人物叢書『平清盛』 五味文彦著(吉川弘文館)

 清盛伝記の決定版といえるでしょう。素人には難しかったり興味がなかったりする部分もありますが、まず勉強する気で読めば、まったく困難はありません。清盛に関する史料というのは少ないらしく、従って清盛の政治的な動きや周囲の政治情勢などから、歴史人物としての清盛像の発掘がなされます。しかし、貴族の日記や古文書などの史料からの引用も結構あるので、そうした客観的な史料から清盛の人間像に触れることができます。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1999年
定価各2100円

『権勢の政治家 平清盛』 安田元久著(清水新書)

 平家の群像」であえて除外した清盛に、改めてスポットを当てた力作。初版は1971年とやや古いため、歴史観にも前時代的なところがあり(オーソドックスではあるけれど)、少々物足りなさを感じてしまいますが、数少ない清盛本でもあり、清盛びいきな叙述は無条件に好感が持てます。前半部に明治から昭和初期の歴史教科書で清盛がどのような扱われ方をしていたかを比較している部分が、他の平家本・清盛本にはない特徴になっています。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

1984年
定価各620円

『平清盛の闘い-幻の中世国』 元木泰雄著(角川叢書)

 清盛を貴族と対立する武士としてとらえるのではなく、むしろ貴族社会の一員である清盛がどのようにその社会の変革を成し遂げようとしたのかについて検証した意欲作。清盛の死がなければ、公武が分立した鎌倉幕府とは異なる、公武一体の政権が樹立されていた可能性を示唆する、清盛ファンにとっては心強い著書で、単なる伝記に終わっていないところは一読に値します。映画やドラマのスチール写真がイメージカットとして随所に挿入されているところも変わっていて、いろいろな面から楽しめる。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2001年
定価2600円

『平清盛 福原の夢』 高橋昌明著(講談社選書メチエ)

 最新の研究成果を網羅した清盛伝の決定版。合戦に関する記述は極力排し、緻密な史料検索と先行研究の活用、時には大胆な推理を駆使して、同時代の政治の動きを丹念に追究。『源氏物語』が平氏や清盛に与えた思想的影響、福原における千僧供養と瀬戸内海掌握との関係、福原遷都後の大嘗会挙行の意味など、多角的な視点から「平氏系新王朝」の樹立にかけた清盛の意図、背後にある思想を浮き彫りにしていきます。「六波羅幕府」「和田京遷都計画」といった斬新なキーワードも刺激的。清盛の偉大さ、人間的な奥深さを知るには絶好の一書!

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2007年
定価1700円

日本史リブレット25『平清盛』 上杉和彦著(山川出版社)

 清盛の生涯を追ったコンパクトな伝記。全87ページという制約の中で、清盛の事績が時系列で要領よくまとめられており、清盛の生涯をざっと追うにはほどよい分量。ただし、日宋貿易に関する記述が少なく、清盛の偉大さを知るには少し物足りなさが残るのも事実です。記述を清盛の死で終わらせず、後世、なぜ清盛の悪人イメージが形成されたのかを、のちの歴代武家政権や歴史家の平家観から追究している点はユニーク。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

2011年
定価800円

『変貌する清盛』 樋口大祐著(吉川弘文館)

 清盛の「悪人」としてのイメージが、歴史的にどのように形成されていったのかを検証した異色作。『平家物語』はもちろん『玉葉』『山槐記』などの同時代史料、後世の物語や国定教科書、『新・平家物語』などの現代小説にいたるまで、長大な年代にまたがる文献を検証し、清盛の悪人化とその復権の過程を解き明かしていきます。企画の性格上、長い引用が多く、読んでいてもどかしいところもありますが、清盛の「イメージ」にスポットを当てて、これだけ膨大な資料を掘り起こした著作はこれまでなかっただけに非常に意義深い仕事といえます。「切り口」の非凡さに拍手!

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

2011年
定価各1700円

『歴史群像シリーズ36 平清盛』 (学研)

 人物や事件を多角的に考証する歴史群像シリーズの清盛版。清盛の事績だけでなく、その人となりや平家政権の位置づけ、正盛に端を発する平氏の躍進ぶりなどを多角的に紹介。約三十名に及ぶ監修・執筆陣による考証が奥行きを加えています。また、平家物語の現代語訳、合戦・人物・史跡辞典をかねた特別付録もあり。残念ながら、現在書店では販売されておらず、本書も古書店で購入しました。ぜひ復刊を!

