新春の便り
平成18年1月7日

平成18年の元旦は昨暮れから降り続いて積もった雪が例年になく深く、冷え込みも厳しい中で迎
えた。県北には連日大雪の予報が出され豪雪が地域の生活に大きな影響を与えている。ヨーロッ
パで大寒波による犠牲者や被害の様子が伝えられて約二週間、この寒波が日本上空に到来した
ものであろうか。また身近な街路樹のケヤキ並木は昨年秋以来葉を落とさずに付けたままで年を越
した。街路樹だけでなく公園内のケヤキも同様である。昨秋の落葉する時期に影響を与える何かが
あったのだろうか。昨年はマンサクの木が広範囲に枯れていく現象や日本海側でみられるカシノナ
ガキクイムシによるナラノ枯損現象なども報告されいる。異常気象が度々報じられる昨今であるが、
今年も気象変動の大きい年となるのであろうか。身近な自然界には何か目に見えない変動が忍び
寄っているのであろうか。

木留神社は、地域の鎮守様であるが、その
昔千曲川の上流川上村で切り出された木
材が河流しで運ばれこの神社付近で留め
て陸揚げされ善光寺の造作材として運ば
れた故事から神社の名前となったといわ
れる由緒ある神社だ。家庭の年とりを済ま
せた氏子たちは、三々五々遠くから聞こえ
る善光寺の除夜の鐘を聞きながら氏子総
代が焚くかがり火に、旧年中に出没した不
幸の悪霊を追い払ってほしいと願い神前で
今年一年の平穏と無病息災を祈っていた。
公園にに向かう街路樹のケヤキ並木である。
例年この時期には、葉をすべて落とし寒空
の中に細い枝が描く繊細な模様を見せるの
に今年はどの木にも葉が落葉せずに残って
いる。広葉樹が葉を落とすメカニズムは秋の
深まりとともに葉緑体の働きも弱まり葉の基
部に離層が形成されてこの部分から葉が脱
落していくということだ。例年晩秋から初冬の
ころ強い北風によって大木も一夜にして裸同
然に落葉するのに去年はそれが見られなかっ
たし、吹きだまる落ち葉の苦情も聞かれな
かった。
同様な現象は他の樹木にも見られない
かと公園の樹木をみるとカラコギカエデが
枝に種子を付けたままでいる。イロハカ
エデやトネリコもまだ種子を持っている。
風の力で運ばれることを期待するカエデ
は今の時期に残っていることは不自然で
あるように思う。
このイロハカエデは、秋の紅葉時期には
樹冠の半分が紅葉したのに対し残りの半
分が紅葉できず晩秋になっても色が出
ないで褐色になって散った樹であった。
葉を付けたまま新年を迎えたケヤキはこのと
ころの大雪の重みでいわば強制的に葉を落
とされた。大きな木の下には褐色の葉や小枝
をつけた葉が散乱している。小枝には、まだ
種子もついておりハトの格好な餌場を提供す
る場所となっている。餌場が雪により隠され
てエサにありつけないハトたちは他地区から
も集まって来るか数も多くみられる。

   
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