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 アニメ主題歌回想2005

 点は5段階評価。 
カッコ内は(作品との整合性、メロディの好み、歌詞の好み)の順。
数字の評点は
 気に入らん(←1・2・3・4・5→)良い


 鳥の詩(AIR)

 旅を続けながら生活している主人公が、とある町で出会った少女達との邂逅を描いた作品で、ノベル系美少女ゲームが原作。
 作品の雰囲気は非常に柔らかく、コメディタッチでありながら、それでいて儚げな感じがします。傾向としては現代ファンタジー(と言うよりメルヘンかも知れない) そして、この手のゲームは作品イメージに対する作り込みに凝る傾向があり、主題歌も例外ではありません。 曲の傾向としては和風の音楽をポップに絡めた感じのするBGM的音楽か…な? 出来自体は作品に相応しい物と言え、またゲームと全く同一の主題歌との事なので、作品の為に作られたという点でこれ以上は望めない唯一無二の存在感を示しています。 

評価(5、4、4)

 

大事Da・I・Ji(まほらば)

 アパートに越してきた主人公が、そこに住まう奇妙な住人達に振り回されつつも、ヒロイン(多重人格だが)と仲良くなると言う段取りのラブコメ。(コメディながらシリアスめの話もあります)
 主題歌は作品が持つ柔らかくて優しいイメージを地で行くような曲で、初見から非常に好ましい歌に思えました。 …OPの出来はそこそこ動いてるし、及第点ではあります。

評価(4、3、4)

 

ハッピー☆マテリアル(魔法先生ネギま!)

 魔法使いの少年が女子校の先生になって受け持ったクラスの生徒達と一緒に成長していくラブコメ。
 作品総体として作画に乱れはそれ程ではないが、絵が塗り絵っぽい。 その関係でOPの初見は何と安っぽい物かと心配になったが、主人公とヒロイン達との関係とかドタバタ感が垣間見れ、曲との相性は悪くない。 歌自体で気に入ったのは歌詞で、サビの部分など実に前向きだしそれ以外の部分も、何か楽しくしてやろうという気概を感じられた。 歌い手は合唱形式だが、声優さん個人ならヘタクソかもしれないが、この形式ならそれを隠せる…と言う所だろうか?
 それから、この曲は「ネギま!と言えばこの曲」な代名詞ですらある知名度を誇るのを承知で「整合性」の評価を4とした。 減点したのは月代わりで歌手と編曲を変えるという荒業は所詮、奇策か邪道と言われても仕方ないやり方と思うのがその理由でございます…悪しからず。

評価(4、4、4)

 

ラグタイム(ギャラリーフェイク)

 模造品を扱う美術商を営みつつ、裏では素性の怪しい本物の美術品を取引する顔を持つ主人公を扱った薀蓄とかミステリー系の作品。
 主題歌はミステリーと言うイメージなのだろうか、ジャズ系のテンポの良いリズムを持った歌で、聴き心地は良い。 OPの出来も主要キャラ紹介などが効果的だったと思います。 …しかしまぁ、それほど褒めちぎる評価では無いかな。

評価(4、3、3)

 

radiance(スターシップオペレーターズ)

 祖国が突然、大国に占領されてしまった練習航海中の士官候補生達が宇宙戦艦を擁して反乱するSF戦争物。
 主題歌はアップテンポでリズムなどはいい調子と思う。 だが、高音がキンキン鳴り響くこの方々の音楽はちょっと苦手で…やや好みから外れます。 しかし、この作詞家さんの歌詞、前向きで力強い部分は好みですね。
 OP全体の出来は、登場するのが戦艦メインなので動きは乏しいのだが、地味な中に歌声や作品世界がイメージされるし、場面転換の緩急も効果的だったと思います。

評価(4、3、4)

 

DANZEN! ふたりはプリキュア Ver.Max Heart(ふたりはプリキュア マックスハート)

 う…前主題歌の焼き直しですが、この主題歌を作品の顔として押し出した制作陣方の方向性は好ましい物と思います。 「マーックスハー」とか輪唱が被ってるだけに思えるのが芸が無いとも思えますが、前作からの連続性を重んじるなら問題無いレベルかな?  …ただ、OPの出来は、聴き惚れるとか惹きこまれる程の魅力は感じなかった。

評価(4、3,3)

 

PULSE(陰陽大戦記)

