解説:焼きつきをさせないアイロン運びとは       


とにかくワクシングにとって焼きつきは永遠の敵とでもいうのでしょうか、最大の問題点でもあります。せっかく滑走性能を上げようとしている行動が仇になってしまうことも度々です。そこでどのようにすれば焼きつきを防止できるかが重要となってきます。

焼きつきを防止するにはとにかく「アイロンを止めない。」ということに尽きます。一部分を集中的に熱することが焼きつきの最大の原因ですからすべての行動を素早くできるように配慮してあげる必要があります。初心者で失敗しやすいのが最初に落としたワックスをとにかく溶かしたくて同じ場所で何度もアイロンを往復するような行動です。とにかく一度にワックスを溶かし込もうと思わずに一定のスピードを保ちながら何度もかけてやるのといいと思います。


目安としてはペーパーを引きながらアイロンが通った跡を見るとワックスが溶けているのがわかると思います。その溶けているワックスはアイロンを追いかけるように固まっていきます。アイロンのすぐ近くが固まっているようならば早過ぎます。しっかりと溶けこんでいません。もう少し速度を落として溶けたワックスの帯びがアイロンの後ろ5センチ程度まで伸びるぐらいがちょうどいい感じです。



何度か作業を繰り返していくとソールも温まってきます。そうするとワックスの帯も同じ速度でも長くなっていきます。なので状況に合わせてアイロンを運ぶ速度も早くしてやる必要があります。よく観察しながら見極めてください。ソールの温度が上がっているサインは溶けたワックスがすぐに白く固まらない、ソールの上でいつまでも溶け残っているような場所がある場合です。いったん固まるのを確認してからその場所は心なしか速度を速めながら全体の温度を平均的に暖められるように調節しましょう。

なおソール全体を見ても温まる時間が早い部分があります。それはエッジ付近とビンディングのビス穴の部分、それとノーズとテールの曲がり始めるキックの部分です。主に金属が埋め込まれている部分とソールが薄くなりやすい部分が温度が上がりやすくなっています。その部分も配慮してください。なおエッジ付近は特に内部に接着部分があるので極端に熱してしまうと剥離の原因にもなります。キックの部分もあまり熱を加えすぎると変形する恐れがあります。