別冊國文學『平家物語必携』 梶原正昭編(學燈社)

 平家についてというより「平家物語研究」のトータルな解説書です。『國文學』という、素人には取っつきにくい雑誌の別冊ですが、これは読みやすい。平家物語の理念や方法を「盛者必衰」「あわれ」「死生観」「運命」「自然描写」など、多様な側面から解説してくれます。また、平家物語全章段の「解析」があって、各章ごとに研究の成果を知ることができます。また、『吉記』や『愚管抄』『吾妻鏡』など基本史料、平曲と琵琶法師の解説や、平家物語を素材とした小説や戯曲などもかなりの量で紹介されています。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1982年
定価1,365円

國文學平成7年4月号『平家物語-語りのテキスト』 (學燈社)

 月刊「國文學」の平家物語特集。副題のとおり、語り本系統の「平家」についての論稿が中心になっています。最近の研究成果に触れるにはオススメの本…なのでしょうが、いかんせん素人には難しい内容。ただし、軍記物の慣用表現をまとめた「合戦用語・表現辞典」はなかなか便利。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★

1995年
定価各950円

國文學平成14年10月号『平家物語-生まれかわりつづける物語』 (學燈社)

 月刊「國文學」の平家物語の最新特集。サブタイトルにあるように、「語り」や「読み本」として享受されてきた「平家物語」の世界がどのように現代に息づいているか、表現形態がどのように多様化しているのか、という切り口で現代の平家を考察しています。平曲の伝承者二名のインタビューは読みごたえあり。また、「平家伝説と遺跡」「能鑑賞の手引き」などのデータベースの充実ぶりは圧巻。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2003年
定価1,100円

『平家物語を読む』  川合康編(吉川弘文館)

 『平家物語』を取り巻く歴史学・文学の最新の研究成果を網羅した論集。治承・寿永の内乱の歴史的意義や平家一門の実像、頼朝・義経の平家追討戦における戦略など歴史学の研究成果から、『平家物語』の成立、諸本の位置づけなどの文学史、謡曲や幸若舞、浄瑠璃などの芸能に及ぼした影響、さらに東アジアのおける仏教文化と『平家物語』との関係など、『平家』にかかわる最新研究を幅広く取り入れています。文学と歴史を切り離して考えるのではなく、相互に連携、補完し合いながら進展しつつある今日の研究事情をも肌で感じられる一冊。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

2008年
定価2800円

『平家物語』  石母田正著(岩波新書)

 『中世的世界の形成』で知られる歴史学の泰斗が、文学としての『平家物語』の本質を追究した歴史的名著。特に、後世に影響を与えたのは、「運命の預言者」としての重盛、知盛にスポットを当てた点にあるでしょう。史実として裏づけられる記録がほとんどない知盛のイメージは、本書の存在によって方向づけられた部分は大きいと思われます。また、平家物語の年代記的形式に対する洞察からは、歴史文学の読み方や平家物語の成立過程の解明などに必要な視点を養うことができるでしょう。絶対に読むべき!

面白度 ☆☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1957年
定価700円

『「平家物語」内から外から』 正木信一著(新日本新書)

 平家物語の生成や文学的意味を、歴史書や貴族の日記など客観的な史料との対比や「平家」諸本の比較を通して明らかにしていく。この手の本は、平家物語を一から読まされているような煩わしさを感じるものですが、本書の場合、一気に細部の検討に入ってしまうという思い切りの良さに好感が持てます。ただ、あらかじめテキストを読んでいないと理解しづらい部分もあるかも知れませんが。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★★

1996年
定価960円

『平家物語-〈語り〉のテクスト』 兵藤裕己著(ちくま新書)

 平家物語のもつ因果論的枠組みから、平家物語の編纂動機とその成立の謎、テキスト生成の過程を検証する意欲作。物語を貫徹する因果論を通して、物語成立の現場を慈円を中心とする比叡山周辺に比定。慈円が「武家政権を王朝秩序に組み入れる構想」して取り入れた源平交替の物語が、現実の歴史にまで影響を及ぼしていることを納得させてくれます。なぜ、頼朝は天皇制をつぶさなかったのか、信長はなぜ平氏を自称したのか…、目からウロコの一冊でした。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★

1998年
定価660円

『平家物語の世界』 (大阪書籍)