 伝奇風味(?)ヒーローアニメの2代目主題歌。 前の主題歌は非常に良く出来た歌だったが、この歌はどうか? はっきり言って作品に合ってない。 メロディラインは良いとして、問題は歌い手の声が聞き取りにくて口ずさみ難い事だろう。 しかしまぁ、かろうじてOP全体としては各々のシーンの流れがメロディに合っており、視聴に耐えうる完成度だったし、番組が非常に面白かった事もあり、回数を重ねるごとに「良いかもなぁ…」と感じられる様になった。 制作陣の力量に感謝すべきであろう。
 にしても音楽の違和感は如何ともし難いね…大きなマイナス要因だ。

評価(3、2、2)

 

ノーボーイ・ノークライ(NATRUTO)

 …忍者物のアクションアニメ、主題歌は何代目だったか?
 1つ前の主題歌「青春狂騒曲」もそうだったが、この作品は綺麗なOPを作りますねぇ。 このOPも次々と展開する場面に合わせて人物紹介がなされ、走り続けるナルト君と交互に(場面の意図は分からないものの)意味深に皆が背中を向けていると言う統一感のある構図が続き、その動きも滑らかで素晴らしい出来栄えに見惚れてしまいます。
 あと、いつもは難点として曲選びを上げがちなのですが、「NARUTO」に関しては初代から渋めの選曲であり、今回もは外してないと思います。 …贔屓でしょうか? そうかもしれませんね…最後、歌詞はなんかよく分からないので減点となってます。

評価(5、4、3)

 

全国無責任時代(ケロロ軍曹)

 宇宙人の侵略をギャグにした作品の2代目主題歌。 前主題歌の方向性とは毛色が違うので初見では違和感を感じたものの…作品に相応しいかと問われれば、OPの出来は流石に制作陣の力量を感じさせる勢いがあり、曲も辛うじて踏みとどまる程度には合っているすばらしい物でした。 だが、歌手の選択がどう考えても音楽会社の売り出したい歌手を使ったとしか思えず、作品の空気を乱しています。 
 …「陰陽大戦記」と同じ製作会社で2代目主題歌が合ってない事(あくまで私見ですよ)までも共通しているのが、何か裏でお金絡みで動きがあったのかな?とか思ってしまう。 でもホントの所「ガンダムで儲けたから他のアニメでも」とか考えたバカが制作会社にいるのだろう…

評価(3、2、2)

 

プリンセスはあきらめない(ふしぎ星の☆ふたご姫)

 女の子が主人公の子供向け作品。 視聴者をくぎ付けにする術を心得ている制作陣とみえ、セリフ・演出効果などテンポが非常に良く出来ており見飽きる事がない。
 そこで主題歌なのだが、贔屓目に見ている点を外したとしても、聴き心地の良いポップな曲調と分かり易い歌詞であり初見での違和感も無い。 秀作と言っていいかと。 

評価(5、4、3)

 

創聖のアクエリオン(創聖のアクエリオン)

 スパロボ系ロボットアクション。 この作品、主人公達のデザインがリアルなのにどうしようも無いご都合主義・荒唐無稽さで描かれたロボットアクション、お馬鹿で何をしようとしているのか分からなかった。 作品…或いは物語に期待していたのにガッカリだ。 それなのに、主題歌は妙に格調高い音楽でまとめられています…ここで最初に騙された自分が愚か者なのだろうね。
 まぁ、歌詞は辛うじて作品の主題を表しており、それだけを見れば作品の為に作られた曲と言い得ますが、兎も角…これほど曲調と作品のアンバランスさも珍しいのでは無いかな。

評価(2,4,4) 

 

夜鷹の夢(機獣創世記ゾイドジェネシス)

 ZOIDSというロボット生命体を軸にしたロボットアクションで、TVアニメは4作目となるが、初代TV版の素朴さに回帰した印象を受けます。 近作が荒唐無稽なギミックでゾイドらしさを失いつつあったのでこの傾向は歓迎すべきと思います。
 さて、主題歌…OP初見の感想は、曲調がOPに似つかわしくない抑え目な音楽で、場面展開などもそれ程インパクトを感じなかったが、違和感は無いし無難ではあります。 歌詞はフルサイズで聴くと分かるのだが、戦争…それも空爆の情景を歌った内容だが、TVサイズでは歌詞が省略されて文脈に意味不明さを感じる。(作詞者の意図に反して改変するのは失礼だと思うが…どうなのだろう?)
 また余談ではあるが、この曲は2月発売のアーティストさんのアルバムCDにしか収録されていない様で、そのCDにはタイアップ曲が数多く収録されています。 これは各々の曲をシングル化してもそれ程売れない現実から、纏めて1枚にしてアルバムの売上を底上げする戦略かなぁ?と勘繰ってます。 TVで流れていた「あの曲」1つだけが欲しいのに他の曲も抱き合わせで買わされる此方の身にもなって欲しい物です。

