ・ザ・レゾナンス)
SF系のアクション物…酷い巨乳がたくさん登場する。 ロケット事故でただ一人生き残った少年が主人公。 実はロケット事故が謎の宇宙生物の起こした物であり、生き残った少年には謎の生物(ドラゴン)とコンタクト出来る不思議能力が備わってしまったのでした? みたいな話なのかな?…多分。 物語の要旨は異星の知性体とのコンタクト&コミュニケーションでトラブルが起き、知性体への見解の相違から人間同士も争う物語であろう。
さて、主題歌なのだが、率直なところ、曲調に古めかしさを感じました。 と言うのも、この手の電子音主体の軽快な奴…何て言うのだろうか?モーグサウンド?まぁ個人的な趣味なのだけれど90年代の一時期に聴き倒していたアーティスト「ラムジャムワールド」などの楽曲はこの曲と大差ない。 まぁ、旋律自体は好きなのですけどね。 さて、そんな本曲にのって流れるOPの内容だが、主人公とヒロインが何か欝気味で登場する所から始まり、敵とのバトル、それから件のドラゴンの登場と続くのであるが…流麗な曲調と比べるとノリに欠けている様に思えるかな? しかし…この系統の音楽の特徴なのだろうけど、他の電子音楽のジャンル(テクノとかノイズの強い奴ら)と比べると歌詞が聴き取りやすく、流れる様なリズムはボーカル力に負う所が大きいだろう。 それだけに歌詞の内容が目立つ事になっていますね。 まぁ、内容は祈りみたいな内容で他力本願なのが玉に傷であるが…
(3,4,3)
メグメル(CLANNAD)
美少女ゲーム原作のアニメ化。 ソフトベンダーであるKEYの作品のアニメ化は3作目。 正直、AIRやKannonと本作との差異・作品テーマについてよく分からない。 内容としてはKannonと同じく童話的といって良いだろう。 しかし、とりあえず楽しませて貰っているので不満は無い。 さて、主題歌は、他作品と同様にゲームと同じ曲なのだが…本作に限ってはアレンジされている様である…まぁ、アレンジとはいえ原曲との違いはそれ程無い。 OPは前奏の冬の寂しげな風景から始まって、詩とリズムに合わせて咲き乱れるアブラナ(?)の中を少女が走っている姿をシルエットで描き、登場するヒロイン達、その他の人物たちの姿を描いた後、恐らくメインヒロインなのであろう少女の姿をもってOPが終わっていきます。 一連の流れをさらっと書いただけですが映像とメロディは非常に美しいし、リズムと合わせて走っている少女のシルエットの映像などはため息が出た程であった。 まぁ、少し物足りないのは歌手さんの声量だか何なのだか、何ともリズムの凹凸が乏しい。 eufoniusは好きな歌手なのだが、こう毎週聴いていると…そんな不満が頭をもたげて来ている今日この頃。
(5,4,3)
カッコ内は(作品との整合性、メロディの好み、歌詞の好み)の順。
2007年のアニメとアニソン
2007年最大の流行歌は「もってけ!セーラーふく」でしょうか。 京アニ製作という事で、放送当初から話題に上っていたのですが、放送が進むにつれてネット界隈の盛り上がりは大きくなりました。 作品の内容は、別に革新的であったり物語に深みがある訳ではなかったのですが、リサーチの奥深さやパロディネタの作り込みなどが確実にネタ好きなファン心理をくすぐった様でした。 個人的には普通に面白いギャグコメに過ぎませんでしたが、主題歌については割と好印象…てかオフボーカルバージョンが物凄くカッコイイとか思ってボーカル入りより聴いてたんですけどねw
もう1曲、何とも奇っ怪な出来事なのですが、2005年に放映されたアニメの主題歌「創聖のアクエリオン」が、何か凄い人気楽曲になってしまったのは事件と言って良いでしょう。 何せCD売り上げ累計で6万枚、ダウンロード総数は30万を超えたとの事です。 原因はパチンコだかスロットだかの機種にこのアニメの機種が登場して、そのTVCMでこの曲が流れた事。「1万年と2千年前から愛してる」とかの歌詞が視聴者の耳に残ったとか何とかで、現にその単語は検索エンジンの着メロ関係で上位になっていたり、着メロサイトでは曲名が「一万二千年の愛」と変わってたりするそうです…いや、ホントTVCMの力…いやゴールデンでも何時でもCMを流せるパチンコ業界の資金力が凄いのか。…うむむw
しかし肝心のオタ層にとっては既に消費しつくした後でふり返りもしないのか、流行りはせず、ただただ「もってけセーラー服」や、みっくみくにしてやられたりするばかりなのが、とっても潔い。
続いて、年の後半に巻き起こったDTMの盛り上がりは特筆すべき変革かもしれません。「初音ミク」に始まるボーカロイドと呼称されるソフトウェアの登場に伴うムーブメントがそれであり、音楽にあわせてあらかじめ入力してある音声情報が流麗で違和感無く演奏可能と言う事実は、まさに画期的であり一般人の手に届く価格帯(1万5千円程度)な事から、主にネット上の動画サイトを通じて大量の作品が公開される事になっています。 そこではカラオケ的な物のほかギャグねたや卑猥ネタ、そしてオリジナル楽曲すら数多く公開される状況であり、ここからヒット楽曲やCM、ゲーム、アニメに登場する自体もありえなくは無いのかもしれません。 …でも、どうなんでしょう?「ボーカロイド」はDTMですから一種の楽器扱いなんだと思うのですが、楽器が人の声とは…声優さんの扱いはどう規定されるんでしょう? 不思議な世の中が到来したものです。