 1984年、源平八百年を記念して開催された「源平の世界」の講演を収録したもの。講演は6回に渡って行われ、文学や歴史、宗教、能など様々な面から源平争乱の時代と平家物語の世界にアプローチしています。内容的にも幅広いうえ、文学からは山下宏明氏、歴史学からは上横手雅敬氏と、講演者の顔ぶれもそうそうたるものがあります。「入門」とするには少々難しい部分もありますが、講演口調がそのまま文章化されているあたり、行間から当日の熱気が伝わってくるようです。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★

1985年
定価1,200円

『建礼門院という悲劇』 佐伯真一著(角川選書)

 平家一門の罪障を一身に背負った聖女、あるいは兄宗盛や宿敵源義経と浮名を流す美女…。時に美化され、時におとしめられて伝えられてきた薄幸の国母建礼門院徳子。本書は建礼門院の「真実の姿」をえがくのではなく、物語が描く建礼門院を分析することにより、それを語り伝えてきた日本人の心象に迫る意欲作。建礼門院の人生や人となりについての記述は最小限に抑え、ほとんど大原御幸での建礼門院の語りのみにスポットを当ててている点が特徴的。小野小町説話との類似性、往古から近世に至るまでの「畜生」の捉え方などをおさえつつ、物語が建礼門院に課そうとした役割は何だったのかを追究していきます。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

2009年
定価1500円


AERAMook『平家物語がわかる。』 (朝日新聞社)

 平家物語のトータルな入門書として最適の一冊です。ともかくネタが多い。物語自体の持つ様々な面(いくさ、主従関係、親子関係、宗教、ファッション、恋愛など)についての論、膨大にある諸本の分類と成立事情、他の芸術分野(能、浄瑠璃、歌舞伎など)への影響、平曲、ブックガイド(平家物語CD-ROMの存在はこれで知りました)などなど。まさに平家物語が“わかる”本(ムック)です。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1997年
定価各1,050円

新潮古典文学アルバム13『平家物語』 牧野和夫・小川国夫著(新潮社)

 版型もコンパクトでページ数も少ないながら、写真や絵がたくさん載っていて、見るだけでも楽しいつくりになっています。「平家物語」成立に関するマニアックな研究成果も載っていて、単なる素人相手の解説書に終わっていないところが心憎いです。初心者から上級者まで楽しめるお勧めの一書です。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1990年
定価1,300円

古典講読シリーズ『平家物語』 梶原正昭著(岩波セミナーブックス)

 岩波市民セミナーでの講演の内容をまとめたもの。平家物語の中でも代表的な三話(「木曾最期」「敦盛最期」「那須与一」)を取り上げ、原文の一部を味わいつつ詳細な解説を加えていきます。しかし、単なる解説にとどまらず、古典「平家」の読み方はもちろん、古典文学や軍記物についても多くの示唆を含んでいて、他の章段も読みたくなる書き方になっているのがすごいところ。「平家」上級者にもオススメの一書です。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1992年
定価1,500円

古典講読シリーズ『平治物語』 日下力著(岩波セミナーブックス)

 上記同様、こちらも岩波市民セミナーでの講演をまとめたもの。本書で取り上げるテキストは現存諸本中の最古態本で、人口に膾炙した源氏中心の叙述ではなく、朝廷に忠実に仕える平氏一門の武者ぶりにスポットが当てられています。こちらも原文のテキストを随所に挿入し、原作を読むうえでの恰好の予習本になっています。

面白度 ☆☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1992年
定価1,600円

『図説 平家物語』 佐藤和彦/鈴木彰 他著(河出書房新社)

 上豊富な図版や写真とともに平家物語全編を駆け足で紹介する入門書。随所に『吾妻鏡』や『源平盛衰記』からの引用を織り交ぜるなど、内容的にはそれなりの深みもありますが、諸本分類や作者比定、その他芸能への伝播といった周辺情報が薄いのは残念。ただ、絵入りの一異本『真田本』平家物語の詳細解説を載せているところは、他の初心者本には見られない本書独自の趣向です。本文に用いられている図版の多くも、同本の挿絵に依っています。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★

2004年
定価1,800円

『平家物語 あらすじで読む源平の戦い』 板坂耀子著(中公新書)