評価(4,3,3)

 

D-tecnoLife(BLEATH)

 2代目主題歌。 初代はちとサイケデリック地味た作りでアニメのOPとは思えない物だったが、2代目OPとなる本作は少年漫画らしい出来となっています。 歌詞やメロディに違和感を感じる部分もあるが、それを補って余りある迫力であり、物語に合わせて敵である「護廷十三隊」の面々と主人公達の戦いやキャラごとの因縁が垣間見られ、物語の舞台が何であるか一目瞭然で分かりやすいし面白い。 

 

評価(4、3,3)

 

生きてこそ(甲虫王者ムシキング〜森の民の伝説〜)

 昆虫を題材にしたヒーローアクション…なのかなぁ? 自然という題材らしさの最たるものである自然の大事さ・生命の不思議さ・偉大さ…と言った普遍的な示唆が含められており、その心構え自体は他愛の無い物だが現代人間が忘れがちな事でもありますので、教育には宜しいのでしょう。
 それにしても、原作のカードゲームが、甲虫をヒーローに見立てた題材なのでもっと熱血系のノリを創造していた身には本作の真摯な作風は意外であった。(…実際、気構えが硬すぎてお子様には違和感を持って迎えられたご様子)
 主題歌はKiroroの手による音楽であり曲調・歌詞はじっくりと聴かせる作りで、歌詞も「タイトル」を裏切らない生命の尊厳を歌っており、作品テーマに沿っています。 この作品原作がカードゲームで、どちらかと言うとバトルメインなので、OPアニメをこの曲に合わせるのは難しかったのでは無いかなぁ?と想像します。  しかしまぁ…個人的な嗜好とは違うのでどうでも良い曲でもあります。

評価(5、3,3)

 

BREAKTHROUGH(アイシールド21)

 アメフト漫画のTVアニメ化作品。 話題先行でアニメの出来がどうなるかと思っていたのだが…心配以上に出来は悪い方かと。
 この主題歌はアイドルソングとでも言えば良いのでしょうかね? なんかアニメに全然合ってない軽薄な曲調・歌詞・声質で、80年代末〜90年代初頭のクソの様なアニソンが帰ってきたみたいで不快だし、OPアニメの出来も動作がチグハグな不自然さで微妙。
 直後の放映であるNARUTOを見れば分かるが出来栄えも雲泥の差、並んで放送されるとは酷な話である。

評価(2、2、3)

 

 

恋せよ女の子(極上生徒会)

 女の子ばかりが登場する学園コメディ…うーん、女子校が舞台で主役が生徒会って設定は「マリみて」の影響は意識してしかるべきでしょうなぁ。
 さて、主題歌は主人公声優の田村ゆかり嬢であり、彼女の高めの声質にあったアップテンポの明るい歌、歌詞も女の子の心情を前向きに歌ってます。 OPの出来も非常に軽くて愉快でありますね。 

評価(5、4、3)

 

Forever...(EREMENTER GERAD)

 暴走しがちで実直な少年と、彼に願いを託して冒険を供にする少女が主人公とヒロインの、冒険アクション系の少年漫画が原作のアニメ。
 主題歌は…ゲーム系のボーカルの流行傾向の女性ボーカルを意識したのかなぁ?と思えますが、ちょっと歌唱力に難があるのではないかと思う。 曲調・歌詞も、まぁ…アップテンポでOPらしさは備えているものの、訴える物はそれ程感じなかったので出来としては「並」かなぁ?