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1994年
定価1200円


『平氏政権の研究』 田中文英著(思文閣史学叢書)

 平氏政権の構造と歴史的意義を追究した専門書。国衙支配や院領・摂関家領をテコとした在地支配構造、高倉親政・院政を通じての国政掌握体制など、綿密な史料探索によって平氏政権の特質を明らかにしていきます。特に、在地支配や政権運営など様々な面に影響を及ぼした権門寺院との関係にスポットを当てているところは本書の大きな特色。また、平家ファンにとって心強いのは、依然として平氏政権を古代的・貴族的とみる向きがある中、武家政権として積極的に評価している点です。治承三年のクーデターを期に軍事的権門から「国政全般を担当する最強の権門」へと上り詰めた平氏政権は、在地の封建化に対応した中世的な政権として、古代末期の歴史の中で燦然と輝いていることを再認識させてくれるおすすめの一書です。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1994年
定価9,064円

『平家物語の世界』 村井康彦著(徳間書店)

 『玉葉』『山槐記』『吾妻鏡』などの歴史史料を中心として、「歴史としての平家の興亡」を描く名著。史料を元に事実関係を整理するだけにとどまらず、公卿詮議の様子や記主の心情にまで踏み込む叙述に、近年の平家本にも見られないこだわりが感じられます。肩の力を抜いた書きぶりで、話題が横道にそれたり、前後したりすることはありますが、それを補って余りある史料検索の確かさと話題の豊富さは文句無し。残念ながら絶版。是非、再販を!

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1977年
定価1,970円
(改訂一刷)

『源平の盛衰』 上横手雅敬著(講談社学術文庫)

 平忠常の乱から源頼朝の死までの約170年におよぶ源平の闘争がテーマです。当然、清盛の栄華から平氏政権滅亡までの叙述がかなりの量を占めますが、途中、奥州平泉についての詳細な記述があり、時代的にも地理的にも幅広い内容となっています。同じ著者の『平家物語の虚構と真実』と同様、読みやすくて面白い。源平の歴史のトータルな解説書としてオススメです。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1997年
定価1000円

『平家物語の虚構と真実』(上・下巻) 上横手雅敬著(塙新書)

 平家物語に登場する12人の人物について論じたもの。筆者自身が「物語に即した人物論」とおっしゃっているとおり、単に年代順に並べた伝記ではなく、各人の役割や行動、思想などの掘り下げがあり、そこにさらに史実による裏付けがあるため、とてもスリリング。文章も平易で読みやすく、歴史としての平家を読むなら本書は一番のオススメです。本サイトの多くの記事に参考文献として使用させていただきました。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1985年
定価各900円

『平家の群像』 安田元久著(塙新書)

 歴史的事実をもとに、平氏一門の人々の実像を解き明かした一書。目次構成が面白く、「小松家の人々」「平氏一門の傍流(経盛・教盛一家のこと)」「薩摩守忠度と三河守知度」などの章があり、重衡については一章まるまるがあてられています。一門の叙述に入る前に、高望王に始まる平氏の系譜についても解説が加えられているので、平氏の成り立ちについての新たな好奇心も湧いてきます。清盛についての叙述が少ないのが不満ですが、知度のようなほとんど知られていない人物についても光が当てられているところは貴重。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1967年
定価900円

『清盛以前』 高橋昌明著(平凡社ライブラリー)

 伊勢平氏の祖平維衡から平忠盛に至る伊勢平氏の興隆の道筋を、精緻な史料検索により解き明かした金字塔的名著。著者自身「同時期における伊勢平氏に関する主体る史実は、ほぼ網羅した」と述べるだけあって、伊勢における維衡と致頼の対立をはじめ、ほとんど歴史の表に現れない正度・正衡世代の活動を浮き彫りにされており興味が尽きません。圧巻は本書の半分を占める平忠盛の評伝で、院近臣としてのたゆまぬ奉仕から、家格の壁を越えようとする忠盛の不屈の精神力を感じます。同時代の院庁の構造を解き明かすなど、院政論としても非凡。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2011年
定価1500円

『平家の群像 物語から史実へ』 高橋昌明著(岩波新書)