 上平家物語のあらすじや主題・構想を分かりやすく(というか大雑把に)紹介する入門書。本書を読んで感じるのは、平家物語の二次創作(浄瑠璃や戯作、近・現代小説など)との関連や、古今東西の文学作品との比較など、著者の文学に関する見識の広さと深さ。そして、この膨大な文学知識を駆使して展開する「重盛養護」論が本書の目玉。清盛悪人説をとる平家物語の反動から、近年軽視されがちな(作中人物としての)重盛像を再評価し、「ヒーロー」の復権を試みています。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★★

2005年
定価760円

ビギナーズ・クラシックス『平家物語』 (角川ソフィア文庫)

 平家物語の全章段を駆け足で紹介する入門書。時折、原文をはさみ、原文の味わいを楽しんでもらおうという工夫もあり、まさしくビギナーに最適な内容になっています。ただ、巻末の解説や資料紹介などはおおざっぱで、『平家物語』を知ってもらおうという「本気度」があまり感じられないのが残念。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2001年
定価629円

『平家物語を読む』 永積安明著(岩波ジュニア新書)

 1979年にNHKで放映された番組をもとに、読み物として書き改められた入門書。清盛や義仲など、主要な登場人物を幾人かピックアップして解説を加えたものですが、全体の流れもわかるような構成になっています。“ジュニア新書”というくらいですから内容はもちろん平易ですが、さりとて総ルビであったり、過剰に噛み砕いた文章になっていたりといった鬱陶しさはないので、“大人”の方が読んでも楽しめるかも。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★

1980年
定価819円

『CD-BOOK 声で楽しむ「平家物語」名場面』 鈴木まどか著(講談社)

 前田流平家詞曲(平家琵琶)相伝者による平曲の解説と演奏が楽しめるエッセイ。『平家物語』の中から27の名場面を抜粋して、演奏と内容にまつわるエッセイを収録しています。エッセーは平家物語や平曲の魅力を伝える話しが中心で、難解な解説はほとんどないのでご安心を。付属の平曲CDは、重々しさこそないものの若い女性らしくさわやかで透明感あふれる演奏。曲の長さも、一曲1~3分程度なので手軽に楽しめます。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2004年
定価1800円

『平家物語-若い人への古典案内』 長野嘗一著(社会思想社)

 平家物語の代表的な章段を抄出し、平易な現代語に改めた入門書。ただし、各章段を忠実に訳したものではなく、小説風に大胆に改められているのが特徴的。巻末にある平家物語の解説も、よくある堅苦しい研究概説ではなく、訳者の体験などを織り込んだエッセイ風の文章なので、初めての人にはとっつきやすいのではないでしょうか。ちなみに管理人は高校の読書感想文でこの本を選びました。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

1968年
定価360円(38刷)

『平家物語絵巻』 林原美術館編著(クレオ)

 平家物語絵巻の名場面と解説により、平家物語のあらすじを追うビジュアル系入門書。林原美術館所蔵『平家物語絵巻』は江戸時代前期の作、作者は土佐佐助によって描かれたといわれる。本書は全36巻705の絵巻の中から約90枚をピックアップ。絵巻を見せる本だけに、画像のクオリティは秀逸。解説は櫻井陽子氏で、場面説明だけではなく文学的評価や史実との対比におよび、中上級者も飽きさせない心憎い構成になっています。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★★★

1994年
定価3,500円

図説日本の古典9『平家物語』 (集英社)

 かつてはやった大判のビジュアル系古典百科の1シリーズ。永積安明、上横手雅敬、山下宏明、金田一春彦など、そうそうたる執筆陣が、平家物語の魅力を多角的に紹介。絵画や平曲、仏教思想、平家伝説など隣接分野の解説も充実しています。何よりも図版のクオリティが高いのが非凡。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

1979年
定価2,400円

別冊太陽WINTER'75『平家物語絵巻』 (平凡社)

 平家物語の解説から成立と流伝、古戦場紹介、落人部落紹介など、豊富な図版とともに平家物語の魅力を多角的に紹介しています。版型が大きいため特に図版は迫力十分で、特に合戦図屏風や義経の請文、平家納経の見返しなどがとじ込みで付録されているのがユニーク。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆
推薦度 ★★

1975年
定価1,500円


講談社カルチャーブックス『平家物語を歩く-古典文学に出会う旅』 日下力監修(講談社)