評価(3,3,3) 

 

Falco -ファルコ-(うえきの法則)

 何だろう?一見、ぼーっとしているけど一本気ってな主人公が流行なんですかね。 もしかして無表情で何を考えているのか分からない子供が増えている事と無関係ではないのかしらん? …とか、微妙な考察はさておき、ある日突然異能力を与えられた主人公が正義の為に戦う…というのがこの作品のプロット、少年漫画が原作です。 各話ごとの演出は悪くなく、原作の雰囲気を上手く消化できてますが、主題歌の感想はちょっと悪かった。 メロディや歌手の歌声は好きな方だが、歌詞の「ファルコ」とは何なのか?「うえきの法則」と言う作品と、どう絡むのか謎に思う。 しかしながら主人公の直向さなどOPからダイレクトに伝わって来る辺り流石に力のあるOPではあると思える。 これはOPの完成度が並みのレベルである証左であり…それは救いではあるかな。

評価(4、4、3)

 

君の思い描いた夢 集メルHEAVEN(メルヘブン)

 これも少年漫画原作ですね。 突然、異世界に飛ばされた主人公がアチラで手に入れた能力で正義の為に戦う…原作への感想では「うえき」と違ってツマラナイとの偏見を持っている事が評点に影響するかな?  主題歌は以外や以外、タイトルから作品を意識した物であり、歌詞でもそれが伺えると言う好意的な物であり、歌手の方の心意気…と言うか、作り手さんにはいつもこんな心構えでいて欲しい物です。  しかし、OPを初見で見た所、キャラの動きはぎこち無いし、作画もそれほどの物では無い。 完成度は全体評価として、並の凡庸さかなぁ。

評価(3、3、3)

 

オトメロディー(おねがいマイメロディ)

 サンリオのキャラクター商品を題材にしたアニメ。 少女漫画系のキッズアニメなのかなぁ?と思っていたら、爆笑コメディ(?)に大化けしたと言うのがなんともはや。
 曲を一言で表すと「キュート」ですかね。 サンリオ作品は大人しいと言う先入観があった為か、このアップテンポの音楽の初見での印象は違和感が酷かったのだが、本編のドタバタぶりを何回も見ているうちにこれで良いんだと、笑って許せるようになった。
 つか、何で歌手が本編に出番の無い声優さん(高橋美佳子)なんだろ? 不思議ざんすね。

 評価(4、4、3)

 

DAYS(交響詩篇エウレカセブン)

 英雄である父親の血を引くうだつの上がらない少年と、不思議な能力を秘めた少女と彼女の駆る人型ロボット…その辺の謎を題材にしたリアル系ロボットアクション。
 一言で言えば「ポップで良い曲ですね〜」という事になろうが、作品自体がコアな洋楽趣味を題材の1つにしている面からすれば、この歌がその嗜好に見合ったポテンシャルとは思えないし、軽すぎるとも感じる。 とはいえ、OP初見での感想はすこぶる良い物で、バイオリン(?)の流れるような旋律から始まる音楽にあわせて空を飛ぶロボットをはじめ、次々に展開する場面には心踊る物があるし、ボーカルの声質も好みでした…
 この曲をもっと長く使っていれば2005年を代表するアニソンになった事だろうに…と、残念な事、この上ない。

評価(5、5、3)

 

TRUST (これが私の御主人様)

 家出少女姉妹が金持ちで一人暮らしのオタク趣味少年の屋敷に住み込みメイドとして雇われ、そこで起こる数々のドタバタコメディ劇を描いたのが本作…お色気がチト多めやね。
 作品の嗜好がチト古く、90年代に多くあった美少女系のエッセンスを醸し出していますが、その当時に感じたあざとさは無い。 何だろう、昔は表現に「照れ」が感じられたのが、本作はエロを肯定的に捉える事で、あざとい部分がむしろ自然なギャグ表現にされている…気がしました。
 主題歌を歌うのは奥井雅美であり、この傾向の作品ならピッタリの選択と思います。 歌も彼女ならではのアップテンポで元気の良い曲です。 ただ、アニソン歌手と言う冠が無ければ、何故この歌がこの作品なのかと言う必然性は弱いとも思います。
 あ、そうそうOP映像はそれなりですよ…作品のプロモとしてはこんな物でしょうな。

評価(4、3、3)

 

少年ハート(交響詩篇エウレカセブン)