 重衡と維盛を中心に平家一門の群像を描いた意欲作。「平家の公達としてもっとも華があり、一門の双璧である重衡と維盛は平家を語るにふさわしいアクター」であると位置づけ、丹念な史料検索によって平家の群像の真の姿に迫ります。宗盛や時忠など、一門の主要な人物についても丹念に追跡していますが、知盛については若干少なめ。史実の少なさに加えて、『平家物語』で知盛にとって代わられた重衡の武功を正しく評価した結果といえるでしょう。「あとがき」で述べられる著者の平家研究への思いには心を打たれます。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2009年
定価740円

『源平争乱と平家物語』 上横手雅敬著(角川選書)

 源平の盛衰を歴史面から考察したものですが、積極的に古典「平家」の史料性を肯定し歴史考察に利用されているところが特徴的。また、地域史の視点から源平争乱について検証を加えているところも、ほかではあまり見られない部分です。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2001年
定価1,600円

『平家後抄-落日後の平家』(上・下巻) 角田文衛著(講談社学術文庫)

 壇ノ浦後の平家の人々の動静を、綿密な史料献策を通して明らかにしていく貴重な一書。平家は壇ノ浦で滅んだどころか、平家に血縁を持つ女性達によって、その血は現代までも受け継がれているということを教えてくれます。このような視点から書かれた平家本はほかには見当たらず、平家ファン必読の名著といえます。ただ、連載ものを一冊にまとめたからでしょうか、とりとめのないというか、全体の構成にまとまりがないうえに、内容も高度で、そこまで知りたくない、という細かさもあるにはありますが。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

2000年
定価上1,250円
下1,350円

『地域社会からみた「源平合戦」』 歴史資料ネットワーク編(岩田書院ブックレット)

 2005年9月に開催されたシンポジウム「源平合戦-伝承された戦いの虚実」をもとに、再構成されたブックレット第2段。今回は、第一部「生田森・一の谷合戦と地域社会」(川合康著)、第二部「南北朝内乱からみた西摂津・東播磨の平氏勢力圏」(市沢哲著)の二つの論文から、地域社会と源平合戦との関わりについて迫ります。圧巻は『源平合戦の虚像を剥ぐ』の著作で知られる川合氏による第一部。「鵯越の奇襲は義経ではなかった」という、源氏ファンが目をむくような斬新な説が提示されています。同時代資料を丹念に追跡し、説得力も十分。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2005年
定価1,400円

『別冊歴史読本 源氏対平氏』 五味文彦編(新人物往来社)

 将門・純友の乱から頼朝の奥州征伐に至るまで、源平盛衰の過程を丹念に追った力作。源平合戦のベーシックな情報から、福原京や平泉の発掘調査の最新情報まで幅広く網羅されていて読み応えは十分。史学にとどまらない幅広い分野の執筆陣が集められていることも、情報に深みを与えています。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

2004年
定価1,800円

『歴史群像シリーズ13 源平の興亡』 (学研)

 平家の勃興から源氏の覇権確立、奥州藤原氏滅亡までの軌跡を、清盛、後白河、頼朝、義経などの人物論をベースに俯瞰します。残念ながら個々の評伝に目新しさはありませんが(特に清盛はひどい)、関東の武士団の統率・支配を中心に描いた頼朝論は斬新な切り口が光っています。再現イラストや地図、合戦図絵など図版は同シリーズらしい充実ぶりですが、面白いのは那須与一の「扇の的」の再現コーナー。与一が味方に声をかけられて少し扇に近づいたことまで考慮に入れて距離を設定するなど、ディテールへのこだわりはさすがの一言です。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

1996年
定価1,000円(6刷)


『保元の乱・平治の乱』 河内祥輔著(吉川弘文館)

 物語的な虚飾を一切排し、保元・平治の乱の実相に迫った意欲作。資料には『兵範記』『百練抄』『愚管抄』といった当時の日記や史書を使い、軍記物語の使用は最小限にとどめるという徹底したスタンスで、二つの事件の原因や経過の再検討を試みています。軍記物語を排したことで、乱の叙述が味気ないものになるかと思いきや、小説家ばりの大胆な発想とそれを裏付ける説得力ある筆致によって、スリリングで新鮮な保元・平治の乱像を提示しています。キーワードは「皇位継承」。歴史のおもしろさを再確認させてくれるオススメの一冊です。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2002年
定価2,500円

『保元・平治の乱を読みなおす』 元木泰雄著(NHKブックス)