あと、あんまり事件として取り上げられてはいなかったのですが、グレンラガンの歌手と主題歌が年末の紅白歌合戦に登場したのは小さな事件ですね…
それから事件でアニソン関係としては、作詞家 阿久悠 氏の訃報が第一に挙げなければならないでしょう。 この人の作詞は凄い。70〜80年代の流行歌を挙げれば暇が無い売れっ子で、その売れている時期に平行してア二ソンを幾つも作っています。 まさに昭和歌謡界を支えた偉人と言えるでしょう。 アニソンに関しては「宇宙戦艦ヤマト」「デビルマンの歌」「宇宙船サジタリウス」特撮「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」などが有名ではないでしょうか? 無論、有名歌謡は枚挙に暇がありません… いずれもその世代にとって…特に私ども30代以上にとっては最も多感な時期にお世話になった作品が多いのではないかと思われ、また一つの時代が過ぎ去ったのだと思うと感慨に耐えません。
阿久悠 氏のご冥福をお祈りします。
最後。 ホントのホントに能書きだね…天元突破グレンラガンへの感想。
つねづね思っていたのだが、ここ10年くらいのアニメ…特に男性が主人公の物について、正義、道徳、高潔さを語れば語るほど主人公が薄っぺらに感じたりしてまして、 で、熱血系のキャラを見る度に「このキャラはいい年して何青臭いこと言ってるんだ」と言った冷めた視点になってしまう自分がいたんですね…まぁ、概してグレンラガンの主人公もそんなセリフばかりを吐いていました。 しかし不思議な事に、この人がどんな青臭いセリフを吐いてもそんなに白々しい空気は感じなかったんですね…何ででしょう? ちょっと、それについてダラダラ書いてみたいと思います。
まずこの手の熱いセリフを放つ主人公に何で共感できないかと言うと、良い年して無分別で年相応に見えない事、自分に置き換えて「あり得ない」とか思っているからだろうと思っています。 しかし過去に「熱いセリフ」とか熱血系で涙したり、感動とか燃えちゃったりする事もある訳ですよ。 そんな場合、大抵は作品の主人公の年齢が低く設定されている場合が殆どなんですね。 要は子供が言うから説得力があると思っていたのでしょう。 実際、世の中に向かって不条理だ!正義を貫くんだ!と叫べるのは無邪気さや無垢なキャラクターが汚れた存在に対して叫ぶから際立つ面があり、そんなイメージ=子供と共通する物があって、大人社会と隔絶した壁が無くては正常に機能しないんだと…ずっと思っていたんですね。 大人が大人に向かって叫んでも届くハズが無いんだと。
しかしグレンラガンでは、大人になったシモンが熱いセリフを何度も何度も叫ぶんですよ。 そして、それらはイチイチ心に届くし、彼の無鉄砲な行動一つ一つにエールを送りたくなったんですよ。 そして泣けた。 何ででしょうかね?ひとつ思い付いたのは、この作品で描かれたのは、内気な少年シモンが変わっていく物語であったと言う事でした。 物語の最初、この人は子供だったんですよ…しかし彼は無邪気から分別を持った大人に変わるのではなく、それとは真逆に成長したんですよね。 その…変わっていく過程を丹念に10数話も掛けて描いたからこそ泣けたのでしょう。 大抵の作品における熱血青年は「問答無用にそういう奴だ」と規定されてイキナリ物語に登場し、そのまま暴れまわるだけであり、熱血に育った背景が丹念に描写される事はそんなに無かったんじゃないかなぁ? あってもモノローグ的な物に留まってて説得力はたかが知れるから白々しい。しかし、シモンには変わらなければならない強い動機が物語の中で濃密に描かれていた。 これを追って来たから視聴者としての自分がシモンに共感できたのでしょう。
考えてみれば、最近の青年男性の主人公(恋愛・ハーレム系に顕著か?)は優しくて普通の成績で、時にちょっと大らかで面白い人格…みたいな包み込むような性格(?)が求められていたんだろうと思う。 そして、適度に「やれば出来る子」であり、ピンチや修羅場をそれなりにくぐり抜けます。 それは確かに無難な物語であり、普通の人が共感できる対象ではありますが、どうでしょう? 普通、アニメで起こるようなハーレム状態や事件に遭遇する事はあえりえません。 熱血系主人公でで同じ物語をイキナリ展開すれば、そのあり得なさは一目瞭然ではないでしょうか? しかし、そこにその人物が何故、そう行動しなければならないのか? 背景から物語を描く事で、イキナリに見える物語にも流れが出来て強固な説得力を持たせられる…グレンラガンの物語の妙は、主人公の戦いだけを物語として切り取るのではなく、主人公の人生を見せた事にあったのだと……まぁ、そんな結論に至ったのですが如何でしょう?