 2代目主題歌。 この調子で主題歌が変わっていったらフォロー出来んぞ…ったく。 この歌は「HOME MADE 家族」なるアーチストの曲で、物のサイトによるとヒップホップとかアッパーだとか、何となく分かる様な分からない雰囲気言葉が踊る紹介のされ方でした。
 そんな音楽シーン(?)の雰囲気を違和感なくアニメに持ち込めるとは思ってなかったのですが…本OPは成功しているのかもしれません。 歌詞はどうでも良い言葉の羅列ですが、男性ボーカルの力強さを軽薄な音楽に乗せた現代的な曲と、空を軽々と滑る様に飛ぶロボットという絵が思いのほかマッチしており、動きの細かさも相まって独特のカッコ良さを醸し出してます。 …違和感と言う意味では気味悪いと感じる方も居るかも知れませんが、少なくとも私には現代風の良いミュージッククリップであったと思えました。(アニメOPっぽくは無いと言う意味な)
 …ま、出来不出来以前に1クール12話で主題歌を変えると言う基本路線を何とかして欲しい物だ。

評価(3、3,2)

 

Wings of Words (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

 多分、4代目の主題歌と思うが…正直自信が無い。 この作品で今までOPにされて来た曲の傾向はアップテンポで激しい曲調の路線だったと思うが、この曲はその系統を明らかに逸脱しており「一貫性」という点から見て疑問を感じます。
 曲調としては格調高い雰囲気を感じさせるゆっくりとした物で、歌い方も優しめでした。 また、歌詞の出来は割と好みで、それを聴き取りやすい音楽に乗せる事で曲調と相まった非常に心地よく響く詩になっていると感じたました。
 OPの出来は…絵が綺麗だし、よく曲に合わせた物だと思うが、相変わらず以前と同じ様な構図ばかりで目新しさは感じられない。 しかし、この作品のOPは曲こそ頻繁に変わったが基本構図を踏襲する姿勢も「一貫性」と言う面では…ある意味誉めて良いのかもしれない。

評価(2、3、4)

 

見えない翼(金色のガッシュベル!)

 少年マンガの王道、仲間と共に悪と戦う作品…その3代目主題歌。 基本路線が熱唱する曲の系統で続いているシリーズですが、今度の曲もそれを継承した良い歌と思います。
 この歌手の方は初代主題歌を担当された方(谷本貴義)ですね。 曲調は前後半の緩急がちょっと激しいのですが、その落差で聴いている者を徐々に引き込んでますかね。 …で、どう引き込むかというと、歌詞の良さが光っていると思うんですよ。 特に「ファウード編」では友達や仲間が敵味方に引き裂かれてしまうと言うのがテーマの1つで、それに苦悶する主要キャラ達を鼓舞するかの様な歌が実に心地よく響きます。
 OP映像は動画の彩色がチト安っぽくてチープな印象が拭えないのが気に入らないものの、敵味方の登場キャラなど基本に忠実な出来であり、これからの物語の展開を予感させる作り方でした。 まぁベタと言えばそうですが、忠実であるからこそ載せられている曲の熱唱が浮いて白けてしまわない。 むしろ相乗効果でアニメを見たくさせられる説得力があると感じました。

評価(4、4、5) 

 

黄色いバカンス(ぱにぽにだっしゅ)

 作品は女子が主人公の学園物のギャグコメディで、昔どこかのサイトで見た表現を借りると「あすまんが大王を馬鹿で無茶苦茶にした感じ」だそうだが、まさにそんな感じだ(笑) 主題歌もそれを地で行くコメディチックで軽い曲調(…というか昔のバンド時代調か?)の軽音楽のノリで、夏や海をイメージさせる物になっています。 歌詞も「ブンブンブブブン」と言う歌詞がすべてを表している通り、明るく楽しい物となっています。
 そしてOPの出来だが、初見で目を引いたのは映像の奇抜さ…というか古臭いレトロな原色基調の映像では無いかと思う。 極端な原色をこだわって使用したこの映像は、曲に合わせて作られた映像であるのは疑いなく、描かれているキャラ達と相まってインパクトのある仕上がりとなっています。
…しかしこの作品、気付いてみれば月代わりで主題歌をリリースしている様子。 ただ、OPを使い捨てにする訳では無く2代目曲を使用した次の週ではこの「黄色い〜」を使用していたりして、不思議とテクニシャンなのだが、元を手繰れば「ネま!」手法の変形ではないかと思う。 …素材を大事にする点、使い方の妙が好感触だったが、一歩間違えば月代わりでアニソンが変わる時代に繋がるかもしれない要素を孕んでおり危険である。 …ヘタクソ音楽担当者が目を付けない様に祈っておこう。

評価(5、4、3)

 

Silhouette of a Breeze(英國戀物語エマ)

