「お笑い系ダンス」「アート系お笑い」とは一線を画すダンス界希望の星(嘘)
text:桜井圭介
『シザー・ハンズ』のテーマに乗って登場。両手首の先には蟹。曲がJ.Bに変わり、一心不乱に腕=蟹をシェイクし始める。もげるカニ脚、飛び散る蟹味噌、たちこめる蟹臭‥‥以上が『蟹ダンサー多喜二』というネタ、じゃなかった「作品」である。操作される=踊らされる蟹が勝手に引き起こす「グルーヴ」をダンスとして提示する、という他力本願なダンサー。前屈もできない体だが、アニメ映像と合体することにより、ロクロ首のように自在に伸びる腕を踊らせる。そう、ありとあらゆる姑息な手段を使って彼が問うのは「ダンス(におけるリアル)の条件」だ。高く飛べばダンスなの?しなやかに脚を開けばダンス?じゃあ、これは?と、唐突に超スピードでカレーを「速食い」してみせる。すると観客は「オー!」。じゃあ、立派にダンスじゃん、違いますか?って。
ダンス度
身体能力度
グルーヴ度 |
?????
×××××
★★★★★ |
『BT/美術手帖』誌01年5月号[VIVA!肉体表現主義!!!]「21世紀カラダ百科」より |