解説:スクレーパの選びかたとメンテナンス       


ワックスを剥がすために重要な道具でもあるスクレーパは選び方やメンテナンスによって作業が飛躍的に効率的になります。なのでしっかりしたものを購入して常に最善な状態で維持しておく必要がありますね。

使いやすいスクレーパはその人のやり方にもよって変わってくると思います。以前はボード用と銘打ったスクレーパは大体が厚みが合って長さも長いものが多かったのですが、それらのものは総じて取りまわしが困難で長さがかえって仇となってしまうものがほとんどでした。現在ではスキー用とあまり変わらないサイズが主流となっています。

形もいろいろとありますが一般的なものは長方形です。自分の手の大きさにあわせて両手に収まる感じのサイズがいいと思います。厚みは薄すぎても削るときに曲がってしまい高いにくいばかりか、削りムラができやすくソールまでも削ってしまうことになります。曲がり具合を確認してみて少しの力では変形しないものがいいです。一般的には5mm程度の厚さが使いやすいと思います。



市販ものでなくてもたとえばホームセンターなどで売っているアクリルの板を自分の好みの多きさにして使うのもいいかも。固めのものを選んでください。

あとはスクレーパのメンテナンスです。とにかく職人が使うカンナと同じでしっかりと角を出してあげたスクレーパはワックスを帯びのように綺麗にはがしてくれます。柔らかいワックスなどでは面白いように削りかすがつながって、ちょっといい気分です。角をしっかり出すと削るときに無駄に力を入れる必要もなく、ソールにダメージを与えることなく削り取ることができます。


まるでカンナかカツオブシですね


さてその角の出し方ですが、何種類かありますが、一番簡単なのはスクレーパシャープナーというような名称で購入することができる、スクレーパ専用のとぎ石見たいなものです。簡単に平行に角だしを行うことができます。あまり高価なものではないので買っておくと大変便利です。

簡単に出来ます。これ以外でも色々シャープナーは出ているので自分の使いやすい物を選びましょう。


万力などの挟んで固定できる道具を持っている方はファイルやサイド用のエッジシャープナー、またはカッターの刃などを使って固定されたスクレーパに平行に当ててやれば角を出すことができます。

ファイルでの角だしカッターの刃を使った角だし(怪我に注意)


安価なのは600番ぐらいの紙やすりを平らな台の上に置き、その上で平行にこすれば角を出すことができます。ただ傾きやすいので注意して平行を意識してください。



あと角だし全てに共通することは、角を出した後はしっかりとバリを取ること。これを怠るとソールに無数の傷をつけることになります。角に爪を立ててなぞると落ちるので忘れないようにバリは取りましょう。それとスクレーパの四隅は必ず丸めてください。四隅が立っているとこれも傷をつける原因となります。

@A
B @角に爪をあてて
Aなぞるとバリがとれます。爪と指の間にバリが入ると痛いので
 深爪の人は注意して(笑
B四隅を確実に丸くしましょう



左が新品、右が一年間使いつづけたスクレーパです。毎回角だしするとこれだけ減ります(笑