 19世紀ビクトリア時代の英国を舞台に、使用人と上流階級の恋を描いた物語。 主題歌…と言うか「歌」ではないので単に「OP曲」とするのが妥当だろうか。 この曲は軽い調子の音楽ながら19世紀の情景を描いたOP画像に合った物であり、格調ある雰囲気を醸し出すのに一役買っていると思う。
 主題歌が不特定多数への商売だという概念は、視聴者数がそれに見合った規模である場合には有効だが、顧客の中心が原作ファンと思われる本作品の様な場合に商売になるとは思えない。 そこを諦めるから本作のごとき作品性本位の手法も許されるのだろうと思う。 …結果的には作品のオリジナリティ&イメージの事を考えると、この程度でちょうど良かったのかもしれないなぁ。

評価(5、3、−)

 

いちごコンプリート (苺ましまろ)

 これも学園物のコメディ。 小学校という誰もが過ごした子供時代を題材にし、それをコメディチックに味付けした作品であり…素行の極めて悪いネタのギャグを除けば楽しめました。
 主題歌は主人公の少女達役の声優さんが歌っており、軽い曲調と可愛さたっぷりの歌詞がよくマッチしており、面白く視聴出来る物でした。 初見では在り来たりでインパクトに欠けるか?…とも思ったのですが、毎週見る物なのでこの控えめさはかえって良いかな?…とか思っていたら2・3週後、本当にじわじわ良く感じて来ました。

評価(4,3,3)

 

青空のナミダ(BLOOD+)

 ダークな路線かと思っていたが、どうやら真っ当なヒロイックアクション路線にしたい…のかな? というのもアニメの主題歌がアップテンポで曲調と伸びのある女性ボーカルで、底抜けの元気の良さを感じたからなのだが…果たして?  あと歌詞も前向きで、正統派な少年漫画的路線的な雰囲気もちょっと感じます。
 OPの出来はやはり作り手の気合なのか良い物で、曲に合わせてよく動いています。 主人公・脇役がどういう位置にいるのかも分かり易い。 特に前半の小夜の殺陣の辺りは前面に「赤色」を、直後のハジのそれを「青色」にまとめている部分などキャラ特性を如実に表現していて面白い。 …しかし、初見のインパクトは弱く、曲共々作品の「顔」としてはちょっと力不足だったかと思います。

評価(3、3、3)

 

勝利のうた(ロックマンエグゼBEAST)

 ロックマンエグゼのシリーズ4作目だが、今主題歌はこのシリーズで初めてのアニメ主題歌らしく無い曲と言って良いだろう。
 思い出してみれば前の主題歌は女性ボーカルって以外は良いと感じた物だが、今度のは曲調からしてちょっと控え目で、今までのアップテンポ系アニソンのノリは踏襲されておらず、歌詞も「オーレオーレ」とか何か言ってる始末で、「らしさ」と言う物が全然わかってない。 何で今更こんな曲が出てきたのだろう? 選曲している方々の思惑が理解できません。  

評価(2,2,2)

 

太陽の真中へ(交響詩篇エウレカゼブン)

 3代目主題歌。 歌としては近頃にありふれたJ−POPであり、もはや番組本編における音楽の方向性などお構いなしに感じる。 それでもまぁ、OP自体は案外期待出来たりする事例も多いのだが、本作は正直…人の顔やメカ描写が別作品と見紛う歪んだ絵で、チープさに眉をひそめたくなる程であった。 通常OPとアニメ本編の作画を比較して、後者を酷評する場合こそあれ、逆となると稀有なケースではないだろうか? 毎週このOPならどんな作画をもってしても綺麗に見えてしまうんでは無かろうか? 
 それに、音楽とアニメの動きをリンクさせるのも効果的に見せるテクニックなのだと思っていたのだが、単に動画にBGMがついたフィルムでしか無いこのOPの制作陣は、そうは思っていない様でもある。 
 作品本編は非常に面白いのに冒頭からこれでは泣きくなってしまう。

評価(1、3、3)

 

君の愛に包まれて痛い (格闘美神 武龍)

 天才的センスの女の子格闘家がエロっぽいコスチュームで戦う格闘技アニメ。 曲はまぁ…どうと言う特徴のない物だが、青年誌系掲載の原作だからこんな物なのだろうとも思える。
 OPは、主人公が元気に走っている姿をメインに、その背後にライバルと数多の脇役達が出てきて…という物で、どんな作品が始まるか初見の方でも理解できる内容としてオーソドックス路線で真面目な作りをしているかと思います。 …それだけにインパクトはちと薄いが、ま…本編面白いしそっちで挽回かね。