 上記『保元の乱・平治の乱』への批判を交えつつ、両乱の原因と経過、歴史的意義を再構築した力作。天皇・上皇の主体性に重きを置いた河内氏の書に対し、本書は武士・貴族の血縁・姻戚関係や利害関係など、広範囲にわたる政治勢力を俯瞰し、乱の全容を解き明かしている点が特徴的。王家・摂関家の解体から院の近臣の相対的自立という図式により、歴史の転換点となった両乱の実相を納得させてくれる良書といえます。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2004年
定価970円

『保元・平治の乱』 飯田悠紀子著(教育社)

 保元・平時の両乱を主軸として、院政の展開、武士の勃興、平氏政権の成立と歴史的意義までを描き出す意欲作。鎌倉御家人の重要な軍役である内裏大番役の起源を平氏政権に求め、その権力の本質を「王朝国家の侍大将」と位置付けるなど、平氏政権を「初の武士政権」として肯定的に評価している点に好感が持てます。ただ、テーマが壮大なだけに両乱の過程に関する掘り下げがひま一つな点は残念。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

1979年
定価1,000円(新装3刷)


『平家と福原京の時代』 歴史資料ネットワーク編(岩田書院ブックレット)

 2003年、神戸大学医学部付属病院構内において行われた平氏時代の二重堀と櫓後の遺構の発掘調査。本書はこの発掘調査を受けて急遽開催されたシンポジウム「平家と福原京の時代-楠・荒田町遺跡の評価をめぐって」をまとめたもの。今回の発掘調査の報告のほか、80年代から進められている北側の祇園遺跡の調査概要についても詳細な解説が加えられています。こうした考古学的成果に加え、さらに歴史学・国文学の第一人者による福原遷都に関する講演が掲載されているのもうれしいところ。福原京をめぐる最新の研究成果を堪能できる良書! 絶対買いです。

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

2005年
定価1,600円

『古代文化』2005年4月号Vol.57 (財團法人古代學協會)

 学術雑誌「古代文化」の05年4月号は「平家と福原」の特集。「福原遷都と平氏政権」「『平家物語』における遷都」など、福原京や中世武士の居館などに関する最新の研究成果に触れることができます。圧巻は「『福原京の都市構造』」で示された福原京想定復元図。『平家物語』諸本や『吉記』『山槐記』『玉葉』など多数の文献史料を駆使して復元された幻の都は、平氏ファンのロマンをかき立てるに十分。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

2005年
定価800円


『源平合戦の虚像を剥ぐ-治承・寿永内乱史』 川合康著(講談社選書メチエ)

 源平時代の軍事史に焦点を当てて描いた一書。一般民衆の軍事動員についてや、この時代の城郭の概念など、政治史にばかり気を取られていると見落としてしまいかねない裏面の世界を提示してくれます。また、ふだん古典を読んでいて何気なく読み飛ばしてしまうような「いくさ」用語も、本書のように詳細に解説を加えられると多くの示唆を含んでいるのだということがわかります。源平争乱を考えるうえで新たな視点を提供してくれる貴重な書。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1996年
定価1,600円

『弓矢と刀剣 中世合戦の実像』 近藤好和著(吉川弘文館)

 有職故実を専門とする著者が、中世の合戦の実像を追った意欲作。上記『~虚像を剥ぐ』が武士の動員や城郭の構築などマクロな軍事に力点を置くのに対し、本書は武器・武具の構造や機能、使用法を考察し、実用論として掘り下げている点が特徴的。「騎馬武者の一騎打ち」のイメージのもと、スポーツ的に語られることの多い中世の合戦観に修正を加える一書。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1997年
定価1,700円

『源平合戦・戦場の教訓 勝者と敗者、何が明暗を分けたのか』 柘植久慶著(PHP文庫)

 傭兵として豊富な従軍経験を持つ著者が、源平争覇の主要な合戦を「戦術面」から検証した異色の書。勝敗を分けた要因はどこにあったのかを、動員兵力、陣形、地形など合戦の帰趨に関わる様々な要素を勘案し解き明かしていきます。出色は古今東西の戦争との比較で、戦争に関する著者の知識の豊富さにはただただ舌を巻くばかりです。ただ、こじつけで延々とやられると…、ちょっと疲れます。

面白度 ☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆
推薦度 ★

2004年
定価457円



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