平家納経を見る


序品 勧持品 涌出品 寿量品
分別功徳品 神力品 勧発品 厳王品
陀羅尼品 無量義経表紙 譬喩品 五百弟子品
提婆品表紙 提婆品 法師功徳品 観音品

※上記のうち、「表紙」と記されたもの以外はすべて「見返し」


平家納経とは

 「平家納経」は、平家の繁栄を願い、一門同族郎等が一人一巻を分担して書写したもので、長寛二年九月に厳島神社に奉納されました。内容は清盛の自筆願文に「書写し奉る妙法蓮華経一部廿八品、無量義、観普賢、阿弥陀、般若心経等各一巻」とあるように、三十二巻の経典のことで、願文を合わせると三十三巻になります。清盛を始め、重盛とその子息、頼盛、教盛、経盛等、三十二人にそれぞれ一品一巻ずつを当てて制作にあたりました。その絵解きとして、一部の表紙、表紙裏の見返しの部分に王朝の優雅さを示す絵が描かれており、経典の外装、それらを収める経箱の工芸美と合わせて、平安末期美術工芸史上の代表作品とされています。
 ただ、願文にある日付の長寛二年九月に清盛が厳島に社参した形跡がなく、また、一門の書写奉納というにも関わらず署名している者が限られている(清盛のほかは左衛門尉平盛国、左衛門尉平盛信、右兵衛尉平重康の三名で、いずれも平家の郎等に過ぎない)など、成立事情は必ずしも明らかにされておりません。しかし、善美を尽くした経典は平家の絶頂を示すもので、その栄華のほどをよく物語っています。現在、経典の一部や経箱が、宮島の厳島神社宝物館内に展示されています(いずれも模写)。

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