評価(3,3,3)

 

ダイアの花(BLACKCAT)

 世界の秩序を影から守ってきた組織の手先だった殺し屋の少年が、殺された恋人(?)の復讐をする為に戦うお話…かな?多分。
 主題歌はアップテンポな曲なのですが、聴いてて思ったのは良い喉してるなぁと言う事ですかね。 ハキハキとした発音で、変にメロディに頼らない歌唱力で歌詞が聴き取り易い。 歌詞をかみ締めながら聴く事が出来る曲が今年は不作なんで、そこは良かった。 あとOPの出来だが、メロディにアニメを上手く乗せてますね。 よく動くのが良いOPとも思うが、この作品では動画をわざとコマ送り的な表現にしてる部分もあって、その緩急が躍動感を出してるなぁと感じます。

評価(5、4、3)

 

飛んでもNothing (アニマル横町)

 低年齢そう向け少女誌(「りぼん」だったかな?)掲載の不条理ギャグ漫画が原作とか。 シュールな発言や突飛なキャラで笑いを取るつもりなのだろうが…正直、今の時代にこれでは大人しすぎて笑いなど取れないだろうと感じました。 同じ少女誌でも「へそ茶」とか「あーみん先生」の漫画が載ってた時代(僕が小学校〜中学時代)の方がギャグが鋭かったな。
 …などという感想は置いといて、この曲は自分がギャグ漫画である事をわきまえたテンポを持った主題歌です。 軽やかな歌声と可愛いキャラ達が踊りまわるOPは初見でも違和感がなく、見ているだけで楽しいアニメが始まったのだと思わせてくれました。 複雑なリズムの昨今の音楽を聴き慣れた耳にはちょっとメロディが単調には感じましたが…まぁ、番組の狙った視聴層には問題なく受けるんじゃないかと思います。

評価(5、3,3)

 

OPEN YOUR MIND〜小さな羽根ひろげて〜(ああっ女神さまっ)

 ある日、冴えない大学生の元に女神様がやって来て、一緒に暮らす事になるラブコメ。 OVA、映画になって何年にもなるので、今更…ってのが感想ですねぇ。
 主題歌を歌うのは声優さん達かと思ったら石田耀子さん…最初は違和感を感じましたがOPを見た際の感想は割と好感触でした。 しっとりと聴かせる曲をバックにバイクで走る主人公達…それから背景に流れていく新緑が映える風景に合わせて登場する脇役達、テンポが非常に心地いい出来でした。

評価(4、4,3)

 

ウンディーネ(ARIA The ANIMATION)

 宇宙時代、海に覆われた惑星の植民都市ネオ・ヴェネツィアを舞台にしたハートフルなコメディ。
 伸びのある高音の声と竪琴やヴァイオリン、ピアノの音色を基調としたしっとり系のおとなしい楽曲です。 番組が始まり、どんなエピソードなのか? そのキッカケが語られる辺りからこの主題歌を流し、物語とOPを一体にする手法は目新しいと同時に作品の雰囲気作りに一役買っていると思います。 
…あと、録画視聴の場合、CMと同様にOP曲を早送りですっ飛ばす行為を防止するには良いアイデアかもね。

評価(5,4,3)

 

聖少女領域(ローゼンメイデン・トロイメント)

 去年やった作品の続編。 人形達が殺しあう「アリスゲーム」の決着が描かれる…のではないかと期待するものの、どうなるか分からんね。
 歌手はALIPROJECTで前作と同じ、作品のイメージに合ってます。 OPの出来も初見の印象はすこぶる良い物でした。 輪郭線を黒の太線にし、シンプルで極端な彩色の影絵風(…ステンドグラスみたいな絵)が特徴的でした。 曲調もクラシカルな(オルガンなのかな?)音が基調ですね。 それらにアニメ絵がよく溶け込んでいて上手く纏まってたかと思います。 難点を強いて言えば、ボーカルの甲高い声さえ気に入れば感情移入できるかな?