 平家ゆかりの地を訪れる際には欠かせない絶好の旅行ガイド。最寄り駅や所要時間、史跡付近の地図を載せた実用的なつくりで、写真もふんだんに取り入れられているので見ていて飽きがくることがありません。本HPの「史跡探訪」でも大いに参考にさせていただきました。ただ、写真とともに語られる本文は平家物語どっぷりの内容なので、読んでいると少しテレてしまう(のは私だけだろうが)。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆☆
推薦度 ★★★★★

1999年
定価1,800円

『平家物語を歩く』 松尾葦江監修(JTBキャンブックス)

 写真入りで平家物語の史跡を紹介するガイドブック。上記『~出会う旅』が地域ごとに編集されているのに対し、本書は平家物語の物語展開に沿って史跡を紹介しています。中でも力が入っているのが、平家落人伝説地の取材記事。取材者が直接踏査して書かれた記事なのか、落人の里の空気やそこに住まう人々の精神性までが伝わってくるようです。また、平家物語の全章段のあらすじのほか、中世の芸能や平曲、平家納経の解説など、様々な角度から平家の魅力を伝えており平家物語の入門書としても最適といえます。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★★

2004年
定価1,600円

『平家物語の京都を歩く』 蔵田敏明著(淡交社)

 京都の文化や歴史の魅力を伝える同社の「新撰・京の魅力」シリーズの一冊。写真付き史跡ガイドですが、文章のみのページと写真中心のページがはっきり分かれているので、写真を見ながら楽しむということがしづらいのが難点。ただ、京都に特化しただけあって他の史跡ガイドにはない情報の細かさがあって、京都好き・平家好きという人にはおすすめです。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★★

2004年
定価1,500円

『源平京都』 文・川端洋之/写真・中田昭(光村推古書院)

 写真と文章で綴る西日本を中心とした源平紀行。写真は量よりも質にこだわっており、レイアウトもゆったり目で上品な作り。史跡紹介については、京都に限らず中国・四国におよぶ幅広い地域を網羅し、地図やその他の詳細データが豊富で使い勝手は良さそうです。ただ、全体的な情報量としては少な目という印象。平家スポット散策に活用するよりも、きれいな写真を見て楽しむ本といえそうです。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2004年
定価1,600円

『平家物語への旅』 西田直敏著(人文書院)

 著者は文学部教授だけあって、この部分はどのように解釈すべきかや、過去の批評に対する批判など、歴史的事実の解明よりも文学としての「平家」に比重がおかれています。といっても堅苦しいところは少しもありませんからご安心を。仏教に関する叙述が比較的多いことですが特徴といえば特徴ですが、全般的には平凡かな…。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2001年
定価1,800円

『平家巡礼』 上原まり著(光文社)

 元宝塚のトップスターで、現在は筑前琵琶奏者の著者による平家物語史跡紀行。女性らしい繊細な筆致で書きつづられる流麗な文章からは、平家物語への熱い思い、歴史に翻弄された女性たちへの同情、合戦で失われた多くの命への哀悼の念がにじみ出てきます。くどくどと平家物語のストーリーを追わないところにも好感が持てます。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

2001年
定価1,500円

『清盛 頼朝 義経 義仲 源平時代人物関係写真集』 志村有弘著(勉誠出版)

 著者自らが日本中を廻って撮影した写真約四百点余りを掲載した遺跡・遺構の写真集。カバーしている年代は平将門から幕府草創期まで、源平争乱期にこだわらず網羅されていて、特に関東(埼玉、鎌倉あたり)の充実ぶりは眼を見張るものがあります。ただ難は、四国・九州あたりが弱いこと、写真が古いこと、詳しい場所が分らないこと。しかし、八百年以上経ったいまでも、これだけの伝説が生きているのかと思うと、源平時代はまさに一大変革期だったのだとつくづく思います。

面白度 ☆☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆
推薦度 ★★

1998年
定価1,800円

『平家物語の旅 源平時代を歩く』 志村有弘著(勉誠出版)

 帯キャッチに「2005年 NHK大河ドラマの世界」と記し上梓された第一号の本でしたが、何のことはない、上記『人物関係写真集』の改編版でした。掲載されている写真は前回よりも多少、精選された感はありますが、再編集によって、本全体の構成がよりいびつになっているのは少し悲しいですね。ただ、巻末に地域別にまとめた索引がついているので、地域から探したい場合は結構便利です。

面白度 ☆☆
平易度 ☆☆☆☆☆
役立度 ☆☆☆☆
推薦度 ★★

2003年
定価2,200円



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