評価(5、4、3)

 

 

(作品との整合性、メロディの好み、歌詞の好み)

 気に入らん(←1・2・3・4・5→)良い

一番上に


2005年のアニソン

 アニメ人気で「核」となる人気作はありませんでした。 強いて言えば「ガンダムSEED DESTINY」と「魔法先生ネギま!」でしょうが、注目度の点で、前年の「ハガレン」であるとか一昨年の「ガンダムSEED(一作目)」の時ほどには盛り上がっていなかった様に感じられました。
 しかしながら両作とも、主題歌が売上チャートを賑わせ、特に「ネギま!」の主題歌は月代わりで歌手を買えてCDをリリースすると言う荒技で、ファンの購買運動が盛り上がったと言う話題もありました。この「ハッピーマテリアル」は作品との整合性の面で2005年を代表するアニソンと言って過言無いでしょう。
 もう一方の雄「ガンダム」については代表曲と呼べる物は1曲たりとも無かったので語る事がありませんが、それではあんまりなので…毎年言ってる事を繰り返し書いときますかね。 それは主題歌を1クールで使い捨てにする手法「相変わらず」と嘆く事しきりであります。 …この手法はSMEが楽曲提供するアニメの基本的なスタイルとなっているのが現状で、05年の同様な傾向の作品といえば「NARUTO」「BLEACH」「焼きたて!!ジャぱん」「エウレカセブン」「ケロロ軍曹」でしょうか? どれも長いスパンで放送されるタイトルであるにも関わらず主題歌に恵まれない…或いは良い主題歌を早期に切られる運命にあっています。 これだけ長い期間放映されてるのに代表曲が無いとは悲しすぎますね。 ホント、何とかなら無い物でしょうか…

 しかしながら不思議な事に両作とも、ネット上で(方や作品そのもの、方や作画)酷評される部分が多いにも関わらず商業的には成功したのではないかなぁ? 特に「種ガン」はマニア以外で多数の一般ファンを獲得できたのが商業的成功の鍵だったのではないかなぁ? …しかし、あの脚本を見てアニメなんてこんな物だと思われたら嫌ですけどね。

 さて、個人的な05年のアニソンの感想ですが、最初の四半期は割といい曲が揃っており「今年は良いアニソンに恵まれそうだな」と思っていたのですが、終わってみれば…まぁ「並」よりはちょっとマシと言う感じで終わったかと思います。
 ちょっと感じたのはレトロ感覚の物でいい曲が多くて良かったかな? 作品としては「ぱにぽにだっしゅ」「ローゼンメイデン・トロイメント」「エマ」。  今時のポップスに馴れている耳に優しい感じがしました。
 それから残念なのは純粋に王道を行くような熱いアニソンが無かった事かなぁ? 強いてあげると「金色のガッシュベル!」の「見えない翼」が熱い系統では唯一か?
 …06年はこの系統で良い曲が聴けると嬉しいかも。

 

2005年のアニメとか?

 とにかく作品数の多い年だった言われてます。 地方民が見る事の出来ない作品の数がとんでもない格差になり、地方で映像商品(DVDなど)の売上が増えた良いのでしょうが…個人的には多数の作品を追うのはもう疲れました。 買ってまで見るまでもない…どころか存在すら知らない、どうでもいいと思える作品すらありました。
 そんな中でも気になったのは「かみちゅ」「ガンXソード」「奥様は魔法少女」「ぺとぺとさん」「舞乙HIME」かなぁ? 結局…DVD買ってまで視聴してるのは「かみちゅ」だけですが。 

 05年は音楽界にとってパラダイムシフトとも言える、一種の革命も起こりました。 アップルのiPODの販売と、それに音楽を落とす事を前提にした音楽配信サービスの一般化がそれです。
一曲150円、この安価さと持ち運びの利便性が受け入れられつつあり、それと競合を強いられるCDは今後は販売量を次第に落としていくと考えられます。 現に、私が普段CDを購入するのに利用していた家電店「デオデオ」では2004〜05年でCDコーナーが大幅に縮小され、無くなった店舗すらあります。 CDの販路縮小は恐らく全国規模でしょう。 媒体の製造コストが無く、純粋に著作権+αが音楽の値段というダウンロード販売が今より普及した時、今だこの分野での対応が緩慢な日本の音楽業界がアニソンにもたらす影響がどんな物なのか、注視したいです。(…どうせ、ロクな事にならんのでしょうがね)

 …アニメ・ゲームは、ここ数年ネット上の議論や喧伝を経て人気を博するという事が多く、非常にネットとの融和性が高い分野と思うので アニメのOP・ED動画やフルサイズの曲がネット上のあまたのアファリエイトなどのシステムと繋がる事で簡単に手に入る時代になったら良いのではないでしょうかね?